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天空の蜂
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天空の蜂の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.11pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全179件 121~140 7/9ページ
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いまテレビで放送されているシ-ベルトやメルトダウンなどの用語が次々と出てきます。それとともに今の原発の問題もミステリーの中にちりばめられています。ひとつひとつ明かされる事実を元に謎が解き明かされていく展開は見事です。 | ||||
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綿密な取材に裏付けされた、超社会派サスペンス小説である。 他の東野圭吾作品と比べると、重厚さという面で突出している。 今読むと、どう見ても「このミステリーがすごい」や「週刊文春ミステリーベスト10」で一位を取らなければおかしいレベルの作品に思えるが、それは福島原発の事故があった後に読んだからかもしれない。 とにかく、今はじめて読むのであれば、日本の歴代のサスペンス小説でトップに位置付けられる作品である。 | ||||
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福島原発事故のあとで読むと、リアリティーがある。犯人は高速炉「新陽」(もんじゅがモデル)の上空にダイナマイトを搭載した大型ヘリコプターをホバリングさせ、全国の原発を破壊せよと政府を脅迫する。作者は理工系出身者であるが、それでも原発やヘリコプターの機能をよく調査して小説を書いている。軽水炉の建屋のプール内の使用済燃料燃料が弱点だと小説で指摘している。福島原発でもそうなった。預言書的だ。犯人は純粋な原発反対派ではない。原発推進派も反対派も人間存在の課題を背負っている。人々は豊かな生活を送るためにエネルギーが必要だ。森林、石炭、石油、原子力と人間は生きるためにエネルギー源を求めてきたが、同時に環境を破壊し、気候変動や酸性雨や地球温暖化の報復を受けてきた。快適な生活は捨てられない。でも、環境と共生していきたい。人間の魂は揺れ動く。犯人の苦悩は我々の苦悩を代表しているようにも思えた。 | ||||
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他の方のレビューでもあるように、本書は2011年3月11日の大震災後の原発事故でクローズアップされている、もしくは「されるべき」作品だと思いました。 原発の上空に爆弾と子供を乗せた無人操作のヘリがホバリング。 その実行犯の要求は「日本のすべての原発を停止させよ、さもなくば原発にヘリを墜落させる」と… ミステリ物としても十分に練られた設定ですが、それが自然災害という形で3.11の事故は発生しました。 その後、知人の紹介でこの作品を知ったのですが、一気に読破し、その深いテーマとリアリズムにも圧倒されました。 (そもそも、東野圭吾の作品は、今回初めて読みました) 元・原子力技術者そして大学時代は航空工学を専攻した自分からみても、その設定の隙のなさというか、リアルさには圧巻しました。もちろん、フィクションおよびエンタイテイメントに必要な分の「譲歩」はありますが、それを考慮しても「納得」の内容でした。 なぜ犯人はこの犯行に至ったのか? 真の目的は? そして結末は? それらは全てネタバレになりますので、ここで述べるつもりはありません。 しかし、ミステリという形をとり、ここまで「原発が日本にあるということはどういうことなのか?」を改めて考えさせられる本作品は、出来ればフィクションのままで注目されていてほしかったです。 …いや、むしろそれは本作品の「犯人」の言葉に相反するものかもしれませんが。 『一度は蜂に刺されたほうがいい』 蜂に刺されて痛みを知るのも、刺されずにその危険性を事前に察知して回避するのも、共に同じ人間。 『天罰』などという甘い表現で済まされない現実が、今この瞬間に自分達の世界で起こっている、そう感じさせずにはいられませんでした。 | ||||
