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アルモニカ・ディアボリカ
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アルモニカ・ディアボリカの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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面白かったです。 | ||||
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天使の話はやっぱりこっちだった。 まあ、ナイジェルの物語が最初の巻で展開されるわけないよね。 治安判事のボヤキから80年後に警察組織ができるのか。 この物語の登場人物は警察代わりのボウ・ストリート・ランナーズ、証拠や供述から事件を組み立てる治安判事の推理、遺体の状況を読み取る医学が各々分かれていて 近代的だが別々の考えで動いていて面白かった。 ボウ・ストリート・ランナーズは警察というより暴力装置かな。 | ||||
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開かせていただき光栄ですを読了後、興奮のままにこちらを読み始めました。期待値が高かったせいか、読了時には尽く軽視される謎の解明と杜撰な終わり方に肩を落としました。 管轄外の事件に首をつっこんでいる理由は、真実の探究のためかと思いきや、重要な謎が極めて不明瞭なまま残されています。続編で回収するつもりなのでしょうか。いずれにせよ、およそ有り得ない内容の事件について、判事がそれっぽい辻褄をつけているという印象しか残らなかった。遺体未確認、生死不明、死因不明な者達も判事様の(逞しい想像力に基づく)ご推察の通りらしい。 また、しつこい位に権力による不公平な裁判が罷り通っていると嘆いている割に、さっさと口封じすべき人物達を活かしていて、強いご都合主義感を感じた。 今作はミステリーではなく、ジュブナイル小説位に思えばまた評価も変わるだろう。 | ||||
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「開かせていただき光栄です」の続編というだけで☆4つつけたい心持ち。 前作から五年後、エドとナイジェルが去った後のバートンズやダニエル医師、判事とアンの日常が綴られる。 皆川博子作品は耽美で格調高い文体と独自の美学と美意識に貫かれた世界観が最大の魅力だが、本書はそれに加え軽妙痛快なユーモアにコミカルな掛け合い、一癖も二癖もある変人奇人、天才異才のエピソードに注目。 とぼけた言動とズレたこだわり、独特の哲学を持ったユニークでユーモラスなキャラクターの人物造形が秀逸。皆の愛すべき偏屈ぶりときたら!どいつもこいつも情が湧いてしまう。 今作はナイジェルの生い立ちをしるした手記と交互し、炭鉱に現れた天使の亡骸と、美しすぎる調べでひとを狂わす悪魔の楽器を巡る顛末が語られる。 中野京子「怖い絵」でべドラム(当時の英国の精神病院)の劣悪な環境は知っていたが、ナイジェルが回想する内幕はより悲惨。 ベンジャミン・フランクリンなど歴史上の偉人も本筋に絡んできて、ミステリアスな展開をスノッブに盛り上げる。 エドとナイジェルの共依存に近い閉塞した関係性が重要なキーになっているのだが、ナイジェルの手記はエドへの一方的な恋文とも解釈でき、悲恋的なジュネっぽい。 個人的に好きなキャラクターはネイサン。 詩人を志しながら未だ夢成らず燻る姿、自分はバートンズの一員じゃないんだと落ち込む姿が可愛らしい。モラトリアムを脱しきれない卑屈さと勇敢さの兼ね合いが愛しくなる。 アンは前作より女性的で繊細な面(アボットへの片想い、ディーフェンベイカーへの同情)が際立っていたように感じる。 不満点を挙げるなら、物語のクライマックスともいえるある人物への復讐の顛末が、後日談の推測と又聞きに終始してしまったこと。 その復讐の内容も、アレンジこそあるが前作に収録された番外編を踏襲してるので、二番煎じ感が否めず少し物足りなかった。 しかし数奇な運命に翻弄された恋人たち(エドとナイジェル含む)の、別離とすれ違い、悲恋を軸にしたヒューマンミステリーとして読めば十分面白い。 歴史的な考証や風俗描写も読みごたえたっぷり。 残されたバートンズやネイサンのこれからが気になるので、続々編もぜひ期待したい。 | ||||
