Yの悲劇

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評判

Yの悲劇の評価:

4.09/5点 レビュー 119件。 S ランク

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平均点4.09pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全127件 61〜80 4/7ページ
No.67
(4pt)

ルビ訳英語で挑戦、エラリー・クイーンの『Yの悲劇』

エラリー・クイーンの『Yの悲劇』は、私の少年時代には本格推理小説の最高峰として知られていたのに、中学生時代には、なぜか『Xの悲劇』と『Zの悲劇』しか読んでおらず、気になっていました。そこで、中年になってから一念発起し、英語の勉強も兼ねてこの名作を読んでみた次第です。

作品の感想ですが、翻訳版でレビューする人がたくさんいるので、一言だけ。名探偵ドルリー・レーンが人格的に問題がある人だということが、大人になってから再確認できた!です。

問題はエラリー・クイーンの英語です。結論的に言えば、 O.ヘンリーのように難しすぎると言うわけではない。非常に難解な単語や表現がたくさん出てくるというわけではない。しかし、やはり英語学習者にとっては容易ではない。ちなみに私は、英検1級で英単語の語彙が1万2千語ぐらいです。おそらくこのレベルでは、普通の原書ならば挫折したかもしれない。だからルビ訳は有り難い。

では、ルビ訳なのですらすら読めるたのかと問われれば、Yes, butである。ハリーポッターであれば1時間に35〜40ページ(大きいハードカバー版)のスピードで読めたが、The Tragedy of Yとなると一時間に20〜25ページしか読めなかったのである。どんなに頑張っても1冊読み終えるのに18時間以上はかかった計算になる。充実感と達成感はたしかにあるが、ちょっと疲れてしまった。
Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2) Amazon書評・レビュー: Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)より
4488104029
No.66
(4pt)

ルビ訳英語で挑戦、エラリー・クイーンの『Yの悲劇』

エラリー・クイーンの『Yの悲劇』は、私の少年時代には本格推理小説の最高峰として知られていたのに、中学生時代には、なぜか『Xの悲劇』と『Zの悲劇』しか読んでおらず、気になっていました。そこで、中年になってから一念発起し、英語の勉強も兼ねてこの名作を読んでみた次第です。

作品の感想ですが、翻訳版でレビューする人がたくさんいるので、一言だけ。名探偵ドルリー・レーンが人格的に問題がある人だということが、大人になってから再確認できた!です。

問題はエラリー・クイーンの英語です。結論的に言えば、 O.ヘンリーのように難しすぎると言うわけではない。非常に難解な単語や表現がたくさん出てくるというわけではない。しかし、やはり英語学習者にとっては容易ではない。ちなみに私は、英検1級で英単語の語彙が1万2千語ぐらいです。おそらくこのレベルでは、普通の原書ならば挫折したかもしれない。だからルビ訳は有り難い。

では、ルビ訳なのですらすら読めるたのかと問われれば、Yes, butである。ハリーポッターであれば1時間に35〜40ページ(大きいハードカバー版)のスピードで読めたが、The Tragedy of Yとなると一時間に20〜25ページしか読めなかったのである。どんなに頑張っても1冊読み終えるのに18時間以上はかかった計算になる。充実感と達成感はたしかにあるが、ちょっと疲れてしまった。
Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2) Amazon書評・レビュー: Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)より
4042507166
No.65
(1pt)

つまらない

暗闇で犯人を触ったら、肌がスベスベしていた。犯人が女性でなかったら、その属性から三段論法的に真犯人が判ってしまう。
推理ポケット読み物というか、児童雑誌のふろくレベルの「謎」に失笑してしまうだろうこと請け合いの作品。
中学生の時は推理小説が好きだったが、こいつは読むなり「くっだらねぇ」と壁に叩きつけてやったもんだ。
Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2) Amazon書評・レビュー: Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)より
4488104029
No.64
(1pt)
※削除申請(1件)

つまらない

暗闇で犯人を触ったら、肌がスベスベしていた。犯人が女性でなかったら、その属性から三段論法的に真犯人が判ってしまう。
推理ポケット読み物というか、児童雑誌のふろくレベルの「謎」に失笑してしまうだろうこと請け合いの作品。
中学生の時は推理小説が好きだったが、こいつは読むなり「くっだらねぇ」と壁に叩きつけてやったもんだ。
Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2) Amazon書評・レビュー: Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)より
4042507166
No.63
(1pt)