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今が旬の原発の話です。原発にかかわる人達のリアルな気持ちが感じ取れます。私も原発には基本的には反対ですが、この作品を読んで、自分のおかれてる立場をしることができました。 是非、読んで頂いて、周りに流されず、原発というものを自分の意見としてとらえてもらいたいと思います。 | ||||
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私は著者の東野圭吾先生のファンです。『天空の蜂』も何年か前に読んだ東野先生の一作品でした。しかし、当時は「サスペンス作品の本」というくらいの認識で、原発問題についてあまり強く意識する本ではなかったと思います。また、数ある東野先生の作品の中でもマイナーに位置付けされる本です。東野先生も「自信作だけど、まるで無反応だった。」と語っていました。 ですが、2011年3月11日、原発事故は、未曾有の大震災という最悪の形で私達に降りかかり、そしてその深刻さを露呈することになりました。この事故を受け、自分も数年ぶりにこの『天空の蜂』を再読することにしました。それは、原発問題に対して「自分自身、何か考えることは出来ないか?」というヒントを本著に求めたからです。 そして、あらためて本著が原発問題において、的確にその警鐘を鳴らしていることを知りました。本著はサスペンス小説ではありますが、他方で原発を様々な視点で考えることのできる本です。なかでも、物語の鍵を握る三島幸一の存在が大きいです。原発を飛行機に例え事故の確率をゼロには出来ないことや、他にも原発は必要悪な存在であることを読者に投げかけています。実際、未曾有の大震災によって蜂に刺された日本は、今も困難な状況の中にあり、未だに事故の収束には至っておりません。 「成功が目的ではない、実行することに意味があるんだ――。」 三島は自己を犠牲にし犯行を実行する道を選びました。彼の悲壮な決意が胸に響きます。しかし、その果てにあったものは「虚しさ」でした。彼は「答え」が欲しかったのです。三島の「答え」を導くのは、他でもなく私達なのです。今、問いかけられています。それでも、初めて読んだ時に気付くことが出来なかった部分を発見しても、私の力では三島が求めた「答え」を導くことが出来ません。自分の不甲斐なさを深く痛感しました。 そもそも、その「答え」に正解があるのかも不明です。「こういう事故があるから原発はいらない」という反対派も、「電気というエネルギーを欲するためには、原発は必要だ」という賛成派も、現実的に見れば、どちらも正しいからです。おそらく、作中で出てきた多くの「沈黙する群集」でさえ、正しいのかもしれません。三島が求めた「答え」は、それくらい大きな枠組みの中にあるのです。 三島が求めた「答え」を導くことは難しいです。ですが、原発事故を受け、私達が必要とする様々なエネルギーついて深く考えることについては可能だと思います。私達は今回、日々の生活において、どれだけ電気というエネルギーを必要としていたかを知りました。それが、薄い氷の上を歩くような危険を伴ったものであることも。また、それを受けた停電もあったり、節電への心掛けもより一層強いものになりました。 しかし、皮肉にもそれを知ったのは「蜂に刺された後」でした。三島が言うように、「蜂に刺される前」から知っていなければならなかったのです。それは、私が「沈黙する群集」の中の一人だったということを思い知らされました。私達はそこから脱することで初めて、原発の在り方を追求する位置に立つことが出来るのです。そして、三島が求めた「答え」はその遥か先にあるものだと考えます。 本著が刊行されたのは1998年。10年以上も前に東野先生が送り出した本です。あらためて、物語の緻密な構成と、そのための原発やヘリコプターの知識を得るために費やした時間に賞賛を送りたいです。当時の東野先生の想いに応えるためにも、本著がより多くの人に読んでもらいたいと願わずにはいられません。 | ||||
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東野圭吾の作品で、一番好きな本です。 今、福島原発の問題が、日本を危機に向かわせています。 今こそ、この天空にいる蜂の一刺しが、原子力行政に警鐘を鳴らします。 ちょう、お勧めです。 | ||||
