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ハイペリオン



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ハイペリオンの評価: 4.30/5点 レビュー 91件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.30pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全75件 41~60 3/4ページ
No.35:
(5pt)

ハイペリオン病1

ホイト神父の話から始まる。この話だけでも、ゆうに長編小説が書けます。
読み終わらないうちは死ねない、ハイペリオン病の始まりです。
読み続けていないと落ち着かない、不安である。
読んでいる最中は、気持ちよく安心である。
読むのを中断すると、確実に禁断症状に襲われる作品なのです。
もう少し突っ込んで書けば、空前絶後の世界文学の出来上がりだったのですが。
通俗的というのは、当たっています。
いや、とりあえず、禁断症状にならないように、ひたすら読み続けましょう。
4部作を終えたら、すぐにまたここに戻ってくる。
これってハイペリオンアヘン?
ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)より
4150113335
No.34:
(5pt)

ハイペリオン病3

ハイペリオン病のまま、この2作目に突入。
パラビューのハイペリオンから、オンリービューの没落へ。
神の視点、キーツの内面の目によって整えられた世界認識は、語り手とはだれかという、もうすっかりすり切れた問題を改めて提出しています。
まるで世界文学のおさらいのようにこのハイペリオン4部作は書かれています。
いつの日か、戦争と平和やカラマーゾフのようなそんな作品群の中にこのハイペリオンが入ることはないでしょうが、けれども、フッとそんな妄想を抱きたくなります。
しかし、世界文学殿堂へのチケットくらいは夢見てもいいかもしれません。
読んでいる最中、思いました、こんなに面白くていいのだろうか、と。
他の人にもこの快感、そう読書する快感(リーディングハイとでも言うんでしょうかね)を味わってほしい、そう思います。
ハイペリオンの没落〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ハイペリオンの没落〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)より
4150113483
No.33:
(5pt)

ハイペリオン病4

雲門との対話、すこしわかりずらかった。
しかし、ハイペリオン病、あるいはアヘンハイペリオン、その面目躍如。
ダン・シモンズはこの世界の存在する謎に迫ろうとしている、そんな風な深読みも許す内容です。
世界の謎がこの一冊に入っていると思うと、ほんと、ぞくぞくします。
そして、最後のCEOグラッグ・ストーンの決断。
その一点に向かって作品は、暴走列車のように走り続けます。
ハイペリオンの没落〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ハイペリオンの没落〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)より
4150113491
No.32:
(5pt)

エンディミオン即発注

前半のハイペリオンでやりかけで終わっていたので期待して読んでいった
長い長いと思いながらも割と早く読み終わってしまい
読み応えをもとめて読み始めたのに…と思ってしまった。
エンディミオン即発注。
ハイペリオンの没落 (海外SFノヴェルズ)Amazon書評・レビュー:ハイペリオンの没落 (海外SFノヴェルズ)より
4152020822
No.31:
(5pt)

やはりおもしろいということだろう

話の長いのはともかく字が小さめなのは目が疲れてしまった。
その割りに没落の発注が遅れていらいらして待つ始末。
やはりおもしろいということだろう。
これに尽きる。
ハイペリオン (海外SFノヴェルズ)Amazon書評・レビュー:ハイペリオン (海外SFノヴェルズ)より
4152020792
No.30:
(5pt)

どうか多くの方が、八人目のハイペリオンの巡礼となって、この壮大な物語の旅人となることを願う

《究極の想像力》
舞台は28世紀、その時代を七人の巡礼者たちに語らせる形で、ダン・シモンズは究極の想像力でもって描く。
テクノ・コアという超AIコンピューター群に支えられた物質、システムの中で暮らす人類。
宇宙へ進出し、惑星へ植民し連邦を構築する人類。
そんな人類の生き方とは、別の歩みを選択し独自に宇宙に適応した人類、アウスター。
広大な連邦の中で、唯一人類も、テクノ・コアも、支配できない辺境の星ハイペリオン。
謎に包まれた、ハイペリオンにある<時間の墓標>群と、出没する殺戮の神シュライク。
<時間の墓標>を目指す選ばれた七人の巡礼者たち。

《映像化不可能》
映像化、映画化を切に願い続けるが、今は不可能だと思う。
すべての物が刷新され更新された世界、広大過ぎるし、複雑すぎる・・・。
例えば、どんな優れたSF映画があっても、それはこの『ハイペリオン』の世界では、一断面の世界に過ぎない。

