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終着駅
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終着駅の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.70pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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2023年7月24日、森村誠一氏が亡くなった。享年90。これでもう昭和を代表するミステリ作家は、いよいよ誰もいなくなったのではないか…と思うと感慨深い。 その時点で、わたしの本棚には未読の森村ミステリが1冊あった。それが本書『終着駅』である。もともとの刊行は1989年9月らしい。奇しくも昭和が終わり、平成に入った時代だ。 新時代が到来したとは思えないくらい、昭和臭あふれるミステリである。高度成長期の話か、と思うほどだ。プロットにはいささか無理があるし、自動ロックのトリックは、今では子どもでも思いつくレベルで、苦笑を禁じ得ない。 さはさりながら、乱歩、正史、清張ときて、森村誠一は間違いなくそれに続く人気作家の一人だったと思う。今やミステリという分野は百花繚乱だが、先達が耕した土壌の上にこそ、その花は咲き乱れていることを忘れてはなるまい。 | ||||
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牛尾刑事の活役を本で読みたかったのですが、店舗より在庫無い、入庫出来ないと連絡があり読めませんでした。残念です。 | ||||
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森村誠一の本を読むのはおそらく初めての著者初心者ですが、面白かったことは面白かったです。 本書が作者の著作の中で、典型的なタイプなのかそうでないのかわかりませんが、何件もの殺人などの犯罪が出てきてその関連が最初は不明で、ものすごく複雑な推理小説だと感じました。 まったく関係ないと思える人物たちや事件の点と点が、やがて線となり最後に面となっていく構成の複雑さには、作者はよくこんな作品が創作できるものだと正直感心しました。 ただ読み終わって各事件って結局どうゆう関係があるんだっけと思い返してみると、他の方もレビューで指摘してるように、偶然に頼ることが多すぎるとは思いました。 たとえば時間軸で最初に事件が起きた一昨年3月24日のことだと(配慮はしていますが一部ネタバレあります)、 1.暮坂武雄の行路病死が起きた同じ日・ほぼ同時刻に偶然マンションでの殺人事件が発生 2.暮坂武雄と発見者の一人の木村重雄が偶然同郷で顔見知り 3.遺体を乗せた作家の水間達彦のBMWがちょうどその日移動中に盗難に会う 4.盗まれたBMWと木村が乗ったトヨタマークⅡがその日に衝突事故を起こす 5.マークⅡに乗っていた男女が二人とも一時意識を失うが救急車が必要なほどのケガはしないため、その間にBMW窃盗犯の2人に荷物を交換される(警察などが関わった事故なら記録が残ったがそうではなかった)。 6.事故現場にだれかが2種類の家のキーを落としてしまい、のちに事件解明の手掛かりとなる。 7.交通事故の一部始終を年配のホームレスが目撃していて後に証言する。 とざっとこれだけの偶然が数時間の間に重ならないと、この作品が成立するための条件がそろいません。 さらに木村が共犯者の裏切りを防ぐために引き合わせたマークⅡの所有者の三上潤子と暮坂武雄の息子・慎也が、木村のたくらみ通りまんまと互いに一目ぼれして結婚したことも含めて、そんな偶然が重なる確率って天文学的に低いと思いました。 偶然に頼りすぎとかうるさいことを言わなければ、この作品はそれなりに面白かったのですが、作者の別の作品を読むかどうかは、他に好きな推理小説作家もいるので微妙ですね。 | ||||
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本書は1989年1月光文社から初出版された作品です。 地方都市に生まれ育った若者たちが大都会東京に憧れる。本当は素晴らしい所なのに、故郷の素晴らしさを知らぬまま、それを捨て東京行きを決断する。20才前後の浅川真、軍司弘之、宮地杏子、暮坂潤子の男女4人の選んだ街は新宿だった。見知らぬ大都会新宿に将来の栄光を予感した。ところが4人は、新宿に潜む巨大な悪の魔物によって若い命を失ってしまうのだ。 縁もゆかりもない4人と思われたが、新宿へ向かう特急のレール上で繋がっていたのだ。4人は、その事も、更にその先に魔物が潜んでいた事も知らなかった。4人が遠方から徐々に繋がっていく過程と悪の魔物に飲み込まれていく残虐な筆致が巧妙であり絶妙の面白さを醸成している作品でした。 事件の解決には、都合の良すぎる証拠が次々と発見され、あまりにも出来過ぎかと感じるのだが、それは、亡くなった若者たちの霊が犯人たちまで導いたという、森村氏が若者の魂の恨みを描いた独特な発想による構成。 このシリーズではお馴染みの牛尾刑事や常連浮浪者プロフなども登場して、事件の解決へ迫る。その総監督役が那須警部。森村作品初期よりのファンにとっては嬉しくて仕方が無い作品です。 | ||||
