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死にたくなったら電話して
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死にたくなったら電話しての評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全42件 21~40 2/3ページ
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読んだ人、状況、タイミング、本当に少し違うときに見るだけで受け取り方が何通りにもなるような本。 他のレビュー、感想など見ずに読了することをオススメする。 この本に何を感じ、何を思ったのか。 おそらくそのすべてが誰とも共感できない。 感動や共感、現代において美しいとされるそのすべてに中指を突き立てるような作品。 何を感じながら読むのかを楽しむ作品かと思う。 ありていな言葉でいうなら、初めて出会ってしまった幸せは人生の価値観を決めてしまう。 大方の見方は、悪女に騙されていく何も知らない若者のいびつな愛なのだろうが、決して他人ごとではなく、純粋なのだ。 はじめて覚えた事が間違っている事と知るのは、自分が間違えたと気づいたとき。 人は自らの発想からは逃れられない。 | ||||
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読ませる!面白い!でも、で?という惜しさ。文藝賞なんて、確かな才能の煌めきが感じられればそれでいいんかねぇ。そんなもんかいな。という感じ。 初美って実はどんな人格なの?という興味で引っ張って読ませてるのに、最後まで様々な伏線が全く回収されずに終わってがっかり。 ミステリアスな、常人の理解を超越した魅力的な女を描きたかったの?と思うが、納得感のある人物造形じゃないと、都合よく色んな超能力を身につけるティーン向け小説の登場人物かって感じで安っぽい。 そらあ、美人で頭が切れて弁も立ってエロティックな女が、うだつの上がらない自分に、徹底的に下から傅いてきたらハマるでしょうし、死とか残酷テーマが恍惚を盛り上げていくのもわかるし、で、死に傾倒していきました、で?って感じ。 死に傾倒していくまでは面白かったけど、それだけで物語として成り立たせるには納得感と凄みが足りないと感じた。 でもこんな風に感想を書きたくなるくらい、夢中に最後までのめり込んで読ませる何かはあったので惜しい! 比較対象は映画ゴーン・ガール。 魔性の女の謎解きをきっちり描くともはや男にとっての都合の良い甘美なファムファタール足りえないってのは解るが、きっちり描かないとただの2次元美少女。 | ||||
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猛毒のような洗脳愛というか、依存関係から心中にむかっていくのを期待していたのですが、なんかそこまででもなかったかなぁ。毒といっても、歴史上の大量殺人者とか犯罪をさんざん列挙して「人間ってどうせみんなクズなんだから滅びたほうがよくない?」とか言ってるだけで、いやいや、主語がでかすぎるでしょと思う。この手の初美の説得力がいまいちすぎて、なんで主人公があんなにのめりこんだのかよくわからないし、ラストも消化不良だったなぁ… | ||||
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知人の勧めで読み始めました。登場人物の会話や思考が関西弁ばかりで少し癖が強いです。 たまたま夜の店で知り合った女性に引き込まれ、気づかぬうちに振り回され、人生が狂っていく主人公の様子に読者の我々も引き込まれます。 ミステリアスな女性になんとなく惹かれてしまう男性の高揚感とモヤモヤ感が如実に描かれています。 ラスト近くになると驚きや疑問がたくさん湧いてきて、一気に読み切ってしまいました。 | ||||
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【劇薬注意】登場人物一人一人の碌でもなさがえげつない。唯一の善人は徳山が通っているバイト先の形岡なんだけど、その善意すらも覆い尽くすような初美の薄暗さが恐ろしい。徳山はナンバーワンキャバ嬢・初美と出会ったことにより人生が狂っていく。お店にお金をつぎ込んで借金をするのではなく、初美からの猛烈なアプローチを受け、自然に恋人同士のような関係となり、初美という人間の虜になっていく。人生、堕ちていくのも、留まるのも紙一重でしかない。心の何処かでこんな風にダメになってもよいと思っている自分がいることは否定しない。 | ||||
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腑に落ちないのですが面白く読めました。 人は他人にどれだけ影響を与えることができるのかという点で、結果的に影響を受ける側の心の持ちようだとも感じました。 何年一緒にいても分かり合えない仲もあれば、初美が徳山に感じたように会った瞬間からシンクロする仲もありますが、当初の警戒心が強いほど警戒心がほぐれた時の反動は強く、それは洗脳や宗教にも利用され得る手法だとも感じました。 他人同士の思考が同調していく過程には、共通の欲求が必要でもあり、それが死という点が文学的でもあり、個人的にはモヤモヤ感が残った部分でもありました。 | ||||
