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(短編小説)

指輪



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【この小説が収録されている参考書籍】
江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者 (光文社文庫)

指輪の評価: 4.62/5点 レビュー 21件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.62pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全21件 1~20 1/2ページ
12>>
No.21:
(5pt)

読み応えあります。まずはこの一冊から。

以前新潮文庫の傑作選を読みましたが
それに収録されていた作品もいくつか収録されています。

このシリーズは初期の作品から順に
作者本人の批評付きで読んでいける面白みがあります。

まだ十分には熟していない作品もありますが
乱歩の好きなネタというか、
こだわりの萌芽は十分伝わってきます。

明智小五郎が登場し
徐々に定着していくだろう様子もわかるし
怪人二十面相の原点も見られるし
その後の乱歩の作品に触れていくための準備となる掌編が
多数収録されています。

昔読んだけれどすっかり内容を忘れていた話も多かったので
改めて楽しめました。
面白い話は多いですが
中でもやっぱり「人間椅子」の
フェティシズムとスリルは最高です。

20年くらい前に出版されたシリーズですが
絶版にはなっていないようなので
注文すれば書店でも買えると思います。
大きな書店だと、この第1巻くらいは
店頭在庫があるようです。
Amazonだとどれも手に入ります。
絶版になる前に全部読んでしまいたいと思います。
江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者 (光文社文庫)より
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No.20:
(4pt)

作品論はさておいて、この文庫全集の特徴についてでございます。

乱歩さんの作品の著作権が切れたのを期に、多くの出版社から作品集が発刊される運びとなってかなりの年月が経つのでございます。小規模な社から、かなり美麗な代表作の単行本が出されたり、とんでもなく分厚い「大事典」が出現したり、文庫本にいたっては、この光文社版の全集をはじめ、よもやと思っていた集英社文庫からは「明智小五郎事件簿」なるクロニクル版が登場したり、「まさか!!!!」の岩波文庫からは作品集が(しかも「怪人二十面相」でございますよ!!!)発刊されたりと、もう百花繚乱。どのシリーズで揃えればよいのか、どの出版社の版本で読めば「乱歩らしさが味わえるのか」と、遅れてきた読者は迷うばかりなのでございます。
 そんなわけで先輩読者を差し置いてではございますが、これから乱歩作品を「読んでみようか」と思われる、これからの読者の皆様にこの文庫全集の特徴をかいつまんでお知らせしたいと思うのでございます。
 まず、この「全集」は、全集という名の通り乱歩さんが別名義で発表した作品をも含めて、その創作された小説作品がすべてが収められているのでございます。主要評論と随筆も収録された巻もございますので、まさに一般読者にとっては完璧な全集と申せましょう。全小説収録というのが、これまでの「乱歩全集」には無いところなのでございます。そして各作品には著者自ら付した「自作解説」があり、作品によっては「まえがき」的な文章もあり、そして編集部が作成した膨大な「解題」や「注釈」が作品が発表されてからかなりの年月が経ってから作品に接するワタクシのような新米読者にはかなりの助けになるのでございます。(書けなくなった乱歩さんの「読者諒せよ」まで入っていますwwww)「盲獣」に於いては作者自らが削除したところまで復活しているのでございます。
 初版本の写真が口絵として掲載されていたりと至れり尽くせり。出来たら、この内容で豪華本を限定出版していただけないかと思うほどの充実した内容なのでございます。
 乱歩作品をパーフェクトに揃えるにはまさに、「これ」なのでございます。
江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者 (光文社文庫)より
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No.19:
(4pt)

状態が良かった

保管状態が良かったです。
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No.18:
(5pt)

旧仮名遣いそのままが良い

本文だけでなく本人のコメントもあり、なかなか興味深い。江戸川乱歩がどうやってデビューできたかなどエピソードも本人談で面白い。戦後、言葉や旧仮名遣いについて書き改めようとする気持ちのあったとのべているが、これはこれで良いと思う。大正時代の作品として、当時の雰囲気がわかる貴重な資料であると思う。

表紙は今時のイラストであるが、読めば当時の世界観を味わうことができる。掲載作品も盛りだくさんで読みごたえがある。
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No.17:
(5pt)

