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終わらざる夏
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【この小説が収録されている参考書籍】
終わらざる夏の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.92pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全115件 61~80 4/6ページ
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上、中、下巻とおしての総括です。太平洋戦争の戦記は海軍主体で読んできたが、アッッ、キスカより北の島での戦いを、多方面から構成して 小説のだいご味を味わわせてくれた。 | ||||
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人間という動物は、かくも やさしく、むごく、強く、弱い生き物であろうか。 じっと見つめていないと、見過ごす生活が そこここにあるのだ。 浅田次郎さんの、血がにじみ出ている「終わらざる夏」は、 のた打ち回った近代日本を、こう弁護している。 「欧米列強のキリスト教普遍主義を、神道普遍主義に焼き直して、近代日本は歩き始めたのである。そしてその求心力をいかんなく発揮して、西洋社会から見れば唯一の脅威となる異端国家となった。」と。 アメリカはドイツのファシズムを恐れたが、日本に対してはファッシズムではなくキリスト教普遍主義に張り合った異端国家を憎んだのである。 安倍晋三氏にぜひ読ませたい「本」である。 | ||||
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読書は心を洗ってくれます。紙を一枚一枚めくる感触は、PCでは得られないものだと思います。 | ||||
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終戦直前の緊迫した国際情勢の中で、急変する北方情勢の様子がよくわかった。さすが、浅田次郎です。 | ||||
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今までの浅田作品と違ってなかなか読み進めなかった。 実際の戦闘場面は終わりの50ページほどなのだが、全篇を通じて人命を粗末にする戦争の描写がこれでもかというほど綴られる。 通常の浅田作品なら作品の終わりに救いや温かみを感じたものだが、この作品では最後まで救いようのない悲惨さで満ちている。 元自衛隊員らしく戦争というものの実際を知っている。リアリティがある。 最近の日本では、二度と戦争はしてはいけない、というセリフは空虚であるという雰囲気になってきた。 そういう風潮のなかでも、戦争というものは悲惨であるという痛切なメッセージを浅田氏は訴えたいのである。 | ||||
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今まで知らなかった軍編成部の終戦に向けての動きがわかった。赤紙が来て戦地に向かう兵士の気持ちは今の平和な日本では考えられない。当時の様子を今使われていない漢字が良く表してる。 | ||||
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第二次世界大戦末期に召集された三人に焦点をあてて、敗戦までの二ヶ月を刻々と描写して日本人の心情をまるでその場にいるようなリアル感があります。 明治以後、日本は必死で国防をした結果、ロシアと中国に共産主義の国家を誕生させる結果になってしまいました。 日露戦争以後、70年もロシア及びソ連に対峙してきたが、あろうことかアメリカとの戦争に突入してしまい、悲惨な敗戦を迎えてしまったが、敗戦の結果を受けて、無傷の部隊が武装解除する過程になんともいえない気持ちになりました。 8月17日にソ連の攻撃を受け応戦する戦車部隊、そして思いがけない結果で、シベリア抑留生活を迎える終章では当地で亡くなった私の祖父の状況が重なり、溢れる涙で読み終えました。 | ||||
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史実としてこれまで知らなかった終戦直後の出来事、 それに重なる徴兵された人々の生死と人間模様。 題材とその描写、浅田次郎氏の力量に感服。 | ||||
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日露戦争時も、日本は国力のすべてを使い切ったような総力戦であったが、太平洋戦争はそれを上回る凄まじさである。この物語は、庶民がどんどんと徴兵されていく様子を描いて始まる。太平洋戦争時の戦場の凄まじさもさることながら、日本国内のすべてが戦争に飲み込まれていく様子をさまざまな国民の目線で描かれています。 千島列島の国境の戦場に送られる通訳要員として特業動員をかけられた主人公。根こそぎといっていいほど、徴兵されていく国民。残された農村、家庭ではもはや労働力が足りず崩壊寸前。生活できない弱いものが取り残されて餓える寸前といった状態である。物語を通じて終戦間際の日本の国民生活をしることができる貴重な一冊である。これから物語はどのように展開していくのかまったく想像できないまま。怒涛のように圧倒されたまま。次巻につづく。 | ||||
