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ムーン・パレス
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ムーン・パレスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全104件 81~100 5/6ページ
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ポール・オースターの作品は、ほとんど読んでいるけれど、ある種、オースターらしくない小説らしい小説。探偵小説か、推理小説じみた展開はここにはない。 けれど、この小説が、単に、青春小説でもなく、青春小説といってしまうには、もったいない大きなテーマを持っている点、今までのオースターとは違った評価をされるべき傑作といえる。 青春の絶望を描いているようで、青春期に自然に模索する自己の存在を、父や祖父といった脈々と自分の中に流れる血の中に引きずり込まれていく姿には、奇跡的でありながらも、運命に導かれていくかのような圧倒的な感動を覚えずに入られなかった。 新しく、そして感動的なオースターに出会えた気がした。 | ||||
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英語が実に古めかしいのに美しいです。 いかにもコロンビア出身の、「アメリカ近代文学の神」(原文より)になるのだと若い頃考えていた主人公のキャラクターが滲み出ています。 物語の面白さは翻訳版でわかっていましたが、原書ならではの、英語の美しさとセンスのよさは、読んでよかったと思わせました。 特にキティ・ウーと初めて会った時にキスをするシーンの、口ができることについての彼女の台詞。 ここは翻訳版では全く注意を払わなかった部分なのですが、原書ではすごくぐっと来ました。 柴田教授の翻訳は実に緻密かつ丁寧に構成されているとは思いますが、原書のオリジナルなクオリティーは、さらに上を行くものがあります。 お勧めです。 | ||||
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月の住人である、と自己主張する少年。自分の出自を限定しないところ、心の奥の暗闇をもってして自我を確立しようとしている少年の傑作青春小説です。ライ麦畑とか、村上春樹とかが好きな人は必読だと思う。 主人公の男のわけわからなさとか、とらえどころなさが心地よく、それでいて感情をずんずんと揺さぶりかけてくる。作中作で言われているとおり、すべてが偶然によって起こっているのだが、それを違和感なく読ませるのは作者の技か。傑作です。 | ||||
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この本を読み終えたのは私の24の誕生日だった。主人公は本書の最後には24歳になっていて、まさに彼と自分を重ねることができたわけだけど、それが本当に重なったかはわからない。 書評に「深い余韻が胸に残る絶品の青春小説」と書いてあるように、ラストまで読んでこその小説であるが、私にとっては延々続く中の一部を抜き出したような物語だった。確かに絶品の青春小説、それに違いない。しかし劇的な物語や心地よいストーリー展開、幸福感など味わいたいなら本書は向かない。本書は、嬉しいことも悲しいことももっと生々しく、とんでもない人生だけど現実的で、救いはあるけど絶望や孤独が常にある。誰だって感じる様々な感情や出来事が随所に出てくるが、主人公の思考が劇的だったり究極すぎて、彼を自分と重ねるのは至難。 しかし、アメリカと日本は違う。この青年がもし日本人だったら、一体どういう世界を展開してくれただろう。千年が一瞬に感じ、地球が顕微鏡的といってもいいくらいに小さいと思えるような場所が日本にあるだろうか。究極の絶望や孤独が身に降りかかったとき、日本でも、道は開けるのか? | ||||
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主人公のクールさが小気味良い ここまでクールだと普通の女にはとてもついて行けない でも魅力がある。 「なんだかわからないけど好きになっちゃったんですよ。 なんででしょうか?」 という男性。結構いますもんね〜。 そんな男とその男をめぐる男が繰り広げるムーンパレス。 現実なのか妄想なのか、どうなんだ? 女性のみなさまは「 わかんない男 」 に出会って愛しちゃったらお読みになってはいかがでしょう? | ||||
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大人になってから読んでも、青春の一冊と呼んでも良い本です。私の中ではある意味、「ライ麦畑・・・」と同じ位置づけとして考えられる小説です。読後感は本当に「ライ麦」だったり村上春樹の「風の歌をきけ」と同じような、なんだか孤独ながらも清々しいカンジ。行きたくても行けない世界ってあるんだと実感しながら、夢よりも現実に寄りかかる度合いの方が大きくなっていく、ある意味現実の世界を生きるっていう大人になるための通過儀礼的な一冊だと思う。 | ||||
