ハーモニー

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評判

ハーモニーの評価:

4.16/5点 レビュー 253件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.16pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全506件 401〜420 21/26ページ
No.106
(3pt)

未来のフィクション

人為的な大災害の末に、高度医療化し「病気で死ぬことのなくなった」社会。面白い設定だなあと思いました。普段SFはあまり読みませんが、解説にあった「ロジックを受け入れやすくするための緩衝材としてキャラクターを利用している」という言葉通り、筋書きはまさにそんな感じの印象を受けました。特に、御冷ミァハなどは本当に人形みたいな少女だなと(最後まで読めばそれもわかりますが)。
全体的に説明が多くて、いまひとつ緊張がないような感じがしたのがちょっと気になりましたが、全体的には面白い設定でした。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.105
(3pt)

未来のフィクション

人為的な大災害の末に、高度医療化し「病気で死ぬことのなくなった」社会。面白い設定だなあと思いました。普段SFはあまり読みませんが、解説にあった「ロジックを受け入れやすくするための緩衝材としてキャラクターを利用している」という言葉通り、筋書きはまさにそんな感じの印象を受けました。特に、御冷ミァハなどは本当に人形みたいな少女だなと(最後まで読めばそれもわかりますが)。
全体的に説明が多くて、いまひとつ緊張がないような感じがしたのがちょっと気になりましたが、全体的には面白い設定でした。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.104
(5pt)

NGワード:ゼロ年代/セカイ系/ラノベ/携帯小説

完全に余談になりますが、
SFとして、また作家の評判から手に取った人には「ラノベ臭せー、セカイ系っつのコレ? エヴァ好き?」と言われ、
かといってそれを真に受けてラノベを求めている人に読ませりゃ「文多いし挿絵ないし無理」と言われよう、
そんな本って多いですよね。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.103
(5pt)

NGワード:ゼロ年代/セカイ系/ラノベ/携帯小説

完全に余談になりますが、
SFとして、また作家の評判から手に取った人には「ラノベ臭せー、セカイ系っつのコレ? エヴァ好き?」と言われ、
かといってそれを真に受けてラノベを求めている人に読ませりゃ「文多いし挿絵ないし無理」と言われよう、
そんな本って多いですよね。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.102
(5pt)

細けえことはいいんだよ面白きゃ

40過ぎたSF好きのおっさんでも十分面白く読めましたよ。まあ年と共に細かな瑕疵や甘さなんかは生温かく見過ごせるようになってきたこともあるが。今高校生位の奴らがその年齢でこの本が読めるのは幸せだろうなと思う。時にこれラノベなの?あんましライトじゃない気もするけど、ラノベ読んだこと無いから分かんねえんだよな。中3の娘に読ましてもいいかな?ちょっと早いか?
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.101
(5pt)

細けえことはいいんだよ面白きゃ

40過ぎたSF好きのおっさんでも十分面白く読めましたよ。まあ年と共に細かな瑕疵や甘さなんかは生温かく見過ごせるようになってきたこともあるが。今高校生位の奴らがその年齢でこの本が読めるのは幸せだろうなと思う。時にこれラノベなの?あんましライトじゃない気もするけど、ラノベ読んだこと無いから分かんねえんだよな。中3の娘に読ましてもいいかな?ちょっと早いか?
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.100
(1pt)

セカイ系の終着点

日本人初のフィリップ・K・ディック賞受賞ということで手に取ってみたのですが、いささかラノベ的過ぎると感じました。
論理武装し、リアリティで固められたセカイ系、と一言で表現できる代物です。とにかく、ハヤカワのテコ入れ具合が異常だと感じます。
ゼロ年代、伊藤計劃以後、というある種の区切りがSFファンの中で形容されているようですが、少なくともその言葉がさす意味が分かりません。
世界を憎んだから、世界を攻撃する。すくなくともセカイ系を容認した日本SFは衰退していくと思います。むしろ、小松左京氏亡き今、すでに終わっているのかもしれません。
これを読んでSFを語るぐらいなら、舌を噛み切って死んだほうがましです。それに、このレベルの作品なら、海外でごろごろと転がっています。
日本という国の視野の狭さが滲むようなレビューの数々に、寒気がしました。

内容については語るに及ばず。最後まで読み進められず、投げました。文は読みやすいかもしれません。けれども、生理的に受け付けることができませんでした。
虐殺器官のほうはすんなりと読めましたし、イーガンの訳文をさらにマイルドにした、という感じでした。が、今回のこれは少なくとも、ラノベです。ラノベだから嫌い、というわけではありませんけれど。
星五の評価の乱立は、少しほめすぎやしないかと思います。すごいSFとみんなが言うから読んだ、よくわからなかったけど、みんながすごいというから星五の評価にした、という感じに見えて仕方ありません。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.99
(1pt)

