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(短編集)
みんな元気。
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みんな元気。の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.13pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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いろんな楽しいこと、辛いこと、気味の悪こと、痛快なこと、エッチなことをぐるぐるぐるぐるしていったら、こんなお話ができましたよ というような作品。コトバがコトバをうんで、枝葉をつけて、どんどん広がっていく。枝葉ばかりを見ていると、迷子になってしまうから、コトバの森をゆったり見渡してあげる必要がある。 物語は、主人公の枇杷の姉ゆりが、眠りながら浮かんでいるところから始まる。家族の中で、浮くことができるのは、ゆりと妹の朝ちゃんだけだ。父や母、枇杷、弟の秀之は、真似することができない。 枇杷が小学六年の頃、竜巻とともに杉山家がやってきた。息子の昭を置いていく代わりに、朝ちゃんを杉山家の娘にするという。そして、朝ちゃんは、強引に空の上のどこかにある杉山家へ連れ去られてしまうのだった。枇杷も、ゆりも、父も、朝ちゃんを追って竜巻に飛び込んでいく。 ・・・ そこから物語は、成長していく枇杷と、枇杷の家族との関係だったり、恋愛だったりに広がりをみせる。死体で傘を作る殺人鬼や、空飛ぶ警察官が登場して、現実と非現実がごちゃまぜだ。枇杷が朝ちゃんとめぐり合うシーンは、どーんと悪夢の世界に真っ逆さま。一見するとわけがわからない。 あえて、深読みしてみると、 本作品は、子を亡く崩壊した家族、そして愛することに臆病になってしまった女性の物語なのではないか。そう考えると、朝ちゃんが杉山家にいくと決断したときに発した、「みんな元気」は、とても悲しく響いてくる。ラストは、朝ちゃんの赦しを感じ、新しい恋に踏みだす枇杷を描いたのかもしれないな。では、昭は何もの?など、色々と語りあってみたくなる作品である。(考えすぎだろうか) | ||||
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いろんな楽しいこと、辛いこと、気味の悪こと、痛快なこと、エッチなことをぐるぐるぐるぐるしていったら、こんなお話ができましたよ というような作品。コトバがコトバをうんで、枝葉をつけて、どんどん広がっていく。枝葉ばかりを見ていると、迷子になってしまうから、コトバの森をゆったり見渡してあげる必要がある。 物語は、主人公の枇杷の姉ゆりが、眠りながら浮かんでいるところから始まる。家族の中で、浮くことができるのは、ゆりと妹の朝ちゃんだけだ。父や母、枇杷、弟の秀之は、真似することができない。 枇杷が小学六年の頃、竜巻とともに杉山家がやってきた。息子の昭を置いていく代わりに、朝ちゃんを杉山家の娘にするという。そして、朝ちゃんは、強引に空の上のどこかにある杉山家へ連れ去られてしまうのだった。枇杷も、ゆりも、父も、朝ちゃんを追って竜巻に飛び込んでいく。 ・・・ そこから物語は、成長していく枇杷と、枇杷の家族との関係だったり、恋愛だったりに広がりをみせる。死体で傘を作る殺人鬼や、空飛ぶ警察官が登場して、現実と非現実がごちゃまぜだ。枇杷が朝ちゃんとめぐり合うシーンは、どーんと悪夢の世界に真っ逆さま。一見するとわけがわからない。 あえて、深読みしてみると、 本作品は、子を亡く崩壊した家族、そして愛することに臆病になってしまった女性の物語なのではないか。そう考えると、朝ちゃんが杉山家にいくと決断したときに発した、「みんな元気」は、とても悲しく響いてくる。ラストは、朝ちゃんの赦しを感じ、新しい恋に踏みだす枇杷を描いたのかもしれないな。では、昭は何もの?など、色々と語りあってみたくなる作品である。(考えすぎだろうか) | ||||
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表題作が一番良かった ここでの評価は低いみたいだけど…… 確かにいろんな話が結末を向かえず、とっ散らかってはいるけど、それは物語を壊そうという意志に基づいて意図的にやってると思う 序盤に主人公と南田の恋愛に関する会話がこの小説の構造をメタ的に(けっこう遠回しに)語ってるから、そこに注目してほしいのだが……(一回読むだけだと見逃しがちかもしれない) ようは主人公だけが共有され登場人物が違う、全く別々の物語が個々に生まれて、ちょっと関わったりしながら結局のところ結末を迎えたり、迎えなかったりする とにかくこれは、大風呂敷広げたけどまとめきれなかったということではないので、そこは誤解しないでほしいというか(余計なおせっかいで本当に申し訳なく思うけども) とりあえず最初らへんの南田と主人公の会話に注目してほしい。登場人物が違うと主人公が同じでも別の物語が進み、そこには連続性がない、ということを言ってるから そして結末を見ると……ネタバレになるから詳しくは言わないけど、結局主人公は物語的な希望を手に入れて生きるということなのかな。そこは読む人次第って感じなんだろうけど 表題作以外にも佳作が揃っていて、いい短編集だと思います しかし「矢を止める〜」がマジで意味不明すぎるんだが…… これも物語破壊という意味では表題作と同じなのかもしれない | ||||
