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日本の黒い霧
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日本の黒い霧の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全104件 41~60 3/6ページ
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傑作。朝鮮戦争までのアメリカ情報機関によると思われる事件への推理がまとめられている。松本清張の凄まじいまでの執念に圧倒された。個人的には「レッドパージ」「朝鮮戦争」が特に面白かった。是非読むべき本だ | ||||
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40年ぐらい前に新品で買った同書をいつか売り払ってしまった自分が悔やまれました。今回、古い書籍であるにも関わらず、かなり綺麗な状態の本書を買わせていただき、感謝します。最初のページに赤鉛筆で塗りつぶした部分があったのですが、一言言っていただければ良かったと思います。私は気にしません。 | ||||
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M資金関連で興味があり、読みましたが、極秘資料収集のすごさを感じました。 | ||||
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下山事件については大変よくまとめて書かれていて納得できる点が多い。下山総裁の遺体を米軍専用列車に載せて、轢断現場に近いカーブの場所で投下し、自殺のように見せかける。替え玉の総裁が自殺前のように周辺を歩き回り、出会った人に印象を残そうとしたり、草をわざわざポケットに入れる。この衣服は総裁の持ち物で、どこかで剥ぎ取ったものだ。これをもう一度総裁に着せるのである。ところが時間がなく大変雑な着せ方になってしまった。手足が切れている部分で衣服が、その該当部分で切れていないということが起きていたのだ。それは靴の部分でも起こっている。先行列車から投下したならば時間の余裕が有り服を着せる余裕も無かったとは思えない。米軍専用列車から落とすタイミングは一瞬でたまたま誰かがそれを見ていたら、後でどう弁解することはできないだろう。それが自動車による運搬であれば時間の調整や自動車から死体を降ろしてからの運搬も道路に人がいないか見ながらできるはずである。鉄道線路はカーブで見にくいとはいっても線路の上を何かで見えないように隠すという不自然なことはできない。人力で運んだから時間がかかり、線路上に目では見えないほどの微細な血液の痕跡が残ったのだと思う。専用列車はノンストップだったというが、そこから車に積み替えたりとか、現場を行き過ぎたところから死体を下ろし車で逆走して運搬すれば心理的には別の仕事の車だと思われるだろう。それは推理小説的なアイデアでしょうか。 | ||||
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下山事件、帝銀事件など戦後の占領下で起きた不可解な数々の事件の背後に見え隠れするアメリカの影をとらえた松本清張のノンフィクション。それらの事件の延長線上に朝鮮戦争があったと言う読み。アメリカにコントロールされ続ける現在の日本を予言した本でもある。 | ||||
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下山事件、帝銀事件など戦後の占領下で起きた不可解な数々の事件の背後に見え隠れするアメリカの影をとらえた松本清張のノンフィクション。それらの事件の延長線上に朝鮮戦争があったと言う読み。アメリカにコントロールされ続ける現在の日本を予言した本でもある。 | ||||
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松本清張の真骨頂だろう。 日本の全ての物書きの範となる論述である。 いまだなお、読まれるべき本である。 | ||||
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大変良いものでした。 予想以上と思われます。 皆さんにもお勧めしたいと思います。 | ||||
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大変良いものでした。 予想以上と思われます。 皆さんにもお勧めしたいと思います。 | ||||