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戦争を文章にするのは難しい。百人の人がいれば其々に違う戦争体験があるだろうから。そんな中、本書では多くの人間を語りながら其々にとっての戦争を描きつつその人生の焦点として「戦闘」を捉えた。上下二冊の大作でありながら戦闘自体に記述に殆ど頁を割いていないのが、逆に、破局点としての「戦闘」を巧みに表現したと思える。 作中登場する人物の多くが作中で死んでゆく。残った人々にもつらい運命が待っている。そう、戦争は二度としてはならないのだ。だがその辛い世の中でこそ光る優しさ、美しさがある事も又この作品は教える。 元自衛官だからこそ書ける作品とも言えよう。死を目の前にした事がある者でしか書けない愛と勇気と信念の物語である。 | ||||
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包装も丁寧で満足しています。 また、内容においてもちょうど終戦記念日を迎え戦争について改めて考えさせられました。 二度々起こしてはならないという事を深く考えさせられました。 | ||||
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少し前に3巻読んで、レビューを書くのを忘れていた、読み始めは面白かったが、中盤だれる、そして後半又話しの中に入り込んでいく。著者らしからぬ、凡作。 | ||||
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たまたま巡り逢った子どもにヤクザ者が言うセリフ、 「二度と、戦争はするな。 戦争に勝ちも敗けもあるものか。 戦争をするやつはみんなが敗けだ。 大人たちは勝手に戦争をしちまったが、このざまをよく覚えておいて、おめえらは二度と戦争をするんじゃねえぞ。 一生戦争をしねえで畳の上で死ねるんなら、そのときが勝ちだ。 じじいになってくたばるとき、本物の万歳をしろ。わかったか」 私は今年50歳で、戦争は知りません。 この平和な50年間は、当たり前なことではなく、この本に出てくるような当時の名も無き人々に勝ち取っていただいた大切な時間であったと気づきました。 一生戦争をしないで、畳の上で死ねる人生でありたいと、心から思います。 | ||||
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登場人物達それぞれの戦争に対して向き合う戦いを描く中巻。 戦争が終局に向かう中、片岡が召集された真実も明らかになっていく。 狙った通りの結果をもたらすのか?それとも? 戦争の凄惨さを感じながらも、ページを捲る手は止まらない。 戦争自体ハッピーエンドでないが、登場人物達のハッピーエンドを願って、 そして、この物語の結末に向けて、いよいよ下巻。 | ||||
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上・中・下巻読了。占守島の戦いを描いた小説。 8月18日。ソ連軍はポツダム宣言を受諾した日本に対し、突如、侵攻してきた。既に降伏した日本軍は、理不尽な戦いを強いられる事になる。 登場人物の一人一人の生活が、活き活きと書かれており、敗戦色の濃い戦時中の生活を本当に体験しているかのようだった。 赤紙一つで、人の一生を采配する責任。歴戦の古兵の勘。疎開中の子ども達の生活。細かい部分まで描かれていると思った。 若者がいないため、40過ぎの男にも召集令状が送られてくる。 実際には、終戦の交渉を睨み、語学堪能な人材が前線に送られているのである。 ノモンハンから南方へ送られる部隊と、内地に送られる部隊の明暗。満州国境に妻を残した男の哀しみ。 三度目の招集で老いた母親が気がかりな、まるで犯罪者のような古兵。水産会社の役員と女子社員。運を信じる海兵の男気。 物語の核となる一家の他、魅力的な登場人物たちにぐいぐい惹き込まれる。 捕虜となった日本兵はシベリアへ抑留される。彼らの運命の悲惨さにスターリンへの憤りを感じる。 ようやくドイツが降伏し、戦争が終わったと思いきや、シベリア鉄道で東へと送られるソ連兵。彼らにとっても理不尽で、悲惨な戦いだった。 哀しみしか残らない。 | ||||
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終戦直前にソ連軍が侵攻してきた北の島占守島が舞台の物語。それまでそれぞれの生活や夢を戦争によって突然うちこわされ戦場にいかされた市民の怖さを感じました。 | ||||