《永遠の快楽》
何度も読み返す長編、『ハイペリオン』。(『ハイペリオンの没落』を含む)
汲めども尽きせぬ永遠の読書の快楽を保証する。(全編読み返すのは『ハイペリオンの没落』の方だが)
特に本書、「第一章 司祭の物語:神の名を叫んだ男」は、その異様さ、残酷さが極まっていて、どうか初めて読む方に言いたい、ビクラ族が登場するまで読み続けて欲しい!!・・・と。

どうか多くの方が、八人目のハイペリオンの巡礼となって、この壮大な物語の旅人となることを願う。

上巻目次
プロローグ  
第一章 司祭の物語:神の名を叫んだ男
第二章 兵士の物語:戦場の恋人
第三章 詩人の物語:『ハイペリオンの歌』
第四章
ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)より
4150113335
No.29:
(5pt)

壮絶なまでに美しいクライマックス、「ハイペリオンの没落」です!!

読み返す頻度は、前作「ハイペリオン」よりこの「ハイペリオンの没落」の方が多いのです。(そもそも本を読み返すことって、私は滅多にしませんが)

ハイペリオンは舞台が28世紀。
その壮大で異様な世界、人類が宇宙へ進出し惑星を統治する連邦を組織し、AI群テクノ・コアが《ウェヴ》テクノロジーを維持確立する世界。(人類はテクノ・コアに支配されているともいえる)
人も戦艦も転位ゲートによって瞬時に惑星間移動が可能で、その絶大なコアの力は連邦を影で支配するが、そのコアが唯一支配できない予測不能な地域が、辺境の惑星ハイペリオンだった。
そのハイペリオンでは、誰が造ったのか分からない遺跡群「時間の墓標」で時が逆行し、謎の殺戮怪物シュライクが跋扈し始める。
コアの目指す「完璧な支配」を唯一揺るがす目障りな汚点でもある惑星ハイペリオン。
ハイペリオンに関心を示すのはコアばりではなかった。

テクノ・コアの支援のもと惑星の支配に乗り出した人類と袂を分かち、宇宙への同化を選んだ人類「アウスター」(連邦からは蛮族と呼ばれている)もハイペリオン空域に侵攻する。

連邦は、選ばれし巡礼7名を時間の墓標に送り込む。その巡礼たちの時間の墓標へ至る苦難の行程と、巡礼たちによって語られるそれぞれの物語(悪夢の物語ともいえる)を通じて、28世紀の世界の成り立ちと謎を深く提示したのが前作「ハイペリオン」だ。

本作「ハイペリオンの没落」は、巡礼たちが時間の墓標に到着した後の続編だが、物語は連邦CEOマイナ・グラッドストーンとテクノ・コアが送り込んだ新しいキャラクター、ジョセフ・セヴァーンを中心に進む。
巡礼者たちは・・・。
ホイトは死んでデュレに生まれ変わり、カッサードはシュライクと対決し、サイリーナスはシュライクによって速贄(はやにえ)の樹に突き刺され、ソルとレイチェルは別世界へ旅立ち、ブローンはAI「雲門」と対面し「後に続く者」を身篭り、マスティーンは姿を消し、領事はアウスターと対面し・・・。

アウスターの侵攻により迫る来る連邦崩壊、その真の理由、真の敵は?
究極の解決策としてテクノ・コアが提案する艦隊デスウォンド装置、デスボムを使用するかしないか、グラッドストーンの究極の選択はいかに?
そこにもたらされるセヴァーンからの決定的な情報・・・。
壮絶なまでに美しいクライマックスへ物語りは上り詰める。
そして読む者は、息を呑まざるを得ないだろう・・・。

何かそそれるものがありませんか?
本が好きなあなたへ、SF嫌いなんて言わないで、是非一度読んでみてください!!
世紀の傑作です。
ハイペリオンの没落 (海外SFノヴェルズ)Amazon書評・レビュー:ハイペリオンの没落 (海外SFノヴェルズ)より
4152020822
No.28:
(5pt)

ハイペリオン、私の最高峰に位置する小説。圧倒的な想像力の奔流。

きっかけは何年前でしょうか、健康診断の休み時間、週刊誌にのっていた椎名誠の書評でした。
文庫を購入後、単行本を買いなおすなんて「ハイペリオン」と「ハイペリオンの没落」しかないし、私は決して読書量は多くはありませんが、それでも自分の読んできた小説の中で「〜没落」と共に最高峰を占める作品であり続けています。

この作品の素晴らしさ、凄さ、美しさ、恐ろしさを語る言葉を残念ながら私は持っていません。
でも一言だけ。
「SF嫌い?でも本好きならこの小説読まないで死ぬのは、ちともったいないかも」

時間の墓標、シュライク、アウスター、聖十字架、テクノ・コア、コムログ、ジョン・キーツ、聖樹船イグドラシル、ビクラ族、デスウォンド・・・何かそそられるものがありませんか?