合わなかった

乱歩の十選に選ばれていたので読みました。
推理小説としてすばらしいのは確かです。
けれど、私にはレーン氏の倫理観が独り善がりにしか思えませんでした。
現代の倫理観を持ち込んでいる、という批判を受けそうですが、
レーン氏の倫理観は「デスノート」の主人公の延長線上に思えます。
60歳にもなって、あんな倫理観を平気で口にして行動できるのには、
開いた口がふさがりませんでした。
いくら優れた推理小説でも、探偵の倫理観が許容の範囲内でないと
楽しんで読めないというのが今回、よくわかりました。

あと、推理小説として決定的な事ではありませんが、
犯人の謎解き部分は本当に精緻に丁寧に構成されていると思いますが、
探偵と犯人の対決に関してはやや荒っぽい点が見受けられます。
例えば、6月に牛乳を8日間も常温放置すれば腐りますし、
それを例の人物が気がつかないというのは不自然です。
ラストの解決も偶然性の要素が強く、犯人の気分次第では再び惨劇が起こっていたかと。

残念ながら、この作品の印象が悪すぎてもうクイーンの他の作品を読む気がしません。
Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2) Amazon書評・レビュー: Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)より
4488104029
No.62
(1pt)

合わなかった

乱歩の十選に選ばれていたので読みました。
推理小説としてすばらしいのは確かです。
けれど、私にはレーン氏の倫理観が独り善がりにしか思えませんでした。
現代の倫理観を持ち込んでいる、という批判を受けそうですが、
レーン氏の倫理観は「デスノート」の主人公の延長線上に思えます。
60歳にもなって、あんな倫理観を平気で口にして行動できるのには、
開いた口がふさがりませんでした。
いくら優れた推理小説でも、探偵の倫理観が許容の範囲内でないと
楽しんで読めないというのが今回、よくわかりました。

あと、推理小説として決定的な事ではありませんが、
犯人の謎解き部分は本当に精緻に丁寧に構成されていると思いますが、
探偵と犯人の対決に関してはやや荒っぽい点が見受けられます。
例えば、6月に牛乳を8日間も常温放置すれば腐りますし、
それを例の人物が気がつかないというのは不自然です。
ラストの解決も偶然性の要素が強く、犯人の気分次第では再び惨劇が起こっていたかと。

残念ながら、この作品の印象が悪すぎてもうクイーンの他の作品を読む気がしません。
Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2) Amazon書評・レビュー: Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)より
4042507166
No.61
(5pt)

Well-constructed

If a hundred persons, well versed in mystery novels, were asked to make a list of what in their opinion were the ten best mystery novels of all time, at least one or two hundred mystery novels would be mentioned, but I think that almost all the people would surely choose this book. The construction is incredibly good for a mystery novel. The incidents follow one after another naturally, and one’s sense of probability is nowhere outraged. And so the story goes on like a solid literary work until at last the perpetrator is found out. I don’t think that anyone can read this passage of disclosing the perpetrator without feeling cold shivers down his back. It’s really shocking, and the shock is all the more enormous because the construction is good and natural. It’s a little too long a story, but the shock well makes up for it. I’ll bet that feeling this shock must be a unique experience for anyone. By the way, Seicho’s “Ten To Sen(点と線)” and Crofts’ “THE CASK” are both famous mystery novels which everyone agrees are masterpieces, but I hear that each has a grave mistake in its story. I found out the mistake in “Ten To Sen”, but I have not found out the mistake in “THE CASK”. I would very much appreciate if someone would be so kind as to tell me through the review on this book.
Yの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: Yの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701423
No.60
(5pt)

犯人像が秀逸

名作と名高い作品ですが、初めて読んで脱帽しました。
確かに解決に結びつく手がかりの見せ方と論理性も、その巧妙さが抜きん出て優れたいると思います。
しかし、それより驚いたのが犯人像の描き方。
犯人の残虐性、救いの無さを際立たせるデータを提示する作りのうまさに舌を巻きました。またそこから、ドルリー・レーンのある行動を示唆する劇的な幕切れといった演出効果も優れています。
さすが名作と長く言われることだけのことはあると思いました。

