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ムーン・パレス
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ムーン・パレスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全104件 61~80 4/6ページ
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大して小説を読んでいるわけではないのですが、僕の中でベスト一冊です。 文章を読んでいるだけで良いと感じた本。 今まで孤独を感じたことがあるという方はぜひ読んでほしい。 | ||||
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相変わらず美しい文章を書く作家であるが、内容が希薄である。第一の問題点としては、世の落ちこぼれのような主人公に魅力がまったくないこと。共感しようにも、ここまで変な男だと共感のしようがない。第二には、読んでいてどうでもいいようなことが、くだくだといつまでも書かれていること。いったい、セントラルパークでの孤独を何度、同じように言い換えれば気が済むのだろうか。第三には偶然が多すぎること。世の中に偶然はあるが、それが何度も小説に出てくると、作り物に見えてしまう。英語の勉強にはいいが、物語としては非現実的で稚拙である。 | ||||
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古い本。たまたま古本屋で見つけて買っておいたのを読んだ。初めてポール・オースターを知ったのは大学生の頃だ。もう20年も前になる。 当時は、全然読む気にもならなかったのに、この年になって、読むようになるとは。不思議。 柴田元幸の訳もすばらしいが、切ないくらい美しい文章で、残酷なまでに美しくない青春、人生を描いている。 この世界には、なんと悲劇が満ちていることか。しかも、その悲劇が人の目にも触れず、何でもないように流れていく世の中。無常だなぁ。 今になって、オースターのよさに気付くとは、もったいないことをした。 | ||||
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うーん、あまりぴんと来ない小説でした。 原書で読んだから、私の理解力が足りないことも大きいかと思いますが…。 全体を覆う寂寥感や諦観に対し共感できませんでした。 淡々とした文章、 1つの段落や章がかなり長いスタイルも最近では新鮮で、 独特の世界を持つ作家なのだろうと思います。 | ||||
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怪しい雑貨店で見つけた文庫本でした。 「絶対読んでみることをお勧めします」 と書いてあったので、出張の待ち時間に読み始めました。 本当に飽きることなく、最後まで読めた本です。 父子関係、喪失と再生、死に向きあう生。 そういうことが月を象徴として書かれてあって、面白かったです。 | ||||
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主人公は自分の気持ちに異常なほど囚われる人物で、常識ある人には理解しがたい。 無理な人物像を実験的に作り出したといえばそれまでですが。 本人を立ち直らせる小道具の為に中国人の美女が彼の恋人となるが、彼女がもし 設定どおりの魅力的な人物ならナゼこれほどまでに駄目な男にあっさり惚れるのか 理解できない。女には人格がないとおもっている作者の底の浅い人間観が見える 気がして不快。(言いすぎ?) ストーリーは偶然にたよりすぎで、意外な展開ではあるけど、フィクション だからどうにでもできるなぁ、って思わせる隙を与えてしまう。 皆さんのレビューが余りにも良いので、これなら、と思って 英語の勉強のために、名翻訳者と言われる柴田元幸先生の翻訳作品のなかから この本を選んで、併せて原書も買ってしまったけど、失敗でした。 まぁ、自分の場合勉強だからつまんなくても仕方ないか。 万人受けする話ではないので要注意ですよ。 | ||||
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伯父さんの死から始まる死と破滅の物語。 読者に悲劇をつきつけ、同時に馬鹿げた劇が同居していきます。 オースターの悲劇を物語の積み重ねで喜劇に作り変えていく手腕はおもしろい。 それでいて悲劇のなかの感傷を壊さずに小説を終わらせてしまう。 いたるところに鋭い感傷の世界が広がっているために 喜劇の世界をまるで違った世界観のように読者に感じさせるような小説です。 | ||||