人間の想像力、創作力に限界はないのでしょうか・・・、そう、ないのでしょう。
ならば映像化も不可能ではないはず、きっと。

ダン・シモンズの大傑作、SF大叙事詩、その物語の大河の奔流に身を投げて存分に味わう醍醐味・・・。
是非、「ハイペリオンの没落」と共に一読を。
いや、何度でも繰り返し・・・。
ハイペリオン (海外SFノヴェルズ)Amazon書評・レビュー:ハイペリオン (海外SFノヴェルズ)より
4152020792
No.27:
(5pt)

確かに傑作です

海外のSF小説は、どうも読みにくいという印象があって、
あまり手に取ることはありませんでした。
ですが本屋でたまたま見かけたので、買ってみました。

予想通り読みにくいです。
独自の言葉、たくさんの登場人物、よく分からない世界観など
途中で投げ出したくなりました。

52ページの辺りまでは苦痛でした。

ですが、途中から展開が分かりやすくなります。
そこからがこの小説の本領発揮です。

登場人物たちが自分たちの過去を語り始めます。
この1つ1つの話が実に秀逸です。

ハイペリオンの上巻ではとりあえず3人の過去が語られます。

このハイペリオンは、ハイペリオンの上下巻とハイペリオンの没落の上下巻で
一連の話が完結しています。全部読まなければ意味がないと性質のものです。
いずれもかなり厚く、読むのにはそれなりの覚悟が必要ですが、
SFという世界にどっぷりと浸りたい方にはお勧めだと思います。
ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)より
4150113335
No.26:
(5pt)

われわれは手駒として利用されているとしても,みずからの行動は自分で決める努力をせねばならない

なるほど,ハイペリオンの物語は,本作品以降も続くし,本作品を読み終えた後に
その後の巡礼たちがどうなるのか知りたくなるのは当然でしょう。
 「ハイペリオンの没落」まで読了しましたが,それでもやはり,まだまだなんだかすっきりしない
気持ちが残りました。
 でもそれでもいいのです。
 本作は,ハイペリオンへの巡礼たちが,巡礼に参加することになる経緯を順に語っていくという形式を
とっていますが,その巡礼たちの物語がそれぞれ大変面白く,この形式をとったことでこの作品の成功が
約束されたと言えそうです。
 どの物語も良いですが,私は特に,学者の物語には,どうにも涙が止まりませんでした。
ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)より
4150113335
No.25:
(4pt)

食わず嫌いは損です。

話の流れはいい意味で単純でわかりやすい。
なぜここに来たのか、ひとりひとりが自分の過去を話す。

SFの衣に包まれ、謎解き要素で味付けされた、
「他人への愛」がテーマの物語です。
ですから、この手の本を敬遠していた私も共感できました。

登場人物は愛嬌があり、人間的弱さ脆さがあり、魅力的。
会話は時に示唆に富んでいます。
先へ先へ読み進めたくなります。

SF的な用語に慣れていない私には読み辛い部分があったので、
星ひとつ落としましたが、
時間を忘れて没頭できる、とても面白い本です。
この後も読み続けます。
ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)より
4150113335
No.24:
(5pt)

CEOの物語、またはわが娘のための祈り

前作、ハイペリオンには、SFというよりもファンタジーらしさも感じたのですが、今作では雰囲気がかなり違っていて、SF小説らしく仕上がっていました。

読んでいて一番面白かったのが会議シーン。会議の雰囲気が良く出ているんです。
連邦CEOと軍関係者の会議をするシーンが何度も出くるのですが、これがすごくリアルで、各人の思惑や力関係、緊迫感などが良く表現されていると感じました。小説で会議シーンを読んでおもしろいと思ったのは、この本が初めてかもしれません。