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私たちはいま、社会構造ブルドーザーによるとてつもない暴力(の予感)の中にいながら、必死にそれを押し戻そう、封じ込めようと苦闘中ということだろうが、そういう時だからこそ「祝祭の時間」への希求が膨らんでくる。飢餓の危機に直面してあえて残りの食料全てを食い尽くす祝宴を催すというような。この物語はそういう私たちの「無意識」の傾斜から生まれた。李の描くエログロニヒリズムの世界は、私たちが無意識に望んでいる既成秩序を逆転させる「ちゃぶ台返し」の祝祭的時間だ。だからこそ私たちはここに妙なカタルシスを感じるのだろう。祝祭を共有する同志の獲得には、同志となりうる人物を一瞬で見抜く力が欠かせない。自分の置かれている状況をある程度意識化できていた初美にはそれがあった。さしずめ「現代の巫女」である。問題は、いかに巫女といえども祝祭的時間の継続は不可能なので、やがて居場所がなくなるということだ。彼らのささやかな祝宴が終わっても、この糞づまりの重苦しい閉塞が変わらないとすれば、この時代は次々にそういう小さな「祝祭」を生み続けるしかないのだろう。そういう祭りの跡をしかつめらしく報じるTVとは違って、作者が無意識に探っているのはこの時代へのレジスタンスの契機なのかもしれない。欠点だらけだが、これぞ文学。 | ||||
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なかなか、良かったです。ラストはどうなるのかな、と思いながら読み進めていきました。 | ||||
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とにかくこの小説には小賢しい企みがみられない。気弱な主人公が初美という女に溺れて変わっていく様がストレートに描かれている。まず結論から書いてしまうと面白い。だが、肝心の文章が未完成で文体としても粗く全体の完成度は今一歩低い。だが、本作の根幹をなす毒は非常に強い力を持ち、それが主に初美の人物造形となって迫力を持って表現されている。他のレビュアーの方も書いている通り、初美の正体は不明のままだ。そこがまた本作に引き付けられていくエッセンスにもなっている。 僕は本作の著者の李龍徳さんが在日コリアン三世という事もあってテーマに大きく絡んでくるのかを睨んだが、それはほとんど無く初美との結婚を主人公が断られる程度にしか触れられてこない。僕は韓国のシンパでもアンチでもどちらでもないが、---個人的な友人に在日三世がいます---作者の李さんも差別を一切受けた事が無いはずはない。李さんの他の作品は読んだ事はないが、そのテーマに触れる事もあるやもしれない。 色々書いてしまったが、粗削りなところは経験で巧くなっていくものだし、一読して決して損はない文藝新人賞受賞作だ。 | ||||
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題名に魅せられて読みました。 初美と名乗る女性との出会いで堕落する青年を描いていますが、堕落に至る描写が薄く初美の悪女ぶりも、それほど深く描かれていません。終わりの方で明かされる主人公の出自。今までは全てを受け入れていたがそれを拒絶する初美。 著者が死にたくなる瞬間はこれなんだろうなあと著者名を見て納得してしまいました。それを言いたいが為に一冊分書いたのかと勘繰る程です。 | ||||
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そうなのかなぁ。全選考委員大絶賛! 「第51回文藝賞受賞作」新聞に大々的?に公告が出て、書評が出て、読んで切り取ったり リストへ入れてはおいたけど。いざ今回読んでみると。フクザツ也。 3浪人生徳山とナンバーワンキャバ嬢初美が初めて出会った時、初美が大笑いするシーン。 これって読み進めていくうち獲物?をみっけた、本能的に相手はこいつだ!っていう 出会ったうれしさのあまりの大笑いだったのだろうかって。コトバはわるいけどつい思いました。 ひょっとして変形性性悪女かなぁって。裏表紙には ~初美が膨大な知識量と記憶力で恍惚と語る「世界の残虐史」~ここいらあたりからかなぁ 先へ進まなくなって。一旦中断。数日後再び読み始め・・・後半のほうが面白かった。 あぁこうやって洗脳されて破滅へ進むのかって。洗脳ってこういうことを言うのかって。 初美は確かにアタマがいいんだろうよ。でも徳山クン、ちょっと情けないかなぁ。 そっち行っちゃあダメ。心配する元同僚には「~あなたは心を開きすぎているから。それが 無粋だから。古いから。だっさいから。ババアだから。みっともないですよ。もう黙っていて。 ~~一体何様のつもりやの?いい加減、ほっとけや。顎お化けのクソババア!~~」って 長~いよけいなお世話メールに返信する。やせ細っていく初美との二人だけの世界。 これが現代の「心中」小説? 李龍徳(イ・ヨンドク)「死にたくなったら電話して」タイトルは魅力的。 最初は違う展開を予想してました。ゴチャゴチャした周りの付属品というか同僚達の存在は こんなにページをさく必要があるのかなぁ。とおもいつつ。心中に至るまでの道のりとして 欠かせないのかなぁとも。筆力はすごいよね。ただひたすらそう思います。 | ||||