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前作は細かい伏線や時代背景に 重点が置かれていましたが 今回は人の内面に切り込んだ内容になっており、 前作から登場しているキャラクターの 新たな側面も見られその点は楽しめます。 またレビュータイトルにある通り、 前作よりやや冒険的要素が強いです。 前作がロンドン市街が舞台だったのに比べ 本作は移動の記述が多くアクティブです。(物語は暗く悲しいですが…) また、前作から登場しているネイサンや ダニエル先生の弟子3人も活躍します(^^) 個人的にもっとダニエル先生に 出番が欲しかったのと ケイトの回想シーンが長く感じてしまったので、 星四つです。★★★★☆ 「開かせていただき光栄です」 とこの「アルモニカ・ディアボリカ」の 間の年月のエピソードなども いつか読む日が来たらいいなぁと思います。 | ||||
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ある登場人物の生い立ちを手記と共に追っていくといった感じなので、ミステリーを読みたい方には物足りないと思います。 前作で登場人物に親しみを覚えていないと退屈してしまうかも。 精神病院が舞台の一つとして登場しますが、映画にしろゲームにしろ、あまり良い展開は生まないのがこの施設。 それもあり、寂しさは残るものの綺麗に終わった前作と比べると、こちらはモヤモヤとした切なさが残る感じです。 また、前作と比べ、グロテスクなシーンは減りました――ダニエル先生がほぼ出ていないためか――が、その分BL要素が強くなった感じです。 | ||||
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「開かせていただき光栄です」の続編(舞台は5年後)であり、読者は前作を既読という前提で執筆されている。不審な死体が発見され、なおかつ、その死体が"ある意外な人物"と入れ替わっていた事から、前作の探偵チームがその事件に深入りさぜるを得ないという続編らしい設定である。私は前作を、一見ミステリ・タッチでありながら、実は外科医(解剖学)を下賤な職業と見做していた18世紀のロンドンの社会を乾いたタッチで描いた歴史風俗小説だと思っている(本作にもその趣きがある)のだが、本作の方がミステリ風味が濃いという印象を受けた。本作の新しいモチーフは表題ともなっている、ベンジャミン・フランクリン発案(という設定)のガラス細工の楽器「アルモニカ・ディアボリカ(=悪魔のハーモニー)」である。 そして、探偵チーム以外の主な舞台は死体入れ替わりが起こったロンドン郊外の村ウェスト・ウィカム、精神障害者用の施設ベドラム、ベドラムの患者を見世物とする見世物小屋、ウェスト・ウィカムで14年前に起こったとされる「アルモニカ・ディアボリカ」が絡む国王を巻き込んだ謎の事件。作者の筆力なので、当時のアメリカ独立運動の影響、英仏戦争の後遺症等の社会問題を織り交ぜながら、これらの舞台・事件を丹念に描いてはいるのだが、(本作がミステリ指向だとすると)ミステリ的には不満が残った。私が本作の謎だと思ったのは以下の点であり、大方の読者と一致すると思う。 (1) 何故、死体入れ替わりが起こったのか ? (2) そもそも、"ある意外な人物"が殺された動機は ? (3) 全ての発端となっている14年前の事件の真相とは ? ところが、最後まで読むと、これらの謎はアッケなく片付けられ、探偵チーム内の心理模様だけで閉じてしまっているのである。この解決なら、最後の1/5だけで充分だったとさえ思える構成である。作者に余裕があり過ぎて、筆が滑ってしまったとの印象が強い残念な作品である。 | ||||
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「開かせていただき光栄です」の続編。 前作で主要な登場人物であった者の死と出生の秘密がメインのミステリーです。 だがしかし。 本作では「あー、凧と雷の実験の人ね」のベンジャミン・フランクリンが出てきてから、とんでもない様相を帯びてきます。 出てくるエピソードのことごとくが史実に基づいている!〝地獄の火クラブ〟や〝ベドラム〟に至るまで実在したと知った時はくらくらしました。 ぜひこの読書体験をおすすめします。 | ||||
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物語があり得ないし、それを推理するのも不可能。 説得力のない筆力。 ファンでなければ途中で投げ捨てる可能性のある。 | ||||
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前作開かせていただきますがとても面白かったのでこちらもすぐに読みました。 ミステリー小説は好きでよく読みますがいつも登場人物に感情移入できるものが少なく星5はめったにつけませんがこれは文句なしによかったです。 ミステリー小説としてももちろん逸ですがあまりにも不条理なナイジェルの生い立ちと合間に少しだけ登場するエドへの思いが印象的でした。 ラスト二行のナイジェルの手記の言葉がもしかしたらナイジェルの最初で最後の願いでそれがもう二度と叶うことがないと思うと非常に切なくやるせないです。 | ||||