江戸川乱歩が成したこと

江戸川乱歩は日本の推理小説の礎を築いた作家であり、今となってはいささかその作品に古さを感じることがあることは当然否めない。
海外のミステリー小説のトリックを流用したものが多い点で、過去においてさえ、それは自明の理であったのではないだろうか。

では乱歩特有のものとは何であろう?
修飾を抑えた平易な文章、これが乱歩の作品をミステリー小説への入門書めいたものにしていることがまず挙げられる。端的に読みやすいのだ。
まだ拝読していないが、怪人二十面相シリーズなどが当時の少年少女たちに熱狂的に迎え入れられたのもうなずける。

次にトリックと犯人の結びつきのゆるさ、これも乱歩作品特有のものである。犯人を捕縛する縄にあえて余裕を持たせているようなそのゆるさは、トリック次第で物語の登場人物の誰をも犯人に仕立て上げることができるという、推理小説の遊び、本質的な面白さを読者、果てには次の時代のミステリー小説を担うであろう書き手にも示してくれている。
つまりは乱歩作品はミステリーの入門書であると同時に教科書でもあるというわけだ。
そんな作品を多数世に送り出したことが、江戸川乱歩の偉大なる功績なのであろうと感じた。
江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者 (光文社文庫)より
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No.16:
(5pt)

表題の屋根裏の散歩者も良いですが

やはり「D坂の殺人事件」や「人間椅子」が傑作ですね。
面白かったです。
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No.15:
(3pt)

海外の文学に対する憧れが全面に出ている

ヘンタイ的な作品が多いのはそれはそれで個性として良いと思う。
人間椅子なんてだいぶ気持ち悪くて面白い。

ただ作者本人も憧れと影響を隠さない海外の一流どころと比べると見劣りしてしまう。
いちばんの原因は文章力の不足かと。
最初にアイデア、トリックありきで、それまでの説明的な文が延々と続く作品が多い。
「ところで、諸君、、」と読者に語りかけてまで説明される。
明智小五郎も都合のいいお助けキャラに見える。

そんな中でも「心理試験」は説明くどくなくてなかなか面白く、
ドストエフスキー罪と罰にもよく似ているな、思いながら読んでいたが、
なんと作者自身の解説で、盛大にパクった!と告白してらっしゃるw
日本人の作家はよくやることらしいが、本人が認めているのでまぁ潔い。
ともかくこの作品がいちばん印象に残った。
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No.14:
(5pt)

題名の巧みさが光る乱歩

.
乱歩作品、特に短編作品における「題名の巧みさ」に惹かれるのは私だけであろうか。

本書に収録された作品だけでも、 恐ろしき錯誤、 D坂の殺人事件、 心理試験、 算盤が恋を語る話、

百面相役者、 屋根裏の散歩者、 人間椅子・・・等々なんとも魅力的ではないか。

「人間椅子」 に至っては、この作品に、このネーミング以外はあり得ないではないか。

他作品でも、「妻に失恋した男」、「芋虫」など、ついつい作品を読みたくなるネーミングなのである。

また、実際に手にして見ると魅力的な乱歩の世界に引きずり込まれてしまうこと必定なのである。

ネーミングひとつにしても、まさに、「大乱歩 」と称されるにふさわしい。
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No.13:
(5pt)

乱歩

江戸川乱歩を初めて読んだのですが、非常に面白い作品ばかりで良かったです。
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No.12:
(5pt)

江戸川乱歩の全集にハズレなし !! (^_-)-☆

江戸川乱歩の全集ですべてそろえているが、ハズレはない。 ハッキリと断言できる。 何がエエ言うて、主人公は、大抵気持ちが悪いくらいドロドロとした、尋常ではない神経の持ち主だったり、怪奇事件の連続。 いや〜実に恐ろしい。 ((+_+)) また、時代背景が、大正時代から、昭和30年ごろまで。 その平成の今ではないからこその何か不思議な魅力があふれている。 怪人二十面相で子供時代育った人に、ぜひ購入をお勧めする。 平凡で安全な人生を送っている人には、衝撃度MAXだ。  (^_-)-☆
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No.11:
(5pt)

初期のくだけた明智小五郎が楽しめる

文章が現代風にアレンジされていること
丁寧な注釈
あまり有名ではないが優れた短編群と、有名な作品が混在していること
この3点から、今現在日本国内で出版されている乱歩書籍の中では、一番取っ付き易いと思います。
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No.10:
(5pt)

