図書館大戦争



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初公開日(参考)2015年11月
分類

長編小説

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図書館大戦争

2015年11月26日 図書館大戦争

秘密の力を持つ7つの本をめぐり、図書館・読書室の暗闘がはじまる。 叔父の遺産を処分するため、青年アレクセイはウクライナからロシアに向かう。そこで出会ったのは、亡き叔父を司書とする「シローニン読書室」の面々だった。 忘れられた社会主義時代の作家グロモフの7つの本(「記憶」「力」「喜び」「忍耐」「権力」「憤怒」「意味」)。恐るべき力を秘めたこれらの本を、「図書館」・「読書室」が血で血を洗う決闘によって奪い合う。 知略に富んだ慈悲深きマルガリータ、鎖分銅の使い手チモフェイ、長剣の名手ターニャ、ルーブル硬貨で鎧を仕立てるグリーシャ……。古強者揃いのシローニン読書室は、やがて強大な「図書館」との抗争に巻き込まれていく。(「BOOK」データベースより)




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No.7:
(3pt)

せっかくの名作が…

表紙の幼稚なイラストと残念な邦題のお陰でせっかくの名作が台無しにされています。とにかくセンスが無さすぎ。ミハイル・エリザーロフに失礼だよ。
図書館大戦争Amazon書評・レビュー:図書館大戦争より
4309206921
No.6:
(2pt)

長すぎ、そして描写が退屈

この物語のために2段組400ページ弱が必要だったとは思えませんでした。要するに長すぎると思いました。心理描写を排して、ひたすら状況描写、あるいは人物の動きの描写が続きますが、情景がいまひとつ立ち上がってきません。映画的という評価もわからなくはないですが、だとしたら退屈な映画です。文章のリズム感もないし、頻出する体現止め、名詞の羅列も気になりました。訳者あとがきに「ジェットコースターに乗せられて気づいたら結末だった」とありますが、肝であるはずのスプラッターシーンにもスピード感がありませんでした。運動神経のない文章といえましょうか。。 こうした感想が、作者によってもたらされたのか、訳者によってもたらされたのかはわかりません。最後の場面はなかなかよかったのですが、ソローキンの芸術性を期待していただけに全体的に物足りなさを感じました。
図書館大戦争Amazon書評・レビュー:図書館大戦争より
4309206921
No.5:
(4pt)

Наши современники向け(1980〜90年代にソ連邦で生活した人には面白い)

時代設定は(多分)ソ連崩壊後の1990年台半ば。スターリン時代後期からフルシチョフ時代に書かれたと思しき社会主義的(要するに教条主義的で全然面白くない)七つの小説を奪い合う読書サークル間の「キル・ビル」的な戦いを軸としたものがたり。
馬鹿馬鹿しくも凄惨な殺し合いが何度か繰り返され、それが漸く終わると、平板で静かで記述が続く、このコントラストに戸惑う。戸惑いながらも読み続けるうちに、七つの書の暗喩に想いを巡らすことになる。
図書館大戦争Amazon書評・レビュー:図書館大戦争より
4309206921
No.4:
(2pt)

忍耐の書

旧ソ連の無名の作家グロモフが生前に出版した数冊の本は、読んだ者に特殊な効果を与える力を秘めていた。そのことに気づいた者は、それぞれ同志を集めて図書館や小規模な読書室を立ち上げる。図書館間の大きな戦争が起こってから数年後、夢破れた文学青年である主人公は、死んだ叔父の後を継いでシローニン読書室の「司書」となる……。

主人公が司書になるまでの歴史を描いた第一部にはワクワクさせられた。
グロモフが本を書いた目的は何なのか。主人公は、本を使って世界をどう変えるのか。期待して第二部に進んだが、そうした予想はことごとく裏切られる。

第二部は、他のレビューにもあるとおり戦闘に次ぐ戦闘だ。だが、読書室同士が本をめぐって命がけで争う理由がよくわからない。本の効果に対する依存と、はぐれ者のコミュニティを守るためなのだろうが、鎧を着込み刃物や鈍器で殺し合う陰惨な描写が続くうち、何のためにこんなことをやっているのだろうという疑念が強く湧いてくる。
「力の書」や「憤怒の書」といった本の効果は、それほどファンタジックなものではなく、活力の付与や戦意高揚など、ドラッグに近いものとして描かれている。実際、本をドラッグにおきかえれば、チンピラ同士の抗争と変わりなく、読んでいて退屈だった。しかも、この第二部は本書の4分の3を占めるので、読み通すには少なからぬ忍耐を要した。