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文藝春秋に1960年に連載されたもので、1974年に刊行された本の文庫版である(2004年)。下山事件、もくせい号事件、昭電疑獄・造船疑獄、白鳥事件、ラストヴォロフ事件、伊藤律、など昭和の闇を解明する、という内容。 曰く・・・ 昭和24年、日本がGHQの支配下にあったころ、下山国鉄総裁の轢断死体が発見される。捜査一課は自殺と判断し、捜査二課は他殺と判断する。警察の公式発表はないが、非公式の下山事件白書は自殺の線でまとめられている。二課はそんなものがまとめられているのか知らなかったくらい。 当時の国鉄副総裁である加賀山之雄は、他殺と判断している。 GHQのうち、G2(軍事諜報系)とGS(民政系)は非常に仲が悪い。G2は汚職や「赤(共産主義シンパ)」の理由をつけて、GSのケージスら進歩派を本国に追放している。この大げんかに日本の警察も一役買い、GSやESS(経済科学局)の高官の尾行をしている。一方、GSは財界、官僚、ジャーナリズム、芸能界に触手を伸ばす。1947年にCIAからガールゲットが来日して全権を掌握。1949年の米国法でCIAに法的根拠が与えられCIAが完全勝利することになる。 G2の直下にはCIC(軍諜報部隊)があり、日本の6つの区域にCICの関係機関が設置される。東京地区のCICの特務機関のうちの一つがキャノン機関だが、キャノン機関は名前が出たから知られてしまっただけであり、いわば、失敗した機関にすぎない。 マッカーサーは旧軍閥系統、右翼系統の徹底破壊にとりかかる。一掃後、アメリカ的な統治を敷こうとした。国家主義を一掃して民主化という美名で戦前の秩序体制を破壊するときに活躍したのがGS。GSのケージスは旧秩序崩壊のため共産党の勢力を利用しようとした。このころが共産勢力の全盛期。このGSの方針に猛反発したのがG2であり、その先頭に立ったのがウィロビー局長。 G2とGSの暗闘を背景にして、政治的立場を取らない白紙の人物として下山定則が国鉄総裁に選ばれた。下山は技術畑出身。G2は国鉄労組から急進左翼分子を追放したい。社会主義国との対決のため、G2の路線への一本化が必要とGHQも考えるようになる。自らの手で育成してしまった日本の民主的雰囲気を転換させるためには、日本国民が赤を恐れるような衝撃的事件が欲しい。 下山は反骨心があり(しかもGHQの意図など知らず)、GHQの意向に沿った国鉄整理人員リストを拒否。日本側では膨れあたった国鉄人員の首切りを単なる経営合理化の面だけから考えていた。 下山は情報提供者と会うために三越に誘い出され、腕の付け根から血を抜かれて殺害された(のではないか)。日本では馴染みがないが、外国ではこういう殺害方法はある。そのあと、腕の付け根がめちゃくちゃにされるように死後轢断されている。下山の死体は血が非常に少ない。 下山の死で、経営陣は腹をくくり、人員整理を断行した。国鉄の大整理を敢行するため、日本の行き過ぎた民主主義運動を鎮圧し、外国共産勢力との対決に備えるための一本化のための謀略だったのかもしれない。この謀略には自殺・他殺の両方の線がある。他殺なら共産党側のしわざとみせかけたかった。この他殺説が見破られた場合に備えて、自殺っぽくなるような演出も行われたのではないか。 昭和電工事件(昭電疑獄)では、元社長の森はG2を頼り、新社長の日野原はGSを頼る。日野原としても、昭和電工再建のためにはGSと密着せざるを得なかった。G2としても日野原が何をやろうと問題ではない。そこにGSの連中が介在していることを摘発するのが目的。当時は、GSが財閥解体など日本改造を行っている時代。G2は容共的なGSが気に入らない。GSのケージス一派がしきりに昭和電工から饗応を受けていることがキャッチされる。G2は、当時の社会党を主軸とする芦田内閣を倒し、吉田内閣を成立させたい。昭電疑獄は、G2がGS側の芦田内閣を倒すために起こした陰謀かもしれない。 などなど。 | ||||
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文藝春秋に1960年に連載されたもので、1974年に刊行された本の文庫版である(2004年)。帝銀事件、鹿地亘事件、松川事件、レッドパージ、朝鮮戦争などの昭和の闇を解明する、という内容である。 曰く・・・ 戦時中、接収貴金属処理法により国民はダイヤモンドを国に供出している。軍需省が工業用ダイヤを必要としたため、国がダイヤモンドを買い上げた。ダイヤモンドは日銀の金庫に保管される。とにかく勝たねばならない、という時代なのでどんどんダイヤが供出された。買い上げ金もいらない、という人もいたくらい。ダイヤモンドは目標の9倍も集まった、と発表された(目標額は不明)。 戦後、日銀にあったダイヤモンドは約16万カラット分だが、本来、65万カラットはあったはず。ダイヤの供出は敗戦の半年前が締め切りであるから、軍需用にどれだけ使われたのか怪しい。終戦の予想、数量未発表をいいことにダイヤの横取りがあったのではないか。 