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幻夏
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幻夏の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.30pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全192件 101~120 6/10ページ
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さすがに、死体もないのに自供を迫ることはないだろってな小説っぽさはところどころにある。ただその小説っぽさは、リアリティを削ぐマイナスの効果よりも、読む方に安心感や安定感を与えるプラスの効果の方が大きい。 ミステリーって、トリックの巧みさとリアリティのバランス崩れていると、しらけてしまったりするのだけれども、この本のバランスは(少しトリック寄っているところが)絶妙。 伏線の敷き方と回収にも嫌味がないし、それぞれのキャラクターや情景がわかりやすく描写してあって、読者にシーンを想像させるテクニックもお上手というしかない。 肝心のミステリーも、だいたいの方向性は気付かせながらも、「えっ」と思わせるところが少なくない。 完璧ですね。 | ||||
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冤罪が狂わせる、幾多の人生。 23年前に失踪した息子の捜索依頼を受ける探偵・鑓水と所員・修司、少女連れ去り事件を捜査する刑事・相馬。過去と現在の失踪事件の繋がりを探るうちに…やるせない思いが止まらない。 「冤罪が生まれるのは偶然じゃない。~司法構造から必然的に冤罪が生み出されている。」「構造というのは、~世間がとりあえずは望む形で安定している。」 冤罪を生み出す"望み"は、自分の中にもあるのだと気付かされる、骨太な社会派・ハードボイルド・ミステリー。 | ||||
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私は「天上の葦」を先に読んでいて、その筆力・正義感に感心したものだが、本作はその前身に当たる。「天上の葦」程のスケール感こそないものの、出来は遜色なく、纏まりの良さという点ではむしろ上回っていると言って良い。鑓水探偵事務所の活躍が本作から始まっている点も分かった。 冤罪を生み出す現在の司法制度・警察組織への怒りを幼馴染み三人組の思い出・苛酷な運命に包んで描いた傑作。少年期の記憶と現在の誘拐事件とをカットバックで木目細かく描いて、現在の誘拐事件と過去の冤罪事件との関係を次第に明らかにして、読者の気を逸らさない物語展開が見事。また、小さな謎を小刻みに出して、物語の進行に伴い自然と解けるもの、ラストの謎解きの伏線用に巧みに隠しているものの判別が上手い。特に、複数の事件現場に残された謎の記号「//=|」の含意を、過去の記憶の記述中にヒントが出ているのにも関わらず、読者に気付かせない手腕には感心した。幼馴染み三名の内の一人の相馬という警察官が一応の主人公なのだが、実際の推理・捜査をするのは鑓水探偵事務所の二人である。この二人も幼馴染み三人組も冤罪への怒り、それを生み出す司法制度・警察組織への怒りは同一なのに、立場の違いやホンの小さなキッカケが行動・考え方の違いを生んでしまうという悲劇・苛酷な運命がこれまた見事に映し出されている。 作者はTVドラマ「相棒」の脚本も書いていた由で、杉下右京の正義感・倫理観が本作に乗り移ったかの様である。「鑓水=杉下」という見立てだろうか。とにかく、読者を飽きさせずに物語に惹き込む力量が抜きん出ていて、これからも楽しみな作家である。 | ||||
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順番どおり「犯罪者」上下巻からこちらを読みました。 「犯罪者」もそうでしたが、この作者の博識ぶりと文章力は尊敬に値します。 一度本を閉じてもまた開くまで時間が空くようなことはなかったです。 がしかし、そもそも、そもそも小学生にこれだけの知能と行動力があるとは思えないところと、現役の刑事が前科のある一般人 修司と行動を共にするだとか、コナン君さながらの鑓水の設定にそもそも無理があります。 「犯罪者」からの「幻夏」で、(いるわけないでしょ。)と興醒めしてしまいました。 ここから「天上の葦」で鑓水の過去に触れるらしいですが 正直、コナン君にどんな不幸があろうと全く感情移入できそうにないので購入しないと思います。 読み応えはあったんですが…何だろう…登場人物のしぐさの描写がいちいち狙いすぎているように思いました。 | ||||
