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キッドナップ・ツアー
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キッドナップ・ツアーの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全51件 21~40 2/3ページ
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| 面白い! 素敵な作品に出逢いました。 この著者の作品ははじめて読んだのだけど、一人称の心情描写がすごく巧みだ。 かっこよさげな仰々しい言葉を並べるんじゃなくて、すごくすごくシンプルな言葉で、でも微妙な感情を表してくれる。 なんだか文庫版解説の重松清氏の意見と全面的に重なってしまうのだけれど、こういうストーリーの中で説教臭く「親子の絆」やらなんやらを持ち出してこないところがすごく好き。 子供には親が必要だ、とか、親子とはこういうものだ、なんて言われるとなんだか反感を覚えてしまうけど、こんなふうに言葉に出せないもどかしさを描かれると、すごく共感してしまうのだ。 微妙な年頃の女の子と、情けないお父さんの二人のつながりも、だんだんと変わっていく二人の関係も素敵。 僕も父と娘の物語を書いてみたい、と思った。 | ||||
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| というのも、初めて読んだ角田さんの「しあわせのねだん」に 好感をもち、「おやすみ、こわい夢をみないように」で ちょっとがっかりしていたので恐れながらの3冊目が すんなり染み込んできたからである。 「夏休みの第一日目、私はユウカイされた。」 という一文から始まるこの小説。 お父さんに対して、イライラするし見ていてもどかしいし、 自分の気持ちと裏腹のことをいってみたりするハルと ハルがなんで不機嫌なのか、なんでイライラしてるのか わからなくてまたおろおろしてしまう不器用な父親。 どっちの気持ちも「あー、わかる」とうなってしまう。 いい旦那であることと、いい父親であることは、 また別のことなんだろうなあと思う。 ハルにとっては間違いなくいい父親に昇格しただろうが、 これが夫だとしたらちょっとやっぱりめんどくさい。 だけど願わくば、子どもに好かれる父親が増えてほしいなあと思う。 子どもが親を殺したりする、こんな時代だから特に。 最初のうちのぎこちないハルから、 ハルが5年生だと知ったときは少し驚いたが、 次第にきつくなる口調から、そんな一面もあるのか!と思った。 ハルも、この旅を通して大きく成長したんだろうな。 もう一度、子どもの頃の夏休みを体験したくなる1冊。 | ||||
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| この作品は、文頭「夏休みの第一日目、私はユウカイされた」と衝撃的に始まります。でも主人公を誘拐(?)したのは実の父だということがとても面白い物語です。この設定で一気に角田ワールドに引き込まれます。私が心に残った文は「私は、あそこに立っているいつまでも馬鹿みたいに手を振り続けている男が大好きだと思った。見知らぬ人と変わりなくても、心の中でそのことを確認してから私は大きく息を吸い込み角を曲がった。」というところ。本当はとても尊敬できるたくましい父だったんだと初めて主人公は心の中で思ったんだろうな。児童文学の名作です。 | ||||
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| 実父に誘拐される女の子の話なんだけど、 テーマのインパクトに比べてストーリーが弱い。 狙っているところが読めちゃう。 | ||||
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| キッドナップというからには、誘拐に絡んだストーリー中心の物語だと思いましたが、起承転結で言えば、起承の部分しか無いようなストーリで、読後感に物足りなさを感じました。 ただ、私みたいに、作者の作品が初めてで、他作品を読んでいない者の、言い分かもしれません。解説にもありますが、この作品は、ストーリーは、重要でなく、娘の内心と言葉であらわす表現のギャップ。父親の内心とすっとぼけた行動でしか表現できないギャップ。その親子間の思いと葛藤が、読みどころとなっています。 幼稚園や小学生にころに、妙にやさしくきれいなお姉さんに可愛がってもらったり、そのときにしか出会わなかった子と仲良く遊んだ断片的な記憶が、私には鮮やかに残っていますが、それが、どういう関係の人で、どこだったのか?未だにわかりません。・・・なんて、ことを思い出させてくれた作品でした。 | ||||
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| 母と離婚した元父に夏休みに誘拐される、小学校5年生のハル。 仕事もなくダメダメな元父との数週間の旅を描いている。時にやさしい、時に冷静な、時に突き放した目線で。 ちょっぴりさめた小学5年生のハルも、いつの間にか元父のペースで旅を楽しんでいる。 元父は母との何かの取引をするためにハルを連れ出したらしい。その内容がいつまでもわからない。 ラストも「ほのぼのとしてて良かったね」とも言い切れない、何とも言えない静かなあきらめが心に残る。 この手の話だと「少女が少し成長して、元父と心通わせて、問題は解決はしないけど、ちょっとほろりとさせて、よかったよかった」みたいな終わり方が定番だけど、 ちょっとだけそうじゃない冷たさというかさびしさというかそういうものが心に残るのだ。 角田光代独特の最後に口に残る隠し味?みたいなものか。 | ||||