短中編の代表作

全集の第1巻で、収録作品は、
二銭銅貨・一枚の切符・恐ろしき錯誤・ニ廃人・双生児・D坂の殺人事件・
心理試験・黒手組・赤い部屋・日記帳・算盤が恋を語る話・幽霊・盗難・
白昼夢・指環・夢遊病者の死・百面相役者・屋根裏の散歩者・一人二役・
疑惑・人間椅子・接吻の22作品。

初めて乱歩を読む人はまず欠かせない、二銭銅貨や屋根裏の散歩者があるので、
とにかく読み通すべき一冊でしょう。
各作品とも、発表後いろいろな所で振り返って書いているが、
それをまとめた「自作解説」がついている。
他の作家の全集ではあまりないと思うので貴重である。

740ページの中で、653ページから693ページまで解題。
「あの五万円という沢山の紙幣を」を「あの五万円という紙幣を」
などのように本によって変えて箇所も多いので、それをひととおり挙げてある。

694ページから722ページまでが註釈。

「D坂の殺人事件」の中に、ポー「モルグ街の殺人」ドイル「スペックルド・バンド(まだらの紐)」の
犯人がなにげなく書いてネタバレしてるので、これから両作品を読む人はお気をつけを。

740ページもあるので、寝ながら読んだり、
電車で読んだりするのは大変ですが。


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No.9:
(5pt)

江戸川乱歩ワールドへようこそ!

本作は乱歩デビュー作「二銭銅貨」を始めとした22編の短編集。
今さら説明不要な珠玉の作品集である。

本作で最も印象に残ったのは「心理試験」である。
ドストエフスキーの「罪と罰」を思わせる冒頭や、予審判事の登場にわくわくした。
それに加え明智小五郎が登場したときには胸が躍って仕方なかった。
(明智小五郎はこの作品以外にもたびたび顔を出す)

また、本作のもうひとつの魅力として「自作解説」を挙げたい。
これは、各作品の後に収録されている乱歩自身による解説であり、
各作品が生まれた経緯や背景、エピソードなどがぎっしり詰まっている。
特に面白く思ったのが、乱歩自身が納得のいかなかった作品や、不評だった作品について語るところである。
「時間がなかった」「我ながら幼稚だった」「ぺしゃんこになった」など、
これほど人間味に溢れる乱歩に触れられるとは思ってみなかっただけに、特をした気分である。
なんだか反省文にも見えてきて微笑ましさすら感じる。

まだ江戸川乱歩を読んだことが無い人、興味はあるが何から手を付けていいか解らない人など、
乱歩入門にも最適な短編集だと言える。
手に取りやすい文庫版ということもあるので、是非、広くおすすめしたい作品。
乱歩ワールドに引きずり込まれること必至!
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No.8:
(5pt)

最新の校訂が反映された表題作

乱歩の代表作を収めた文庫本は、ほかにいくつもある。
より精選された短編だけを読むなら新潮文庫版『江戸川乱歩傑作選』。
作家的業績全般を概観するなら創元推理文庫版『日本探偵小説全集』の第2巻。
しかし、それら過去に刊行されてきた書籍(講談社江戸川乱歩推理文庫版全集も含む)と、本書の「屋根裏の散歩者」では、本文が一部異なっている。
雑誌初出時にはあったが、初版本では欠落していた記述を、今回初めて採用したため、いくつかの箇所で文章のニュアンスが変化している。
この点に本書の大きな特色があり、江戸川乱歩推理文庫版全集や、創元推理文庫版を既にお持ちの方も、少なくとも、この第1巻だけはお買いになった方が良いと思う。
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No.7:
(5pt)

ミステリー界の巨匠の初期短編集

乱歩の作品の中でも特に評判の高い初期短編を集めた巻です。
トリックの見事さもさることながら、濃密な文体もまた魅力的。
ページ数が多く、しかも文庫版で安いのでとてもお買い得だと思います。
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No.6:
(4pt)

