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悲嘆の門
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悲嘆の門の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 21~27 2/2ページ
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「英雄の書」の合わせ鏡とのこと。才能は枯渇はしていたとは思っていたが。。。 「無」「死」への諦観(これは共感)と自分の紡ぐ「言葉」「物語」への執着か。 「物語というものは人間が死と対峙するために生み出したもの」だがこの作品自体、十分な物語になっているのか。 「たった一度しかない、限られた人生。理不尽だという意味においてのみ、万人に平等に訪れる死。その恐怖に打ち勝ち、喪失の悲しみを乗り越えて生きていくために人間は物語を生み出した。」作者の意図の代弁か?共感はできる。 「死は完結した事象よ。死によってその人の人生は終わる。生あるものは必ず死ぬ。そして死者はもうどこにも存在しないし、戻ってくることもない。でも、物語はその事実に抗することを語るの。その事実に逆らって,残された者を慰め、励まし、生き続けていくための光と希望を語るのよ。」「それこそが、物語が存在するもっとも大きな、尊ぶべき意義と意味。人生が一度しかないことに抗う、想像と創造の力だ。」 これが作者の矜持ではないかな。表現の稚拙はともかく、この点には共感するものがある。 | ||||
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悲嘆の門(下) いいですねーよみたかったからね。 レビューはイランでしょ。 | ||||
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強く引き込まれて何度も読み返して味わった部分と、全く感情移入できずに冷めてしまう部分の 両方が混在していた。上下巻通じて星を5つ付けたい所もあれば、2つで十分だと思う所もある。 下巻で特に、このアンバランスが酷かった。 「女神」を殺された主人公が、復讐の為、異形の者から特別な力を借り受ける、という王道の ストーリーは良い。読者も、本を握る手につい力が入る。 異能の力の発現の仕方もユニークで新しいと思った。 中でも特に幽霊を見た時の描写が、なぜかとても印象に残っている。いいなあ、と思った場面だ。 また、著者の他の作品同様、オッサンの人物造形がとても魅力的だ。都築が登場すると (危なっかしい主人公との対比で)とてもほっとしたものだ。 悪い点についてだが、女神の事件の決着後、他の事件に積極的に関わろうとする 主人公の心情がとうとう理解できなかった。悪を駆る快感におぼれた、と後から説明されるが 社長の仇を討つ、まさにその瞬間の主人公は、快感よりも 「目の前からこのおぞましい存在を消したい」と言う 拒絶・逃避といった感情の方が強かったように読めるからだ。 主人公の冒険にはここでピリオドを打っておいたほうがお話として纏まったのでは ないかと思う。その他の事件も、読みすすめれば確かに興味深くはあったのだが 主人公の強い決心と覚悟を伴った女神事件とは絶対的な断絶があり、読者としては 気持ちを切り替えるのに少々時間がかかった。更に言えば ガラと連れ立っての「この世界の謎を解く旅」は蛇足に過ぎたのではないか。 おそらく読者が宮部作品に求めているのは、あくまで現実に軸足を置いた フィクションだ。ミステリーだ。 都築がガラの力を(不本意ながら)借りて犯人を知ってしまうシーンなど 実にスリリングだった。だから全ての非現実的要素を否定したいわけではないのだが やはりファンタジー要素は、薬味程度に効かせる位でよかったのにな・・・と残念に思う。 (たとえば「クロスファイヤ」などはその路線だったと思うのだが) 呪術や【狼】が出てくる、ファンタジー100%のシーンでは、 真に失礼ながら、こういうのは上橋菜穂子氏にまかせときゃいいのにと思ってしまった。 一体、著者はガラと主人公に幻想の世界を巡らせることで、読者に何を 見せたかったのだろうか?私にそれが理解できる日は来るのだろうか。 そんなモヤモヤとハッとさせられる部分との混在した作品、よって星3つ。 | ||||
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【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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主人公は、三島孝太郎。大学生。 ネットの書き込みなどを監視する会社でバイトをしている。 連続殺人事件をきっかけに、孝太郎は犯人捜しを始める。 そのために、動くガーゴイルの力を借りることとなる。 当初は、義憤にかられての行動であったが、 いつしか復讐心に捕らわれていく・・。 人間の言葉の力について、改めて考えさせられた。 良い言葉も悪い言葉も、自身の中に蓄積されていく・・。 決して消えることはない・・。 上下巻の約800ページを読ませる作者の構成力には、 いつもながら脱帽させられた。 しかし、下巻の後半は、ファンタジー過ぎる展開に戸惑った。 他のレビューにもあるが、最後に時間が少しだけ戻ることは理解できない。 どうしても、ファンタジーの要素が前面に出てしまっているので、 もっと、現実社会という縛りの中で描かれた方が 社会派の秀作となり得たのではないかと思う。 | ||||
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暗く悲惨な事件の予感がする読み始め。。。 小さな女の子が、電気代を払えず電気を止められた部屋から 窓の外を見ると・・ バブル期に建てられ廃墟となったビルの屋上の石造の上に 羽の生えた人間が空から降りてくるのを見る。 主人公の一人は、男子大学生。 もう一人の主人公は、退職した刑事。 この2人がひょんなことから連続殺人事件と動くガーゴイル像のなぞを解こうとしていきます。 宮部さんの「言葉」への思いをとても感じました。 たとえ、思うだけ、ネットに書き込むだけだとしても、 言葉は思考に影響し、それは行動に影響する・・・と言いたかったのでは? という感想をもちました。 私の好みとしては宮部さんのファンタジー小説(英雄の書とかブレイブストーリー)よりも 社会派や時代物の方が好きなので、星3つの評価に。 | ||||
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伏線が張り巡らされています。前半~後半初めまではミステリー色が強く、ファンタジー感はあまりなかったです。 英雄の書の主人公であるユーリも出てきますが出番はそう多くはなく(それも作者的伏線だと思いましたが) 単独で読まれても問題はないと思います。 お話は、ネットセキュリティー会社でアルバイトをしている主人公が、事件に巻き込まれたかもしれない友人を 捜索しているさなかに異界の怪物に出会うことから始まります。憧れていた上司を殺されてしまいその犯人を見つけるため 怪物の能力を借り、言葉を見る能力を使い事件を明らかにしていきます。ここからが面白いところ・・・ 評価が3なのは・・・優しい主人公で行動力もあります、人の気持ちも察します、様々な場所でそうなってしまったと 差し込んでありました。でも甘ったれ感に歯噛みしてしまいました。私が若くないからだと思います。 ですから、逆に作者の今の若者への洞察力や言葉への危機感がぎっしり詰まっているからなのかなとも思います。 人の悪口を言いたくなったら。人のことを妬みそうになったらこの本を思い出すかもしれない。 言霊という言葉を久しぶりに思い出しました。 | ||||
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