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他の方も書いていますが、作品の中の 「そもそも夏ってのは暑いものなんだ」 というセリフが、非常に印象的で、 今回の災害が起きたときに、真っ先にこの本を思い出しました。 原発や原子炉の説明にかなりのページを使っていて テロ小説と言うのはちょっとアクションが足りず、 ミステリ部分は弱い(しかも謎解き部分そのものには原発は関係ない)ため 東野圭吾ファンの人でも、この作品はつまらないという人は多いです。 でも、 本当に原発は制御できるのか? という命題をテロ小説という形で書き上げた作者は、やはりすごいと思います。 また、 自分たちの町や村に原発が来るというのはどういうことか、 についても、登場人物たちの会話を通していろいろ見えてきます。 「その本を読み終えたら、世界が今までとは変わって見える」 そういう本のひとつです。 今からでも、ぜひ皆さんに読んで欲しいです。 | ||||
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結構、尻すぼみ感が強く、ミステリーとしても、アクション小説としても、今ひとつかな。 日本を舞台にしたテロリストモノなら『ホワイトアウト』の方が数段面白い。 ただ、原発を多面的に描きつつ、しっかりエンタメしてるので、今の時期に読む価値はあると思います。 面白くはないが、巧い。いつも通りに。 | ||||
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今こそぜひ、日本中の方に読んでもらいたい本です。 私たちの生活(収入)に無理のない範囲で 昼夜を問わず自由に電気を使えるのは 薄氷の上を歩むような、危険と紙一重の技術や努力と、 『今のところ何も起こってない』だけの 運の上に成り立っていることが分かるでしょう。 この作品が単なる娯楽小説であるだけなら、 犯人はこんな犯罪を行いません。 犯人はこう言います。 『原発は必要だけれども、事故は起こすなというのは、 交通手段が他にないから飛行機には乗るけれど、 事故を起こすなと言うのと同じ。技術と努力で 事故を起こす確率を下げることはできるが、 決してゼロにはできない。 搭乗券を買った覚えはないかもしれないが、 日本国民は原発という飛行機にもう乗ってしまっている。 ただ、その飛行機を飛ばさないという選択もできる。 一部の活動家は主張をするが、大部分は沈黙の乗客だ。 彼らが何を考えているかはどこにも誰にも伝わらない』 作中の災厄である『天空の蜂』は、 未曾有の地震と津波という形で私たちの現実に墜ちてきました。 犯人はむき出しの燃料プールを傷つけることを恐れ あえて地下にプールがある高速増殖炉を狙いましたが、 現実はもっと悲惨なものとなりました。 立場が偏らないよう気をつけて書いたという言葉どおり、 作者自身の主義は作中では表現されていません。 しかし、原発を推進する立場、反対する立場、無関心な立場、 様々な立場の登場人物が、様々な立ち位置から 原発を捉え、語っています。 危険=反原発と短絡的になるのではなく、 『見たくないもの、目をつぶって済むならそうしたいものにも 目を向けなければならない。 事実を正しく知った上で、YesかNoを選択せねばならない。 知らないところで勝手に決まってしまったから仕方がないではない。 知ることが、利便や利益を享受する国民の義務なのだ』 それこそが作者の伝えたいことではないでしょうか。 『そもそも夏ってのは暑いものなんだ』 とある登場人物の言葉です。 計画停電で不便をこうむっている今、そして来る夏こそ エネルギーについて真摯に知る、考えるチャンスが 私たちに与えられているのかもしれません。 | ||||
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東野作品の中では最もおもしろい作品の一つだ。事件解決までの時間が早すぎる点を除けば素晴らしい設定と内容だ。同一会社内の人間が他事業所のヘリに細工をして、無人で飛ばす設定に難はあるものの緊張の連続が心地よい。一般文学332作品目の感想。2011/02/09 | ||||
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いつもの東野作品のように伏線が多く張られた作品だと思うのだが、ヘリコプターや原子炉に関する解説が多くて読みにくかった。のでなかなか2回目を読む気になれない。 原発に関する知識がないし関心も薄いので私も仮面の群集に分類されてしまいそうだ。蜂に刺されることにより怖さを知るとあるが、そうなる前に仮面を取っ払う方法を三島さんに考えほしいものだ。眠いから私には難しい。 | ||||
