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鍵のかかった部屋
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鍵のかかった部屋の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全29件 21~29 2/2ページ
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オースターの初期作品の中で、頭ひとつ抜け出ている印象の本書。 書き出しからラストまで、どこをとっても好きなのは、ちょっと贔屓のしすぎかもしれませんが。。 オースターのストーリーの書き方は偶然に拠り過ぎているって話がありますが、私はそれよりも、幸福はいつまでも続かない、ハッピーエンドでは終われない物語のリアリズム性の方に、オースターらしさを感じます。 この作品のラストは、そういう意味でものすごく印象に残っています。 曖昧な結末の映画を見たのに、考えさせられるのではなく、理屈ではなく、胸がうずくと言えばいいのか。 数あるオースター作品の中でも、この作品のラストは群を抜いているように思えます。 未読のオースター好きの方には是非読んでいただきたいです。 | ||||
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最初に話題になった『ムーン・パレス』を読み、その次に自分から出合った、オースターの作品の衝撃の一冊目となった宝物です。 この本を一気に読んでしまった後、他の作品へと、オースターの世界に吸い込まれていきました。 ニューヨーク三部作の締めくくりの一作とされていますが、最初に読んで価値あり、おすすめです! | ||||
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実に小説らしい小説だと思う。 もしくは物語らしい物語。 サスペンスフルでスリリングでどことなくカフカチックで、読んでいて引き込まれる楽しみがある。 この人の小説はこのあたりから物語小説としての魅力を増し、「ムーンパレス」、「リヴァイアサン」、「偶然の音楽」、「ミスターヴァーティゴ」あたりの完成度の高い作品に結実していく。 作品として決して完成度が高いとは言えないまでも、それは筆者がその後さらにすばらしい作品を生みだしたという事実をすでに知っていることから来る相対的な評価でしかなく一つの作品としては十分に楽しめる。 私は読後、村上春樹の「羊をめぐる冒険」を思い出した。 二つの物語が探求したものは果たして同一のものだったろうか、と考えたのだ。 この「鍵のかかった部屋」、もちろん村上ファンのかたにもお薦めです。 | ||||
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親友のファンショーがいなくなったことを知らされた「僕」は、彼の残した小説を出版するが、「僕」の生活は一変してしまう。「僕」がファンショーの名で小説を書いていたという噂が流れ始めてから「僕」の中の何かがおかしくなる。「僕」は親友を愛していたのと同じくらい憎んでもいたのだ。彼は本当に現実世界にいたのだろうか、もしかしてファンショーは「僕」ではないのだろうかと現実と幻想の境界線が曖昧になってくる不思議な作品。「われわれは自分自身のために存在しているのだろうし、ときには自分が誰なのか、一瞬垣間見えることさえある。だが結局のところ何ひとつ確信できはしない。人生が進んでゆくにつれて、われわれは自分自身にとってますます不透明になっていく。」この「僕」の言葉の中にファンショー(=オースター)の心の叫びが聞こえてくるような気がした。 | ||||
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ニューヨーク3部作ですが、主人公は探偵ではなく作家ですのでリヴァイアサンにも近いと思います。基本的には謎が多い作品で、私なりの解釈もないのですが、個人的にはオースター作品で一番好きです。理由は登場人物が魅力的ですからね。 | ||||
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読み始めると、オースターの小説は、一気に読めてしまう。グイグイと引き込まれるストーリー展開の巧みさは、この作家の最大の魅力だろう。「鍵のかかった部屋」は、「幽霊たち」より、さらにおもしろいニューヨーク3部作の最終作だった。オースターの小説の特徴は、次は、どうなるのだろう、その次はどうなるのだろう、といった展開の尽きないおもしろさにあり、だから、最後まで、一気に読めてしまう。 もう一つの特徴は、登場人物が、いつも最小限に限られていて、それでいて都会的で、特に、このニューヨーク3部作は、都会の孤独をうまく捉えていると思う。もう一歩、時代的な、芸術的なテーマ性を持てば、オースターは、1980年代以降の、最も世界的な作家になり得る可能性がある作家だと思う。 | ||||
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探偵小説の体裁をとったオースターの代表作。 鍵のかかった部屋に決して入ることができない主人公。 手にすることのできる幸福と、決して手の届かない謎。 解決しない謎解きでありながらも、後味の爽やかな物語。 | ||||
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主人公である「僕」は、幼馴染から一つの依頼を受ける。僕は二つの選択肢を失踪した幼馴染から突きつけられる。問題は受けるか受けないかではなく、どちらを選ぶかであり、しかし、どちらを選んだとしても僕」は久しく会うことがなかった幼馴染との対峙を強いられる。」現代の日本において他者との関わりは極めて表面的になり、かつて以上の気遣いを必要とする。ならば、誰に向けて神経を磨り減らすというのか。つまりは、自己の内部における防衛本能というべきものが自己の神経を磨り減らすといえる。他者との関わりを持つという行為において!物語は「僕」と幼馴染との対峙と同時に、「僕」との「僕」との対峙を巧みに描き出す。そして、読み終えた時に読者は痛感する。鍵のかかった部屋を見つけた時に鍵を開け放つ勇気が、あるいは、開けない勇気があるだろうかと。 | ||||
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ニューヨーク三部作の第三作目。ポールオースターのこの時期の作品のテーマが繰り返し出されている。言葉に対するこだわり、「私」の存在、書く事と孤独。作者自身にとっての重要な問題を理解しようとする態度が小説という形で描かれている。同じテーマがいくつかの作品で繰り返されたとしても読者にとって興醒めにならないのは、作者が読者に媚びずに自身の為に、描いているからだと思える、そこに作者の魅力がある。オースターの深さが味わえる一作。 | ||||
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