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(短編集)

嗤う伊右衛門



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嗤う伊右衛門の評価: 4.48/5点 レビュー 89件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.48pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全89件 81~89 5/5ページ
No.9:
(4pt)

四谷雑談集

京極夏彦風四谷怪談。四谷怪談の元になった「四谷雑談集」を下敷きにしているので、僕の知っている四谷怪談でななかったし、幽霊も出てこない。それでも「恨み」「憎悪」「嫉妬」「復讐」「狂気」など四谷怪談の大事な部分はしっかりと渦巻いていていて、「恨めしや、伊右衛門殿」の台詞やお岩が髪を櫛でとかす場面も効果的に組み込まれていた。現実を揺さぶる幻惑的な描写や、すれ違い「ずれ」を生む会話など、京極夏彦節はあいかわらず健在で、時代物らしく言葉の響きも考えぬき、文章の長さも計算して行末をそろえてあるところが視覚的にも効いている。最後には見せ場もあって、後日譚も妖しくてせつない。綺麗にまとまっているという点では京極堂シリーズより上だろう。
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012
No.8:
(5pt)

ぜひご観本を。

すごいよ、京極氏。よく書いた。四谷怪談の改版なんて全然しらなかったし、最初なんで伊右衛門がわらうのかタイトルが意味不明だったが最後すっごく感動した。自分の中では佐野洋子氏”100万回死んだ猫”以来の五つ星女性の人がラストのシーン理解できるか不明だが、愛の思いがこちらまで伝わって来ました。自分もこんな作品を書いてみたい。おすすめです。以上
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012
No.7:
(5pt)

感動した!

 感動した! そういえば、『お岩さん』という名前とその容貌は知っていたが、『四谷怪談』が、どういう話なのか、私は知らなかった。 巻末の解説によると、『嗤う伊右衛門』は、『四谷怪談』とは違う話のようだ。 お岩、伊右衛門など、共通の登場人物が登場するが、彼らのキャラクターや、話の筋は、違うとのことだ。 京極夏彦によって性格付けられた数々の登場人物たちは、まるで京極夏彦が産み出したかのように、いきいきと個性的である。 『嗤う伊右衛門』は、怪談ではなかった。やはり、『この世には不思議なことなど何もない』のである。 では、ミステリーか。その要素は、多分にあると思う。 が、私はこれは、恋愛小説なのではないか、と思う。 そう、美しいお岩と、優しい伊右衛門との、悲しい純愛物語である。 もう一度言う。 感動した!
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012
No.6:
(5pt)

新解釈!今の日本人的な人物設定

今までに見たり聞いたりした四谷階段とは、人物の描き方が全く異なります。元々、江戸時代に書かれたこの物語は、当時の価値観で描かれていました。だから今読むと、異世界の物語のように、登場人物は現実離れしていました。この本では、今の日本人が感情移入することができる人物設定で描かれています。そして、幽霊の登場も、荒唐無稽な話としては描かれていません。心の底では愛し合っていた、「凛とした小岩」と「不器用で善良な伊右衛門」は、悲劇的な結末にもかかわらず、ようやく救われたような読後感が新鮮です。
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012
No.5:
(5pt)

泣けますよ

妖怪話や怖い話の苦手な方でも大丈夫です。いままでの四谷怪談とは異なった人情&愛が描かれています。ラスト、本を読んで久々に私は泣きました、く~っ。
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012
No.4:
(5pt)

美しき残酷物語

日本人なら誰でも知っている「四谷怪談」を基にした、全く新しい物語。お岩が、醜い顔をものともせずに町を闊歩する鼻っ柱の強い女で、伊右衛門が、人を切ることが出来なくなった軟弱侍という設定で登場する。勿論話の核はお岩と伊右衛門の純愛なのだが、ミステリーとしても京極夏彦の独特な衒学的味付けで楽しめる。結論は賛否両論あるかもしれないが、私としては、あれでよいのではないかと思う。
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012
No.3:
(4pt)

いわば前菜?

一般に知られた四谷怪談よりも歴史的に忠実な設定を基にして、顔の醜さとは、美しさとは、といった疑問を繰り返し投げかけてくる語り。他の京極作品同様、愛情と嫌悪、美と醜、あの世とこの世、正気と狂気などの境界が揺らぐ不安感を存分に楽しめました。また、複数の登場人物の視点を使って、ミステリーを盛り上げていく手腕もさすが。一方、主となるお岩と伊右衛門の関係が後半あまり効果的に物語りに組み込まれず、最後に二人の愛情関係を無理に昇華させたメロドラマチックな終わり方になってしまったのが残念でした。京極夏彦の他の長編、例えば「姑獲鳥の夏」や「魍魎の匣」などがメインコースだとしたら、この作品はいわば前菜、それもサンプラーのような味わいです。。。
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012
No.2:
(5pt)

最高の純愛物語

四谷怪談といえば、夫に裏切られ殺されたお岩様のたたりが中心の物語だとばかりと思っていましたが、これは違った。怖さを求めて読むのであれば期待はずれ。こんな純愛物語だったとは・・・最後は涙が止まらなかった。お岩様が愛しかった。やっぱり京極夏彦氏はすごい!
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012
No.1:
(5pt)

これはひとつの愛情物語です。

夏の風物詩、怪談話の代名詞である「東海道四谷怪談」をベースにして、京極夏彦が作り出した、哀しい愛情物語。妻を裏切った悪人 伊右衛門が、実は非常な妻想いの人であり、か弱く恨みに凝り固まった岩も、実は聡明で愛情深い人であった。自分を殺した亭主を恨んだ妻が、復讐をするといった内容の怪談話から、別の世界へ大きく想像をふくらませ、夫婦間の愛情溢れる物語にした作者の力業には敬服させられます。「妖怪小説」でデビューした作者が、怪談を題材にした作品だけあって、そういった傾向の作品だと敬遠していた方々にも、是非ともお勧めです。
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012

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