Yの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: Yの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701423
No.59
(2pt)

白ける

クイーンはこれと『エジプト十字架の謎』を読みました。共通していえることは、いわゆる「動機」に関して作者はかなりいい加減であるということです。推理小説は小中学校のときにドイルとかクリスティを結構読みましたが、やはりどちらも「動機」に関しての説明に大きくページがさかれていて、とくにホームズの『緋色の研究』『四つの署名』『恐怖の谷』などはそこにおもしろさがあるといって良いとおもいます。私は「犯人は誰か」と考えながら読むことはないですしまた考えてもわかりゃしないので、トリックに命がかかっているような作品は疲れてしまいます。まあ、実際は大した理由もなしに殺人は行われるものだということは現実の事件をみてもわかりますが。
Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2) Amazon書評・レビュー: Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)より
4488104029
No.58
(5pt)

本格ミステリの理想型のひとつであり基本形である

やっぱり、鮎川信夫の訳がいい。
いろいろと間違っている所があるらしいが、そんなことは関係ない。
刷り込みの影響は大きい。
私的には、最初に読んだ創元推理文庫版の文章が、本書の内容に最もしっくりくる。

なんせ、連続殺人である。
館ものである。
だから、ある意味たどたどしい所や意味不明な所があるほうが、適度に不気味な雰囲気を醸し出す。
あまりスラスラ読めるよりも、よっぽど良い。
そう、小栗「黒死館〜」のように。

内容は、いまさらどうこう言う必要はない。
古典だし、典型的な本格ミステリである。
ミステリとは何か?を問われたとき、最初に差し出すのには最も適当な作品である。
もちろん、現代感覚からしたら、“古くさい”という言葉が飛んでくるだろう。
しかし、どんなものでも、古いものの上に新しいものがあるのであり、土台を知っているのとそうでないのとでは、新しいものへの理解度がまったく違う。
ビッグ・ヴァンではないが、ある意味ではそれに近いものがある。
そして、このロジックはどうだ!
強引なところもあるのだが、このロジックこそがミステリの醍醐味であり、都筑道夫もそこに最大の魅力を感じていたのだ。
現在だと有栖川あたりだ。
理屈っぽいと言われようが、ほとんど余剰を残さないこのロジックこそが、本格ミステリなのである。
奇妙な謎の提示−精緻な捜査−ロジックによる解決、という、乱歩が夢見たミステリの理想形のひとつが、ここに現実にある。

横溝も、高木も、そして実は松本清張も、みんな本作の子ども達なのだ。
再読に値するミステリは数少ないが、本書はそんな作品のひとつである。
ちなみに私は三度読んだ。
Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2) Amazon書評・レビュー: Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)より
4042507166
No.57
(5pt)

本格ミステリの理想型のひとつであり基本形である

やっぱり、鮎川信夫の訳がいい。いろいろと間違っている所があるらしいが、そんなことは関係ない。刷り込みの影響は大きい。私的には、最初に読んだ創元推理文庫版の文章が、本書の内容に最もしっくりくる。

 なんせ、連続殺人である。館ものである。だから、ある意味たどたどしい所や意味不明な所があるほうが、適度に不気味な雰囲気を醸し出す。あまりスラスラ読めるよりも、よっぽど良い。そう、小栗「黒死館〜」のように。

 内容は、いまさらどうこう言う必要はない。古典だし、典型的な本格ミステリである。ミステリとは何か?を問われたとき、最初に差し出すのには最も適当な作品である。
 もちろん、現代感覚からしたら、“古くさい”という言葉が飛んでくるだろう。しかし、どんなものでも、古いものの上に新しいものがあるのであり、土台を知っているのとそうでないのとでは、新しいものへの理解度がまったく違う。ビッグ・ヴァンではないが、ある意味ではそれに近いものがある。
 そして、このロジックはどうだ!強引なところもあるのだが、このロジックこそがミステリの醍醐味であり、都筑道夫もそこに最大の魅力を感じていたのだ。現在だと有栖川あたりだ。理屈っぽいと言われようが、ほとんど余剰を残さないこのロジックこそが、本格ミステリなのである。奇妙な謎の提示−精緻な捜査−ロジックによる解決、という、乱歩が夢見たミステリの理想形のひとつが、ここに現実にある。
 
