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(短編集)
中国行きのスロウ・ボート
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【この小説が収録されている参考書籍】
中国行きのスロウ・ボートの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全77件 61~77 4/4ページ
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村上春樹、初期の短編集です。 短編集はこの他にも幾つか出ていますし、僕も幾つか読みましたが、僕はこの短編集が一番気に入っています。 決して稚拙ではないけれど、どこか危うくバランスを崩しそうな、積み木のような作品たちが詰まっています。 僕は「シドニーのグリーン・ストリート」がお気に入りです。 2000年以降の作品しか読んだことがない方には、是非手に取ってほしい一冊です。 | ||||
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この短編集の「午後の最後の芝生」について話したい。 「午後の最後の芝生」は本短編集の白眉であり 数ある村上春樹の短編の中でも 優に十指に入ると思う。誠に初期の短編の傑作であり 書かれて20年以上経ち その間に同じだけの年を取った 今や40歳代の中年である小生が今読んでいても全く新しい。しかし 注目すべきは村上春樹が やはり20年前に 本短編を自評して「これはこれで発展できない話です」と言っていたことである。 それからの村上春樹を思うと「世界のおわりとワンダーランド」「ノルウェイの森」「ねじまき鳥」等の長編には 必ずベースとなる短編があった。即ち「街とその不確かな壁」(現在収録されていない)「蛍」「火曜の女」等が原型となる短編である。つまり 村上春樹は短編で原型を作ることで長編を展開していった作家であると言ってもおかしくない。 そんな村上春樹が 「午後の最後の芝生」に関して「これはこれでおしまい」と言い切っている点が注目される。事実これを基にした長編は書かれていない。「廃馬を撃つ」という言葉はきついかもしれないが この短編は そのまま見捨てられのだろうか。 繰り返すが村上春樹のマスターピースの一編である。大勢の方がこの短編に言及されている。それを考えると 大変複雑な気持ちになる。村上春樹に聞いても きっと肩をすくめて「そういうものだ」としか言ってくれない気がする。 | ||||
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村上春樹の名作をトリビュートしたらしい今作。 これは・・・どうなんだろう。その名作とやらを読んでいないので何とも言えないけど、随所に春樹風の表現を取り入れてる気がする。 だけど成功しているとは言いがたい。 やっぱり春樹のあの独特な抽象世界は他人に真似できないものなんだろうなと思いました。('-,_ω-`)プッ あー、でも文体は春樹のそれよりライトで読みやすいです。ライトノベルを彷彿させました。 つまらなくはないけど・・・春樹節を狙ってるのか狙ってないのか。中途半端な印象を受けた。 最終章の手紙風の文章は良かった。('-,_ω-`)プッ | ||||
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デビュー作からリアルタイムでずっと読んでますが、一番繰り返して読んでいる一冊です。 「ピンボール」発表後、「羊」をはさんで書かれた、7編の短編集。 後に実った、豊かで複雑な果実達の種のほとんどすべてが、ここにあります。 現実と自分の世界の間に横たわるあまりの距離感に呆然としながらも、何とか折り合いを付けようともがきつつ、ますますその距離を増幅させてしまう喪失感を描いた表題作。 すでに完結したと思った仕事で出会う、時間が止まってしまった家庭が持つ失われた幸福の残像に、自分と同じ匂いを感じてうろたえる「僕」の戸惑いを描いた「午後の最後の芝生」等 後期の長編群の謎を解くキーワード満載です。 | ||||
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村上春樹も、古川日出男も好きなので、読んでみました。 村上春樹の「中国行きのスロウ・ボート」の空気を古川流に書いた作品。 古川さんの作品の中では、「アラビアの夜の種族」の次に好き。 東京脱出を試みる主人公。 三度の恋愛で脱出失敗、しかも恋人たちはみんな遠くへ行ってしまう。 この無常観が春樹的なんだろうな。 話の中でも、「ヘイトカ」というレストランを立ち上げて、妙なつながりで働くことになった女子高生シェフと恋に落ちるところが好き。 それから、後半に再度一番目の恋愛がまたからんでくるところも。 すごくいい。 | ||||
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「午後の最後の芝生」という題はおそらくD.H.ロレンスの短い詩「午後の最後の授業」The last lesson of the afternoon から取っているのではないでしょうか? 内容的には特につながりはないように思いますが、どちらも午後の時間が止まったようなぼおっとした感じが出ています。 | ||||
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村上春樹は長編を書く作家だと思う。でも、短編だって本当にうまく書く。ただし、長編ほど力のこもった作品は少ない。でも、この時代、村上春樹は長編と同じ質量で、短編を書いていたのだなと感じる。それだけ充実した作品群である。午後の最後の芝生や、土の中の…や、表題作。何度も読み返して味わうに値します。 | ||||