戦後、日銀ダイヤの行方を調査していた青木氏は、恐喝事件に問われて留置されたがこれも謀略臭い。青木氏はそのまま病院で急死しているが不審死の可能性がある。不明ダイヤの何割かはアメリカ軍が接収と称して強奪していったものだが、大半は政党幹部の政治資金として流れていった可能性がある。 終戦直後、名門の女性たちはGHQの高官たちを接待し、彼女たちの力によってパージになった政治家や実業家が早めに復帰した例もある。GHQも彼女たちを通して日本内部の情報を取っていたといわれる。この「昭和鹿鳴館」の接待費にもダイヤが使われたといわれる。 講和発効後、GHQ高官は帰国するが、彼らの個人資産は返還もされず、本国にも持ち帰れず、日本にそのままの形で凍結される。これは「マッカート資産」とか「C資産」「K資産」などとよばれる。 帝銀事件では、犯人は集団赤痢が発生したので進駐軍の命令で予防薬を飲むようにと、銀行員を説得し、毒殺している。捜査網は医療関係者、特に、復員の陸軍衛生関係ではないかと睨んでいたが、なぜか画家の平沢貞通を逮捕している。証拠といえるものは自白しかない。毒物は特殊なもの。 731部隊の要員は細菌や毒物の知識が豊富なため、復員すると民間の医療、防疫、薬品関係会社に多数就職している。何人かはGHQの公衆衛生課に密かに留用されている。石井四郎中将もその一人。石井中将の部下はソ連で逮捕され裁判にかけられている。一方、石井については米軍は利用価値ありと判断した。アメリカは来るべき局地戦争に石井の知識を密かに利用しようと考えていた。帝銀犯人はこのGHQ内に庇護されていた細菌部門関係者筋かもしれない。警視庁の捜査が軍関係に向かうと大問題になりかねない。平沢貞通はスケープゴートにされた? 関東軍司令官は、対ソ戦が始まり、日本が退却する場合、退却予定地の家畜を伝染病に感染させ、これを利用する敵に伝染せしめ、戦力低減を図ることを企図していたという。 日本の細菌技術を取り入れ、GHQ関係者は著しく研究を進歩させたという。朝鮮戦争では細菌作戦が行われた。北朝鮮捕虜に対して人体実験も行われている。周恩来は、米軍は軍用機で細菌のついた昆虫を大量散布していると抗議声明を出している。アメリカは否定。 中国共産党が中国全域に支配権を確立しつつあり、ソ連も強大になりつつある世相において、日本の輸送面が意のままに動くような態勢が重要視される。そのために鉄道従業員から共産分子を排除したい。GHQは国鉄の人員整理を焦り、いうことを聞かない下山総裁を排除。この事件が共産党員の陰謀と宣伝され、国鉄整理は円滑にもなり二重の効果があった。 などなど。 | ||||
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解説でも触れているように、松本清張は本作を本業である推理小説仕立てのフィクションではなく、あえてノンフィクションの形式で本質に迫っている。上下巻を通奏低音のように貫いているのは、アメリカの、いやアメリカではなく自分の党派に、あるいは自分自身の利益のために祖国・日本を好き勝手に改変しようとする傲慢でご都合主義なGHQと、それに便乗して理を貪る日本人への静かな、しかし激しい怒りに他ならない。GHQは自身を善玉、日本の古い体制を悪玉と単純化する一方で、自分に都合の悪いことは、アメリカ国内では絶対にできないような横暴なやり方で封印した。そのため、これらの事件を証明する証拠の多くはすでに隠滅され、司法を通じた究明はまず不可能だが、松本清張は小説の形でかなりの程度まで本質に迫っている。執筆当時は、まだGHQによって利益を得た輩がエスタブリッシュメントに多く残っていた時代だから、彼への圧力は大変なものがあったはずだが、それに屈せず最後まで筆を進めたその功績は見事である。 もちろん、伊藤律に関する考察や、朝鮮戦争に関する論述は、時代を経て公開された証拠が松本説を突き崩しており、その意味では大岡昇平による批判が正しかった面もある。しかし、それもこれも、GHQとそれに連なる勢力が、証拠を封印し続けたことが原因であり、こうした内容の誤謬があるからといって、作品自体の価値を貶める事はない。 戦前・戦中に関する歴史は国内外の学者やジャーナリスト、あるいは政治家によってずいぶん解明が進み、大いに議論を呼んでいる。しかし、ことGHQの絡む戦後史に関しては、未だに封印されたままで、ある意味タブーと化していると言ってもいい。戦後のGHQの政策が日本に何をもたらしたのかを公にしなければ、真の意味での日本の独立はないのではないか。本書を読んで、その思いを強くした。 | ||||
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松本清張作はいずれの本も凄さが感じられます 世の中は霧だらけ・・・・・。 | ||||