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テロと原発。。。考えてみればこれほど恐ろしい組み合わせはないな。しかも最新鋭の大型ヘリコプターときたら、恐怖は倍増。テロには絶対に屈しないというアメリカでこんなことが起きたら一体どうするんだろう。この作品に描かれている日本政府の対応は「テロに屈しない」を体現しているのだろうか?そもそも戦争が起きて、原発を狙われたら大丈夫なんだろうか?いろんなことを考えさせられた。実際使われているのか知らないが、「沈黙の群衆」という言葉は印象的だった。しかし、子供がヘリに取り残されているというシーンは、犯人の人間的本質や過去の背景と、技術者であるその子の親との対比に必要だったのかもしれないが、ただ緊迫した状況の要素を増やしたいだけなら、不要の設定だったかもしれない。「原発とテロ」だけでどこまで書けるかに挑戦して欲しかった気がする。天才東野氏だからこその希望である。 | ||||
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「いつ原発事故が起きてもおかしくない」、それを我々日本人はどの程度意識しているだろうか?本小説は非常に考えさせられる一冊だった。もはや、単なる娯楽ミステリーの域を超えている。考えてもみれば、日本の原発は安全だからチェルノブイリのような惨事を招かない、などという保証はどこにもない。どれだけ安全性を主張し、現に注意していたところで、事故リスクは決して「ゼロ」にはならないのだ。その一方、この国は原発に頼らざるを得ない状況に年々追い込まれている。ダム開発は予算が追いつかない、燃料価格は年々上昇、クリーン代替エネルギーは開発が進まない…。だが、どれだけ事故リスクが高まっても原発を停止させることはないだろう。政府は必ず安全性を主張し、メディアは必ず批判する。国民はそんな茶番劇に翻弄された挙句、「勝手にやってろ」「どうにかしろよ」と他人事にしてしまうのが近年の流れだからだ。いつの間にか忘れ去られる。中国との確執がますます拡大する現在においても、我々日本人は「まぁ戦争には発展しないだろう」と楽観視していないか?国政選挙にしてもそうだが、重大な影響を及ぼすことに無知・無関心である人ほど、後になって人一倍文句を言う。未来は不確実なのだ。何があってもおかしくないと心のどこかでは覚悟しているべきなのかもしれない。そして、一人ひとりが責任を背負うべきなのだろう。本説からは脱線したレビューになったが、改めて社会構造の矛盾や問題について深く考えさせられた。私はまだ社会人になったところであるが、多くの若い人たちに本小説を読んでもらい、何かを感じとってほしいと思う。 | ||||
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最新の技術を導入して製造された大型ヘリコプターが奪われた!爆薬を搭載して原子力発電所の真上でホバリングする無人のヘリコプター。犯人の要求を受け入れるのか?燃料切れというタイムリミットの中で、はたして解決策はあるのだろうか・・・。 爆薬を搭載させた無人の自動操縦のヘリコプターの真下には原子力発電所がある。犯人の要求を受け入れるわけにはいかない政府。だが、非情の決断が最悪の事態を招くこともある。さらに、ヘリコプターの内部には・・・限られた空間、限られた時間、そして地上の人間にできることも限られている。そんな状況で、時間だけがどんどん過ぎていく。冒頭の衝撃的なできごとからラストまで、緊迫感が持続していく。いったい最善の解決策などあるのだろうか?読んでいて絶望的な気持ちになってくる。だが、最後の最後まであきらめない人たちがいる。わずかな希望に賭ける彼らの行動はすばらしかった。犯人にとって、ヘリは「天空の蜂」の役割を果たしたと言えるのか?彼がなぜこんな行動を起こしたのか?彼は何を言いたかったのか?この作品を通して、考えることも多かった。面白さと重いテーマを持つ、読み応えのある作品だった。 | ||||