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| たとえ、肉親とはいえ「誘拐」なのに、ハラハラドキドキは皆無。 ベタ凪の世界が、のっぺりとある。頭を空っぽにして、ボーっと読む本。 ぼんやりと、バラバラの関係性のない、モノやデキゴトが、浮かんでは消えていく。 先に、巻末の解説を読んで、興味がわいたら、お読みください。 そうでないと、この世界観には浸れないかも・・・。 | ||||
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| 別居中の父親と小学五年生の娘、 二人のひと夏の逃避行小説。 なぜ父親が娘を誘拐するのか? 父親の目的は何なのか? 何故ラスト、娘は解放されるのか? このような問いにまったく答えることなく 物語は娘の視点から二人の関係性だけに 焦点を当てて進行する。 謎だらけのシチュエーションに惑わされず 大人と違って周りの状況を あるがまま受け入れるしかない 子供の立場に立ってみると共感できる小説。 ピュアな人間関係を貫けない、 大人のための寓話であろう。 | ||||
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| 父親が実の娘を誘拐してほぼひと夏を一緒に過ごす。その設定は面白い。 ひとつひとつのエピソードも、そこそこ面白い。 しかし、この父親が母親に何を要求していたのかはわからずじまい。 察するに、この父親は相当ダメな、ふざけてばかりいる人物なので (小説の冒頭から、ファミレスでビールを飲んだ後に車を運転しているし) 離婚を要求されていてそれを撤回してほしかったのか?というのが最も考えられる線であるが。 学校の成績はあまり良くないという主人公のハルは、それにしては冷静な大人びた目でこのダメな父親を見つめている。 最初は、仕方なしにという感じで父親に付き合っていたハルだが、連れまわされているうちに「このままずっと逃げよう」と父親に提案するまでになるのだが、その心境の変化の過程がいまひとつはっきりしない。 そしてラストは例によって放り出したような、あれ、これで終わり?というような肩すかしで、非常に消化不良。 別れ際に父親は、「おれはこの数日間、ハルと一緒にいて楽しかった」と言うが、ハルと父親は2週間以上一緒に行動していたはず。こういう明らかな矛盾も気になる。 | ||||
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| 「夏休みの第一日目、私はユウカイされた。」と、冒頭から「な、何ィ!?」という事で遂に見入ってしまった。夏休みの間、何の仕事をしてるかも分からないような父親に散々連れ回されてしまうが、その内容は海や山・キャンプと子ども心をくすぐるようなイベントばかり。最初は早く帰りたいと思っていた娘も次第にこのまま逃げ続けようという気持ちを持ち始める…。最後まで父親がどういう人物なのか謎のまま終わるが、ここから先は読者がそれぞれイメージを膨らませていって欲しいというのが作者・角田さんの考えなのだろう。文章の所々に、子どもの深層心理を漂わせるものがあり、共感するとともに読むのが疲れてくる。だが、決して悪い本ではないのでお勧めしたい。 | ||||
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| まず、タイトルのキッドナップツアーを見たとき英語が得意ではない のですが、「誘拐をするためのツアー」か「誘拐しまくりツアー」と いう感じで、この本のように「誘拐を実行中のツアー」というのは頭 に浮かびませんでした。別居中または離婚したお父さん(タカシ)と 小5の娘(ハル)の合意の上での逃避行的小旅行です。お父さんは軽い 感じで余り立派な人という感じではありませんがいい人です。 お父さんとその友人、お母さんの妹たちも登場人物ですが、印象的な のはゆうこ叔母です。ハルはお父さんを冷静にながめパニックになっ たりしません。文章表現も小学生とは思えません。ほんの数日の旅行 で冴えないお父さんを次第に好きになります。佐藤多佳子さんのサマ ータイムにでてくる伊山佳奈も小6でしたが、女性作家の描く小学校 高学年の少女の精神年齢は高校生並ですね。 | ||||
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| 子供とお父さんのひと夏の逃避行って話ですね。 いろんな「謎」があるのですが、物語が子供の視点から書かれているため、解明されなかったりします。 つまり、物語の趣旨は「娘が徐々に心を開くところ」を噛み締めるべきなのですが、「謎」も気になるんですよね。 人によっては、そのあたりが消化不良になりそうですが、私は微妙な父娘関係を面白く感じました。 決して優等生ではない父娘。 それだけに、しみじみとした「ワビサビ」のようなものを感じた作品です。 | ||||
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| 夏休み、お父さんが子供をユウカイして連れ回す。 その設定は面白かった。 子供との間にあった微妙な距離感も、子供目線で伝わってきた。 けれど最後はどうだろう。 一緒に行動するにつれて、あのダメな父親に対して子供が次第に心を開いて行く様はよく分かる。 でもあの父親の最後の言い分は唐突過ぎはしないか。 ダメな父親の中にも愛すべき点があったから、子供は心を開いた。 けれどあの最後の言葉すらも受け入れられる関係であるのだろうか。 取引自体の内容も気になるけれど、そこに違和感を感じる作品だ。 | ||||