 横溝も、高木も、そして実は松本清張も、みんな本作の子ども達なのだ。
 再読に値するミステリは数少ないが、本書はそんな作品のひとつである。ちなみに私は三度読んだ。
Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2) Amazon書評・レビュー: Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)より
4488104029
No.56
(2pt)

退屈な凡作

まず、「Xの悲劇」から読んだ人は簡単に犯人が分かってしまうと思う。
2作品続けて同じトリックを使うわけがなく、それ故にミスディレクション足りえない。
犯人が分かってしまうと他に特筆すべき面白い展開はないし、プロットも平々凡々。
途中、「推理小説の中の推理小説」が出てくることが少し興味をそそるくらいか。

作者のクイーン自身が「なぜこの小説が日本でだけウケているのか分からない」と語ったくらいなので、
私自身もこの小説が海外ミステリ・ベストの上位にランキングされる理由が良く分からない。
Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2) Amazon書評・レビュー: Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)より
4042507166
No.55
(2pt)

退屈な凡作

まず、「Xの悲劇」から読んだ人は簡単に犯人が分かってしまうと思う。
2作品続けて同じトリックを使うわけがなく、それ故にミスディレクション足りえない。
犯人が分かってしまうと他に特筆すべき面白い展開はないし、プロットも平々凡々。
途中、「推理小説の中の推理小説」が出てくることが少し興味をそそるくらいか。

作者のクイーン自身が「なぜこの小説が日本でだけウケているのか分からない」と語ったくらいなので、
私自身もこの小説が海外ミステリ・ベストの上位にランキングされる理由が良く分からない。
Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2) Amazon書評・レビュー: Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)より
4488104029
No.54
(5pt)

この犯人が意外じゃないって?

定評のある作品で、個人的には「Xの悲劇」より評価は高いです。「Xの悲劇」は、ニューヨークの雰囲気というか、息吹というかそうしものが感じれておもしろい。が、犯人が小細工をしすぎていてリアルティに欠ける印象があるので、「Yの悲劇」の方をおしたい。もっとも「Xの悲劇」も抜群に面白い。パズラーとして純粋にみたら「Xの悲劇」のほうが上かもしれませんね。この辺は好みでしょう。
 昨今、「Yの悲劇」の犯人が意外じゃないという意見が見られますが、どうなんでしょうね。こういっしゃなんですが、読み方を間違っています。
 「Yの悲劇」は、リアル、リアルといった作品ではありませんが、ディクスン・カーの諸作のような全くの作り事という作風とも違います。ハッター家は、人間の悪意、憎悪といった負の部分のメタファーといったもので、この作品自体ある種の寓話なのです。発見されたエミリー・ハッターの遺体の恐怖に引きつった表情・・・・彼女は死の直前、何にそれほど驚き、恐怖したのか?真相がわかったときに読者も思わずゾーっとする。このイメージを鑑賞すべきなのです。このゾーっとする感覚はこの犯人でなくてはならないのです。

 犯人は分かったよと自慢したってしょうがない。そんなことより、この寓話で語られる救いのない悲劇に正面から向き合うべきなのです。動機が弱いという意見も読み方が浅いと思います。むしろ、はっきりとした動機がないということが恐ろしい。むしろ、ハッキリとした動機がないということに意味をみるべきなのです。

 不条理、不合理が支配するハッター家という小宇宙で起こった事件をレーンは見事なロジックで明らかにしていく。不条理、不合理と論理、合理性のせめぎ合い。これぞミステリの醍醐味ではありません?

