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(短編集)
掟上今日子の備忘録
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掟上今日子の備忘録の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全83件 81~83 5/5ページ
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著者久々のミステリ…ではあるのですが,謎や犯人を作中から読み解いていくのではなく, どちらかと言えば,その経過であったり,解決篇でのやり取りを楽しむ作品という印象です. 物語の方は,感嘆符とトラブルから始まり,半ば強引にも中へと引き込まれていきますが, 主人公と語り部は25歳,賑やかな掛け合いもなく,全体的には落ち着いた雰囲気で進みます. また,最初の二話を比較的シンプルにまとめてくる中,主人公の抱える問題はもちろん, そこにも絡むであろう過去にたびたび触れるなど,早々に『先』への意識を植え付けられ, さらには,最後の話では彼女自身がそのことに言及,とある秘密と目的を語っていく様子は, やはりというのか,キャラクタとストーリ寄りのシリーズになっていくように感じられました. ただ,『記憶が一日しか保たない』という彼女の設定が,まだ言うほどには効いておらず, これから先,思いもよらない使い方,見せ方で楽しませてくれることにも期待をしたいです. なお,巻末には早くも続編『掟上今日子の推薦文』の告知があり,15年春の予定だそうです. | ||||
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どこかが突き抜けて過剰な小説、不安定なまでのバランスの悪さこそが西尾維新の持ち味だと自分は思う。 好きな人はハマるし、苦手な人は受け付けない――という今までの作品群と比べると、本作「掟上今日子の備忘録」は、バランス良く、しかし小さくまとまりすぎの感がある。 本作は所謂「日常の謎」ものであり、一日しか記憶が保たないという探偵の設定こそ特異だが、人格的にはこれまでの西尾キャラと比べると一般人寄りで、視点人物たる青年の思考も常人のそれ(ただし巨漢というのは西尾作品としては新しい)。遭遇する事件も、とてもおとなしいものばかり。 また、一応ミステリの体裁は取っているものの、事件のうち半分くらいは解決編までに示されたヒントだけで真相に辿り着くことが事実上不可能であるものなので、本格ミステリを期待すると肩すかしをくらうかも。 ただ、つまらないわけではなかった。 奇抜な設定やキャラ立てのせいで隠れがちではあるけれど、西尾維新の構成力はとても高いと思う。これまでの作品群も、何かが過剰ではあるけれど、著しく欠けているものがあるわけではない。 だから本作のようにキャラや設定が淡泊になるほど、その自力の高さもよくわかる。 実際、本作はよくまとまった佳作だと思う。 けれど同時に、これは西尾維新じゃなくても書けるんじゃないかと思ってしまったのも確か。 なお単巻完結ものではなく、シリーズ化前提のようで、本巻だけでは解決されないままの伏線もあります。 もっとも西尾作品の常で、シリーズを追ったからと言ってその伏線の答えが提示されるとも限りませんが。 | ||||
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この物語はミステリーですが、同著者の書いた"戯言シリーズ"のようなド派手なトリックや殺人はありません。 というのも、この作品は"ビブリア古書堂の事件手帖"や"謎解きはディナーのあとで"のように、短編の一話完結が原則なのです。 よって、派手にしようにも出来ません。 (一話完結と言っても、別に全然違う物語が展開されるわけじゃありません。誤解なきよう) またキャラクターに関しても、これまでの"化物語"などに代表されるような超ド派手なキャラクターは登場しません。 ストーリーも比較的地味です。 友人などに「超面白い本があるよ!衝撃的だよ!前代未聞だよ!」とは言えるものではありません。 しかしながら、それでもさすがは西尾維新さんと言うべきか――、安定した面白さがあります。 それに、超派手ではないですが、普通の小説に比べれば派手な探偵"掟上今日子"が活躍しており、私は既にこの"掟上今日子"が好きになりました。 まぁ、もちろん派手ではないので、露骨な萌えシーンやサービスシーンはないのですが。 しかし、そんな派手さを抑えることにより、少し大人向けな作品にしたかったのかな? という印象です。 主人公らの年齢も二十歳以上ですし。 なので、西尾維新さんに興味はあれど、あまりに強烈そうな雰囲気で敬遠していた人にもオススメ出来ると思います。 また、西尾維新さんのファンも、これまでと比べれば少し物足りないかもしれませんが、それでも充分に楽しめると思います。 "大人向け"とか"派手さがない"とか言っても、西尾維新さんの書いた本ですから、ちゃんと西尾維新さんらしさがそこかしこにあります。 まぁしかし、本当に西尾維新さんは、いろいろなジャンルの物語をちゃんと面白く書けるので尊敬します。 正直なところ、私自身が西尾維新さんの派手な作風に惹かれたファンであり、読む前の印象として「ちょっと地味そうな作品だなぁ」とそれほど期待していませんでした。 ですが、結果として、私はもう続きが読みたくなっています。 派手でなくても面白いのは、やはり西尾維新さんの技でしょうか。 それに上でも書きましたが、私は探偵の"掟上今日子"がもう好きになっています。 | ||||
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