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とても良かった。内容や展開も良く面白い。 描かれる人間の姿は興味深く、友情には暖かい感動を覚える。 重く悲しい。けれど最後は暖かさと希望が失われていない。 冤罪の怖さや悲しさ、そこに至るまでの卑劣な取り調べ等、法のあり方については考えさせられる。 冤罪は起きてはいけない事。でも警察だけにその原因があるのではない様に思う。 密室での取り調べは問題があるとも思うが、あの位叩かないといけない悪人も少なからずいる。そんな人間も、冤罪に加担している様に感じる。 初めて読んだ作家さんだったけど、他の作品もぜひ読みたい。 | ||||
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Audible版2冊目です。子供のころラジオドラマって言うのがあったけど、それともちょっと違う。ナレータ1人で複数人の登場人物を読み分ける。結構登場人物は多い作品だけど聞き取れたし、巻き戻し機構もあるので聞き取れない部分は確認もできる。 自分自身も持っているような少年時代の情景からスタートし場面が変わって行く。15時間を超す作品だけど夢中で聞きました。最近視力が落ちてきて、混んだ電車で本を広げて読むのが快適ではなくなりました。このオーディオブック、少々混んだ車内でもただ聞くだけ。私は結構気に入っています。 書評はたくさん他の方が書いているのでそちらにお任せします。面白かったです。 | ||||
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とても引き込まれました。冤罪という恐ろしい事がこの世からなくなりますようにと祈るばかりです。 | ||||
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尚と拓、同じ位の歳の子供がいます。 母親目線でひたすら読んでいましたが、とにかく、泣けました… | ||||
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伏線が何重にも張り巡らされていてるとても読み応えのある推理小説。犯人像が二転三転され、読中はずっと引き込まれていた。以下ネタバレ部あり 冤罪事件がなぜ生まれるのか、司法業界の各立場の責任転嫁ともいえる価値観がとても新鮮。元最高検察庁次長検事の常盤正信の一貫した佇まいが痺れる。ノンキャリのたたき上げ警視庁刑事部参事官の岡村武彦も終盤までクールだった。物語の質もさることながら量も豊富だ。幼馴染の失踪不明事件、その父親の冤罪事件。そして20数年後の常盤正信の孫の誘拐事件。謎の暗号が残されたその他数件の殺人事件。これらがすべてがあの夏の尚の失踪を発端としている。尚たちの父親を殺したのは、最初は母の水沢香苗かと思いきや、長男の尚が怪しいぞとなり、しかし実は拓だったという目まぐるしく展開が変わっていくのはスリルさえ感じる。そして、一介の刑事である相馬亮介が、拓と香苗を探そうとしたときに、香苗は末期のがんで死んでおり、拓にいったっては既に数か月間にこの世を去っていたのも、びっくりだ。拓は無差別殺人を起こすほど精神を崩壊していてた。また尚が倉吉望と同一人物であったという事実にも本当にびっくり。作者もよくこんなことを思いつくものだ。 とにかく法曹界の屈折した業界も垣間見れる小説なので、読みごたえはバッチリだ。 | ||||
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子供が生まれてからゆっくり本を読む時間がなく本から遠ざかっていた私が寝る間を惜しんで読み続けて最後は 色々なことを考えさせられました。 主婦にもお薦めの本です | ||||
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また新たな作者を発見できて嬉しくなりました。次を読むのにワクワクしてます。 | ||||
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一気に読みました!ハッチャメチャに面白かったです… ネタバレは避けますが 日本の司法制度の在り方、建前とそれを実行できない二律背反的な現実について深く追求してこちらに問いかける様な主題でした あとは細か過ぎる伏線の数々…!疑問だったシーンやそれ伏線だったのかー!って事も後からどんどん分かって、読み進めるのがとても楽しかったです! そして幼馴染3人組の関係性がとても良いですね… あの思い出の川原で二人が話すシーンの情景描写が特に綺麗ででも切なくて悲しいような気持ちがこちらにとても伝わってきました… そしてラスト…!!!! もう色んな人に読んで貰いたいです! 相棒の脚本されてた方らしいですので是非ともドラマ化をして欲しいですね…! 自分はルーツとなる犯罪者と葦のシリーズを知らず今作をあらすじ買いしたのですが難なく読めたので初見の人でも大丈夫だと思います!でも三人の出逢いのバックグラウンドが知りたいなと思ったのでそちらも買ってみようと思いました^^* | ||||