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"Moon~ Palace"は、ここ5年間のなかで読んだ小説の中の最高傑作です。はっきり言って、私が読んだポール・オースターの小説では英語の難解さの点では一番で、1、2週間ほどで読み切れるとおもっていたのに、2ヶ月もかかってしまいました。それはこの小説には私の知らない単語があふれていたからです。私のボキャブラリーのなさと言ってしまえばそれっきりですが、そ~~れでもこの小説を読みすすめられたのは、この小説の持つ思考の深さとプロットの面白さです。そしてなにより、二度読み三度読みをすれば、わからない単語があってもなんとか物語をイメージすることができたからです。この小説のあらすじは、最初のパラグラフに書かれていますし、次に何がおこるか、主人公の父親が誰なのかも(もちろん、父親の父親が誰な~~のかも)、最後の2章の初めですぐあきらかになりますが、それでもこの小説は面白いしイメージが豊潤なのです。物語はまるで映画「ベニスに死す」のようにゆっくりゆっくりすすんでゆきますので、まずはスローな展開になれてください。スローな展開になれた時点で、この小説の凄さを実感できるとおもいます。第一章は序章、第二章のニューヨーク放浪編は、~~こりゃ何じゃ!、そして第三章にはいったあたりから、物語はどんどん面白くなります。この小説の読みどころは、第四章と第五章の主人公・マルコ・フォッグ青年と老画家・トーマス・エッフィングとのエピソードです。この二章だけでも素晴らしい中編小説となっていて、オースターらしいユニークで、変で、創造性にあふれた物語を堪能できます。この小~~説を読んでも、人生とは何ぞやということの解決にはなりませんが、ひとりひとりの人間のもっている人生の複雑さ、深さ、そして生きてゆく意味は誰にも理解できるものとおもいます。西への旅の最後で主人公がみた月は、どんな月だったのでしょうか。私は今、それにおもいをはせています。~ | ||||
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ポール・オースターといえば内面を深く掘り下げる小説が多い。しかし、これは珍しく青春時代のほろ苦い出来事を、自伝のように綴った小説。大学を辞めて餓死寸前まで放浪、生き別れた自分の祖父(祖父が死ぬまでそれとは知らずに)の下で働き、最後にはこれまた生き別れた父と出会う。なんだか突拍子もない展開ばかり続くが、不思議と違和感は無い。全ての出来事がドラマティックに、読むものの心を打つ小説だと思った。 | ||||
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僕個人の感想としては『ニューヨーク三部作』のほうが面白かった。たしかにこの作品もオースター独特の捻った構造で書かれているけれど、文章が長い分だけその密度が薄くなっているように感じられた。これはもう読む人の好みに左右されるのだろうけれど、オースターは薄い本によってその類稀なストーリーテリングを発揮するのではないだろうか。 | ||||
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主人公マーコは多感で知的な青年だ。孤独である。家族に先立たれる。孤独である。友人に世話になり、恋人ができる。それでも孤独である。奇妙な老人の世話をし、それから自分のルーツがひも解かれていく。かつ孤独である。これほど孤独がこころやさしく、甘美で、酩酊するものだということを、この本によって教えられたように思う。ストーリーを覚えてしまっても、こういう感覚に触れたいからもう一度読みたい、と思わせる数少ない文学の一つであるような気がする。 | ||||
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長い小説を読むのに苦のない人なら買っておくべき。 ポール・オースターの小説としては(現在邦訳されているのの中では)一番読みやすいし、わかりやすい。 スティーブン・キングとか村上春樹とかティム・オブライエンとかジョン・アーヴィング好きな人向き。 | ||||
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主人公マーコは多感で知的な青年だ。孤独である。家族に先立たれる。孤独である。友人に世話になり、恋人ができる。それでも孤独である。奇妙な老人の世話をし、それから自分のルーツがひも解かれていく。かつ孤独である。これほど孤独がこころやさしく、甘美で、酩酊するものだということを、この本によって教えられたように思う。ストーリーを覚えてしまっても、こういう感覚に触れたいからもう一度読みたい、と思わせる数少ない文学の一つであるような気がする。 | ||||
