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オシリスの眼
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オシリスの眼の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.42pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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この時代に書かれた小説としては、謎解きはなかなか面白いし、読者にも探偵役と同じ情報を与えておいて論理的に解き明かしてみせる、という作風も好感が持てる。 ただ、この小説を最も特徴づけている要素の1つである、奇妙な遺言書に関する設定に、致命的な欠陥がある。読み進める中でこの遺言内容はずっとつきまとうので、ここに欠陥があることに気づくと、小説全体が興醒めで空々しいものになってしまう。 <■注意! 以下若干、ネタバレ的内容を含みます!できるだけ核心に触れないようには書きますが…。> この物語の最後は、まるでハッピーエンドのように書かれているが、遺体の素性が分かってしまった以上、そのままの場所に安置されることはあり得ず、従って遺言書の条件を満たすことはできない。 それなら、あらためて条件を満たす場所に安置し直せば良いかというと、小説内のあちこちに書かれていることからして、既に新たな受け入れは拒絶されているらしいので、やはり条件は満たせない。 もしそうではなく、まだ受け入れてもらえるのだとすると、物語中盤の検死法廷は全くナンセンスなものになり、登場人物たちがハラハラしているのは意味不明でバカバカしいことになってしまう。なぜなら、彼らは遺骨がジョンのものと認定されるかどうかでヤキモキしているが、認定されたとしたらその遺骨を条件通りの場所に安置すれば良いだけだから。 その場合、喜ぶのはゴドフリー側であり、対するハースト側は自分が地団駄踏むためにわざわざ検認申請したということになる。 受け入れてもらえる場合でも、遺体や遺骨が見付からないまま死亡認定されたなら、安置しようがないのでハーストの勝ちとなるだろうが、それなら骨が見付かったことと検認をなんとか結びつけようとする意味が分からない。 ということで、遺言書に関するこの小説の設定は、破綻してしまっている。 好意的に解釈するなら、最後のハッピーエンドは、「莫大な遺産なんて相続できなくたって幸せだよ!もっと大事なものを手に入れたんだから!」ってことなのか? まあそれも有りかな…。 | ||||
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