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(短編集)
飲めば都
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飲めば都の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.18pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
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日常の謎、というよりは単なる日常。文章もくどく感じられる。お酒の話しもあまりでてこない。 | ||||
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文中に出てくるオコジョさんの絵とリンクした装画がとてもいいです。 主人公の名は小酒井都で、懐かしの作家小酒井不木の名の由来がエピソードとして語られます。これを皮切りとして「ふーん、知らなかったなあ」という蘊蓄話をちりばめながら、酒と失敗と恋とが巡り巡っていく物語です。途中では、酔っぱらった都の下着はどこに消えたかという小ミステリーも挟まれていたりして、サービス満点の作品です。 北村薫が男性作家だと知ったときには本当に驚きました。後年、木内昇が女性作家だと知った時にも同じくらい驚きましたが、ペンネームをつけるときからプロはプロということなのでしょうね。 | ||||
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擦り傷やへたり・汚れ等もなく綺麗な状態で届いたので大満足です。 | ||||
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2011年に出た単行本の文庫化。 出版業界を舞台に、酒を飲んでの失敗、酒にまつわる愉快なエピソードを並べた長編小説。なお、ミステリではない。 おそらく編集者たちから集めたネタなのだろうが、その物語としての処理の仕方がきわめて巧みだ。柔らかな筆調で、明るく親しみやすく、どこか哀しみも漂わせるエピソードに仕上がっている。 女性編集者たちの心理もいい。相変わらず、女心の描き方が素晴らしい。 ただ、後半、ちょっと勢いが落ちてしまうのが残念。 | ||||
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タイトルだけで購入したのだが、娘が京都暮らし初めて、酒好きゆえに。だが、内容は全く意外なものでしたが、おもしろかったです。テンポもはやく読むのに飽きがこなくて楽しめました。 願わくば、もう少し 酒のウンチクがストーリに絡めば、酒好きには勉強になりましたかなと? | ||||
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都という、お酒好きの女性編集者が主人公で、仕事を中心とした都の日常が描かれています。 お酒の上での失敗談がよく出てくることもあり、全体的に笑いをとる話が多いのですが、そこに人間の喜怒哀楽の微妙な心理が巧みにさしこまれています。 とくに「異界のしり取り」「王妃の髪飾り」で、笑いに滑車がかかり、「像の鼻」では爆笑してしまいました。でも一番印象的なのは、胸がキュンとなるような切なさがあった「指輪物語」です。 また駄洒落も多く、全編をとおして言葉遊びが感じられる作品です。 ところで読む前から、本の表紙に惹かれていたのですが、読後にはなおさら、猫の画が小説に彩りを加えているのがわかります。 書き手の楽しさが、読み手にも伝わってくるような本で、読んでいて楽しい気分にさせてくれながら、時にはほろ苦さも感じる小説でした。 | ||||
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北村薫は実は女性ではないかと思わせるほど、心理が良く描かれている。 | ||||
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都ちゃん。 やらかしてます・・・。 楽しいよね。 一緒に呑みたいですわアタクシ! お酒でなんていうのだろう。 あっ。 お酒(の失敗)で生い立ち(成長)語っている?お話。 それぞれのエピソード、タイトルともに面白すぎっ。 あはははっ。 よかったぁ! だんな様との出会い 〜智恵子抄〜 の中の【猫の版木のトコ】 が、いいお話なの。 こういう猫の版木を幾つか作って持って行ったんです。 〜 自分の手を動かすと、次々に猫が生まれて来る。 〜〜〜 素敵な時間でした。 猫の顔の中に、お孫さんや、自分達や、知っている色んな人が重 なっているみたいでした。 | ||||
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文体は紛れも無く北村印です。 しかし、題材がクダケテいる! 北村薫の新境地か? 182、183頁に、多分作者の述懐とも取れる文章があります。 私にはそう受けとれました。 もうひとりの北村薫−無茶して笑える−好きです。 | ||||