ようやく第三部にたどり着いても、黒幕からの種明かしはあるものの尻すぼみのラストだった。

出だしから、もっと壮大な物語を予想していたのだが、作者にそういう意図はなく、旧ソ連に焦点を絞ったドメスティックな話を書きたかったのだろう。そういう視点から見れば、主人公はウクライナ人なので、ロシアとウクライナの関係や、共産党の中央委員会を模した横暴な図書館評議会、ロシアの文学や風俗描写等、興味深い点は多々あった。ロシアに興味があれば、もっと面白く読めると思う。
図書館大戦争Amazon書評・レビュー:図書館大戦争より
4309206921
No.3:
(5pt)

マシュー・ヴォーンばりのスタイリッシュな殺戮・戦闘シーンあり。エンタメ度、ロシア度ともに高い異色本。戦闘老婆好きにも。

血で血を洗う「グロモフ界」の権力者たちの創立史で幕を開ける導入から非常に惹き込まれる。
ドミトリー・アレクサンドロヴィチ・グロモフ(1910~1981)はペレストロイカ以前のソビエトで一定の評価を得ていたが、売れない地味な作風の小説家だった。
ある時、彼の小説を読むことによって、思いがけない作用が人体にもたらされることを、一部の読者が気づく。
ひっそりとこの世を去ったグロモフの遺した本は全部で6冊だとか7冊だとか言われていた。

本が持つ力にいちはやく自ら気づいた者は本を大量に集め大組織「図書館」を作りあげ、ついでそれ以外の小集団で本を管理する「読書室」も生まれた。
それぞれの集団で本を保管する中心的役割を担う者たちのことをグロモフ読者たちは「司書」と呼んだ。本書はその司書をめぐる果てしない戦いと、奇妙な顛末を綴った作品である。

司書ラグドフ・司書シュリガが誕生するエピソードにつづき、モホヴァの章でいよいよ本書の強烈な個性が炸裂する。
寝たきりだった老婆が立ち上がり飛び回り始める場面は、ゴーゴリの「ヴィイ」に出てくる魔女の狂乱さながらのおぞましさと滑稽さだ。老人ホームを出た老婆たちで構成された「母さん軍団」はツルハシや肉切り包丁、巨大草刈り鎌など「生活で使い慣れた」得物をたずさえ、おなじく薪割り斧や徴兵時に使い慣れた銃剣(銃は不使用)で戦うグロモフ読者たちと大戦争を始める。

淡々とリズミカルに運んでいく文体が、強烈にビジュアル感覚に訴えかけてくる。すらすらとスタイリッシュに残虐な殺戮シーンが展開してゆき、まるでマシュー・ヴォーンの映画(「キック・アス」「キングスマン」など)を観ているような気分になった。
老女が大鎌をふりまわし、応戦する者が鋤鍬(すきぐわ)で受け流す。その横では肉切り包丁で削ぎ取られた耳をおさえてうずくまる者、手製の槍で胴体を貫かれて倒れる者・・・そんな修羅場の背景に非常に軽快な音楽が流れ、映像がクローズアップされたりストップモーションになったりを繰り返して、コミカルかつスタイリッシュに惨劇を見せてゆく。そんな妄想が浮かんだ。

(以下ネタバレあり!)

第2部「シローニン読書室」に入ってようやく、本書の主人公アレクセイが登場する。実はここからが本題。
シローニンの人々の個性が好ましく、懐かしく、温かに、血みどろの戦いの連続をはさみながら描かれてゆく。アレクセイは幸いなのか否か、判断がつかなくなる頃には、読者も物語の中に取り込まれて逃れられぬ運命の瀬戸際へと追い詰められてゆく。そうして「矢尽き刀折れ」るまで、読者たちが戦い続ける様は、ある種のカタルシスへと導いてくれ、エンタメ的満足度も高い。ついにグロモフの本の真実を追って第3部へ突入。

中央権力と地方の熾烈な紛争。暗に権力を行使し、己の力を増そうとする権力者たち。そんな「図書館」と「読書室」の関係は現実の世界にたやすく重ねられる。
モホヴァを手玉にとり最強の女軍団を作り上げたゴルン。彼女の旧ソビエトに根付いたインテリジェンスにより、グロモフの7つの本の威力が発効されることになる・・・ホントか嘘か分からないんだけど。このラストは、後味の悪いファンタジーを読ませたいのではないと思う。
そうやって自分より下位の力しか持てない様に去勢・搾取して自分の地位の安定と保身を図る・・・というのは、どこでもそうかもしれない。
また、なにか大きな目的のために戦争をしていた訳でなく、もうとっくに死んでいるはずの老婆たちが、ただ生にしがみ付く為だけにその犠牲を望んだというのも非常に皮肉な意味がこめられているのでは。作者エリザーロフはウクライナの出身である。

その一方でウクライナ出身の作者がこの、ある種のソビエト賛歌を書いたことに複雑な感じを受ける。本書はそれ以前、2007年に上辞されている。ロシアにゆかりのある人々が、ソ連時代をどう思っているのか、そんな興味深い感覚も流れ込んでくる本作。おもしろかった。
図書館大戦争Amazon書評・レビュー:図書館大戦争より
4309206921



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