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下山事件の本と共にこの本の内容も凄いです 松本清朝の本には世の中を鋭い目でみています。 | ||||
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小説と言う建前ですが、事件簿として読んでもいいのではないでしょうか? ここに書かれた全ての不可解な事件がGHQへと集約されていくわけですが……。 これを出しても殺されないのは「言論の自由が確立された」と言うより、「既に過去の事として片づけられているから」ですよね。 被害者も冤罪被害者もいらっしゃるのに、うやむやで、救済も名誉回復もされていませんね。 霧が晴れることはないのでしょうか? | ||||
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わかってはいるが下山事件と、木星号事件は何度読んでもワクワクします。 | ||||
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団塊の少し下の世代として戦後日本の大きな事件、事故の 数々。上下合わせて読んでおきたい一冊です。 | ||||
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『日本の黒い霧(全)』の最終章【「もく星」号事件の補筆】は、次のような不可解な一文で締めくくられている。 「スチュワード機長は死の寸前、雲中に瞬間的に現われた何か虹のような物体でも見て、眼がくらんだのか。」 さあー、陰謀論=謀略史観の人々には何とでも料理できるエサですなぁ。まあ、最も一般的な「真相」は、次のようなものでしょうか? 「1947年のロズウェル事件から5年が経過している。日本の人気作家・松本清張に何らかの示唆を与えて筆を執らせ、異星人が既に地球に来ていることを、それとなく大衆に告知したのだ。云々」 さあー、陰謀論=謀略史観の人々よ。そうじゃないですよね。「もく星」号事件の真相は。さあー、聞かせて下さい。私だけに。日本であなただけが、いや世界であなただけが知っている真相を。さあー、どうぞ。おひとつ。是非!おひとつ! というように、陰謀論=謀略史観なんて無邪気で無責任で無節操なもの。相手にするだけ時間の無駄。ところがだ、お立ち会い、清張の「日本の黒い霧」自体がそうだとしたら、お主、何とする? (追記) 「1947年のロズウェル事件から5年が経過している。日本の人気作家・松本清張に何らかの示唆を与えて筆を執らせ、異星人が既に地球に来ていることを、それとなく大衆に告知したのだ。云々」 この根拠は清張さんが多用する言い回しを借りれば、「既に異星人が地球に来ていないとは言い切れまい。」すごいですね、この理屈!Aでないとは言い切れまい=Aである、になるんだから。例えば、「従軍慰安婦」は強制連行された「性奴隷」ではなかったとは言い切れまい=「従軍慰安婦」は強制連行された「性奴隷」であった、になるんですよ。便利ですなぁ。ほとんどどんな主張も可能だ。素晴らしい。 | ||||
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戦後の不可解な事件に関して良く理解できていなかったので 本書を読んで参考になりました。 | ||||
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下巻あとがきより、「私はこのシリーズを書くのに、最初から反米的な意識で試みたのでは少しもない。また、当初から、『占領軍の謀略』というコンパスを用いて、すべての事件を分割したのでもない。そういう印象になったのは、それぞれの事件を追求してみて、帰納的にそういう結果になったにすぎないのである。」。 先入観や偏見を持って見て捉えた訳では無く、主流メディアとは離れて独自に数多く細かく取材し、情報収集して詳細に分析し、客観的に捉えた上での結論として、戦後の不可解な事件の数々が「アメリカ占領軍の謀略」によるものと言う事に繋がったと言っています。そして決して「小説」では無く、あくまでも「ノンフィクション」、「実録」が本書に在ります。 最近はインターネットが発達して、一般のメディア・マスコミが報じない情報も、一般市民が簡単に入手する事が出来る様になっています。かつては権力が情報隠蔽しタブー化する事によって、その権力の保持や保身、欲望に繋げていました。また戦後68年(2013年現在)も経過している事、米国の疲弊もあって、その様な謀略の数々が安易に暴露される様にもなっています。しかし、著者がこの「実録」を社会に発表したのは、戦後1952年のサンフランシスコ講和条約発行後8年と間も無い頃であり、相当な勇気や決断が必要であったものと思います。当時はまだインターネットも勿論無く、現在に比較してメディアが発達していなかったせいもあり、特に一般市民においてこの「実録」は半信半疑であったものと思います。