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| 父親に誘拐された娘のひと夏の体験なのですが、よくも悪くも御伽噺ですね。 子供視点だけで書かれているので、非常に物足りないです。 父親と子供との視点で書かれていれば、まだ面白いと思うのに。 未完成の作品を読まされたという感じです。 | ||||
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| 角田光代・著 しばらく会っていなかった父親(多分、別居だと思われる)に、「いいよ」と自ら誘拐される実の娘との、短い期間の話。 子供の視点で書かれているが、やはり作者が子供でない為に「子供らしさ」というリアル性は欠けているものの、思わずうなずきながら線を引いてしまう文がいくつかある。 今までに読んだことのない小説だった。話の構成がうまい。流れかたも自然で、しかも退屈せずに読めるので、久々に「おもしろい」と感じる作品だった。 少し物足りない感じもし、もう少し長く読みたかったが、あれ以上長いと話がダラダラする気もするのであの長さが丁度いいのかもしれない。 読後感に「このあとどうなるんだろう」と思わせる(それが不快ではなく、自然に続きを求める感じ方)結び方はとても上手だと思うし、角田さん独特の雰囲気が効いている。 | ||||
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| こんなに便利な世の中になったのに、親だけは選べない。 この小説は親子の間に横たわるそんな絶対的なミゾを描いている。 なんでこんな家に生まれたんだろう?なんでこの人の子供なんだろう?そんな子供が抱く親へのミゾだ。物語は少女が別居していた父親に「ユウカイ」と称されて夏休みの何日間かを連れ回され、どビンボーをしながら、オバかな事や失敗を繰り返す珍道中。そのなかで少女が感じているミゾを丁寧に描き出し、それと向かい合い、ナットクしていく流れだ。 子供よりもむしろ20代〜30代の男性女性、ともに共感して読めるのではないか? この作者らしく、とても読みやすい丁寧な描写、そして感動。 オススメです。 | ||||
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| 父が娘を誘拐して、別れた妻に要求を突きつける。こう書くと暗い話なのかと 思うが、この作品に暗さは感じられない。淡々と親子の旅の様子が描かれている。 旅を通してしだいに親子としてのつながりが深まっていくさまは、ほほえましい。 ハルの冷静な観察眼に、ちょっとドキッとさせられる部分もあるが。 読み進めていくと、やはり父親がハルを誘拐した動機が気にかかった。 娘を誘拐してまでしなければならない要求とは?漠然と、この作品の良し悪しは そこだ!と思っていただけに、ラストは期待はずれ。ちょっとがっかりした。 | ||||
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| 小学校5年生の女の子のハルは、二ヶ月前にフラッと出て行ってしまった自分のお父さんに、おとなしく誘拐されてやった。いつもふざけてばかりいたお父さんなので、最初のうちは、2、3日もすれば帰れると思っていたが、お父さんは思ったより粘り強かった。しかし、お父さんのお金も底を突きだした。さあ二人はどうなるのか? ちょっとほろ苦い、駄目なお父さんと冷静な女の子の物語です。世界で一番美しいものは何だろうか? その1つに、「何をやっても駄目な人間が、取るに足らない事だけど、力の限りを尽くして一生懸命やっている姿」があると思う。そっこらじゅうでドジを踏んで、目を覆いたくなるような失敗をして、ボロボロになりながら、ほんの少しの成果を勝ち取って、心からそれを喜んでいる。イチローがクールな顔で世界記録を達せするよりも、100倍は美しいと思う。 だから最後にハルは・・・となったと思う。最後のお父さんとハルとのやりとりは、心にジーンときました。 | ||||
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| まあ平たく言ってしまえば漫画チックな作品だった。自己表現の上手くできない父と娘のひと夏の冒険。こんなことあるわけないだろ、と思いながらも一気に読んでしまった。それはこの作品の空気が心地良かったからだ。 形は違うが親に対して自己表現の上手くできなかった時期、そんな時のことをふと思い出した。 ところで結局のところ、お父さんはお母さんに何を要求していたんだろう? | ||||
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| 父親に誘拐されて連れ回されるという、こんな体験は絶対ないだろうけど、夏に家族で行った海や旅館など、さまざまな夏の思い出がよみがえってきたのは、何故だろう。あーこの感じわかるわかるといった場面がでてきて、可笑しくなる。またこの不器用なおとうさんがいい味出してる。お父さんと2人になったら何話していいかわからなくってしまう感じもよくわかる。そして、最期までお父さんが取引していた条件は何だったのかはそのまま読者に余韻を残してくれる。 | ||||
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