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髭殺人事件 チャーリー・モルデカイ4
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髭殺人事件 チャーリー・モルデカイ4の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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モルデカイの1から4を読み終わり、これ以上ほかのお話が無いのが寂しいです。皮肉やスパイスの効いた、いろんな知識たっぷりの、お酒やおいしい食べ物がいつも頭の中にフワフワ漂っていて、怠け者でもあるけどやらなきゃならない土壇場では前に進む、この主人公の世界が私には居心地よく、ああ今日もモルデカイの世界にはまろう!と思って毎日読みました。 私は今の日本でも忖度しなければいけないピリピリした場に居られないタイプですが、イギリス階級社会の階級ピリピリの中に行くと、態度やことばで忖度や目的を達成するための駆け引きがものすごく、その中を泳いでいくのは大変なことだなー、と思いました。生れ落ちた階級、相続したそういう立場、上り詰めた社会的地位などが圧倒的に上からの力となるイギリスでは、どうあがいても上に行けない場合、アメリカにでも行こう!となるのも無理もないような気もしました。ここでは地位を得るという事は自由を有する、という事になるわけだし。また、そういう上の人たちに、仕える者としてうまく振る舞いながら、何を言われても絶対に傷つかないような、労働階級の達観ともいうべきものを身に着けている人も、そういう社会では生まれるわけで、そういうのもすごいし面白いと思いました。人のユニークさ、です。モルデカイの語りはそういう事にも言及してくれています。そしてジョックという魅力満載の用心棒、兼従者、という感じの人も最高です!お料理もできちゃう!ありあわせの材料で、いかにもおいしそうなものを! この第4巻は未完のままボンフィリオリ氏がなくなったという事で、最終章を批評家で風刺家のクレイグ・ブラウンという人が加筆して仕上げたそうです。最終章で犯人の正体がわかり、どういう事情だったのか、その異常ないきさつもわかるのですが、ダラダラしないで決着つけなきゃならなかったとは思いますが、なかなか面白くしかも1章で決着ついていますが、ボンフィリオリ氏だったら、・・どうだったのかな?とは、思うところです。決着つけなきゃ、という感じも否めない最終章なので。 もうボンフィリオリ氏がこの世にいない以上、あとは、引用によく出てきたPGウッドハウス氏の本を読もうかな、と思うところです。 余談ですが、ジョニーデップの映画の方は・・・あの映画も知識とウィットとのんきな上流階級のモルデカイと彼に仕えるジョックのコンビでとても楽しかったのですが・・・俳優さんたちも映画にした監督さんやスタッフも、素晴らしい音楽を付けたあの人たちも、すごいレベル高いと思うのですが・・・この原作4冊を脚本家した脚本が、上手じゃなかった、と言わざるを得ないような気がします。要素がいっぱいあって、時代も70年代で、今ではコンプライアンスで出せない要素もたくさんあるだろうから、脚色は大変な仕事だろうとは思うけど、もらいゲロとか、う~ん、もしボンフィリオリ氏が見たら、何と思うか?もちろん大抵原作者というものは映画を見て気に入らないことは多いとは思うけど。脚本家のエリック・アロンソン?という人は、その前の脚本で、気弱な男の物語を書いたそうなので、ちょっとモルデカイ氏に通じるところがあったので選ばれたのかもしれませんが、やはりこれだけのボンフィリオリ氏の面白い原作を、もっともっと面白く映画の脚本にできるすごい人がいたら、よかったのになー、と思います。 | ||||
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原題 The Great Mortdecai Moustache Mystery(原著1997年刊行) 作者没後、ほぼ完成されていた遺稿をクレイグ・ブラウンが補筆したモルデカイ・シリーズ最終作。 第三部にもちらりと登場した女性研究者の不審死の真相を探るべくオックスフォードの母校に潜入するモルデカイにまたも訪れる危機。 著者自身の履歴を反映するようなカレッジでの馬鹿騒ぎ三昧のエピソードが傑作で、抱腹絶倒な中に郷愁を込めて語られるそれはイーヴリン・ウォーやウッドハウスを思わせる。 カレッジ・ミステリとエスピオナージュを掛け合わせ戯画化したような物語は行き当たりばったり的に奔放だが、縦横無尽な古典の引用や言葉遊びに埋め尽くされた饒舌な語り口の魅力で飽きさせない。(従僕ジョックの活躍が少ないのは実に残念だが) 全四作を通読し、英国人の真面目な顔の下に秘められた辛辣で露悪的なユーモアを存分に堪能したが、この難物に取り組んだ訳者の苦労は想像に難くなく、最上級の敬意を払いたい。 | ||||
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