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青春物語の王道である。 クールな主人公の人生を追う。 文章も面白く、美しく、エピソードの一つ一つでさえ強烈なインパクト。NYを舞台にし、登場人物は少ないが、その分、主人公の人生を濃密に経験することができる。 「たまごを落とした」だけで、死に掛ける主人公を愛さずには居られない。 女性にも人気の高い本であり、プレゼントにも最適。 | ||||
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一息に読み、そしてもう一度ゆっくりと細部まで文章を味わいながら読んだ。モザイクのように組み合わされたエピソードの数々は、全体としてすばらしい"いわゆる青春小説"を編み上げているが、個別に見てもとても印象的なものばかりだ。柴田元幸の翻訳もすばらしいので、ポールオースターファン・現代アメリカ文学ファンでなくとも、また翻訳小説を敬遠しがちなひとでも、ぜひ読んで欲しい一冊だ。 | ||||
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ポール・オースターの作品は大好きですが、中でもこの作品は最高です。 彼の作品にはどの作品にもどことなく切なさを感じます。 その中でもロードムービー的なこの話は読むにつれ、一見ばらばらである いろいろなエピソードが一つのラストシーンに向けて紡がれてゆきます。 読み終わった後なんだか物悲しくなりますしたが、読んで良かったと心から思える本でした。 | ||||
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この小説に関しては「かっこいい」という印象しかない。 極貧の大学時代の話や、本を読んでは売って、なけなしの金を得る生活。 ある意味、ハズレのバイト体験。などなど、決してかっこ良いところなど何もないのだが、何故か「かっこいい」小説なのである。初めて読んでから数年経つが、今でも最高に「かっこいい」小説して私の心に残っている。 | ||||
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私がオースターを読んだのは、この「ムーン・パレス」が初めてでした。読んですぐ、1ページ目からどんどんオースターの巧みな描写に引き込まれていき、あっという間に読了してしまいました。非常に読みやすく、素晴らしい文章表現で描かれているので、初めてオースターを読む方にも非常にお薦めです。 | ||||
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「Paul Austerの世界」と一つにまとめてしまうのは申し訳ないが、それでもやはりこの作品はオースターズワールドの象徴的な作品と言っていいだろう。彼の作品で繰り返される「一つのことはまた別の一つのことへとつながっている」と言う物事のあり方、偶然と言うものは決して偶然ではないと言う観念。オースターの初期の作品「鍵のかかった部屋」などではこれらのことがストーリーよりも全面に出ていて読みにくい、取っ付きにくいと思った人もいると思うが、このムーンパレスでは多少読みやすくなってオースターマジックを使ったストーリー展開を楽しむことができると思う。多少長めに感じられるかもしれないが、読んだ後はとてもさわやかに感じる何かがあるはず。ニューヨーク三部作でオースター作品に??と思った人は | ||||
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主人公と同じくらいの年齢で、主人公ほどではありませんが結構タフな人生の局面でこの小説を英語でガリガリと1週間ほどかけて読み砕きました。自分の身に起こった状況を客観的に理解し、起こるべくして起こったことなのだと気持ちを整理することができたのは、この小説のおかげだと思っています。最後には主人公が物質的にすべての周りの人(両親、叔父、恋人)を失いながらも、小説の始まりにあるように行けるところまで行く=ひたすらアメリカ大陸を歩き続ける)ことで、生きている限り決して失うことのない何かを見つけ出すというラストに単純に感動しました。孤独、喪失といった悲観的、感傷的になり易い人生の要素を、それから得るものもあるということをクールに簡潔に説教臭くなることなく、教えてくれる作品だったと思います。。 | ||||
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この本を読んだ後、アメリカの砂漠へ行った。 主人公と同じ気持ちになり 自然と向き合い、人間の小ささを感じた。 | ||||
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