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(短編集)
プラナリア
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プラナリアの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全71件 41~60 3/4ページ
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山本文緒さんの作品は大好きでほとんど読みましたが、その中でもこの本は少し考えさせられました。無職の女達の話・・・病気そして人生への絶望、少しなげやりな主人公達を見ていて、誰にでもこのような状況はあるなあ、と思わずにはいられませんでした。 | ||||
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この作品をきっかけに山本文緒さんを知りました。 正直、読むと必ず 自分が何処か閉鎖された感じがして、 封じ込められた感じがして、 逃げられないような。山本さんは容赦ないです。 読み終わると「もう読みたくない。。」と感じてしまうのに、 なぜかまたしばらくすると読まずには居られなくなります。 | ||||
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離婚や辞職など、他の作品については想像が付けづらいのでとやかく詳しいことは言えませんが、「ああ、こんな事よくあるよなあ」ということが沢山ありました。 ただ、(冊子での話ですが)読み終わって、『どこかではないとこ』の話の印象が少々薄かったかなと思いました(思いだすのに少し時間がかかりました) | ||||
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世の中は、繰り返しと決めつけで出来ている。誰もが繰り返しと決めつけに少なからず甘えて生きている。自分のその甘えを棚に上げて繰り返しと決めつけの都合悪い気分悪いところに不平不満だけを言い出すようになったとき、この短編集の主人公のようなところに行き着いてしまうんじゃないかと思う。誰にでもその可能性は孕んでいると思う。 何もしなくてもなんとなく生きていられるのって、幸せだろうか?そもそも、ほんとに「何もしなくても」生きていられるんだろうか?退屈だから繰り返しばかりが目に付いてしまい、決めつけられることに敏感になる。でも自分ではどうすることもできないから、何もしなくても平穏に生きられることを望んでいる癖に、わざわざその平穏を自分から壊すようなことをして繰り返しを打ち破ろうとしてしまう。この「どん詰まり感」を味わう価値はあると思う。 | ||||
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『プラナリア? あの半分に切っても元に戻っちゃうナメクジみたいな奴?』 "無職"がテーマで それをめぐる人間模様が描かれている。 結局,社会という共同体の価値観が求めることと それに応えられない人のジレンマ。 職を持たない原因が病気であったり,離婚であったり 主婦であったりする。 "共同体の価値観に従うことが幸せに繋がる" という幻想を抱いている人たちによる 無責任なプレッシャー たとえば,30歳までに結婚するとか 結婚したら子供をつくるとか そういった,本当に意味があるのか 解らない価値観によるプレッシャーは 与えられる立場になると かなりキツイ。 精神的な自律をしないと その圧力から逃れることなんて きっとできない。 | ||||
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山本文緒さんの読み物は、同じ女性として見せたくない部分を書かれている感じがして、どれも後読がすっきりしません。 とはいっても、共感するところもあるのでついつい読んでしまいますが。この本もそれがよく出ています。 直木賞をとった「プラナリア」は、主人公が若くして乳がんになったことにより、それ以降なにをやるにも乳がんを理由に人生に投げやりな態度をとってしまうのですが、なんでそこまで卑屈になるかなぁと思う反面、女性特有の頑なな気持ちになるのもわかります。 他の作品も心がえぐられるような、それでいて違う女性の一面を見ることができて、どっぷり浸かることができます。 | ||||
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他人には、‘この人のここは変’というのが必ず見つかるもの。 この作品は、その人ごとに異なる変な部分を描こうとした作品ではないかと思いました。物語では、この変な部分が原因で無職状態になっていたり、他人の‘変’にかき回されます。とかく自分の‘変’には気がつかないし、もし気がついても直す気は無いものです。プラナリアでは、乳がんの傷が、主人公の‘変’を作っている原因です。解決の仕様が無いことで、自分の中に‘変’が出来てしまった場合、受け容れるしか方法が無い。 この物語りは、何かしら簡単な解決方法の見つけられないこと、を無意識ではなく意識しながら抱え込んでいる人が、共感できるのではないでしょうか。 | ||||