さて、ストーリィは前作の直後からはじまります。
時間を遡行していくあの赤ちゃんはどうなったのか?巡礼達のその後は? 色々と謎を残したまま結末を迎えた前作でしたが、前作で未解決の部分はすべて解き明かされています。
新たな謎やら明らかになる陰謀、予想も出来なかった事実となんとなく予想できるミステリっぽいつくり等、今作もなかなか楽しめました。
謎解きは丁寧にされていますし、終わり方もすっきりしていて、誰もが満足できる内容だと思います。

あと、前作で気になった難しい漢字によみが振られていて、読みやすくなっていたのも好印象でした。
ハイペリオンの没落 (海外SFノヴェルズ)Amazon書評・レビュー:ハイペリオンの没落 (海外SFノヴェルズ)より
4152020822
No.23:
(5pt)

巡礼達の物語

SFというよりも、どちらかというとファンタジー的な要素が強い本だなと感じました。
科学的な描写は控えめで、宗教的な要素があったり、不思議な現象を扱った話が多いのでそう感じたのだと思います。

この本の特徴としては、枠物語という形式がとられていて、登場人物達が順番に各自の物語を語るというパターンで進行します。
ですので、コアとなる部分はそれぞれが語る物語な訳ですが、どれも不思議な話ばかりで、面白く読むことができました。

それぞれの語る物語は、どういう経緯で惑星ハイペリオンの聖地巡礼に参加することになったのかというものです。
巡礼というと、宗教的な行為のことを意味しますので、信仰心の篤い信者の方達の話なんだろうなと思って読み始めましたが、そうではなくて実は雑多な人々の集まりでした。

参加する理由といっても大したものではないだろうと思いながら読み進めましたが、1人目の物語を読み終えた時点でもう呆然としてしまいました。
4人目の学者さんなどは、なぜか生後間もない赤ちゃんを連れています。なんなんだろうこの人とずっと思っていましたが、話を聞きながら泣いてしまいましたね。

まぁ、あまり内容には触れませんが、どの話も独創的で面白いのは間違いなく、全く予想ができない展開にも驚かされっぱなしで、最後まで面白く読むことができました。
ただ、難しい読み方の漢字が多くて少し苦労しましたね。
ハイペリオン (海外SFノヴェルズ)Amazon書評・レビュー:ハイペリオン (海外SFノヴェルズ)より
4152020792
No.22:
(5pt)

前期≪ハイペリオン≫2部作の、完結編です。

≪ハイペリオン・4部作≫は全4部からなる超大作ですが、第1部『ハイペリオン』と第2部『ハイペリオンの没落』で、一まず物語は完結します。第1部『ハイペリオン』において提示された数多くの謎が、第2部『ハイペリオンの没落』によって、見事に解決されます。一見、神秘主義的な色彩を帯びた数多くの謎が、全て科学的かつ合理的に解決される所は、まさに≪正統派サイエンス・フィクション≫の傑作と言えるでしょう。この後、第3部『エンディミオン』と第4部『エンディミオンの覚醒』においては、全く違う物語が展開されるようです。今私は、第3部『エンディミオン』を読んでいますが、こちらも非常に面白いです。いずれにしても、この≪ハイペリオン≫シリーズ・前期2部作は、これ自体で完結した大傑作なので、SFに興味のある方にはオススメします。
ハイペリオンの没落〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ハイペリオンの没落〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)より
4150113483
No.21:
(5pt)

≪ハイペリオン・4部作≫の、第1部です。

≪ハイペリオン・4部作≫と言えば、20世紀SFの最高峰として知られる作品ですが、私はまだ全部読んでいません。とりあえず、この第1部の『ハイペリオン』だけを読了し、今、第2部の『ハイペリオンの没落』を読んでいる所です。という訳で、この『ハイペリオン』の感想ですが、一言でいえば≪驚異的なまでに面白いプロローグ≫という感じです。この『ハイペリオン』の上下2巻は、まだ話の≪前置き≫です。でも、この前置きが信じがたいくらいに面白いです。今、第2部の『ハイペリオンの没落』を読んでいますが、この第2部で一応、話が終わって、第3部から次の物語が始まるみたいです。明日は祝日なので、続きをゆっくり読みたいのですが、明日は休日出勤で通常通り働きます。土曜日は休みが取れると思うので、土日にまたゆっくり読みたいです。参考までに≪ハイペリオン・4部作≫の全作品リストを書いておきます。

