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スパイは泳ぎつづける



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【この小説が収録されている参考書籍】
スパイは泳ぎつづける (ハヤカワ文庫NV)

スパイは泳ぎつづけるの評価: 3.67/5点 レビュー 3件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.67pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(5pt)

再読しても面白かったです

GW最後の2日間、あいにく天気がくずれてしまい、ふと8年前に読んで非常に面白かった本書のことを思い出して再読しました。

別のレビュアーさんも書かれているとおり典型的な「巻き込まれ形サスペンス (逃亡劇)」。
博士課程の学生マフムード・シャモシュとその元カノ・クララ(欧州議会勤務) が、思いがけず「訳あり情報の入ったパソコン」を手にしたばっかりに、かなり非情な民間組織から猛烈に追われまくるというストーリー展開。

明朝体(つまり通常活字の)章の合間々々に教科書体(?)の章が出てきて、その中で本書の影のキーマンの1980年から2013年現在までの物語が語られる。ちなみに冒頭(8ページ)はこのキーマンの話からはじまっていて、むろんマフムード&クララらの現代のメインストーリーとかかわりがある。

これも別のレビュアーさんが仰っているとおり、300ページを過ぎたところで超意外な展開があり、将棋で言えば未知の局面へ突入します。これをどう評価するかで意見の分かれるところですが、私的には、
「ええっ? そんなバカな! この先一体どうなるの?」と、先を読みすすむモチベーションはむしろ強まりました。

また、本作はスパイ小説の巨匠ジョン・ル・カレの傑作『誰よりも狙われた男』にストーリーの大枠が多少似ていると感じました。『誰よりも・・・・』は映画化されていて、そっちも面白いです。

さて『誰よりも・・・・』では、ドイツのハンブルクにふらりと現れた若者イッサを、イスラム過激派かも知れないと感じつつも、地元ドイツの慈善団体の女性弁護士や銀行経営者、諜報関係の人たちが何とかしてあげようと奮闘する。が、9.11以降の「テロとの戦い」という大義名分のもとに米 (CIA) & 英の諜報部がかなり強引に乗り込んできて・・・・という内容。

いっぽう本書『スパイは泳ぎつづける』では、イスラムテロリストと間違われやすい前歴ながら今はカタギの博士課程学生として現代社会に蔓延する「戦争請負い民間企業」の研究で社会に役立とうと努力しているマフムード青年が、地元スウェーデンの元カノ・クララと共に、米CIAの請負い民間企業(‼)に追われるハメにおちいる・・・・という内容。

繰り返しになりますが、要は300ページ過ぎに待っている超意外な展開をポジティブに受け止めるかネガティブに受け止めるかだと思います。別のレビュアーさんは、おそらくスパイ小説をかなり読み込んだ上級者のかたではないでしょうか。
私のような上級まで達していない普通の読者ならば、残り200ページ(全530ページ)も文句なしにグイグイ引っぱられるはずです。

そんな私でも本書が巨匠ル・カレの『誰よりも狙われた男』ほどの高いレベルには達していない気はします。とは言え北欧作家の処女スパイ小説としては、すでにかなりの水準には達しているのかなと感じました。再読に耐える作品だと思います
スパイは泳ぎつづける (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:スパイは泳ぎつづける (ハヤカワ文庫NV)より
4150413266

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