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死にたくなったら電話して
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死にたくなったら電話しての評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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つまらない本にありがちな読み途中で溜まってしまう、ということはなかった。 いつ面白くなるんだろう?と先は気になったし、おもしろいと感じるシーンも何度かはあったけど、どうしても話に抑揚が無い。男女の歪な関係の話ですから当然ですが。 抑揚が無くてもヨンドクさんの文才である程度は楽しめたけれど、それもある程度です。 1番感じたのは、主人公はどこにでもいる平凡な男性であるということ。そこに面白みや好奇心を掻き立てられることがなかった。作者はどこにでもいそうな男性の心の闇を描いたつもりだったのかもしれないけれど、闇というほどでもない。闇と言うほどでもないそのへんの人達が持っている程度の心の穴だからからこそ、尚更に平凡。 好みが分かれるのではないかと思います。 より深い闇を読みたい方は中村文則さんがおすすめです。 | ||||
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読後の感想を一言で言えば「最悪」である。 個人的な経験に依るところが大きいため、読んだ人の大半には当てはまらないとは思いつつ。 隙あらば自分語りということで、以下誰も興味がないであろう自分語りが展開されていく。 ぼくが半年前に別れた彼女が初美そのもので、徳山はぼくだ。 彼女には底の見えない魅力とカリスマ性があり、高校時代にはインターハイに出場し、現役で理三に受かる才女で外見もかなりぼくのタイプだった。 そんな彼女であるのに、ぼくのすべてを肯定してくれて、尋常じゃない愛を与えてくれたのだから、ぼくがなす術なく骨抜きになるのは当然の摂理である。 しかし、一方で、彼女はとてつもない闇も抱えており、ぼくはその耐え難い闇に押しつぶされた。 そして精神的に余裕のなくなっていったぼくは半ば八つ当たりにちかい喧嘩をした。 その結果、ぼくは彼女の興味の対象外となり呆気なく振られる。 暫くはそのストレスから廃人同然の生活が続いていた。 とはいえ、精神科に通院して正常な精神状態となった今、確信を持って言えることがある。 彼女は間違いなく境界性人格障害で、ぼくが愛した彼女は存在しない幻影で虚像だったと。 当時のことを思い返して整理して、はじめはサイコパスだったのではないかと疑っていくつかサイコパス関連の書籍を読んでみた。 それでもしっくりこない。 サイコパスに調べ続けていくと、境界性人格障害と言う言葉を知りった。 人格障害関連の書籍をいくつか読む中で、彼女は境界性人格障害だったと確信に変わる。 まとめるとなんのことはない、あの異常なカリスマ性と尋常じゃない愛され方は境界性人格障害そのもので、ぼくはそのターゲットとなっていただけの話しである。 一歩間違えれば徳山同様、まわりの人間関係を破壊しつくして、最後に差し出された形岡の救いの手すらも払い除けて、どうしようもなくなっていたかもしれない。 徳山との差分としてあるとするならば、すべてのコミュニティは独立させてきた自分のポリシーによって元カノがぼくのつながりにアプローチできなかったこと、まだぼくにある程度自我が残っているうちに喧嘩をして、幸いにも彼女の興味の対象外となった2点であろうか。 それがなければ今頃どうなっていたことか。ぞっとする思いである。 自分語りが長くなったが、初美は境界性人格障害で、徳山は自分を持たないガキゆえに仮初のカリスマ性にやり込められた初美の玩具。 そして、それを読んだぼくは元カノを思い出して最悪な気分にさせられただけである。 きっと境界性人格障害の被害にあったことの無い人たちはこの小説を地獄小説として楽しめるのであろう。 が、ぼくにとってはクソな思い出を蘇らせられる悲しきモンスター小説であった。 ところで、悲しきモンスター小説ってなんやねん。 | ||||
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読ませる!面白い!でも、で?という惜しさ。文藝賞なんて、確かな才能の煌めきが感じられればそれでいいんかねぇ。そんなもんかいな。という感じ。 初美って実はどんな人格なの?という興味で引っ張って読ませてるのに、最後まで様々な伏線が全く回収されずに終わってがっかり。 ミステリアスな、常人の理解を超越した魅力的な女を描きたかったの?と思うが、納得感のある人物造形じゃないと、都合よく色んな超能力を身につけるティーン向け小説の登場人物かって感じで安っぽい。 そらあ、美人で頭が切れて弁も立ってエロティックな女が、うだつの上がらない自分に、徹底的に下から傅いてきたらハマるでしょうし、死とか残酷テーマが恍惚を盛り上げていくのもわかるし、で、死に傾倒していきました、で?って感じ。 死に傾倒していくまでは面白かったけど、それだけで物語として成り立たせるには納得感と凄みが足りないと感じた。 でもこんな風に感想を書きたくなるくらい、夢中に最後までのめり込んで読ませる何かはあったので惜しい! 比較対象は映画ゴーン・ガール。 魔性の女の謎解きをきっちり描くともはや男にとっての都合の良い甘美なファムファタール足りえないってのは解るが、きっちり描かないとただの2次元美少女。 | ||||
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猛毒のような洗脳愛というか、依存関係から心中にむかっていくのを期待していたのですが、なんかそこまででもなかったかなぁ。毒といっても、歴史上の大量殺人者とか犯罪をさんざん列挙して「人間ってどうせみんなクズなんだから滅びたほうがよくない?」とか言ってるだけで、いやいや、主語がでかすぎるでしょと思う。この手の初美の説得力がいまいちすぎて、なんで主人公があんなにのめりこんだのかよくわからないし、ラストも消化不良だったなぁ… | ||||
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とにかくこの小説には小賢しい企みがみられない。気弱な主人公が初美という女に溺れて変わっていく様がストレートに描かれている。まず結論から書いてしまうと面白い。だが、肝心の文章が未完成で文体としても粗く全体の完成度は今一歩低い。だが、本作の根幹をなす毒は非常に強い力を持ち、それが主に初美の人物造形となって迫力を持って表現されている。他のレビュアーの方も書いている通り、初美の正体は不明のままだ。そこがまた本作に引き付けられていくエッセンスにもなっている。 僕は本作の著者の李龍徳さんが在日コリアン三世という事もあってテーマに大きく絡んでくるのかを睨んだが、それはほとんど無く初美との結婚を主人公が断られる程度にしか触れられてこない。僕は韓国のシンパでもアンチでもどちらでもないが、---個人的な友人に在日三世がいます---作者の李さんも差別を一切受けた事が無いはずはない。李さんの他の作品は読んだ事はないが、そのテーマに触れる事もあるやもしれない。 色々書いてしまったが、粗削りなところは経験で巧くなっていくものだし、一読して決して損はない文藝新人賞受賞作だ。 | ||||
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作者の手法なのだが、最初に普通にストーリーに入りかけるくらいで直ぐに 飛躍した表現が挿入されてくる。それが随所に来るので 自分としては冷めてしまい、本を投げてしまったほどだった 後日もう一回読み返して何とか継続して読み進める事が出来たが、 賞を取っているという理由で購入した自分のような人間は、若干、これで賞が取れるのか? という疑問が聊か湧いてくるかもしれない。若干、突拍子もない文章表現を駆使 (あくまで意図的に駆使していると信じたい)しているので、 現実世界にいきなり戻されるか、自分がこの突然挿入される、「そっちで飛躍した想像をしろ」という 方法論に脳味噌を対処させながら読まないといけないので疲れるか、 若しくは自然とこの脳味噌の酷使に付き合うかの何れかである。 どちらにしても、読み手にセンスを求められる小説という事だけは間違いない。 | ||||
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