第1部 『ハイペリオン (上・下) 』
第2部 『ハイペリオンの没落 (上・下) 』
第3部 『エンディミオン (上・下) 』
第4部 『エンディミオンの覚醒 (上・下) 』

以上、全4部作(全8冊)でした。
ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)より
4150113335
No.20:
(4pt)

超二流

どの設定もSFマニアにとっては「何処かで読んだ事があるよな」と思う反面、その構成とストリーテリングの旨さで引き込まれます。
一種の連作的作品なのですが、それぞれに初期SF〜本格SFの萌芽〜ニューウェーブSF〜サイバーパンクといった大体100年くらいのSFの進歩のエッセンスが全部入っているという感じです。
逆にいえば、SF100年の進歩はこの本を生み出すためにあったのか、と。
それぞれのSFの楽しさを上手く描くこの作者の筆力には驚かされます。
ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)より
4150113335
No.19:
(4pt)

マクロの物語とミクロの物語のタペストリー

宇宙の蛮族・アウスターの侵略から〈時間の墓標〉を擁する惑星ハイペリオンを守るべく、連邦首星タウ・ケティ・センターからFORCE(連邦軍)無敵艦隊が出動した。この突発的に起こったかに見える戦争は、実は〈テクノコア〉による人類支配に懸念を感じた連邦CEOマイナ・グラッドストーンが、ハイペリオン併合のために意図的に仕組んだものであった・・・! グラッドストーンは、〈テクノコア〉の人格復元プロジェクトによってジョン・キーツの人格を与えられたサイブリッド、ジョセフ・セヴァーンを通じて、巡礼たちの動静を探ろうとする。
一方、ハイペリオンでは、連邦の密命を受け、また各々の思惑によって巡礼に参加した男女が、ついに目的地〈時間の墓標〉に到着した。彼等は1人、また1人と、〈苦痛の神〉シュライクと邂逅する・・・・・・

傑作SF『ハイペリオン』の続篇。異なる境遇に生まれ異なる目的で〈時間の墓標〉を目指す巡礼たち個々人の物語に焦点を当てた前作に対し、本作では狂言回しとして「神の眼」を持つバイオロイドたるジョセフ・セヴァーンが加わり、巡礼たちの苦闘のみならず連邦中枢での政治情勢も同時進行的に語られていく。前作では断片的に提示されただけであった銀河連邦史が徐々に明らかにされるところが面白い。前作のおさらい的な説明も多く、読者に親切な作りとなっている。

それにしても壮大にして緻密な舞台設計には、物語が進めば進むほど感心させられる一方である。〈テクノコア〉という温室に依存した結果、快適な生活と引き替えに活力を失った連邦と、〈テクノコア〉の軛から脱して独自の進歩を遂げるアウスターを対置するという構図は、アシモフのイライジャ・ベイリもの(ロボット長編3部作)の影響を受けているのだろうか?
ハイペリオンの没落〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ハイペリオンの没落〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)より
4150113483
No.18:
(5pt)

謎が解明され、また新たな謎が生まれる

シュライク教団と〈テクノコア〉に選ばれた7人の男女は自己紹介も兼ねて、巡礼に参加した理由をそれぞれに語っていく。彼等には、シュライクに命を奪われる危険を冒してでも〈時間の墓標〉に行かねばならぬ固有の事情が各々存在した。彼等が開陳する波乱に満ちた哀切極まる身の上話を通じて、銀河連邦と〈テクノコア〉にまつわる恐るべき陰謀と権力闘争の一端が明らかになる。しかしアウスター、そしてシュライクに関する謎は深まるばかりなのであった……

 アウスターから送り込まれたスパイの正体は判明するも、彼等の巡礼行は続く・・・・・・90年代を代表する宇宙叙情詩、ここに開幕!(これだけ壮大な「マクラ」はSF史上初ではなかろうか)

〈司祭の物語〉ホイト神父が、ポール・デュレ神父捜索の過程で自らが発見したデュレ神父の日記を紹介していく、という複雑な構成。途中まではヴェルヌやドイル以来の伝統を持つ「異世界冒険潭」の雰囲気があるが、一転してビクラ族の奇妙な風習の意味を主題とした文化人類SFの様相を呈す。ホラー要素たっぷり。