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主要な登場人物は、その視点にたてば誰もが主役となれるくらいの役割を演じている。 それくらい描写は詳細に行われている。そもそも、この小説の主役は湯原だったのか?川島だったのか?雑賀だったのか? さらに詳細な描写を加えさえすれば、ある意味で航空自衛隊救難員の上条も主役となり得ただろうし、刑事の室伏も同様だろう。 この場合には小説のテーマは別の側面から設定されなければならないだろうが。そして、それくらいこの小説には多くの要素が 盛り込まれており、単純なテロ小説ではないことがわかる。 これは本質的には社会小説である。そこには筆者からの、「確立されたとは言えない核技術」というものと「人間の求めるべき 幸福とは何か」というテクノロジーと人間らしさといったおよそ相反するものの間でのトレードオフに、どう折り合いをつける のかといった永遠の問いかけがあるように思える。 遠隔操作によって、盗んだ新型ヘリに爆弾を乗せ、原子力発電所の上空でのホバリング。日本中の原子力発電所の停止、廃棄を 要求する犯人。しかも無人だと思われていたそのヘリには偶然にも小学生の男の子が紛れこんでいた。この男の子を救出するた めに救難員たちの神業的な仕事が中間地点でのハイライト部分とも言える。ホバリングした状態で動かすことのできない新型ヘ リに救難隊のヘリはどう接近し、どう救出するのか。高度1000mでのヘリからヘリへ乗り移っての子供の確保とタンデム・ スカイダイビングは007を超えるスカイアクション。そして奇跡的に救助は成功する。しかし、これで事件は解決したわけで はない。犯人の最終的な狙いは本当に原子力発電所の停止や廃棄なのか?そして犯人側とヘリの核施設への墜落を阻止する側の 行き詰まる駆け引き。あとは本を読んでのお楽しみ。 | ||||
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古い作品なのでやめようかと思いましたが、どこかのレビューでよかったということで購入。 冒険作品なのはいいですが、原発とかヘリの理屈とかたくさんあって、あんまりすっきりしない文面だったと思います。 450ページもあるので実に面白い内容を考えると、2/3の内容のほうがより面白くなったのではないでしょうか。 | ||||
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一回目に読んだときには、ストーリーを追うのと専門用語の多さに圧倒されてしまいましたが、 再読してみると、かなり考えさせられました。 原発に爆薬を積みこんだヘリを落とす。 このテロによって、今まで目をそらし続けていた原発に、国民全員が目を向けることになる。 自分にとって原発とはなんなのか? 多くの登場人物を用いて、多くの視点から描写していく。 原発を動かしている人たちから、その恩恵をまったく意識せずに使っている人たちまで。 こんなにも多くの人が原発に関わっているのか。 というよりも、自分も原発に関係あるのだということに気付かされる。 この、訴えるようなメッセージ性がとんでもなく強い。 自分だったらどうかと、物語に引き込まれる。 他にも、地方への誘致の件や、テロリストの罪に関する話など、原発に関するとても印象的なエピソードが多数盛り込まれている。 最後に明かされた事実にも、興奮しました。 圧倒的緊張感の中、そこに込められた社会性がとても印象的でした。 原発への無関心は許されない。 ぜひ、2回読んでみることをオススメします。 | ||||
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読んでいて早く逮捕してと刑事を応援している自分と、テロリストを応援している自分がいました。結末についての感想はネタバレになりますので書きませんが。気になったので読み終わった後に、原発と白血病の関係を調べてみました。心を動かした意味でフィクションが現実に影響を与えたと言えるでしょうね。同時テロのときに、原発に航空機が突っ込んだらというのを評論家が語っていたのを思い出しました。人間は蜂に刺されてからではないと(事故が起きてからでないと)、わからないんですね。 | ||||
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登場人物や機材、背景に対しての綿密な描写は流石です。そして原発に無人ヘリを滞空させて 「日本」を人質にとるというスケール感は圧倒的。 しかし、壮大すぎるスケールが逆に現実感を損なわしてしまい、あまり感情移入できなかったです。 緊迫感を出そう出そうとしているなーとも感じましたが、これは小説という文章での表現では無くて 映画やドラマなど、映像化したほうが映えるなーと感じました。 「原発の上のヘリ」とか、頭の中で想像するよりも実際に「絵」で見てみたいと。。 全然面白かったんですけどね。。 | ||||
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