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両シチリア連隊
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両シチリア連隊の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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戦間期のウィーンで、かつての「両シチリア連隊」の生き残りたちが 次々と謎めいた死を遂げていくという設定は魅力的だし、いかにも ドイツ語圏の作品らしく、ドッペルゲンガーを主題とする知的遊戯色の 強い構成になっていることも、ミステリー好きには受けるだろうと思う。 ただ、普段あまりミステリーを読まない身には、登場人物の描き方が やけに平板というか、そもそもまともに描き分けられていないように すら思えたし(ロションヴィル大佐と娘のガブリエーレの容貌だけは、 冒頭できちんと描かれているが、他の人物は殆ど名前だけで区別 されているように思える)、凝った展開も、どこか作者の独りよがり という感じがしてしまったことは否めない。 時折差し挟まれる省察や、幻視とも白昼夢ともつかない描写には、 どこかゼーバルトのエッセイ風の小説を思わせる味わいがあるが、 それらが筋の展開の中でやや浮いているように思えることも確かで、 全体としてどこか中途半端な作品に終わっているように感じた。 訳者が言うように、あくまで「アンチ・ミステリー」だと思って読めば、 登場人物がほとんど固有名詞に還元されていることもプラスに転じ、 それなりに面白がれるのかもしれないが、そうした読み方に興味のない 私のような読者には、おそらく合わない作品なのだろうと思う。 | ||||
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