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処刑までの十章



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【この小説が収録されている参考書籍】
処刑までの十章
処刑までの十章 (光文社文庫)

処刑までの十章の評価: 3.70/5点 レビュー 10件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.70pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全10件 1~10 1/1ページ
No.10:
(2pt)

リアリティに欠けます。

あまりにも本格的な推理小説でした。最後まで真相が分からないようにすればするほど技巧に走り、作品世界は不自然になります。直行・純子・小瀬といった登場人物の発言や行動が現実離れしすぎて楽しんで読むことができませんでした。恋愛サスペンスとしても中途半端です。
処刑までの十章 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:処刑までの十章 (光文社文庫)より
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No.9:
(3pt)

結末までの十章が……

失踪した兄の行方を弟と義姉が捜索する話ですが、謎の時刻表記、切断された遺体、男女の愛憎が絡み最後の最後まで犯人がわからない。

流麗な文章と巧みな構成に、ほぼ一気読みしました。
ただし、満足度はせいぜい星三つ。

ストーリーの大半は、失踪した兄の弟と義姉の行動および会話で進みますが、弟や義姉の思い込みでかなり話を展開した後に、やはり思い違いだったと仮説を覆す繰り返しが多く、途中から単なるページ数稼ぎに思え気持ちよく読めなかった。

最後の種明かしもこじつけ感が否めず、消化不良のまま読了し、586ページを完読した達成感や満足感は得られず。

ミステリーなので、読者を欺くために登場人物に勘違いをさせるミスリードは望むところだが、ミスリードで展開する割合が多すぎて、種明かしを読んでも「やられた!」とはならずに、「こんな無理矢理な種明かし、誰にも想像できないし」と、裏切られた感じを覚えた。

連城三紀彦氏の短編が良かったので、初めて長編を読みましたが、結末までの十章がムダに長すぎたぶん、期待を超えるものではなかった。

ただ、文章力は流石です。これぞ、小説!
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No.8:
(3pt)

普通

好きな作家であり、新作はもう望めないため購入済みだったのだが温存してました。しかし、最近読んだ数冊がイマイチ(若い作家で○○で1位みたいな)だった為、ここは一つと言うことで。安定感あり。しかし、結末に向かう事に焦り?と言うか、無理矢理の感があり少々ツラくなった。ホントはあと数十ページ必要だったような気がする。
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No.7:
(5pt)

大変きにいりました

連城三紀彦さんの作品は風景描写がとても美しく、絵画的なところが好きです。
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No.6:
(5pt)

言葉を操る最高の作家さんだったと思う

20年ほど前にはまっていた作家さんだ。先日、本屋の店頭で平済みになっている本作をみて久々に手に取ってみた。
 美しい言葉、妖しい言葉、艶やかな言葉、含みのある言葉を巧みに用いて、男と女の関係、殺す者と殺される者の関係、互いの信頼関係を二転三転して読者を振り回すテクニックは流石である。長編であるにも関わらず、犯人を求めて最後まで引き込まれた。
 多彩な言葉を操り、読者の心を惑わすような作風は変わらない。この稀有な才能をもつ作家の新作を手にする機会がなくなったことは残念でならない。
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No.5:
(4pt)

つくづく著者の逝去が惜しまれます

本作品の著者は、1981年に「戻り川心中」で推理作家協会賞を受賞後、1984年には、「恋文」で直木賞を受賞し、作家としての地位を確固たるものにしています。
この80年代前半は、著者のミステリ作家としての一つの頂点で、この時期に著者のファンとなったミステリ好きも多いのではないか、と思います。

私もそんなひとりでしたが、著者が2013年にまだ65歳だというのに、逝去したとの報に接した時は、感慨もひとしおでした。
それは、過去の作品に楽しませてもらったこともありますが、まだまだ現役で、高品質なミステリを発表し続けていたからです。

本作品は、そんな著者の遺作となったもので、2014年に刊行されたものを本年(2016年)10月に文庫化したものです。

物語の発端はどこにでもあるサラリーマンの朝の風景。
西村靖彦は、なぜかいつも観る天気予報を観ないで、出かけようとする。
妻の純子は、そこに軽い違和感をおぼえるのだった…。
その予感は的中し、靖彦は家に戻らなかった。
どうやら、蝶に関する同好会を通じて知り合った、高知県の女性と駆け落ちを図ったようなのだ。
純子は、靖彦の弟、直行とともに、その行方を探って行くが…。

この作品の大きな謎は、関係があると思われる高知県で発生した放火事件の予告状に、「五時七十九分」という奇妙な時間が書かれていたこと。そこにはどんな意味が隠されているのか?