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本書は1989年1月光文社から初出版された作品です。 地方都市に生まれ育った若者たちが大都会東京に憧れる。本当は素晴らしい所なのに、故郷の素晴らしさを知らぬまま、それを捨て東京行きを決断する。20才前後の浅川真、軍司弘之、宮地杏子、暮坂潤子の男女4人の選んだ街は新宿だった。見知らぬ大都会新宿に将来の栄光を予感した。ところが4人は、新宿に潜む巨大な悪の魔物によって若い命を失ってしまうのだ。 縁もゆかりもない4人と思われたが、新宿へ向かう特急のレール上で繋がっていたのだ。4人は、その事も、更にその先に魔物が潜んでいた事も知らなかった。4人が遠方から徐々に繋がっていく過程と悪の魔物に飲み込まれていく残虐な筆致が巧妙であり絶妙の面白さを醸成している作品でした。 事件の解決には、都合の良すぎる証拠が次々と発見され、あまりにも出来過ぎかと感じるのだが、それは、亡くなった若者たちの霊が犯人たちまで導いたという、森村氏が若者の魂の恨みを描いた独特な発想による構成。 このシリーズではお馴染みの牛尾刑事や常連浮浪者プロフなども登場して、事件の解決へ迫る。その総監督役が那須警部。森村作品初期よりのファンにとっては嬉しくて仕方が無い作品です。 | ||||
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密室殺人のトリック、絡まり合う事件の顛末は凝っているが、全般的に都合が良すぎるという点で物語に入り込めなかった。 事件の発生にも、解決の糸口を掴む場面にも偶然が多すぎる。恐るべき偶然、運命の悪戯…と、アナタが設定してるんでしょ!とツッコみたくなる。登場人物たちの縁が濃すぎて、把握するのが大変。 重要な密室トリックを解く"鍵"が、非常な偶発性によって発見されたのも解せない。コレが発見されてなかったら、トリックが崩されないではないか。 以上、シラケ世代のつぶやきでした。 | ||||
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小説ですから仕方ないですけど……不自然な偶然が多すぎたような気がしました。 | ||||
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本題になっている「終着駅」とは、この物語の場合東京そのものを指している。 全国から様々な人間が集う大都会東京の素顔を、この物語によって垣間見るようでもある。 地方の田舎から出てきた若い女性や男性たち。そして金策に訪れた地方の事業主。それぞれはこの大都会での成功を夢見ながら訪れたのであるが・・・。 全くの他人同士であった筈の人間たちがやがて見えない糸で結ばれていく。 その関係が次々に起こる殺人事件によって明らかになっていくストーリー構成が素晴らしい。 特に突飛な事件でもないが、殺人や盗難といった普通の事件が複雑に絡み合い、刑事らが苦難に陥りながらも必死に捜査する展開は読んでいて興味が沸く。 事件の解決後、牛尾刑事が悲しげに言っている台詞がこの物語の意味を突いている。 | ||||
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森村誠一の「終着駅シリーズ」はすでに20回以上のテレビ放映がなされ、ファンにはお馴染みの作品である。本書『終着駅』はその記念碑的作品である(巻末の「解説」にあるように、前著『駅』が意味する「始発駅」とは対をなす)。錯綜した人間関係が織りなす幾多の事件に読者をすんなりと引き入れるだけでなく、その事件の展開が実にダイナミックな様相を呈している。情景・人間描写にも味わいがある。途中から一連の殺人事件の容疑者として浮上する人物が「犯人」であることは分かるが、ホテルでの密室トリックがなかなか解明できない。その「もどかしさ」も興味をそそる(トリックの考案・解明には、作者の10年に及ぶホテルでの勤務経験がある)。第18章の「チェンジされた密室」で事件の一応の決着をみるものの、第19章「最後の犯人」でもう1つの事件が暴かれる。「最後の最後まで事件は終らない!」というストーリー展開に読者は決して飽きることがない。とはいえ、人間関係そして複数の事件が錯綜しているので、気をつけて読んでいかないと、それらの関連性が十分に消化できない可能性もなくはない。途中で読むのをやめて明日にすることはできない理由の1つもこの辺にありそうである。なお注文をつければ、1)棟据刑事とならぶ森村作品のヒーローである牛尾刑事が登場するのは110頁からで、いささか登場が遅いこと(同著者『山の屍』は「牛尾刑事事件簿」と表紙に明記されているが、牛尾刑事の活躍は少なく思えた)、2)本当に三上潤子は暮坂慎也との結婚「後」に、奪われた三千万円の持ち主が彼の父親であることを知ったか。彼女は「最後の犯人」によって殺害された以上、真相は闇の中であるが、「暮坂」という苗字は珍しいゆえ、彼と出会ったときに、その件と結びつけることは可能ではないのか、という2点くらい。いずれにせよ、テレビ放映の原点ともいうべき作品であり、読み応え満点である。 | ||||
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『駅』『終列車』から続く三部作の最終作。とは言え物語がつながっているわけではありませんが、中央線沿線の田舎町(おそらくは長野県)から東京に出て来た人たちの運命と悲哀を描いているという点で色調は共通しています。但し、本作では運命に翻弄される人々を描くだけではさすがに案が尽きたのか、初期の森村が得意としていたホテルでの密室トリックが登場すします。『駅』『終列車』の路線と初期の傑作『高層の死角』を融合したといったところでしょうか。 個人的には、『駅』『終列車』と比べると筆致が急ぎ過ぎのように感じました。被害者たちの生前の姿をもっと丁寧に描くとか、刑事たちの群像をもっと描くとかしていれば、更に感動が得られたはずだと思うのですが。 | ||||
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