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初めて山本文緒の文章に触れたのは高校三年の正月が明けてすぐにあった模試だった。それがこのプラナリアだ。冬休みも真っ最中なのに模試かよ、などと思ったものの、センター試験の僅か二週間前だったためそんなことを深く考える暇もほとんど無く、直向きに鉛筆を動かしていた時期だ。90分間の模試の中で小説として出題された。それが僕の頭の中でずっとひっかかり、ちょこっと調べてみた結果直木賞を受賞してそれ程間もない作品であったのだと言うことを知った。無事大学に合格してから山本文緒の作品をとりあえず全て読んだ。年月を経るに従って深みが増してきていると思う。 山本文緒は常に人間の弱さや脆さを徹底的に描く。そしてそんな弱さや脆さを持つ登場人物たちは往々にして社会的にダメな人間ばかりだ。それでも彼らは彼らの幸せのために懸命であり続ける。泣いて、笑って、いじけて、時には“自分では無い何か”に責任を全てを投げ出してしまったりもする。そして彼らはいつもそんなことをしてもどうにもならないのだと“気付く”。そんな作品の数々に読者は共感し、教えられ、時には虚無感に苛まれ、あるいは癒されもするのだと思う。挫折したことの無いひとはあまり理解できないかも知れない。 多分、作者の山本文緒自身それ程強い人間では無いのではないだろうか。エッセイ集である日々是作文を出版した後、体調を崩し数年の間休筆されてしまった。遠くで応援し続けていた結果、遂に先日復帰を果たしたようで、嬉しい限り。そして6/20にファースト・プライオリティ、9/2にプラナリアと連続して文庫化。プラナリアの文庫化に五年もかかった理由はそんなところにあったのかな。それにしても、無理はされないように、今後も是非執筆活動を続けて行って欲しい。 全然関係無いけど、「ネイキッド」でのチビケンがかわいすぎる。欲しい。 | ||||
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「どうしようもない自分」をもてあましている主人公たちの短編集. 打算的で,ひねくれていて,素直とは程遠く,でも変わろうとする気にもなれないでいる自分を,一番疎ましく思っているのも自分.人からの優しさや善意を,正面から受け止めれず,「どうして自分ばかりこんなに辛いのか」と信じてはばからない. こういう人,いるなぁ,と思うと同時に,かすかに,自分自身の中にも同様のものを見てしまう. だから,ここに描かれている主人公を,私は嫌いにはなれない. 憎たらしくも愛しい人々の日常...巧いなぁ,山本文緒. | ||||
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めちゃめちゃひねくれてます。ここに出てくる人たちは。 きっと、前向きに頑張ってる人や、最高に幸せの人には、「なんでこの人たちこんなに暗いの?なんでこんなにひねくれてるの?」って思うかもしれない。 でも、今、こんな気持ちを少しでも持っている人は、共感できると思います。 ただ、前に進めるかどうかは、問題だけど・・・。 | ||||
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仕事を辞めた直後にコレを読みました。 読んだ時は「ウッ痛いとこついてきやがる・・・。」位だったのが、後になる程効いてきて、ひどく落ち込みました。 それぐらい仕事をしていない女子を描きすぎている。 仕事をしていない女を言葉に変換すると、こういう風に描かれちゃうんだ〜チェッ!図星だよなぁ〜というのが感想です。 仕事を辞めたばかりの女子は読まない方がいいと思います。 読んで、どっぷり落ち込んでまた別の新しい道を探すというのも一つの手ですが。 | ||||
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「プラナリア」では、主人公春香の自分に対するもどかしい気持ち、 ほんとならもう病気のことを忘れてしっかりしなきゃならないと わかってるのにできない というもどかしさがよく伝わってきた。 どうして働かないのか聞かれ、本当なら乳癌だからなんて言いたくない はずなのに わざとネタのように言っている春香の胸の内を考えると なんだか切なくなった。 | ||||
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プラナリアは二十代半ばの女性、乳がんの手術後2年経過した春香の一人称小説だ。 年下の彼氏、友人、家族、みんなが春香を大事に思い、一生懸命に社会復帰を手伝おうとしているのだが 春香・・・わたしはやる気がおきない。 「がんの転移や再発がみつかったわけじゃないんだから、いつまでもうじうじやってないで前向きに 生きよう」 春香は心の中で静かに決定的に反発する。 <大きなお世話だ。 私の気持ちは他人にはわからないよ、私だってよくわかんないんだから> すごくヤナ感じなんだけど、うまいなぁと思って読んだ。 山本は等身大小説を書くプロだと思う。 その他の作品もそれぞれが等身大でしっかりと書かれ、肌理の細かい仕上がりになっている。 この短編集は読後に読み応え感があった。 物語に登場する主人公と自分を重ね合わせながら読書するタイプの、特に女性にはお薦めします。 | ||||