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人は何処までも退廃することが出来る。そして初美の退廃は美しく、男は彼女の横で官能のうちに果てるだろう。死の根源に迫った近年屈指の秀作である。 | ||||
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作者の手法なのだが、最初に普通にストーリーに入りかけるくらいで直ぐに 飛躍した表現が挿入されてくる。それが随所に来るので 自分としては冷めてしまい、本を投げてしまったほどだった 後日もう一回読み返して何とか継続して読み進める事が出来たが、 賞を取っているという理由で購入した自分のような人間は、若干、これで賞が取れるのか? という疑問が聊か湧いてくるかもしれない。若干、突拍子もない文章表現を駆使 (あくまで意図的に駆使していると信じたい)しているので、 現実世界にいきなり戻されるか、自分がこの突然挿入される、「そっちで飛躍した想像をしろ」という 方法論に脳味噌を対処させながら読まないといけないので疲れるか、 若しくは自然とこの脳味噌の酷使に付き合うかの何れかである。 どちらにしても、読み手にセンスを求められる小説という事だけは間違いない。 | ||||
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世の中に嫌気がさしてだんだん社会から断絶し破滅していく様子をテンポよく書いてます 主人公がどんどんヒロインに引き込まれ最後は社会の関わり全てを断絶し孤立していく様がなかなか良いです 非常に面白く一気に読んでしまいました 今後のこの作者の作品を非常に期待します | ||||
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タイトルがまず、すごい。これで気になってしまう。装幀もすてきで、電子書籍じゃなあという感じ。 そのタイトルにふさわしい、エキセントリックなヒロインが繰り出す残虐ネタもよく調べられていて、一気に読ませてしまうすごい筆力。 いっぽうで、キャバ嬢のヒロインとかディテールは今どきだけれど、とてもとても古典的な作品だ。 同じ文藝賞で川本俊二さんの『rose 』を思い出した。同じく大阪が舞台で、エキセントリックで謎めいていて毒のあるヒロインに、 おとなしい僕が振り回されるお話。 痩せていて(でも胸はあって)美しいヒロインなしでは物語が成立しないところ、やっぱり古典的だな。 水戸黄門的黄金パターンに、辛口スパイス効かせたような本。だから読んで損はしない。 | ||||
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この本を読んで、私の20代前半の頃を思い出した。社会に出て、働き始めた頃だ。その時の一緒に仕事をしていた方が、「人は、誰と出会うかで、生き方が変わっていく」と話してくれた。良い言葉だったと思う。今思い返してみても、社会がどういうものか不安で、怖かった。家庭・学校・部活動・友人関係・どれも大切な学びの場所ではあるけども、社会というものを理解するのは、その中でしかないのだと思う。主人公の徳山君が、美しく圧倒的な知識量の初美に、心も体も、人生も食べられていく過程は、読んでいてゾクゾクする。皆さんのレビューもとても参考になり、本書を読んでよかった。最後になりますが、李龍徳さんファンになりました。 | ||||
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意味深なタイトルだしなんかメッセージ的なことかいなと思い急いで読破。 ただ面白かっただけでした(笑) | ||||
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野坂昭如の文体を思い出したのであった。 そこに思い至った時、胸にすとんと落ちた。 | ||||
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表紙の絵がかっこよくて大好きです。 カバー買をする私としては100点万点! 今のところ、中身は読み途中。 | ||||
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って紹介文、あってるのかな? どちらかというと、人生への興味へのなしくずしの消滅、というか。 受験生、家庭内不和、経験不足の若者。こういった主人公の状況が 確固とした自殺願望のある厭世的な女につかまったらどうなるのか。 女は巧みに破滅へと誘導するが、生育環境コンプレックスや 社会とのつながりが狭くバイトの世界の人間関係しかいまのところないゆえ、 実に簡単にからめとられる。女に同調し洗脳され身も心も委ねてしまう。 こういったケースではないにしろ、人間が思考を停止し誰かに依存することって 実はどこにでもあることかもしれない。 自分のことは実は全く明かしていない初美の物語を 続編というかたちで読みたい。 同時進行で初美側の語りで。作者ならさらにもっと おもしろくかけるのではないか。 | ||||
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