 しかし、いかに理性を正しく働かせ真相を見抜いても、ハッター家の悪夢自体が完全に消え去ることはない。だから、レーンは苦悩するのです。まさしく、「一人の悪魔はいなくなったが、世界には、多くの邪悪が残っている」のです。

 寓話だと私はいいました。この作品の悲劇性は、理性によっても決して人間社会の問題は解決しないことを示しているのです。そう、私たちの現実がそうであるように。正しいことをすれば世界は正しくなるのか?悲劇はなくなるのか?人間は本当に自由なのか?そうした意味性を読み取るべきでしょう。

 犯人が分かったと自慢する人、実際こうした事件が起きてニュースで「犯人はこいつでした」といわれたらやっぱり驚くのではありません?こうした感覚でこの作品は鑑賞すべきなのです。何度もいいますが、これは寓話なのです。

 もっとも、オールタイムベストの名作、名作と持ち上げるのは、どうかと思わないでもない。変に持ち上げるから、「犯人わかった。たいしたことないじゃん」という意見が続出する。さりげなく、「面白いよ」と進めるべきでしょう。


Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2) Amazon書評・レビュー: Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)より
4042507166
No.53
(5pt)

この犯人が意外じゃないって?

定評のある作品で、個人的には「Xの悲劇」より評価は高いです。「Xの悲劇」は、ニューヨークの雰囲気というか、息吹というかそうしものが感じれておもしろい。が、犯人が小細工をしすぎていてリアルティに欠ける印象があるので、「Yの悲劇」の方をおしたい。もっとも「Xの悲劇」も抜群に面白い。パズラーとして純粋にみたら「Xの悲劇」のほうが上かもしれませんね。この辺は好みでしょう。 昨今、「Yの悲劇」の犯人が意外じゃないという意見が見られますが、どうなんでしょうね。こういっしゃなんですが、読み方を間違っています。 「Yの悲劇」は、リアル、リアルといった作品ではありませんが、ディクスン・カーの諸作のような全くの作り事という作風とも違います。ハッター家は、人間の悪意、憎悪といった負の部分のメタファーといったもので、この作品自体ある種の寓話なのです。発見されたエミリー・ハッターの遺体の恐怖に引きつった表情・・・・彼女は死の直前、何にそれほど驚き、恐怖したのか?真相がわかったときに読者も思わずゾーっとする。このイメージを鑑賞すべきなのです。このゾーっとする感覚はこの犯人でなくてはならないのです。 犯人は分かったよと自慢したってしょうがない。そんなことより、この寓話で語られる救いのない悲劇に正面から向き合うべきなのです。動機が弱いという意見も読み方が浅いと思います。むしろ、はっきりとした動機がないということが恐ろしい。むしろ、ハッキリとした動機がないということに意味をみるべきなのです。 不条理、不合理が支配するハッター家という小宇宙で起こった事件をレーンは見事なロジックで明らかにしていく。不条理、不合理と論理、合理性のせめぎ合い。これぞミステリの醍醐味ではありません? しかし、いかに理性を正しく働かせ真相を見抜いても、ハッター家の悪夢自体が完全に消え去ることはない。だから、レーンは苦悩するのです。まさしく、「一人の悪魔はいなくなったが、世界には、多くの邪悪が残っている」のです。 寓話だと私はいいました。この作品の悲劇性は、理性によっても決して人間社会の問題は解決しないことを示しているのです。そう、私たちの現実がそうであるように。正しいことをすれば世界は正しくなるのか?悲劇はなくなるのか?人間は本当に自由なのか?そうした意味性を読み取るべきでしょう。 犯人が分かったと自慢する人、実際こうした事件が起きてニュースで「犯人はこいつでした」といわれたらやっぱり驚くのではありません?こうした感覚でこの作品は鑑賞すべきなのです。何度もいいますが、これは寓話なのです。 もっとも、オールタイムベストの名作、名作と持ち上げるのは、どうかと思わないでもない。変に持ち上げるから、「犯人わかった。たいしたことないじゃん」という意見が続出する。さりげなく、「面白いよ」と進めるべきでしょう。 
Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2) Amazon書評・レビュー: Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)より
4488104029
No.52
(5pt)

感服

Xの…とは違い
さすがのレーン氏もてこずってしまいます。
その姿を見てとても切なくなってしまいました。

設定は誰もを疑いたくなる
ような設定なので、誰が犯人でもおかしくは
ありませんが、怪しい人は法則通り
疑ってはいけません。

しかしそこから先のこれはないだろう、
という虚をついてくる犯人の設定です。
なので判明したときの驚きは
ひとしおなはず。

ただし、真相が真相上
読後感はあまりよくはありません。
Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2) Amazon書評・レビュー: Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)より
4042507166
No.51
(5pt)