セカイ系の終着点

日本人初のフィリップ・K・ディック賞受賞ということで手に取ってみたのですが、いささかラノベ的過ぎると感じました。
論理武装し、リアリティで固められたセカイ系、と一言で表現できる代物です。とにかく、ハヤカワのテコ入れ具合が異常だと感じます。
ゼロ年代、伊藤計劃以後、というある種の区切りがSFファンの中で形容されているようですが、少なくともその言葉がさす意味が分かりません。
世界を憎んだから、世界を攻撃する。すくなくともセカイ系を容認した日本SFは衰退していくと思います。むしろ、小松左京氏亡き今、すでに終わっているのかもしれません。
これを読んでSFを語るぐらいなら、舌を噛み切って死んだほうがましです。それに、このレベルの作品なら、海外でごろごろと転がっています。
日本という国の視野の狭さが滲むようなレビューの数々に、寒気がしました。

内容については語るに及ばず。最後まで読み進められず、投げました。文は読みやすいかもしれません。けれども、生理的に受け付けることができませんでした。
虐殺器官のほうはすんなりと読めましたし、イーガンの訳文をさらにマイルドにした、という感じでした。が、今回のこれは少なくとも、ラノベです。ラノベだから嫌い、というわけではありませんけれど。
星五の評価の乱立は、少しほめすぎやしないかと思います。すごいSFとみんなが言うから読んだ、よくわからなかったけど、みんながすごいというから星五の評価にした、という感じに見えて仕方ありません。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.98
(4pt)

「小説としての前提を否定する小説」という発想

伊藤計劃が優れた作家であるのは認める。だが、エンターテインメントとしてうますぎる事が小説としての出来にマイナスに働くように感じられるので個人的にはあまり好きな作家ではない。しかし、それでも本書はかなりいい線をいっていると思う。

『虐殺器官』は読みやすくて面白い小説ではあったが、内容は納得いかなかった。表現は正しいが内容は間違っていると感じた。本作『ハーモニー』は読みにくいしプロットもそれほど効果的とも思えない。だが、洞察は実にするどい。表現は間違っているが内容は正しいのだ。ミシェル・フーコーの思想をこれだけ的確に物語に組み入れた小説は他にない。私は『虐殺器官』より『ハーモニー』の方を高く評価する。

ただ、本書が小説として面白いかとなると今一歩の感がある。深い小説ではあるが、傑作ではない。各所で高評価されているが、過大評価ではないだろうか。ちなみに、伊藤氏の作品で一番出来がいいのは、中編の『The Indifference Engine』だと思う。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.97
(4pt)

「小説としての前提を否定する小説」という発想

伊藤計劃が優れた作家であるのは認める。だが、エンターテインメントとしてうますぎる事が小説としての出来にマイナスに働くように感じられるので個人的にはあまり好きな作家ではない。しかし、それでも本書はかなりいい線をいっていると思う。

『虐殺器官』は読みやすくて面白い小説ではあったが、内容は納得いかなかった。表現は正しいが内容は間違っていると感じた。本作『ハーモニー』は読みにくいしプロットもそれほど効果的とも思えない。だが、洞察は実にするどい。表現は間違っているが内容は正しいのだ。ミシェル・フーコーの思想をこれだけ的確に物語に組み入れた小説は他にない。私は『虐殺器官』より『ハーモニー』の方を高く評価する。

ただ、本書が小説として面白いかとなると今一歩の感がある。深い小説ではあるが、傑作ではない。各所で高評価されているが、過大評価ではないだろうか。ちなみに、伊藤氏の作品で一番出来がいいのは、中編の『The Indifference Engine』だと思う。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.96
(4pt)

人間の行きつく先

久しぶりにSFにはまりました。究極の医療社会を設定していますが、それはすなわち、人間の意識さえも不必要な社会である。科学を発達させどんどん便利になって行くが、その先に一体なにが待ち受けているのか。筆者が病床で命と真摯に向き合い到達した一つの世界。
 この作品のおかげでまたSFにはまりだしました。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.95
(4pt)

人間の行きつく先

久しぶりにSFにはまりました。究極の医療社会を設定していますが、それはすなわち、人間の意識さえも不必要な社会である。科学を発達させどんどん便利になって行くが、その先に一体なにが待ち受けているのか。筆者が病床で命と真摯に向き合い到達した一つの世界。
 この作品のおかげでまたSFにはまりだしました。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.94
(4pt)

