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凍
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凍の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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クライマー山野井夫妻による、ギャチュンカン北壁登頂の様子を描いたノンフィクション作品。 山野井夫妻のケースは決して遭難とは言えないが、以前に山岳遭難を描いた、ジョー・シンプソンの『死のクレバス』というノンフィクション作品を読んだ時と、非常に近いものを感じた。 凍傷治療の場面では、自分の体にも痛みを感じるような錯覚を覚えて、思わず何度かページを閉じてしまった。 | ||||
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沢木氏の本は深夜特急以来、読むのを敬遠してましたが、題材が題材だけに素直に期待して読みました。 期待はずれです。 最初の方で、ディック・バスとメスナーを同列に論じており、いきなり読む気がなくなります。山野井のスタイルの先鋭さを強調したいのでしょうが、非常に粗雑な印象を受けます。 何が楽しくて山野井夫妻はこんな苦しい登山を続けているのか、この本を読んでも分かりません。登山はもともと楽しいもので、山野井のスタイルもその延長にあると言う視点が、山登りをしない沢木氏になかったと言うことでしょうか。 文庫版解説の池澤夏樹氏によれば、よくぞこれだけの登攀描写をとのことですが、私はむしろ、登山経験もないのに、よくも見てきたようなことをと言う印象を拭えませんでしたね。 何も私は沢木氏に、ヒマラヤ級のクライマーとしての経験があれば、とか言いたいわけではありません。ただ、丹沢に登るくらいの経験は必要だったのではないかと思います。 | ||||
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帯の「もはや、フィクション、ノンフィクションの区別に意味はない。」というコピーに本書の最大の欠点が表れているように思う。壮絶きわまる登攀がノンフィクションだからこそ意味があり価値があり訴求力があるのであって、もしこれがフィクションとノンフィクションのミックスなら、文中の描写がすごければすごいほど結局は沢木耕太郎の手中で遊ばされているような嘘くささを感じてしまう。むろんいかに綿密な取材を重ねたところで細かい事実まではわからないだろうが(クライマー自身にさえも?)、そこを文学的修辞で補うよりいっそ空白のままのほうがずっと迫力があると思う。 初めからフィクションであれば、それはそれで割り切って楽しめるのに、どっちつかずの筆致がせっかくの素材を損なっているのではないか。山野井氏は例えるならばオリンピックのメダリスト、ひきかえ私は田舎の日曜スポーツ愛好者でしかないが、それでも文中の描写のところどころに「これはないだろ」と首を傾げた。 ノンフィクションならせめて山容とルート図の写真の2、3枚くらいはほしいものだ。 | ||||
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おそらくフィクションでもここまでは書けないだろう。そう思わせる ほどの過酷な状況だった。おのれの肉体だけでなく精神の限界さえも 超え、登り続けた二人。いったい彼らをここまで駆り立てるものは 何なのだろう。凍傷で手や足の指を何本失っても、二人の山への 情熱は消えない。山と人間。登られるものと登るもの。研ぎ澄まされた やいばのような緊迫感が、読み手にも伝わってくる。まさに「凍」の 世界。圧倒されそうな作品だった。 | ||||
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ヒマラヤ高峰ギャチュンカン7952m。山野井夫妻壮絶な登攀劇。 断崖、無酸素、雪煙、雪崩、厳寒。主題となる登攀描写に圧倒。 登攀用語はまだしも、数箇所不可解な描写にやや首傾げるも、 凍傷・失禁・一時盲目への過程に人間の精魂尽きかけの極限を見る。 果たして以前にも加え計十八指失くした妻。手足系十指失くした夫。 最終章。ギャチュンカンを再訪する夫妻に同行する男性は沢木自身。 その高峰を前に「これで終いだな」との夫妻独白を男性が聞き終焉。 8000mを超える世界高峰14座にも入らない頂を目指す、その目的とは。 遭難寸前の災難に遭うも再びギャチュンカンを訪ねる、その責務とは。 昨今列島を襲う寒波に凍えながら読めば、多少の臨場感増幅に到るか。 | ||||
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