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猫と幽霊と日曜日の革命: サクラダリセット1
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【この小説が収録されている参考書籍】
猫と幽霊と日曜日の革命: サクラダリセット1の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全32件 21~32 2/2ページ
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本作を手に取ったのは、椎名優さんのイラストが素敵だったのと、 帯の「乙一絶賛!!」に惹かれたという不純な動機だったのですが、 良い作品にめぐり合いました。 住民の半数が特殊な能力を持っている街・咲良田で、 主人公のケイ(男子高生)と春埼(女子高生)が、能力を取り締まる 管理局を意識しながら、自らの力を駆使して問題を解決する・・・ あらすじを端的に言うと中高生向きのライトノベルに思えてしまいますが、 決してそんなことはありません。 まず、ケイと春埼の持つ能力は万能ではなく、2人の能力を組み合わせる ことで効果を発揮するため、「どのように力を使うのか?」という 謎解きの要素があります。 また、伏線もうまく張られており、魅力的な登場人物の行動や心の葛藤を 目にしながら、徐々に引き込まれていくと思います。 続編はもちろんのこと、河野裕さんの描く他の作品も読みたくなりました。 | ||||
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「もし、3日間をリセット出来る能力があったら」という作品でありながら、 そのテーマのメタフィクション的な側面を持っているように感じました。 この作品の主人公は、リセット後に「喋る言葉」でさえリセット前と同じ行動を取るように心掛けています。 行動には結果が伴い、その結果は発する言葉でさえ変わる可能性がある。 冷静に考えると当たり前ながら、それをテーマにまで昇華させた作品は少ないのではないでしょうか。 主人公がリセット前と変わらない行動をとっているにも関わらず変化が起こるなど、 「何故変わったのか」という疑問を抱かせ先が気になる展開を絶えずに出してくる。 但し全体的に淡々とした印象を受けました。キャラも薄く感じます。 テーマ自体は面白く、これからの続巻に期待という意味を込めて☆4です。 | ||||
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あらすじを見たときは『NEVER 7』のような感じのループものだと思ったけど、それとはまた少し毛色が違った内容でした。 時間の巻き戻しという設定のなか、未来に起きてしまう事態をタイムリミットまでになんとか防ごうとするあの緊迫感がまるでないのに、おもしろい。 伏線を散りばめながらもそれをインパクトを与えるための起爆剤につかわずに、何気無く答えが文章のなかに置かれたような不思議な文体でした。作者的にここが見せ場だよ、とこれみよがしに明かされるより素直に楽しめたいい作品です。 まだ回想だけの登場だったり、掘り下げられてない愛すべき哀れなキャラクター(特に主人公のキャラが最後までいまいち掴めなかったかな、出番が多いくせに)がまだまだいるのでぜひシリーズ化して欲しいです。 | ||||
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ストーリー展開に説得力が欠けます。 猫とか幽霊の人が話の大筋と全く関係がなくてずっこけました。 話転がすためだけの能力者って一体。 特にかわいそうなのがオチのためだけに存在する男友達・・・。 とりあえずこのテンプレートを受け入れる土壌が必要なので、 ある程度訓練された読者でないとついていけません。 そして、よく訓練された読者にはすべてが浅く見えるのではないでしょうか。 雰囲気を楽しむ小説ですね。 | ||||
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見かけは三人称の文体なのだが、実際は浅井ケイと春埼美空、二人の高校生の視点で交互に語られている。 二人が住む咲良田は、一見するとただの沿岸の地方都市。ただ一点、住民の半数以上が超能力者だということを除くならば。そして、浅井ケイは全ての記憶を忘れない能力、春埼美空は三日だけ世界を巻き戻すリセットの能力を持っている。 超能力者といえばバトルものという展開を想像しがちだが、いきなりそうはならない。何せ二人の能力はバトルに直接役立てられるようなものでもない。だから彼らの下に来た依頼も、死んだ猫を生き返らせて欲しいという、一見平和で、でもある意味、過去を捻じ曲げるという無謀なもの。しかしそれが出来てしまうのがリセットという能力だ。 この依頼は単なるきっかけに過ぎず、それ自体に意味があるわけではない。すべてが終われば、まるで何もなかったかの様に世界は平穏を取り戻す。重要なのは、きっかけによってはじまる人との出会いであり、それが引き起こす悩みであり、過去の記憶を掘り起こして後悔することであり、何かを変えようと動くこと、それ自体である気がする。 本当は何も起こっていないのかも知れない。だから、どんなに能力を駆使しても、何も変えられないことはある。しかし一方で、少しは変わる部分もある。そしてその積み重ねは周りに影響を与え大きなうねりとなる、こともあるかもしれない。 派手な物語ではない。世界が決定的に変わることもない。ただ、静かな物語の中にも何か大きな動きがある。そんな感じの作品です。 | ||||
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1冊で完結している内容で、軽快なテンポで読み進めることが出来ました。 あの時に戻ってもう一度やり直せれば、というリアルでは叶わぬ夢を実現できる能力と、それに伴う痛みやジレンマを上手く組み込んでいると思います。 もしかすると続編も作るかもしれないということで期待したいと思います。 | ||||