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北村薫氏が書かれる日本語、相変わらず美しいですね 人の心情、季節のうつろい、会話のテンポ 落ち着いて読めるのに読み始めたら止まりません(笑) 主役の都は良くも悪くも現代の普通の女性です。 物語もその日常を描いているわけですが 読後感として「普通ってなにさ?」と思ったのでした。 社会人としてスタートしたところから数年にわたって 語られていく物語がどうにも淡白というか 一人称でありながら俯瞰しすぎな視点で語られているような。 そして最後に「この二人大丈夫かなあ…」と読者の視点で 不安を残しながら、楽しく読了しました。 北村薫氏の著作ということで期待値が高かったのもあり 星2つ。 | ||||
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都さんが幸せになったようでよかった!…読者にこう思わせて、この本は大成功だろう。人生の経験者は経験者なりに、過ぎし日の、転んだり、笑ったり、泣いたり、もちろん飲んだり、を思い出して、胸のあたりがチクチクと痛みながらも、ほのぼのと温かい気分で読み終えて、このように生きられたらどんなに幸せだろうかとも思ったりして…。その辺を、とても丁寧に、優しく、書いてくれていて、これから人生の大海に乗り出して行く世代の人へも、さりげなく薦めたくなるような、品のいい小粋な本でもある。 | ||||
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楽しかった。読んでいて本当に楽しかった。途中、何度か声を出して笑ってしまった。みんなに教えてあげたくなった。 北村薫さんの作品は全て読んでいます。物語に登場する女性たちはいつも、この人にかかると本当に生き生きと活躍する。この本の中の小酒井都さんもまた然り。どうしてこんなにも女性の心が書けるのだろう。以前、町の本屋では作者を男女別に陳列していた時があった。北村薫さんの著書が女性作家に混じっていてこっそり直して帰ってきたこともあったが、並べた人の気持がわからないでもない。 会社勤めをしていた頃たびたびお酒を飲んで帰ってきたことを思い出す。職種は違うが、都さんと飲んでみたいものだ。 「いとま申して」を読んだら、北村薫という作家がどうしてこんなにすごいか、少し見えた。 | ||||
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北村薫。覆面作家時代から、「女語り」、また「女」を主人公をする作品に異常なまでにこだわり続ける作家。作品は細やかで、常に水準以上だが、不思議なのはこのこだわりだ。単に「女」に生まれたかった人なのだろうか。それとも、もっと深層的なものがあるのだろうか。誰か心理学的に、この作家の心の「闇」に迫ってくれる人はいないだろうか? | ||||
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楽しかったーーー!!! 作品との波長が妙に一致したのか、ただただ楽しかった! 文芸雑誌担当の女性編集者の仕事・酒・恋模様を綴った連作短編 激情というよりは、日常の些細な喜怒哀楽が絶妙に描かれていた 社会や時代の空気観の切り取りかたも上手かった 私はお酒を飲まないので、実際のお酒の場の雰囲気を良く知りませんが 本著で少し疑似体験できた気になれました 読書って人生を豊かにしてくれるよなと思いました (お酒はもっと豊かにしてくれるのかな???) また、お酒の薀蓄も結構多く載っています お酒は本当に種類が多く、その分だけエピソードもあるんだなと面白かったです 後、妙にウソ薀蓄がいっぱい載っているのも、なんかお得な感じがした 例えば「あられもない」の語源についてウソの説明があったり等 (ちゃんとウソのものに関しては直ぐ後にその旨が明記されています) よくもまあ、こんだけ色々考えたよなと関心してしまいました 基本、酔っ払いの失敗談的な楽しい雰囲気ですが、 ところどころでピリリとしており、味わい深い作品でした | ||||
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軽妙洒脱に物語は過ぎて、巻末に至って、ただ終わる。 職業作家が時間経過を技術で物語と化したかのような印象を受けます。 書き手が肩の力を抜いて楽しんで書いているのが伝わりますので、 読み手も構えずに手に取れば、よい暇つぶしとしての読書になるでしょう。 しかしながら、初期の作品群に接して、 この作家の作品を愛好してきた者としては、一種の危惧を抱かざるを得ません。 常に問題意識をもって己のテーマを追求せよ、とは申しません。 それは読み手にとってもなかなかしんどいことですから。 とはいえ、こだわりなくすっと読み進むことのできる文章に接すると、 その洗練さは、作家性が荒廃していく始まりなのではと恐れるのです。 ただの時間経過を見事に読ませて楽しませるのも立派な文学とは聞きますが、 わがままな一ファンとしては、それをこの作家に期待しているわけではありません。 | ||||