『人間椅子』が一番面白かった。

光文社から出ている全集の第1巻。
「全集」だけあってとても多くの作品が収められており、本当に玉石混交といった感じ。
自分のような乱歩の初心者や、面白いとされている作品だけ読みたい人には、この光文社の全集は向いていないかも・・・
ただ、全ての作品に対して、乱歩の「自作解説」がついていて、これがかなり面白い。
例えば自分で「つまらない」と言っている作品もかなりあって、そういう作品は本当につまらない(笑)

基本的には文体も内容も古臭いと感じられるものが多いが、表題作の『屋根裏の散歩者』・『心理試験』・『人間椅子』等の有名な作品は流石に今でも面白い。特に『人間椅子』は素晴らしい。
「変態」(あくまで括弧付)を表現するのが上手い作家だなあと思った。

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No.5:
(5pt)

乱歩初期の傑作群

乱歩が初期に発表した作品
人間の異常心理を刻々と描く
表題作の「屋根裏の散歩者」と「人間椅子」
明智小五郎のスマートな活躍が描かれる
「D坂の殺人事件」と「心理試験」

乱歩を代表する短編たちが1冊につまっています。
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No.4:
(5pt)

暗がりの中に潜む幻想

日本の近代ミステリ小説の第一人者である江戸川乱歩。
作品の発表から長い時を経た今日でも、奇想天外なトリックや鮮やかな
謎解きというミステリの醍醐味を存分に楽しめる作品ばかりです。
しかし乱歩の作品の持つ一番の魅力はその世界観。人々の情念が迸り
生まれた狂気が、徐々に現実と幻想の境界線を消してゆきます。
彼の描く濃密な暗がりを孕んだ世界は、ピアノ線の様に張り詰めた美しさ
を見せる時もあれば、息苦しい程の恐怖感を読者に与える事もあります
(友人で乱歩が苦手だと言う人は、それが耐え難いと言っていました)
何でもない世界が人の心を透かして見れば異世界に変貌する。「屋根裏
の散歩者」はそのテーマを率直に反映した作品の一つでしょう。
乱歩の小説の犯人たちは往々にして犯行がばれ破滅に至る場合が多いですが、
自分の思うとおりに夢想の空間を作り上げる気ままな隠遁者たち
である彼らに少なからず共感や憧れを抱いてしまうのは自分だけでしょうか。
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No.3:
(2pt)

資料的価値は高いのでしょうけど…。

初期の代表作に必ずと言ってよいほど挙げられる「二銭銅貨」「D坂の殺人事件」「屋根裏の散歩者」「人間椅子」、いずれも初めて読んだのですが、古典の名作ではあっても、「今でも価値を失わない」とは思えませんでした。奇想天外なアイデア、子どもならずともドキドキする背徳を匂わせる展開もしばしばあるのですが、それ以上に引っかかってしまったのが、強引な理由付け(古臭い「心理学」の描写含む)、それに説明くさい描写。そしてミステリィ好きにはつまらない「夢オチ」に似た結末もいくつかあります。しかしそれは、それらの作品を読んで大人になった方々の作品をいろいろ読んでいるから、乱歩のものが古臭く思われたのかもしれません。
 しかし1作品だけ、今だから面白いのではないかと思った作品がありました。「心理試験」です。心理試験とは今よく耳にするところの「心理テスト」ですね。心理テストという小道具を効果的に使った作品だと思います。もっとも心理テストという言葉からイメージされるものとは異なり、いわゆる「嘘発見器」でしたが。明智小五郎もこの本の中ではこの作品が一番生き生きとしていたような気がします。
 乱歩自身が出来がよくないと書いている作品がいくつもありますし、他の方のレビューは否定しませんが(感想は人それぞれですし)、私は少なくとも大学生程度以上の人にはあまり薦められる本ではないような気がします。あえていうならば現代の作品を読む前に、幼い頃に読んでおくべき作品ではないでしょうか(文章が少し難しいでしょうけど)。
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No.2:
(5pt)

至福のひととき

「二銭銅貨」「D坂の殺人事件」「心理試験」「人間椅子」といった、タイトルを聞いただけでワクワクしてくる名作がたっぷり収録された乱歩全集の第一巻!どれも短い作品ばかりなので、通勤・通学といった短い時間でも読み終える事ができるのもありがたい。
1日1作読んでいくと約3週間も乱歩ワールドに浸れる。乱歩マニアのみならず広く読んでほしい超オススメの1冊!
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