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ファンの間では余り相対評価の高くない作品集だけど、それでもやっぱりその辺の「純文学作家」よりは遥かに凄いことをやっていると思う。一見、血生臭くハチャメチャでぶっ壊れた筋の中に、「世界に暴力が存在してしまうこと」のどうしようもない哀しさと、だからこそ語られる家族や夫婦・恋人の間の愛情へのポジティブな思いがいつも通り書き込まれている作品が並んでいます。僕は舞城作品の持つこのポジティブさが好きです。不可解だけど確実に存在する暴力のシステムをきちんと描いているからこそ、彼が書くポジティブさが上っ面なものにならないで済んでいると思うんですね。 出身地の福井や調布を舞台として一人称で語られる登場人物の内面の語りは、そのまま「世界」「暴力」「愛」に関する作家本人の思索の吐露のようです。暴力が絶対的に存在することに対して舞城氏が持ってくることが多いのが「親子・家族の愛」というのも慧眼だと思っています。だって、血縁関係というのは主体的選択の結果存在するわけではないので、そういう意味では暴力のシステムと同じくらい不条理なものなのですから。でも、だからこそ暴力への対抗力になるはずだという作家の祈りにも似たメッセージを僕は彼の作品から感じずにはいられません。 本書一番のお気に入りは表題作。思春期の主人公が選択するラストの出来栄えはやっぱり感動もんでしょう。「スクールアタック・シンドローム」も悪くないけど、包丁を振り回す年頃の息子のパッションを漠然とした「感情の連鎖」を鍵に理解しようとする主人公には若干納得できなかったですかね。それでも、一冊全体としての仕上がりは十分五つ星に値する本だと思います。 | ||||
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短編集ですが、全体を通した感想です。 舞城作品を殆ど読んでいましたが、 今回の飛びっぷりには驚きました。 内容的に支離滅裂に感じる人もいるでしょう。 他の作品を読んでからの方が良いかもしれません。 舞城作品では人が傷つき死んでいく描写が多く、 今作品も例外ではありませんが、 そのような描写から対極にある優しさが際立ち、 何だか心が暖まってしまうのです、不思議なことに。。。 | ||||
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面白かったんですが、今作は舞城作品の中では群を抜いて支離滅裂に見えるかもしれません。いや、どの短編もしっかりと何かしらのメッセージが込められているのですが、土台となる話が支離滅裂を極めていて・・・場面展開が急激過ぎて付いて行くのが大変でした。特に表題作。 家族愛みたいなものがテーマなんでしょうけど、内容はわけがわかりません。冒頭から意味不明。それでも舞城氏の筆力のおかげかグングン読み進めることができました。 客観的に見れば舞城作品ってのはどれも強烈なメッセージが込められているがゆえ、人によってはそれを「説教臭い」と捉えるのも仕方ないでしょう。しかし、僕個人としては強烈なメッセージが込められた作品の方が読んでて伝わるものがあるし、感動できます。 個人的にはかなりオススメですが、やはり内容はちょっととっつきにくいと思うので、初めて舞城作品を読む人はこれとは別の作品から入った方が賢明でしょう。('-,_ω-`)プッ | ||||
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初めて読んだ舞城王太郎の作品だったから読み進めるのが少々きつかった。でも、読み終わった満足度としては十分な重みがあった。 メチャクチャに見えるストーリーの中には、「愛」と言うメッセージが照れくさくなく、嫌味もなく上手に織り込まれている。とくに見所なのは、独自の視点からとらえた「家族愛」だろう。けして心温まる美しいものではない。ときには残酷に、時には無責任に、ときにはこちらに疑問符を投げかけながら、作者は一風変わった不器用な登場人物を動かしていく。「純愛ブーム」とはかけ離れた、もう一つの愛のかたちを味わってみるのも悪いものではないと思った。 | ||||