そして、物語は、この著者独特の、逆転に次ぐ逆転によって展開していく。
単なる駆け落ちと見えた事件だが、もちろんそんな単純なものではない。
直行は知り合いの記者を通じて事件を探るうち、その奥深い真相に迫っていく。

この著者の手にかかると、ちょっとしたきっかけで、事件の様相が180度転換してしまうことも珍しくない。
本書の裏表紙の作品紹介にも、「連城マジック」という言葉が出てくるが、まさに「離れ業」で、常に読者を驚かせながら、ストーリーは展開していきます。

やはり2014年に刊行された「女王」に次ぐ、遺作と呼べる本書だが、600ページ近い大作を一気に読ませる魅力ある作品です。
これから読まれる方は是非、連城マジックを思う存分味わってもらいたいと思います。
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No.4:
(4pt)

ミステリ作家と恋愛小説家という二面性と猟奇趣味とを巧みに融合した大部の秀作

私は作者のデビュー当時(「変調二人羽織」)からのファンで、本作は遺作(実はもう二作ある由)という事で万感の思いを込めて手に採った。作者がミステリ作家と恋愛小説家という二面性を持つ事はファンなら周知だが、本作もその二面性を巧みに融合した大部の秀作である。

ヒロインの夫の失踪から物語が始まるが、中盤まで読んでも、どう見ても二重の三角関係が巻き起こした単純な事件にしか映らない。ところが、ヒロインの義弟(自身も犯人候補)が探偵役の様な形で捜査を進める内に、次から次へと謎が浮かび上がり、義弟と共に読者も迷宮へと誘われる。特に、「女か虎か」ではないが、ヒロインが「魔性の女なのか、貞淑な妻なのか」を焦点として、義弟がヒロインを疑いつつも、その妖艶な魅力から逃れられない男女の心理の機微の描写は圧巻で、作者ならではのものである。更に、"騙しの名手"としての手腕も如何なく発揮されており、終盤、それまで"隠れていた"歪んだ(おぞましい)三角関係が突如として浮かび上がり、表題の「処刑」の意味が明らかになる辺りも作者の本領発揮である。

また、作者の作品としては珍しく、中盤以降、随所に猟奇趣味を散りばめているのは作者のサービス精神でもあるのだろう。物語を広げ過ぎた(このため、大部となっている)割には解決が合理的な点も作者の力量を示している。ただし、この解決には幾つかの謎が残っている上に、作中である登場人物が口にした「処刑」の別の解釈も「ゾッ」とするもの(猟奇趣味の一つでもある)である事に加え、作品の性格からして"多重解決"ものにしても良かったのではないかとさえ思った。それ程に読者の想像力を掻き立てる秀作であり、もう二作と言わず、もっと沢山の作者の作品を読みたかったとの思いを強く抱いた。
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No.3:
(2pt)

酔えなかった最終章ーネタバレあり

連城作品は大好きで、あの「暗色コメディ」のめくるめく幻惑、「戻り川心中」のあまりに切ないwhy-done-it は今でも好きな推理小説を語るときに引用しているくらいだけど、この遺作にはどうしても酔えなかった。病床で書いた著者最後の長編と聞くと、本当に好きになりたかったけど、どの登場人物もちょっと好きになれないところがあったし、急に根拠の弱いことを決めつけるように言うことに違和感を感じてしまった。「兄貴は姉さんを俺にくっつけようとしたんだ。」そういういう気がちらっと頭をかすめるくらいなら自然だけど、根拠(思い当たる兄の言動?)もないのに断定的に義姉に言う。「ばらばら死体は兄」と決めつけたり(どうしてそう確信できるのかちっともわからなかった)、この種の根拠がない断定が何度もあり、だんだん直行の推理に寄り添うことができなくなってしまった。それまで他の説を断定的に述べていたのに突然荻原の母に焦点を当てたのも流れが不自然だったし。母親のことを推理するときも「母親はーとでも言い」とまるで聞いていたように言っているが、全部想像で実のところはわからないのに名探偵が最後に真相を解き明かすような感じで語るのはどうしても違和感があった。どうなったのか不明の兄の心境も全部想像に過ぎず、これまでの連城作品のように想像と現実が入り乱れて何が本当かわからなくなる幻惑感も感じられなかった。僕の根拠のない勝手な想像、「連城さん、元気だったらこのままの形では発表しなかったんじゃないかな」
処刑までの十章Amazon書評・レビュー:処刑までの十章より
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No.2:
(4pt)

ミステリー+情念の長編

連城三紀彦氏の遺作らしく、冒頭からその世界観にどっぷり浸れます。ミステリー色も充分で、男女の情感もたっぷりで連城節が炸裂しています。

とにかく話が複雑で整理をしながら読み進めていくのがなかなか大変です。スッキリとはしませんが、結末もこれでもかと畳み掛けるような展開で意外性もあり、入念に練り込まれた大作です。

ただ、連城氏の他の作品と比べると腑に落ち度はやや劣るかもしれませんが、連城氏作品の独特の雰囲気は存分に堪能できます。
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No.1:
(5pt)

完璧な作品

ディビュー作から全作品を読んでいるが、これもまた圧倒的な出来栄えである。
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