感服

Xの…とは違い
さすがのレーン氏もてこずってしまいます。
その姿を見てとても切なくなってしまいました。
設定は誰もを疑いたくなる
ような設定なので、誰が犯人でもおかしくは
ありませんが、怪しい人は法則通り
疑ってはいけません。
しかしそこから先のこれはないだろう、
という虚をついてくる犯人の設定です。
なので判明したときの驚きは
ひとしおなはず。
ただし、真相が真相上
読後感はあまりよくはありません。
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4488104029
No.50
(4pt)

本格ミステリで最初に読みたい本

少年探偵団や子ども向け「ルパン」シリーズを卒業して、最初に読んだミステリが本作です。今から35年ほど前のことです。とてもラッキーだったと思います。
今から考えると、“犯人の意外性”という魅力は減じていますが、あの独特の雰囲気が好きです。日本では極端に高い評価を得ていますが、こういった雰囲気も人気の一つでしょう。
この作品からミステリの世界に入る人は幸せだと思います。
Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2) Amazon書評・レビュー: Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)より
4488104029
No.49
(5pt)

支配するもの、汝の名は……

本格推理の名作「レーン四部作」その中でも最高傑作としてあげられるのが本作「Yの悲劇」です。前作「Xの悲劇 (創元推理文庫)」はあくまで主人公ドルリー・レーンの紹介のためのエピソードで、本作から「レーン四部作」の隠れた真のテーマが始まるのだと私は考えています。

 陰鬱な空気が支配するハッター家を包む死の翼。当主の自殺に始まり、盲目で聾唖の娘の毒殺未遂。そして事実上の家の支配者であった婦人は、マンドリンを凶器にに撲殺される。残されたのはヴァニラの香り―――
  
 異様な殺人、不可解な証言、奇妙な手掛かり。事件全体を支配する意思―――「探偵小説」

 この邪悪な空気に満ちた事件に、レーンの推理がいかに挑むか。そして迎える真相に彼がとった態度とは―――

 「これは罪と罰の問題だけで済むことではない。この中には、病理学や異常心理学、社会学や倫理学の問題が渦を巻いて介入しているのです……」

 最初から最後の一ページに至るまで、この作品はある意思の支配下にあり、対する探偵レーンの行動と沈黙もまたそれと同様の意思に支配されていると私は考えます。穿った見方かもしれませんが、その意思こそが「レーン四部作」の真のテーマなのです。

 読んで確かめてください。支配する意思、その名は―――
Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2) Amazon書評・レビュー: Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)より
4042507166
No.48
(5pt)

支配するもの、汝の名は……

 本格推理の名作「レーン四部作」その中でも最高傑作としてあげられるのが本作「Yの悲劇」です。前作「Xの悲劇 (創元推理文庫)」はあくまで主人公ドルリー・レーンの紹介のためのエピソードで、本作から「レーン四部作」の隠れた真のテーマが始まるのだと私は考えています。
 陰鬱な空気が支配するハッター家を包む死の翼。当主の自殺に始まり、盲目で聾唖の娘の毒殺未遂。そして事実上の家の支配者であった婦人は、マンドリンを凶器にに撲殺される。残されたのはヴァニラの香り―――
  
 異様な殺人、不可解な証言、奇妙な手掛かり。事件全体を支配する意思―――「探偵小説」
 この邪悪な空気に満ちた事件に、レーンの推理がいかに挑むか。そして迎える真相に彼がとった態度とは―――
 「これは罪と罰の問題だけで済むことではない。この中には、病理学や異常心理学、社会学や倫理学の問題が渦を巻いて介入しているのです……」
 最初から最後の一ページに至るまで、この作品はある意思の支配下にあり、対する探偵レーンの行動と沈黙もまたそれと同様の意思に支配されていると私は考えます。穿った見方かもしれませんが、その意思こそが「レーン四部作」の真のテーマなのです。
 読んで確かめてください。支配する意思、その名は―――
Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2) Amazon書評・レビュー: Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)より
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