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18世紀ロンドン 5年前の連続殺人事件で愛弟子エド、ナイジェルを失った解剖医・ダニエルは失意の日々を送っていた やはりダニエルの弟子だったアル、ベン、クラレンスは盲目の判事・ジョンの要請で犯罪防止のための新聞を作っていた ある日、正体不明の屍体の情報を求める広告依頼が舞い込む 屍体の胸には〈ベツレヘムの子よ、よみがえれ! アルモニカ・ディアボリカ〉と謎の暗号が残されていた アル、ベン、クラレンス、ネイサン、ジョン、ジョンの姪・アンらは再び事件の渦中へ ベンジャミン・フランクリンがガラス職人に制作を依頼したという謎の楽器「アルモニカ」 王族や貴族たちの腐敗した政治 理不尽に引き裂かれ辛酸を嘗める恋人たち 本作では、ある精神病院が重要な舞台のひとつになっています そこで育った若者、上の人間の思惑に絡み強制的に収容されていた人々の受けた屈辱的で非人道的な扱いは前作で著されたネイサンの投獄体験を遥かに上回る悲惨さです 「ベツレヘム」が繋ぐ過去と現在 前作(開かせていただき光栄です)より数段面白く出来た作品だと思います ラストからすると もしかしたら続々編もあり? あったら嬉しいけど | ||||
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アルモニカーーかのベンジャミン・フランクリンが考案した、あえかな音を響かせるガラス製楽器。 その製作は困難を極め脆く儚い。 ビッグネームも関わり、前作を凌ぐスケールと複雑さで重厚かつダークに展開。 登場人物がめっちゃ多く、前作の主だった人物は“名前だけ場面”も含め、ほぼ全員関わって来るため、 前作は必読。 . 廃坑道の深い闇の底から引き上げられた「天使」と見まがう遺体 その胸には血でメッセージが書かれていた。 〔ベツレヘムの子よ、よみがえれ! アルモニア・ディアボリカ〕 盲目判事やアルたちが捜査に乗り出した途端、その天使の遺体はすり替えられ 本物の遺体は別の場所に隠匿した形で発見される。 “胸に書かれた意味深なメッセージと、遺体のすりかえ”は、前作の事件と重なり、 呼応する。ハーモニー(アルモニカ)のごとく。 厳重に箝口令が敷かれた楽器:アルモニカ その楽器の周囲で、理不尽に引き裂かれ・想像を絶する辛酸を舐める羽目に陥った2組のカップル。 そして、前作:ネイサンの投獄体験よりも重く・辛く・屈辱的・理不尽で、絶望的な「精神病院」の内情。 そんな絶望的状況に幽閉され、堪え難い拷問を受けてもなお、魂の清廉さを保ち、 目の前の“か弱く美しい人”を愛し慈しみ、守り抜こうとした、楽器奏者と画家と小説家。 何の希望もない・地獄のような閉鎖空間で、彼らが音楽を奏で、皆が唱和する短い場面が、感動的☆☆。 懐かしい歌が、無気力な人々の心にいっとき明かりを灯したように 暗闇の底で育ったナイジェルが “理不尽と悪意が蔓延したこの世界に見た光”は、エドだったんだろう。 | ||||
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前作『開かせていただき光栄です』の続編です。 冒頭から衝撃というか、前作を上回る「変死体」の登場です。 (1)前作を未読の方へ 皆川さん自身がミステリマガジン2014年2月号(ハヤカワ)で 仰っている通りですが、今作は前作の「ネタバレ」を多分に含んでおります。 老婆心ながら、今作を読むと必ず前作を読まずにはおれませんので、 まずは前作をお読みになられることを強く強く推奨いたします。 文庫版はこちら 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4) (2)前作を既読の方へ 既に今作にも大変なご興味を持たれていることとは存じますが、 「天才少年ナイジェルの過去」というだけでもう読まずにいれますか? 皆川さん自身がこうした続編を書かれること自体がかなり珍しく、 なるほど直木賞の『恋紅』の続編(『散りしきる花』)のことを思うと、 続編への期待が少々削がれる(奇特な)方もいらっしゃるかもしれません。 科学と奇術、光と狂気が交錯する当時のロンドンへ誘われ、 いざ皆川ワールドへ深々と。 そして深々と、「書いていただき光栄です」と低頭せずにはおれない感動を。 | ||||
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