しかし現在において本書を読む事により、その「実録」の真実性を容易に理解出来るのではないかと思います。よって、今こそ本書を読む価値がある様に思います。 また現在、世界各地で行われている陰謀・謀略についても、本書を通して見えてくるものと思います。 数々の不可解な事件の内、国鉄の下山・三鷹・松川事件(下山事件:上巻、松川事件:下巻各収録)は、間近に迫った朝鮮戦争における鉄道輸送の重要性から、占領軍がその国鉄を掌握する為に起こされたもので、その後の国鉄職員の大量解雇にも繋がりました。その事に反対する国鉄労組と構成する共産党員・共産分子が事件を起こした様に見せかける工作を行ない、その後の反共政策やレッドパージにも繋がりました。しかし、それらの事件をはじめとして、GHQの「自作自演」であり、共産主義者が行った様に見せかけて、共産主義・共産主義者に悪のレッテルを貼って来た訳です。そしてそのレッテルを貼られた共産思考を持つ者達は職場から追放され、再就職する事も出来ず、貧困と困窮の中、思考やイデオロギーを失わされてしまいました。 帝銀事件(下巻収録)においては、警視庁も戦時の731細菌部隊の陸軍関係者に絞って捜索していたのですが、突然、北海道の一画家に「冤罪」が被せられて、事実が隠蔽されてしまいました。戦後、A級戦犯等とされていた多くの者達が、CIA等の諜報員として働く事を条件に釈放されました。その諜報員や元軍関係者らをGHQやCIAが使って、数々の陰謀・謀略を行なって来ました。 他にも著者自身が間違いに気付いて3回の改訂をし遺作となった、占領軍による「一九五二年日航機『撃墜』事件」(本書上巻「『もく星』号遭難事件」と下巻「征服者とダイアモンド」に同様内容収録)もあります。 GHQは様々な部局によって一つの機構として構成され、それら部局がそれぞれの専門分野において、日本の戦後改革を行ないました。 その内、CIE(民間情報教育局)は戦後の教育改革を担当し、連合国軍最高司令官総司令部(SCAP)の指令により結成された日教組にも深く関わりました。そしてその教育改革により、日本人の愛国心を骨抜きにしてしまいました。また、当時の先端メディアであったラジオを通してのキャンペーンやプロパガンダを流す為に、NHKの「真相箱」等を直接管理しました。そしてNHKが当時から現在に至るまで、「自主規制」も含めて、自主性を無くしてしまっている現実が在ります。この事は、新聞やテレビ等のマスコミ全体を通して言える事です。 本書には、多くのGHQ部局の略語が登場しています。以下に、本書や本書下巻解説、「ウィキペディア」より、GHQ各部局(の一部)を記します。 ・GHQ(General Headquarters:連合国軍最高司令官総司令部) ・SCAP(the Supreme Commander for the Allied Powers:連合国軍最高司令官総司令部) 1)参謀部 ・G1(参謀第1部)…人事担当。 ・G2(参謀第2部)…情報担当。作戦部。プレスコードの実施を担当。特に諜報・保安・検閲を任務とし、大きな発言権。占領中の数々の事件は、G2とその下の多くの特務機関(キャノン機関等)が関与。国家警察を支配下。 ・G3(参謀第3部)…作戦担当。 ・G4(参謀第4部)…後方担当。 2)幕僚部(GHQ/SCAP幕僚部) ・GS(Government Section:民政局)…政治行政。特に「非軍事化・民主化」政策の主導権。ルーズベルト政権下でニューディール政策に携わっていた者が多数配属。日本の機構改造の為に活動。検察庁と地方警察を支配下。 ・ESS(ESS:Economic & Scientific Section:経済科学局)…財閥解体、労働改革等。 ・CIE(Civil Information & Educational Section:民間情報教育局)…教育改革、思想改革、マスコミ対策等。 ・NRS(Natural Resources Section:天然資源局)…農業・農地改革等。 ・PHW(公衆衛生福祉局) ・CIS(民間諜報局)…公職追放、政治犯釈放等。 ・SRS(統計資料局) ・CCS(民間通信局) 3)その他 CIC(G2の防諜部)、JCS(統合参謀本部)、PSD(CIEの世論・社会調査課)、OSS(戦略情報局)、OWI(戦時情報局)、LS(リーガル・セクション:法務局)、CTS(民間輸送部)、RTO(輸送司令部)、PHW(公衆衛生課)、CID(陸軍犯罪捜査局)等。 「GSとG2が日本の運営を巡って対立。GSが片山・芦田両内閣を、G2が吉田内閣を支えており、政権交代や昭和電工事件(上巻「二大疑獄事件、昭電・造船汚職の真相」に収録)の要因にはGSとG2の闘争があった。」(「ウィキペディア」より。) | ||||
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