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警察って・・・司法って・・・っと考えさせられました。 とても悲しい物語で、読後の余韻もあります。 何を書いてもネタバレになるので書けませんが、犯罪者を読んで2作目のこれを読みましたが、 とにかく期待を裏切らない面白さでした。 寸暇を惜しんで読み耽り、私はすっかりテレビを見なくなってしまいました。 3作目を読むのが楽しみです! | ||||
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父親の冤罪事件をきっかけに起きる家族の悲劇。その言葉だけでは説明できない深い話になっています。少年時代のひと夏の思い出を軸に展開していく話です。読む者を圧倒的に引っ張りこむ文章のテンポがあり、気づくとのめり込んでいました。作者はテレビドラマ「相棒」の脚本家という事を私は知りませんでした。正直、相棒の杉下さんは好きになれません。(知らなくてよかったです。知っていたら読まなかったかも)この作品で私は太田愛という作家のファンになりました。他の作品もぜひ読んでみるつもりです。 | ||||
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23年前に12歳で失踪した息子の尚を探してほしいという依頼を受けた、興信所の鑓水と修司。二人と生死をともにする事件を経験した刑事の相馬にも話がいくのだが、相馬は尚と失踪直前までひと夏を共に過ごしていた。 一気読みのミステリ小説だった。序盤から中盤にかけては、失踪した尚をめぐって様々な情報を集めていく中、冤罪事件で逮捕された尚の父の死との関連も明らかになっていく。また、同時並行で女子中学生の誘拐事件が発生。その現場には、尚が失踪した際に残されたものと同じ印が残されており、尚の失踪との関連性も出てくる。 鑓水、修司、相馬がそれぞれのやり方で尚の失踪の手がかりを掴んでいく展開が楽しめた。 終盤では冤罪はいかにして発生するのか、といった議論もなされ、誘拐事件の目的も明らかになってくるのだが、別作「犯罪者」のような仕掛けがあるのかと期待していただけに、最後の終わり方が物足りなかった。 | ||||
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すっごく読み応えあり!どんどん読み進んでしまいました。お勧めです。是非、『犯罪者』を読み終えてからお読み頂きたいと思います。 | ||||
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まいったなー、評価が難しい。 シナリオライターだけあってわざわざいらん描写する 癖があるのかな、余計な説明がくどくど長すぎる。 まるで監督にイメージしやすいように教えてるみたい。 そこの部分がすっと入ってこない。 読んでいると相棒の回りくどいドラマを思い出す。 凄くいい話なのに自分に微妙に合わないのが歯痒いです。 でも多分きっと彼女の目指しているものは、純文学と ミステリーの融合なのでしょう。そう思えた。 だから読者を選ぶんだと思う。 | ||||
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自分のミステリー系の歴史のなかでtop3には入る。 | ||||
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組織が抱える病理としての「冤罪」を大きな軸におく、社会派小説である。 しかしながら、儚い時代の少年たちが育んだ友情物語でもあり、個性的な興信所調査員が紐解く、事件解決ミステリーでもある。 いろいろな要素を、これほどの長編で飽きさせず展開させるとは、驚きである。 ノンストップで読みふけってしまった。 野沢尚が好きな私。著者も脚本家である。 視覚に訴えかける描写と、常に物語に大きなダイナミズムをもたらす展開は、専業小説家と一味違う脚本で鍛え上げられた人だなと感じた。 冤罪で犠牲として差し出されるのは、無辜の民ひとりではない。 冤罪は、その人に連なるすべての人を、社会の闇へ葬る。 物語中のひとつの家族がたどる悲しい道すじに、胸が痛くなった。 けがれなき友情が冤罪の汚らわしさを際立たせていた。 | ||||
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こんなにも濃いミステリはなかなかない 太田愛さんこれからの作品も楽しみにしたい | ||||
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