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乙一絶賛、というオビに惹かれて購入。 確かに世界観や文体、雰囲気は乙一のラノベ作品に似ているところもありますが、 結局のところセカイ系か……という印象でした。 文章も雰囲気も、セカイ系に抵抗がない人であれば楽しめる作品だと思います。 良作と言ってもいいかもしれません。 しかし自分はダメでした。 3日間リセットされる世界という面白そうなギミックのわりには、 ストーリーのひっくり返し方や展開にそれほど驚きをもたらすものがなく、 また、要点や核心をぼかし続ける抽象的な言葉のやりとり、 雰囲気重視のセリフ、終始自己完結した感情の起伏に乏しい主人公たちに少々イラっときます。 また、主人公が青臭いのに妙に老成してしまっているところも痛々しく感じてしまいました。 「少女」を失ったことの痛みが伝わってこないので、どれだけ彼が傷ついて、 後悔し、優しい世界を求めているかに感情移入できず、ただ平穏無事で、表面だけが取り繕われた優しい世界を維持しようとしているだけに思えます。 イラストはとてもよかったので★2。 | ||||
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一言で表現すると”村上春樹風文体のSFミステリー”。 こう言ったジュブナイル物はうっかりするとエンドレスになりがちだけど上手い具合に物語りを纏めています。 表紙がイメージする程オタクな内容ではなく、どちらかと言えば筒井康隆の書いたSFを指向したんだろーなーと思われるので、この表紙はある意味失敗かも。 普段この手の小説を読まない人を取り込むにはいい材料だけど、通常のSFミステーリー好きを遠ざける結果になったかも。 ■読んで欲しい人 ・普通のSF好きの人 | ||||
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良作なようですが私にはあわなかったようデス。乙一絶賛とあったから、きっと気に入るだろうと思ったんですが… 一度違和感を憶えてしまうともうダメみたいです。 今まで読んだ小説は、ほとんどなんの疑問も抱かずにその世界観に浸れたのですが、この作品は唯一しっくりきませんでした。 感情の希薄な主人公たちが"ハッピーエンド"に辿り着くまで何度もリセットしよう!みたいな感じの内容に思えます。 会話内容も人間関係も薄っぺらなものばかり… あー、椎名優さんの素敵なイラスト以外に良いところが見つけられない…。 これは本当にやさしさなのでしょうか? 主人公 浅井ケイ のエゴにすぎないのではないでしょうか? 現に人が死んでしまっても、"そんなことは問題ではない。リセットすれば済む事だ"とあります。 つまり、‘死んでも生き返るんだからほっときゃいいじゃん’もしくは現実に言い換えれば "死んでしまったの?じゃあお葬式あげましょ♪"みたいな感じなんじゃ? これが優しさだと言うなら私の認識を改めなければいけないですね。 春埼がケイに(もしくは逆)依存しすぎな処も少々気味が悪い。 完全に2人だけの世界と化している気がします。 "生きているということは、いつでも死ぬということだ。" この言葉だけは共感できます。 そして最後だけ綺麗に締めて終わってる感が否めない。 長々と批判をしましたが、こんなに引っ掛かった作品は初めてなので、続編が出ればもう一度読んでみようと思います。 再び同じような疑問を抱くのか違う意味で楽しみデス。 そしてたくさんの人にこの作品を読んでもらい、色々な意見を聞きたくなりました。 どうか 「サクラダリセット」を読んだ、と言う方、レビューを…。 | ||||
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「能力者」と聞くだけで「バトル物」の作品というイメージを持っている人が多いと思います。 本作にも一応バトルのようなシーンはありますが、作品全般としてはほとんどバトルはありません。ちょっと変わったタイプの能力者物の小説ですね。 ミステリー要素が多く、序盤から伏線がいくつもありますが、この1巻で全ての伏線を回収し、完結しているので、しっかりまとまっていて完成度が高いと思います。 また、本作に登場するキャラ達は暴力的な言葉をほとんど使わないため、読後感もすっきりさわやかで良い作品です。 | ||||
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「甲子園を目指す野球部だと思って入部したら、実は静かに読書をする文芸部でした。」 読んでいるときの私の気持ちを無理やり例えるとこんな感じでした。 能力者の集う街、強力な力を持つ主人公とヒロイン、という紹介文を見てから読み始めたために「なんか違うぞ?」と感じることとなった本書ですが、そういうものだとわかって見てみるとこれはこれで面白いもので。 淡々と書かれた言葉は巧みであり、文章にも話の内容にも、この手のテーマを扱った作品にありがちな青臭さとも言い換えられる稚拙さはありません。 その書き方から「さあここが盛り上がるところです!」という場面はないものの、話としてキレイにまとまっており、読後感も良いです。 設定だけ見るとそれこそ中学生が思いつきそうなものですが、中身はしっかりとした文章の書ける大人が書いたものになっています。 ‐‐‐こうして甲子園を目指すつもりが文芸部に入ってしまったワタクシですが、やがてあることに気づきます。 思いがけず入った文芸部ですが、よくよく見てみるととてもレベルの高い部活動であり、これはこれでアリかな、と思うにいたるわけです。 | ||||
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『能力者が集う町』『リセット』『管理局』『Aランク』 こうやってキーワードだけ並べてみると「はいはい今時の中二病セカイ系ノベルですね」って感じ。 だけどこの作品はとても繊細な「優しさ」や「いたわり」で満たされている。 基本的な意味での「真面目さ」と言っても良いかもしれない。 「世界中の人が幸せになりますように」と密かに祈るような。 「セカイ系」は平凡な日常をそのまま世界の命運に接続してしまう。 そのダイナミックさが「セカイ系」の大きな魅力だけれど、本作の主人公である浅井ケイはその平凡な日常の方をとても愛して、大切にしようとする。 そして平凡な日常を幸せに生きていくために必要なのは、「超能力」や「超科学」ではなく「優しさ」や「いたわり」だ。 この新人作家のデビュー作となった「セカイ系」小説は、日常を舞台にしつつも実は日常をないがしろにしつづける「セカイ系」ムーブメントへの、静かなカウンターなのかも知れない。 | ||||
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