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村上春樹、初期の珠玉の短編集。特に「最後の午後の芝生」は青春の一場面を、断面的にさっと切りとったような爽快さともの悲しさが感じられる、彼ならではの傑作ではないかと思います。感情を抑制しつつ、押さえられているが故により印象的な情感を簡潔にクロスさせながら物語は進行していきます。 実際に読んだのは、もう二十年近く前ですが、(なんと毎年)夏がくると読みたくなり、そのたびに読み返しています。 本来的に彼の(少なくともこの頃は)文章に向かう能力というものは、歯切れの良い短編向きだったのではないか、という感を強く持つ代表作。 | ||||
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随分昔に読んだ。タイトルの「スロウ・ボート」自体はとても短い話だったが、とても村上春樹的といえば村上春樹的、ここからはじまったといえばここからはじまったといえる、原点みたいな物語だった。 そもそも、村上春樹の小説はかなり微妙なバランスにおいて成り立っているように思う。「スロウ・ボート」も、もうひとことおおくても、すくなくともバランスを崩してしまいそうな、地点に立っているように感じる。 もしかすると、彼の育った神戸という土地自体が、なにかのバランスにおいて成り立っているところなのかもしれない。ああ、これは全くの想像にしぎないが。 | ||||
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この本は、(個人的に思っているのですが)孤独を描くことが上手な村上春樹の初期の短編集です。進化する作家(おじさまといっていい年になるのだろうにとてもそうはいえない、恐れ多くて)ムラカミですから、もちろん最近の作品のほうがなかされている気はします。同じ昔の作品でも「蛍」のほうが私は好きですし。 でも、今はどこにいるのかも判らない友人や、もしかしたらもっとかかわりあえたかもしれない同級生、本当に好きだったのに実在さえ怪しくなった初恋の人とか、ただ電車の中で隣り合って言葉を交わした人でも。たくさんの引っ越しを繰り返して大人になった私には、他生の縁があったはずなのに、もう会うことはきっとないと判ってしまっている人々がいます。そして、そういう人は、きっと誰にでもいます。その人たちと別れるという必然を、忘れないでいて、時々思い出すように、時間と空間を隔てた相手に対する、生きていれば積み重ねざるを得ない痛みがあると思います。人と関わりあうからこその孤独があると思います。中国行きのスロウボートは、その痛みをゆりおこすような気がします。そして、だからこそ、普遍的なテーマであるこの孤独をこれからも抱えていく意思を再確認できるのです。 だから、できれば、自分にもある別れの積み重ねを意識して読んでください。 | ||||
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なんていうか、色でいえば黄緑色・・・季節でいえば初夏のあまり暑くない午後2時ごろ・・という感じなのです。 芝生の話しがあるからかもしれませんが・・・ 短編ってあっという間におわってしまうので読んだ感じがしないのが多いなかこれは読みおわったときにとても気持ちがよくなる小説だと思います。 何度も何度も読んだのに、また読みたくなるなんて不思議です。 村上ワールドを知りたい人には、絶対読んでもらいたい1冊です。この心地よさを味わってほしいと思います。 | ||||
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なんていうか、色でいえば黄緑色・・・季節でいえば初夏のあまり暑くない午後2時ごろ・・という感じなのです。 芝生の話しがあるからかもしれませんが・・・ 短編ってあっという間におわってしまうので読んだ感じがしないのが多いなかこれは読みおわったときにとても気持ちがよくなる小説だと思います。 何度も何度も読んだのに、また読みたくなるなんて不思議です。 村上ワールドを知りたい人には、絶対読んでもらいたい1冊です。この心地よさを味わってほしいと思います。 | ||||
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良かったです。 読みやすいし。 深刻すぎる話でもなく、お洒落に読めました。 かっこいいー。 | ||||
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僕もこれが村上春樹で一番好きな短編集です.1983年頃,羊をめぐる冒険を読んだ後に読んだので,彼は短編も書くんだ,と驚いたのを覚えています.他の人が書いているように 午後の芝生....はいいです.青い空と芝生の草いきれとレモネード?だっだけ,本当に眼に浮かび,鼻や肌で感じるって感じでしょうか.他に表題作もいい.それから,題を忘れたけど,ホテルで出会った女性の過去をあてる話,これと先の芝生は長編に膨らむかな,と期待していたんですけど.今でも一年に一回くらい読み返しています. | ||||
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必ず読みかえしてしまう短編集です。 特に「午後の最後の芝生」は私の中の夏そのものです。 登場する人物のすべてが、夏の寂しさに溢れていて、大好きな一編です。 | ||||
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長編のためのスケッチではなく、純粋に完結する短編集。上質の言葉は、上質の酒のように、シチュエーションにこだわって読みたい。小説がクセを持つことは、小説家にとって一つの勲章みたいなものだと思う。 | ||||
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『ノルウェイの森』から村上春樹に入ったような人には面白くないかもしれない。しかし、僕にとっては一番好きな短編集である。 所収の短編の中では「中国行きのスロウ・ボート」と「ニューヨーク炭鉱の悲劇」が一番お勧めです。 | ||||
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