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私も満州で、戦争を体験し、6才のとき家族で命からがら、引き揚げてきました。 日露不可侵条約を破棄した国に対して憤りを今でもかんじています。 | ||||
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上、中、下巻の総合評価です。 感想には賛否両論あると思います。 面白かった、壮大だったという意見もあれば、つまらなかった、焦点が絞れてないなどネガティブな感想もあります。 戦争ものに何を期待するかによって、感想は違ってくるのは当たりまえ。 個人的にも、ぶっちゃけ期待していた内容とは違いました。 でも、やはりいろいろな意見を鑑みたとしても、「壮大な小説」であることは間違いないと思います。 誰が主役、誰が敵、誰が味方でもない。 一人一人が、あの戦争に巻き込まれ、考え、悩み、自分の人生を歩く。 登場人物の分だけ、人生があり、背景がある。 一人の人生の裏側には、別の人生があり、別の想いがある。 若い兵隊、年老いた兵隊、徴兵ギリギリで戦地に行くことになった兵隊、疎開した子供、その子供を東京へ連れ帰る刑務所出の男、社員を見送る社長……、いろいろな人が、なんとも言えないあの戦争に巻き込まれ、あの時代を生きなければならなかった。 本当ならば、普通に生活して、平凡に生きて、家で安らかに死ねるはずなのに、それをさせてくれない時代があった。 その事実が、そのまま、文字になって読み手の心に何かを訴えてくる。 そんな小説でした。 すごく悲しい場面があるわけではないです。 悲惨さを前面に出しているわけでもない。 なのに、なぜか泣けてきました。 最後の部分は描かれていないのに、その一歩手前の描き方があまりに美しいから、余計に現実が心に突き刺さってくるのだと思います。 いろいろな戦争を書いた本がありますが、この本も、一度は読んで損はない、何かを確実に感じ取ることができる本だと思います。 私は、個人的におススメします。 | ||||
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この作品は戦争の本質を問いただしています。国家の名の元で国民個人の生活は木っ端微塵に蹂躙され、人間の存在が巨大な暴力にすり潰されてしまいます。どのような理由があろうとも戦争は絶対悪であることを想起させてくれます。理不尽な戦争の論理で無念の死を遂げた何百万人もの犠牲の元に今日の日本の繁栄があると思います。終戦記念日を間近に控え戦争を二度と起こさせない、巻き込まれないためにはどうすべきか一人一人が考えるべきだと考えます。戦争を学徒として迎え、大阪大空襲を体験した母親が「威勢のいい事を言う奴にロクな人間はいない」と言っていました。短い言葉ですがある意味本質を喝破していると思います。平和主義、基本的人権の尊重、主権在民は多くの方の尊い犠牲の上にもたらされた貴重な財産だと思っています。平和の尊さを掛け替えのなさを改めて感じました。 | ||||
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本書(文庫本で全三巻)は、「壬生義士伝」に共通するスタイルを取り、『独白、手紙』などを綴っていく形になっています。それぞれの文章を読み始めた段階では誰が書いているのか分からず、読み進むにつれて頭の中で映画が上映されるように情景がありありと見えて来ます。この構成は、百田尚樹氏の傑作「永遠の0 (講談社文庫)」に影響を与えたと思いますが、浅田氏や百田氏のような桁外れのストーリーテラーだけに使いこなせるスタイルなのかもしれません。 また、「壬生義士伝」が、南部脱藩・吉村貫一郎とその家族や友人を通して「南部魂」を描いているのと同じく、本書は、3人の南部人が主人公となっており、南部の言葉が効果的に使われています。浅田氏は南部によほど熱い思いをお持ちなのでしょう。 ※ 現代日本で最も有名な岩手県人である小沢一郎は、仙台藩領だった水沢の出身ですから、決して「南部人」ではありません。浅田氏が描く南部人と小沢一郎が似ても似つかないのは当たり前です。 本書を購入した晩の23時に「読み始めたら眠れないかな」と思いつつ上巻を読み始め、止まることが出来ず、翌朝の6時、既に夜が明けきった時に下巻を読み終えました。7時間、同じ本を読み続けた記憶はあまりありません。 私は戦史には普通の方より詳しいつもりですが、浅田氏のリサーチは隅々まで行き届いており、気になる点は見当たりませんでした。浅田氏の最近の傑作、斎藤一を主人公とした「一刀斎夢録」では、明治陸軍史のリサーチにやや弱点がある(司馬遼太郎の『乃木愚将論』をそのまま踏襲、など)嫌いがありましたが、本書は安心して読めました。 なお、占守島の戦いについて、戦史の専門家がコンパクトにまとめた本として「一九四五年夏 最後の日ソ戦 (中公文庫)」があります。本書を読んだ後にお勧めします。 | ||||
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