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山本文緒さんの本は『ブラック・ティー』とこれの2冊だけもっています。 今まで特別彼女の小説のファンだった、というわけではなかったのですが、彼女の作品は前作に引き続き一気に読んでしまいます。 今回の『プラナリア』は短編が5つ入っていますが、どれも日常にいくらでもころがっていそうな、私にとってはちょっとせつない、そしてちょっとコワイ作品でした。 人間って、無職=お金がないからなげやりになったり不安になっ たり死にたくなったりするんじゃなくて、自分が社会から忘れ去られた と思った時、本当にひとりぼっちになったとき、心の支えが無くなった ときに人はこわれてゆくんだなと感じました。 | ||||
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色々な人生をそれぞれの考え方で生きる登場人物たち。 それらの生活に当たり前のようになじんだ形で描かれ、古風な考えを持つ私を物語の主人公へと誘い開放してくれる。 | ||||
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時間つぶしにと、何気なく購入しましたが、本書に描かれている 世界に引き込まれて、時間を忘れて読了してしまいました。 主人公は女性なのですが、「ひねくれ」という私と似通った部分 がそうさせているのだと思います。そんな場面にあったこともな いのに、その場にいるような感覚がありました。 素直じゃないけど愛すべき主人公たちの物語。ちょっと切なく なりました。 | ||||
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「どうして私はこんなにひねくれているのだろう」 という本の裏に書いてあるあらすじにひかれて衝動買いしました。正直衝動買いする本ははずれが多いのですが、これは大当たりでした。 登場人物が、抱えている問題に悩み、苦しみ、解決しようとする姿に対して自分の姿をかさねて考えてしまいました。 主人公のように無職でもなければ、主婦でもない私ですがものすごく共感がえられたのは、主人公に似て自分も素直になれない部分が共感を得られたのではないかと思います。 | ||||
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本にも人にも出会いというものが存在すると思うのですが、僕と山本文緒さんの本もそんな出合い方がありました。確か、最初に読むきっかけになったのは、友人からもらったことがきっかけだったように思います。旅行先で、もう読んだから、という理由でひきとって、移動中のヒマな時間に読みました。そのときの印象は、易しく読める本で、風呂向きだなあ、という印象でした。とっても好き、というわけではないけれど、読み易い本なので、こうして移動中とかに読むのにはいいかも、と思いました。 それが刷り込まれたから、かどうかは分かりませんが、それから少し経って。出先で、まだ来ない電車にじれて、何でもいいから、なんか読みたくてたまらない、という衝動にかられて、プラナリアを手に取りました。 中身については、あまり確認せずに買ったのですが、短編集でした。いつものように、とりたてて変わった世界にいるわけではなく、普通のひとびとの日常にひそんでいる息遣いのようなものをそっと抜き取ってきたような話だったのですが、一編読み終えるたびに、いつも抱くのは、その後どうなったんだよ、という感想です。以前、友達にもらった本を読んだときにも思った感想がふつふつとこころの中に沸いてきました。 別に本に限ったことじゃないですが、映画でもなんでも、作品という形をとるものには、差し出されたものを受け取り、享受する類のものか、接することによって、良いにしろ悪いにしろ、なんらかの感情を喚起させるというものの二種類があるように思います。 で。まあ、もう言ってしまっているようなもんなのですが、この人の本は後者だよなあと思います。全作読んだ訳じゃないのですが、今までで合計4冊くらい読んで、その全部がすべてエンディングにたどり着く前の寸止めで終わっているせいか、後にはいつも小さくうっぷんというか、ある種の欲求不満がたまります。そのうっぷんの内訳を、たとえて言うなら、もうそんな年ではないのに、しわしわの祖母の手からもらったおこずかいをつきかえせないやるせなさ、みたいな感じなのです。 だから、この人の本を一冊読むと、次読むまでにインターバルがあるのかなあ、と思いながらプラナリアを閉じました。 | ||||
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明るく、前向きに、何事にも逃げずに立ち向かうことだけが人生じゃない。 時には深く深く自分の傷の中に潜んでいたい。 周囲と自分の間に「ずれ」を感じたとき読んでみては。 許される感じがします。 | ||||
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私にとってこの本は衝撃的な一冊だった。「乳癌」と言う病気になった本人にしかわかり得ない核を鋭く描いていると思った。私はこの本をきっかけに受診しそして「乳癌」の告知を受けたのだった。一生忘れられない一冊となるだろう!! | ||||
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