この小説はナンセンス

この本はナンセンスである。
ここでナンセンスというのは「つまらない」ということではない。
記述不可能なことを記述しようとしていて、言葉が「意味をなさない」のである。

物語は、世界中から「わたし」が消滅することで終わる。
自我とか、自己意識とか、「わたしはわたしだ」という、そういう「わたし」なるものが、世界中から消える。
そしてそれは世界の調和、つまり「ハーモニー」を意味する。

主人公は世界で最後の「わたし」であり、この小説は、その最後の「わたし」によって語られた「記録」ということになる。

もちろん、「わたし」が消えたからといって人類が滅亡するわけではない。
これまで通り人々は生まれ、育ち、老い、死ぬ。人間の思考力も、これまでと変わらない。
何一つ変わることなく、世界は存続する。ただ、そこに「わたし」だけが存在しないのである。

このように奇妙な世界の到来を、本作は描ききっている。
良質なSFはすべからく哲学的トーンを帯びるものだが、この『ハーモニー』もまた例外ではない。

しかし、である。このような「出来事」は、本当に語られ得るのだろうか?
「わたしから「わたし」が消えた」、このような命題を語っているのは、一体誰なのか?

物語の語り手たる主人公は、最後まで「わたし」として物語を語る。
それは、「わたし」が「わたし」であることが何かを「物語る」ための条件だからである。
物語には、「語るわたし」がいて、「聞くわたし」がいる。たとえそれが形式上の「しきたり」に過ぎなくとも、物語はその枠組なしには語られ得ない。
だから、この物語は、「わたし」の消滅に「臨んでいる」こと、「今まさに「わたし」が消滅しようとしている」ことは語れても、
「わたしが消えてしまった」ことは語れない。「わたし」の非存在に、語りは届かない。

この小説は、「言語の限界」に向かって肉薄している。
そしてそれゆえに、その試みは決定的に失敗している。

この小説は決して(つまらないという意味で)ナンセンスではない。
読んで感銘を受ける私のような読者がいることが、それを証明している。
しかし、ここで語られたことはやはりナンセンスなのだ。意味をなさないのだ。

では、私たちは一体何に感銘を受けたというのか?
おそらく、それはこの小説が「語り得なかったこと」について、であろう。

伊藤計画氏は間違いなく一時代を画する希有な書き手である。夭折が惜しまれる。

付記
誤解のないように(あるいは、さらなる誤解を招くように?)云っておきたい。
世界から「わたし」なるものが消え去っても、相変わらず人間達は自分の一人称を「わたし」と呼ぶだろう。
消え去ったのは、「わたし」という語によって語られている対象としての「わたし」ではなく、その「わたし」を「わたし」と自覚する「わたし」の方である。

それは、もし自分とまったく同じクローンを生み出したとしても、コピーすることのできないような唯一無二の「わたし」であり、実は「わたし」という普通名詞では名指すことのできないような、超越論的なわたしである。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.93
(4pt)

この小説はナンセンス

この本はナンセンスである。
ここでナンセンスというのは「つまらない」ということではない。
記述不可能なことを記述しようとしていて、言葉が「意味をなさない」のである。

物語は、世界中から「わたし」が消滅することで終わる。
自我とか、自己意識とか、「わたしはわたしだ」という、そういう「わたし」なるものが、世界中から消える。
そしてそれは世界の調和、つまり「ハーモニー」を意味する。

主人公は世界で最後の「わたし」であり、この小説は、その最後の「わたし」によって語られた「記録」ということになる。

もちろん、「わたし」が消えたからといって人類が滅亡するわけではない。
これまで通り人々は生まれ、育ち、老い、死ぬ。人間の思考力も、これまでと変わらない。
何一つ変わることなく、世界は存続する。ただ、そこに「わたし」だけが存在しないのである。

このように奇妙な世界の到来を、本作は描ききっている。
良質なSFはすべからく哲学的トーンを帯びるものだが、この『ハーモニー』もまた例外ではない。

しかし、である。このような「出来事」は、本当に語られ得るのだろうか?
「わたしから「わたし」が消えた」、このような命題を語っているのは、一体誰なのか?