〈戦士の物語〉ハインラインの名作『宇宙の戦士』を彷彿とさせる迫力の戦記SF。同時に回遊島戦争や南ブレシア戦役など、連邦の政治史も叙述される。

〈詩人の物語〉延命手術により400年も生きている詩人の数奇な運命を通じて語られる連邦の社会史。サイバーパンクな未来社会を活写しているところが面白い。

〈学者の物語〉時間逆行SFと言えばディックの『逆まわりの世界』などが有名だが、喩えようのない喪失感はダニエル・キイスの名作『アルジャーノンに花束を』に通じるものがある。涙無しでは読めない。

〈探偵の物語〉副題の「ロング・グッバイ」はレイモンド・チャンドラーの傑作ハードボイルドから取ったもの。電脳ハードボイルド小説『重力が衰えるとき』を意識した体裁に加え、「ジョニイ」という登場人物や「ジャックイン」「氷(ICE)」「ギブスンってカウボーイ」という表現からはウィリアム・ギブスンへのオマージュが見て取れる。特に「高度にネットワーク化された社会を統べる神のごときAIと対峙するアウトサイダー」というモチーフはモロに『ニューロマンサー』からの本歌取りである。

〈領事の物語〉「船乗りと島の娘との束の間の恋」という古典的なロマンスを縦糸に、アメリカ合衆国によるハワイ王国併合の歴史を横糸にして編まれた、SF版『ロミオとジュリエット』。日本人としては「浦島太郎」や「織姫彦星」も連想するところ。この悲恋を紹介した後、領事が暴露する連邦の「影の歴史」はまさにショッキング。
ハイペリオン (海外SFノヴェルズ)Amazon書評・レビュー:ハイペリオン (海外SFノヴェルズ)より
4152020792
No.17:
(5pt)

惑星ハイペリオンを行く7人の巡礼

アウスターの進攻や、シュライクという絶対無敵の謎の怪物という"脅威"が存在する中、7人の巡礼者が旅立ちます。
領事、女探偵ブローン・レイミア、カッサード大佐、詩人のサイリーナス、ルナール・ホイト神父、赤子を抱いた学者ソル・ワイントラウブ、聖樹の真の声ヘット・マスティーン。

旅の中で7人は千夜一夜物語的に一人ずつ、参加の目的を語っていく。
まずは、神父からこの旅の参加の目的の経緯となった不思議な物語を話し出す。

もうすべての話が強烈です、
しょっぱなの話からやられました。
不思議で強烈な神父の話にいやがおうでもひきずりこまれます。

読み進めるには、本も分厚いし、SF小説ならではの用語?なのかな。
宇宙船の居住スペースを居住莢(さや)と書いて(きょじゅうポッド)と読ませたりと
か独特の訳語もあるし、
SFに慣れないととっつきにくく感じるところもあるかも知れないですが、
いったん神父の語る話のシーンにまで来れば、あとは自然と引き込まれると思います。

次は、次はとはやる気持ちを抑えつつ読み進んでしまいました。
ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)より
4150113335
No.16:
(4pt)

ハイペリオンの解決編

ハイペリオンシリーズの第二部。
ハイペリオンは巡礼の旅に出た7人が自分の話を一人ずつ語っていくという千夜一夜物語形式で、どの話も最高に刺激的でおもしろかった。
ただ、ハイペリオンは謎が謎のままで、巡礼の旅自体が終わっていない尻切れトンボでした。
前作の巡礼の旅の続きに、アウスターの連邦への本格侵攻という物語がかぶさった形で巡礼の旅と同時進行で進んでいきます。
対アウスターの指揮を執る指導者は、前作から登場していたCEOマイナ・グラッドストーン。CEOから今回の物語の狂言回し的役に抜擢された主人公は、ジョン・キーツのサイブリッドのコピー人格M・ジョセフ・セヴァーンです。
この巡礼外の物語と、巡礼の話が交互に入れ替わりで場面転換して進行していきます。

この後の「ハイペリオンの没落(上・下)」でハイペリオンの話は完結します。

前半は、話がかったるくて何度本を置こうかとおもいましたが、もやもや感があったのでなんとか最後まで読みました。
「雲門」との禅問答あたりからまたおもしろくなってきて、後半は謎解きが一気に進んでいって読んでいて気持ち良かったです。

結論が出たことに私としては満足しました。

その後に書かれた「エンディミオン(上・下)」「エンディミオンの覚醒(上・下)」まで含めて読むと真の完結という形で、より満足すること請け合いです。
ハイペリオンの没落〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ハイペリオンの没落〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)より
4150113483

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