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「私と円紫さん」シリーズが落語文学の新機軸なら、こちらは北村流「駄洒落文学」(?)の誕生か。そう思わせるほどに、おもしろいフレーズが満載。「さても監禁たますだれ」「裏地ミール・ホロビッツ」「あられもなけりゃあ、かきもちもない」など、大いに笑わせてくれます。まァ、題名からして『住めば都』ならぬ『飲めば都』ですから、予想通りと言えば言えますが…。 また出版社が舞台なのも、うれしい限り。これが、本好き読者にはたまらない理想の職場なんですナ。しかしそんな夢の職場でも、原稿を忘れて青くなったり、葬儀の花輪の名前が間違っていたり、人事異動に一喜一憂したり、と、エピソードはまさに現実の職場そのもの。特に、花輪や人事異動の話はどんな会社にもありがちで、サラリーマン生活の長かった者としては身につまされる思いでした。 日常に潜む謎への目配りも充分で、中でも「指輪物語」の哀切、「智恵子抄」の意外性などが秀逸。随所に散りばめられた名言も読みどころで、「愛は貧乏以外の全てを越える」「恋愛はうっかり、結婚はなんとなくするもの」など、思わずニヤリとさせられます。特に気に入ったのは、主人公が純朴な恋人に対して抱く「下には下がある」という感想。ユーモラスな中にも真理を突いて鋭ドイものがありました。全編、酒と肴のオンパレードで、読後にほろ酔い加減になるのも新趣向。その食通振りも、一般サラリーマンが少し背伸びした感じなのが好ましく感じました。 あとぜひ付け加えたいのは、主人公が、恋人の両親に挨拶に出かける車中での、微妙ないさかいの場面。《免許証、持ってないくせに》と思う主人公と「あっちに着いたら丸くね」と言う彼の心のすれ違いは、まさに恋人たちの現実を描破した感があります。歳をとると、人生に完璧はなく、理想の恋人たちにも日常の小さなほころびは有るのだ、とつくづく思いますが、そんな人生の真実をよくぞ描いてくれた、と思った次第です。もちろん作者は、そんなほころびにもめげず幸せになれるのもまた「人生の真実」なのだと、読者を励ますのを忘れていませんが…。 笑えて、泣けて、考えさせる「新シリーズ」の開幕。早く、次の「飲み会」に誘ってもらいたいものです。 | ||||
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笑った、笑った、笑った! 今年一番笑えた小説。帯に「仕事を愛する酒女子必読!」などとあり「自分は酒を飲まないし、女子でもないし、仕事は……愛して…るのか?」と思いつつも、そんなことはおよそ関係の無い面白さ。 書店で見かけたなら、一章の第一節、最初の5ページだけでも目をやってみて「笑える」かどうか試してみるといいと思えます。 それが大いに楽しめた人なら、この小説全体は更に何層倍も、その期待に応えてくれる筈です。 逆にそこで反りが合わないようならば……ちょっとその人とこの作品は、相性が悪いのかも知れません。 とても分かりやすい判別法と思えます。 なお、話の進展につれ、第三章での心に痛い"飲まずにはやっていられない"エピソードを経て、物語は酒と恋------とりわけ、いかにも北村作品らしい"本を愛する男と女の心の機微"を濃やかに描くものとなっていきます。 「酔いにまかせて意図せず内面が曝け出されてしまうこと」と、「意図を練りあげて、本や版画の作者が作品を通じて自己の中の大切なものを表現すること-----それを作中のある人物曰く、「本の蔵に住むウイスキーキャット」として編集者たちがその表現を護り、引き出し、支えること」が混じり合っての妙味が、香り高く味わい深いカクテルとして読み手に差し出されます。 男と女。「気のおけない異性の同僚」と「恋人」との狭間。夫と妻。友情と各々のプライドと。作中人物と、そのモデルとなった人物ご本人と……語られるものと、秘されるものと。許せる逸脱と、どうしても許しえない漏れでた本音と。明かされる心と、あえてつき通される嘘と。 虚実皮膜のうちに泡立つ「人と人」、その「と」が当代一の巧みさで、溢れるユーモアと笑いと共に描き出されたこの『飲めば都』という小説。 是非とも、楽しみ抜き、笑い抜き、味わい抜いてみて下さい。 これは、そういう物語だと思えます。 本を愛する人、本を愛する人々を幾度もこれ以上無く見事に描きぬいてきた北村作品を愛する人は、きっとこの小説に惹かれずにはいられない筈です。 また、過去の北村作品との関係でいえば、『飲めば都』は『朝霧』収録「走り来るもの」で描かれた痛ましくも毅然とした、知と意志とに彩られたエピソードを"より明るく、笑いに満ち満ち、時に痛みや悲しみを酒と酔いに任せての大暴れに委ねつつも、明日へ向かうエネルギーに詰まった物語"に大きく広げていった小説のようにも思えます。 出来るならば、「走り来るもの」と併せて読んでみて下さい。 最後に余談を一つ。 『空飛ぶ馬』の《私》をはじめとして、同シリーズの庄司江美、『スキップ』の桜木(一ノ瀬)真理子・柳井さん・"ニコリ"島原百合香・里見はやせ、『リセット』の弥生原優子、『街の灯』の桐原道子・"ベッキーさん"別宮みつ子、『覆面作家は二人いる』の新妻千秋、『ひとがた流し』の石川千波、北村作品の単体短編の中で押しも押されぬ傑作として揺るがぬ地位を誇る名作「ものがたり」(『水に眠る』収録)の茜など、北村作品におけるヒロインや時にヒロイン以上に輝くようにも見えるサブヒロインたちは、思いを内に秘め、その秘めた勁い想いと意志の美しさとが掛け替えのない魅力となっているわけですが。 それに比して、『飲めば都』の小酒井都さんが運命のお相手とぐっとその距離を縮めたエピソードは「内に秘めた想い」という概念に収めようとどんなに願ってどんな理屈を立てようにも収まり得ない、なかなかに北村ファンとして天を仰ぎたくなるものではあって。 しかし、そんなことなど限りなくどうでも良くなってしまう、邪魔者など馬に蹴らせて殺してしまわんとする素晴らしい勢いとエネルギーこそは、正しくこの作品固有の魅力だと思えます。 この部分については是非作品の本文を参照された上で、「お前なあ……あれを読んでそういう感想になるのか」と笑ってやって下さい。 | ||||
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