物語の語り手たる主人公は、最後まで「わたし」として物語を語る。
それは、「わたし」が「わたし」であることが何かを「物語る」ための条件だからである。
物語には、「語るわたし」がいて、「聞くわたし」がいる。たとえそれが形式上の「しきたり」に過ぎなくとも、物語はその枠組なしには語られ得ない。
だから、この物語は、「わたし」の消滅に「臨んでいる」こと、「今まさに「わたし」が消滅しようとしている」ことは語れても、
「わたしが消えてしまった」ことは語れない。「わたし」の非存在に、語りは届かない。

この小説は、「言語の限界」に向かって肉薄している。
そしてそれゆえに、その試みは決定的に失敗している。

この小説は決して(つまらないという意味で)ナンセンスではない。
読んで感銘を受ける私のような読者がいることが、それを証明している。
しかし、ここで語られたことはやはりナンセンスなのだ。意味をなさないのだ。

では、私たちは一体何に感銘を受けたというのか?
おそらく、それはこの小説が「語り得なかったこと」について、であろう。

伊藤計画氏は間違いなく一時代を画する希有な書き手である。夭折が惜しまれる。

付記
誤解のないように(あるいは、さらなる誤解を招くように?)云っておきたい。
世界から「わたし」なるものが消え去っても、相変わらず人間達は自分の一人称を「わたし」と呼ぶだろう。
消え去ったのは、「わたし」という語によって語られている対象としての「わたし」ではなく、その「わたし」を「わたし」と自覚する「わたし」の方である。

それは、もし自分とまったく同じクローンを生み出したとしても、コピーすることのできないような唯一無二の「わたし」であり、実は「わたし」という普通名詞では名指すことのできないような、超越論的なわたしである。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.92
(3pt)

SF初心者にはハードなSFでしたが・・・

私は『虐殺器官』が未読で、読んだことがあるSFと言えば
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』、『たったひとつの冴えたやり方』、『夏への扉』
等古典的作品ばかりでありますが・・・。
大変高評価であり、また現代において日本人により綴られたSF小説として大分期待していました。
しかし、その期待は悪い意味で裏切られたと言っても過言ではありませんでした。
と言いますのも、日本SF大賞、星雲賞、フィリップ・K・ディック記念賞特別賞等、
最大名誉と言っても過言ではない栄誉を何故受賞し得たのか、
読了した今でも自分の中で納得、消化し切れていないためです。
ゼロ年代ベストSFとも言われる本作ですが、果たしてそうなのだろうか、と。
私は同作品群を殆ど読んでいないため知ったかぶりできないのですが、
日本のゼロ年代におけるSF小説作品はそれほど多く発表されていないのでしょうか?
これがベストであると賞賛されるのは、少々残念な思いでなりません。
生命主義や螺旋監察官といった設定、オーグ、知性金属から始まるテクノロジー等、
著者の独創的で先見的な設定には初見唖然とし、次に鳥肌が立ったものですが・・・。
やはり文章の見辛さ(勿論、それは意図的なものであることは間違いありませんが)、
主人公たちのメンヘラ臭さ、所謂厨二病的な思想、
ところどころ見受けられる描写不足であろうシーンの数々、
細かい不自然さ(父親の組織の描かれ方、ミァハが独りに待っていた等)、
あっさりとし過ぎた結末など、どうにも釈然としないのです。
世界観と設定の秀逸さでいえば素晴らしいものがあり、
SFに分類され議論される思想や哲学等普遍的テーマを作者なりに解釈し、
表現した完成された一冊ではあります。
そしてもし、原作のイメージを損なうことなく(それが一番難しいわけですが)映像化されたなら、
どれほど驚嘆にせずにはいられない映像作品ができることか、期待せずにはいられません。
しかし現在に至るまで各分野に多大な影響を与えたSF作品が多数世の中に登場している今、
それだけで果たして数々の受賞理由足りえたのか、私には疑問でなりません。
過去の名作と同じくらい凄い作品である、ということなのかもしれませんが。
だとするならば、やはり上記のような細かい点が尚のこと気になってしまうのです。
つまるところ、「遺作は過大評価されがちである」、という印象が拭えない作品だと感じました。
既にSFというジャンル自体が古典的と見なされるかもしれませんが、
氏の栄誉に甘んじることなく、これからも素晴らしい作品が世に出ることを切に祈ってやみません。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.91
(3pt)