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この小説に関する作者自身の言及は、「空腹の技法」というインタビュー集に沢山入っている。レビューのタイトルに引いた言葉も入っているので、この作品を気に入った人は一読を勧めます。 1969〜71年、アポロ月面着陸とベトナム反戦運動の時代。現代アメリカ史の青春時代みたいな時間を、主人公はいつものオースターの作品同様に世間の動向とは全く関係せず、ひたすら受身かつ内向的にウロウロする。N.Y.から西海岸までを「西進」する彼の自分探しの旅に、ユタのインディアン遺跡、植民と西部開拓の歴史が重ねあわされる。 作者自身がインタビューで応えているが、この話はアメリカの「進歩主義」に対する批判でもあるそうだ。過去の世代の過ちをアメリカ人は反復してしまうものだ、と。でも、その反復の先に希望を見出そうという意思を主人公は成長しながら得ていく。文字通り、何もかも失いながら、孤独の中で。人を絶望から救うのは偶然と他者の愛だ。そして、本当に希望が無くなった時にならないと、救いはこない。こういう説明が、何度も繰り返される。それを知っているから、主人公は孤独なラストであんなに力強くなれるのだ。感動的なエピソードだと思う。 オースターの作品群の中では、ポジティブな味が強くエピソードも豊富なので、読みやすいです。例えば、「偶然の音楽」はいい小説なんだけど、鬱のときに読んだら非常にキツかった。でも、この小説は元気になった。僕同様、ヘコんでる人に読んでほしい本だと思います。 | ||||
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非常に面白いストーリー。 おもしろい展開だけど、おかしくないか?と言うツッコミはない。 なぜだろうか。 青春は、そして人生は、多かれ少なかれ必然の偶然がある。 それを作者が絶妙にそしてパワフルに作品に送りこんだからだと思う。 そして誰もが青春をしっているから。 雨は決して降り続けることはない。 そして点と点はつながる。 | ||||
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現代日本にとっては極めて現代的な内容である(のではないだろうか)。 とくに、耽美的であり虚無的な20代の青年には、その衝撃はかなり大きいのではないだろうか。いつか読むべき本ではなく、『今』読むべき本だと思う。 | ||||
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この小説は初めて最後まで読めた小説だった。ポールオースターの美しい言葉や表現でドンドン見入ってしまった。やはり絶品の小説だった | ||||
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もう読んで何年かになるが、それでも時々思い出すのが、主人公が台所で卵を落とす場面である。おそらくオースターの実話だからだろうが、困窮する生活の中で大事な卵を落とす深刻さが本当によく書けていた。ことばから何かがイメージできるなど幻想に過ぎないが、この卵の落ち方の生々しい物質性は、その幻想を信じる気に十分させる。 | ||||
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そういう物語。 息している限り、息がある限り、私たち人間は生きているのです。 長い物語のあらすじを描くと総てが見えてしまうのはこの作者の作品の特色です。 なので作品に関しては何も言えないわ。 息があった事を、主人公に祝福。 生きていてよかったね。 命あってのものだねだ。 過去は捨てればいいものだもの。 | ||||
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この本は何度も読める本です。 また「え!!!」となるお話がたくさんあります。ポール・オースターは、浅田次郎先生のように、不思議な気持ちを読者に与えてくれる、素晴らしい作家です。 詳しく感想を書きそうなんで、ここでやめますが、だまされたと思って読むと、温かい気持ちになります。 お勧めです。 | ||||
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秀作だと思います。 青春小説、と呼んでいいのかな。 でも心にどしんと来るものがあります。 話の引き込み方はさすがの一言。 厚い本なのに、終わるのがもったいないと思える出来。 本当はけっこう悲しい物語なのですが、なんだか心地よい読後感でした。 | ||||