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大炸裂です。何を考えてこれ芥川賞の候補にすらならなかったのでしょう。 表題作は家族のあり方というものを徹底的に書いた作品。だと、一回読んだときは思った。だけど、再読してみると、むしろ人生においての選択をテーマを取り入れたテーマだと思う。選択肢を選ぶとき、選ばなかった人生と選ばれる人生も存在するわけで、とそんな感じ。やっぱりなぜかしら愛に溢れているこの作風はやはり独特ですばらしいです。 個人的に一番おすすめはスクールアタックシンドローム。学校が次々に襲われる話ですが、あまりにあまりにもで面白い。 ただ、舞城王太郎の中で一番読みにくい、とっつきにくい作品なのは確か。初めて舞城を読む人はやはり熊の場所や煙か土か食い物なんかがお勧め。 | ||||
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とにかく、並の作家は持ち合わせないほどの想像力を全開にして書きまくった印象で、表題作はその真骨頂。しかし、これまでの作品に比べて、少し荒い(もっと悪く言えばつまらない)部分があるのが残念。特に、他作品の登場人物が出てくるものは、正直内輪受けでしかないように感じました。あと、前作『好き好き~』には感動しましたが、これほどポジティヴなメッセージを放ち続けられると閉口します。教育テレビじゃないんだから。舞城作品には、もっと邪悪なものを期待してしまうんだけどなあ…。それは『煙か土か~』のシリーズに期待しろということなんでしょうか。 難点が目につきますが、現代でもっとも注目すべき作家の一人であることは疑いようがないわけで、読む価値は十分にあります。 | ||||
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表題作を初め、いくつかの作品が入っていますが、やっぱり独特のスピード感、リズム感溢れる文体にボコボコ出てくる死体(そんな酷くもないですが)、訳わからん登場人物となんじゃこりゃな展開。 そのへんが今回も舞城王太郎だ!と感じさせてくれる。 生きてれば愛だの何だのばっか言ってるわけにもいかない。いろいろ考えて選択して、もう一生懸命だ。そのへんのぐしゃぐしゃ感一番は表題作「みんな元気。」。登場人物「朝ちゃん」の意味不明だけれど一生懸命な「みんな元気」という言葉。ストーリーの中でも??だけれど、なにかきゅんとくるモノがあるのでは。 この話はちょっとわかりにくい・・・というか、はっきり言って読みにくい。登場人物も??だし設定もよく分からない。だけどとりあえず読み終わって、何かよくわからないけれども心に残るものがあるような気がするのが、うーんやっぱり舞城さんっぽい。 他の作品は比較的読みやすいのではないかと思います。 ほんわかするものもあれば、やっぱ歪んでてもなんでも家族なんだよね!的なモノも、底に見つけられるのはきっと愛。 やっぱり人は死にますが他の舞城作品に比べれば(あくまでも他の舞城作品と比べて)、そんな読むに耐えない!事は無いと思います。舞城さんのテンポの良さは好きだけどグロすぎるのはちょっと・・・・と言う人(いないかも)、この期に是非。 初めて王城舞太郎作品に手を出そうとしてこれを読むのなら、「みんな元気。」はこういうモノとして受け入れて下さい。 | ||||
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ぼくも、ようやく前作ぐらいから薄々感じてたんですけども、舞城作品は結構強いメッセージを放射してるんです。 それはとても前向きなもので、元気でいこう、よく考えよう、正しく生きよう、人類を愛そう、愛こそすべてって感じで、彼独特のグロテスクでキッチュな世界に散りばめられている。相変わらず、人は飛ぶわ、全国のイトウタカコが次々と殺されるわ、猫がトトロになっちゃうわ、三人の高校生が学校襲撃して六百二十三人を殺してしまうわと、あまりにも世紀末的なカタストロフィーが次々とあらわれるが、でも真のメッセージはそういうこと、『愛こそすべて』なのだ。う~ん、舞城君ってチャーミングじゃのう。 | ||||
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この本には表題作となっている「みんな元気。」に加え、短編が数編収録されています。 その作品のほとんどに暴力描写が含まれているけれど、舞城氏の表現したい真実はもっと別のところにあると思っています。 家族愛・友愛・恋愛などの愛情や、人間的な葛藤・曖昧さ……など、 読み手によって、感じるところはさまざまでしょうが、私にとっては、舞城氏の作品を読んでいて常に愛情を感じています。 それは時として苦しいほどであったり不条理であったりするけれど、確かに愛情です。 暴力描写があるというイメージで避けたりしないで、ぜひ読んでみてほしい作品です。 | ||||
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