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鍵のかかった部屋
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鍵のかかった部屋の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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高評価も多いようですが、私は星二つでいきます。ファンの人ごめんなさい! 定期的に現れるオースター節、綿密な光景や人物の描写は相変わらず上手だなと思いつつ、 何だかアメリカンかつ陳腐な手法でドストエフスキーのように人間の心にある深淵を抉り 出したりしようとしているのだが、それがとても低いレベルで失敗してしまったという印象です。 禁忌とされることを導入しつつ、その禁忌が作った割れ目に何らかの真理を漂わせようとはし たのでしょうが・・・。その割れ目も漂わせようとした真理もナンセンス。自分自身が過去から 背負っている罪悪感や不快感の塊を物語の柱として多用するのはあまり品が良いとは言えない。 本人は作品に悪い意味での昇華をしてすっきりかもしれませんが、それをお金を払ってまで分担 して請け負わされる読者とは作者にとって何なんでしょうか。 それをも文学と言うのなら、画家のベクシンスキーの作品のような滅びや死、損壊の美学がこの 物語にあるべきでしょうが、そういった凄味はこの物語からは感じられない。悪い意味でアメリカンで チープ、浅薄だと思います。 学問的な意見、本人の意図等あるでしょうが、幼なじみの妻と結婚し、その幼なじみの母親と行為 に及ぶくだりは不愉快な”だけ”で、これを含む本がアメリカ文学史とやらの最良の入門書と言うのは 疑問。後からその気持ち悪い行為が別の価値や意味を持って立ち現れるというわけでもない。一言 で言えば気持ち悪いだけで何の意味も無い。その意味の無さに深い意味があるわけでもない。 深そうな文章で読者を煙に巻くことに成功すればその読者はこの物語を肯定的に見るでしょう。 それがフェイクだと気づいた読者は否定的に見ると思います。私は楽しめなかったし、得るところ もあまり無かった方です。 オースターの人の心理に関する洞察や描写はユニークだけれど、だからと言って深いのか、全体として 良質の話なのかと言われればまたそれは別だと思います。 こういうものがかつて評価された時代があった、という点では今更読んでも良いでしょう。オースター が初めてであればムーンパレスからの方が良いと思います。 | ||||
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以下かなりねたばれを含む自分個人の感想になります。 親友が謎の失踪 その謎を中心に主人公の生活が一変する 物語後半親友の謎を追いパリまで行き そこでなぜか神経衰弱におちいる そしてその謎は最後まではっきりとしない 後述しますが、結果的に自分にとってわからないことだらけの小説で それ故か主人公の言動が釈然とせず、嫌悪すら覚えます。 いくらもう戻ってこないとはいえ、またいくら友人から託されお互いに想いあう仲になったとしても 親友の妻と結婚するというのはどうしても親友の失踪で気落ちしているところにつけこんでいるようなそんな嫌な気持ちになるし (そこに関しての主人公の逡巡や葛藤は描かれているにしても) 特に作品の扱いを委ねられた親友の残した作品を出版しお金を手にするのはいいけれど もう1つの僕(親友)のことは忘れてくれ追わないでくれという約束は平気で破り、 (親友の妻を託すという約束はしっかり守っているのに) 少しも悪びれることもなく、あろうことか出版社と親友の自伝を書く約束までしてしまう、 さらにその取材の過程で親友の母親に会いに行きただならぬ関係をもつ。 唖然・・・ 一体この物語は読者に何を伝えようとしているのか?この主人公にとって親友とは、友達とはなんなのか?・・・誰なのか? これを含めた著者の「ニューヨーク三部作」はあとがきのある批評家の言によれば 「アメリカ文学史の最良の入門書」 であるらしいが、大半のアメリカ人にとっては自分の感じる違和感、嫌悪感を感じず、この物語に共感することができるだろうか? 結果的に自分には作品の主旨を読み取ることができず、心に何も残らなかった。 僕はなんの前知識も持たず雑多に本を読む素人です、それを自覚しながら読んでも、この著者が読者に伝えたいこと、著者がこの物語に託した意味は全く理解も共感もできず、もしこれが本当に本当に「アメリカ文学史の最良の入門書」であるのならば、自分など到底アメリカ文学を理解し得ず、楽しむことなどできないだろうと思う。 じゃあ、面白くないのかと言われれば後半、もうこれ謎解けないんだな、とわかるまではとても面白かった、 しかし肝心の謎が結局解けないだろうことがわかった瞬間、自分にとっては本当に意味のわからない小説になった。 時にはっきりとさせず読者に判断を委ねたり、あるいはこの本の主題にとって謎を解くということの意味がそれほど重要ではないのかもしれないけれど自分ははっきりさせて欲しかった。 そうでなければ上記主人公の言動も余計理解不能である。 親友失踪の謎が物語の始まりであり軸であり、主人公の世界と生活変えた端緒であるのに、その謎が結局わからず仕舞いでは自分はこの物語を主人公の行動や心の推移をどう受け止めれば良いのか全くわからない(あくまでこれは僕の感想で作者には別の深い意図があるだろうことは推測できるけれど、それでも尚) 自分は以前同じポール・オースターの「ムーンパレス」をジャケ買いし、とても面白かったので期待していただけにがっかりした。 なお「ニューヨーク三部作」最後の作品とのことですが、どれから読み始めても構わないそうです。 追記 2015年12月13日加筆しました。 他の方々のレビューを読ませて頂き、自分がいかに浅い読み方をしていたのか思い知り、多少加筆しました、 でも基本的な感想は当時のままで変化はありません、これ以後「アメリカ文学」は読んでいません。 | ||||
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