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ダンデライオン
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ダンデライオンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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シリーズの三作目の様だが、個人的には作者の作品は初読。新聞の書評にも載り、本の帯には「浮遊死体×開放密室」とのハデハデしいキャッチ・コピーがあるので期待して手に採ったのだが、その期待を裏切る凡庸な出来。本作のモチーフは創作童話に基づいた「空を飛ぶ少女」であり、これ自身は悪くないと思うのだが、実装が発想に追い付いていない。「開放密室」と称した二番目の事件は完全な付け足しで、取るに足りない。最初の「浮遊死体」の方もある種の密室殺人なのだが、ご丁寧に前半で密室構成手法のヒントを説明してくれているので、「How Done It?」に関しては全く意外性がない。それに、この方法では雑過ぎて現実的には無理でしょう。 むしろ本作の眼目は、捜査陣のレギュラーの一人の広海と、広海が少年の頃に憧れていた女性との16年間に渡る記憶・思慕の総決算にあると思う。このため、「浮遊死体」の方は「Why Done It?」に焦点が当てられているし、物語の全体構成もこれを徐々に明かす体裁になっているのだろう。ただし、親切心のためか、女性に対する作者の書込みが多過ぎるため、この女性に関する謎も謎になっていないという恨みがある。 また、上述の創作童話はある種のユートピアを扱っているのだが、「ユートピア=存在しない国」との語源に基づいて、作者が環境活動や反原発運動をシニカルに見ている点が印象に残った。全体的に言葉のギャグを交えた軽い筆致なのだが、意外と重いテーマを扱う意匠があったのかもしれない。ミステリ・ファンの方にはお薦め出来ないが、人情劇や社会ドラマを好む方には好適かもしれない。 | ||||
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