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自分の立つ「位置」はどこか。 自分にとっての「軸」はなにか。 そんなことを考えさせられる物語。 この小説が「絶品の青春小説」と言われるのは、主人公の破天荒な行動や、荒唐無稽ともとれる「偶然」の積み重なりからきているものではなく、こうした「自分への問いかけ」があまりにもマジメに、どこか滑稽さも伴って、行われているからだと思う。 この小説は、「月」に始まり、「月」に終る。 「それは人類がはじめて月を歩いた夏だった」。 こんな書き出しから物語は始まる。 そして最後に、主人公は自分も他の人もたどり着いたことのない場所にたどり着く。 砂漠、海、そういう開けた場所にいくと、今でもこのシーンを思い出す。 確かに、漠然と広い場所は、どこか「月面」に似ている。 | ||||
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僕は、この本に文庫で出会い、何度も手にしながら幾度となく挫折していた。手にしたきっかけは、書店員さんの手書きのメモが、平積みのこの本についていたから。「極上の物語をどうぞ」と書いてあったような記憶がある。 初めて最後まで読み通すことが出来て、今の感想を率直に言えば、やはり「極上の物語」であったというしかない。僕があまりにバカで、今まで中途放棄してきたことがもったいなくもあり、人生の危難に直面している今だからこそ、読めたのかなあとも思っている。 この物語は、地上で唯一の肉親であった伯父の死をきっかけに、主人公が自死を選ぶに等しい退嬰的な生活をはじめ、ふとしたきっかけから出会った女性に救われ、奇妙な介護の仕事に就く。そこから、不思議な縁の回転が始まり、自身の出自の謎が解き明かされていく。 過去の断片的な事柄が全て繋がり、お互いが関係しあっていたことに気付きはじめながらも、作中の全ての登場人物たちと別れてしまう。そこには、東洋的な一期一会が寓意的に描かれているかのような錯覚さえ覚えさせられる。そして、最後全てを手に入れながら、全てを失った主人公は再びゼロ地点へ…。原点回帰的な、東洋的な終わりをつげる。 もう一度読みたい。これが今の僕の偽らざる心境だ。 | ||||
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なんど読み返したか。楽しく、滑稽で、もどかしく、ときには、絶望的で悲しくなることもある。オースターは“偶然”にとりつかれた作家だ。なにも、不可思議な出来事が好きだとか、そういうだけじゃない。偶然とは、私たちの全く予期しなかった事件によって、突然目の前が真っ白になることだ。それは、私たちから一つの世界を奪い、もう一つの世界も見せてくれる。主人公マーコは、自らの想像力と偶然に翻弄される。作家自身の経験も交えたであろうマーコの“ダメ青年”ぶりは、笑ってしまうこともあるが、そのひとくせある純粋な想いに胸を焼かれたりもする。それから、主人公の恋人キティの、まあ、なんと魅力的なことか。アメリカの伝統的なハードボイルド小説を想起させる名ヒロイン。 | ||||
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私はポールオースターの作品の中でこれが一番好きです。主人公の送る金欠生活も、台湾のお金持ちの娘である彼女も、さえない音楽家だった伯父さんの話もみんなみんないとおしくて、肥満体の先生のくだりの結末には「え、何で?」と思わされてしまいましたけれども、それも結局は許せてしまいました。オースターという人は本当にバランスの取れた作家で色々な作品を書いてくれていますが、この手の「青春小説」をもっともっと書いて欲しいな、と本当に心の底から思います。作中の中華料理の描写は、アメリカ人が中華料理に対して抱くイメージを完璧に象徴しているのではないか、と感じました(本当の中華料理はこれとは全然違うけどね)。 | ||||
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ニューヨークでストイックな生活を送る学生の、ほろ苦い孤独と葛藤と、ささやかな幸せ、知られざる自分のルーツを明らかにする、次々に起こる偶然、巡り合わせに導かれる青春小説。 ストーリーは波乱万丈だが、語り口はきわめてドライで淡白。村上春樹の作風に似ているといえるかもしれない。 貧しくて賢くて孤独な主人公、彼の音楽家の叔父、小柄な中国人の恋人、冴えない親友、やっかいな頑固老人の雇い主、その息子である巨漢の教授。 それぞれに個性的で欠点だらけで愛すべき人々がたくさん登場し、彼らが皆、驚くべき巡り合わせで主人公に絡んでいく。一人の人間にかかわる人々とその歴史が明らかになっていく。 アメリカには行った事がないが、これまで私が抱いていたアメリカという国の印象を、大きく覆した。こんなアメリカもあったんだ、と。 | ||||
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