SF初心者にはハードなSFでしたが・・・

私は『虐殺器官』が未読で、読んだことがあるSFと言えば
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』、『たったひとつの冴えたやり方』、『夏への扉』
等古典的作品ばかりでありますが・・・。
大変高評価であり、また現代において日本人により綴られたSF小説として大分期待していました。
しかし、その期待は悪い意味で裏切られたと言っても過言ではありませんでした。
と言いますのも、日本SF大賞、星雲賞、フィリップ・K・ディック記念賞特別賞等、
最大名誉と言っても過言ではない栄誉を何故受賞し得たのか、
読了した今でも自分の中で納得、消化し切れていないためです。
ゼロ年代ベストSFとも言われる本作ですが、果たしてそうなのだろうか、と。
私は同作品群を殆ど読んでいないため知ったかぶりできないのですが、
日本のゼロ年代におけるSF小説作品はそれほど多く発表されていないのでしょうか?
これがベストであると賞賛されるのは、少々残念な思いでなりません。
生命主義や螺旋監察官といった設定、オーグ、知性金属から始まるテクノロジー等、
著者の独創的で先見的な設定には初見唖然とし、次に鳥肌が立ったものですが・・・。
やはり文章の見辛さ(勿論、それは意図的なものであることは間違いありませんが)、
主人公たちのメンヘラ臭さ、所謂厨二病的な思想、
ところどころ見受けられる描写不足であろうシーンの数々、
細かい不自然さ(父親の組織の描かれ方、ミァハが独りに待っていた等)、
あっさりとし過ぎた結末など、どうにも釈然としないのです。
世界観と設定の秀逸さでいえば素晴らしいものがあり、
SFに分類され議論される思想や哲学等普遍的テーマを作者なりに解釈し、
表現した完成された一冊ではあります。
そしてもし、原作のイメージを損なうことなく(それが一番難しいわけですが)映像化されたなら、
どれほど驚嘆にせずにはいられない映像作品ができることか、期待せずにはいられません。
しかし現在に至るまで各分野に多大な影響を与えたSF作品が多数世の中に登場している今、
それだけで果たして数々の受賞理由足りえたのか、私には疑問でなりません。
過去の名作と同じくらい凄い作品である、ということなのかもしれませんが。
だとするならば、やはり上記のような細かい点が尚のこと気になってしまうのです。
つまるところ、「遺作は過大評価されがちである」、という印象が拭えない作品だと感じました。
既にSFというジャンル自体が古典的と見なされるかもしれませんが、
氏の栄誉に甘んじることなく、これからも素晴らしい作品が世に出ることを切に祈ってやみません。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.90
(5pt)

拍手、そして合掌

2008年発表。 34歳で惜しくも夭折してしまった伊藤計劃の最終作にして、幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))、ブラッド・ミュージック (ハヤカワ文庫SF)に次ぐ、新たなる人類の到来を描いた傑作。意識ある私たちは偉業に拍手し、そして合掌しよう。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.89
(5pt)

割り引いても星五つ

下記のように瑕疵はあるのですが、割り引いても星五つ。一気に読まされました。

1.ミァハはチェチェンで酷い目にあってから、日本に来てトァンに出会う。この時間軸に、微妙に無理押しな感がある。ロシア兵士って、この年齢の子に欲情するかな?とか、銃を口に云々が借りて来たエピソードみたい、とか。日本に来て数年だと、もう少し帰国子女っぽさというか何かありそう、とか。

2.トァンは、双方の陣営に泳がされていたということで、双方の筆頭格のイデオローグと対話を交わすことが出来る。
このうち、特にトァンの父が無防備に出てきて 比較的あっさりと殺されてしまう。双方の陣営が、互いの監視下で泳がせていると、お互いに承知の状態で、トァン父のような立場の人が こういう形で出てきて殺されてしまう事に違和感を感じた。

 ああ、もう一冊読みたかったなぁ。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.88
(5pt)

拍手、そして合掌

2008年発表。 34歳で惜しくも夭折してしまった伊藤計劃の最終作にして、幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))、ブラッド・ミュージック (ハヤカワ文庫SF)に次ぐ、新たなる人類の到来を描いた傑作。意識ある私たちは偉業に拍手し、そして合掌しよう。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.87
(5pt)

割り引いても星五つ

下記のように瑕疵はあるのですが、割り引いても星五つ。一気に読まされました。

1.ミァハはチェチェンで酷い目にあってから、日本に来てトァンに出会う。この時間軸に、微妙に無理押しな感がある。ロシア兵士って、この年齢の子に欲情するかな?とか、銃を口に云々が借りて来たエピソードみたい、とか。日本に来て数年だと、もう少し帰国子女っぽさというか何かありそう、とか。

2.トァンは、双方の陣営に泳がされていたということで、双方の筆頭格のイデオローグと対話を交わすことが出来る。
このうち、特にトァンの父が無防備に出てきて 比較的あっさりと殺されてしまう。双方の陣営が、互いの監視下で泳がせていると、お互いに承知の状態で、トァン父のような立場の人が こういう形で出てきて殺されてしまう事に違和感を感じた。

 ああ、もう一冊読みたかったなぁ。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X