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(短編集)
最後の息子
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最後の息子の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.04pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全38件 21~38 2/2ページ
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表題作の「最後の息子」が大好きです。 通勤中に読んだのですがラストではしっかり電車内で涙を流しました。 吉田修一さんの描く完璧さからはほど遠い登場人物のおしつけることのないやさしさ、思いやりにいつも、心が打たれます。 一生懸命か、そうでないか、様々あったとしても社会を構成する人間として生きている人のさりげない誠実さにはやはりうれしくなります。 | ||||
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吉田修一の書く作品の、結局結末がないような この浮遊した感じが何とも言えず好きなので、面白かった。 「最後の息子」は、キュートな小説だなあとは思わなかったけど、 閻魔ちゃんは可愛かったし、 録画したビデオテープを見て回想したり、面白い作品だなあと感じた。 「破片」「Water」も面白かったけど、 「Water」の終わり方は罪だなあと思った・・笑 最後のページあけてガックリした;笑 | ||||
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キュートな青春小説、というか紹介にあるが、そんなことはない。思えば、村上春樹の「ノルウェイの森」にも、純度100%の恋愛小説です、みたいな言葉があったけれど、そういうのではない。「純文学」と言った文句では売れないのはわかるが…。 このひとの作品は、好きだけれど、純文学めいていないというか、最初の二編もいいが、最後の「water」は明らかにエンタメなので、少しがっかり。特にラストの一行はかなりがっかりもの。エンタメをエンタメとして消化しきれていないよう。「パレード」などはそのへんもうまくできていて、傑作なのだが、まぁ、文章も「キュート」だし、純文学とエンタメの中間人物として、ある意味貴重な存在なのかもしれない。というか、いまでこそおしゃれな作家というイメージがあるけれど、方言をふんだんに使ったこんな小説を書いていたとは。 | ||||
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表題作は吉田修一のデビュー作。 陽気なオカマ「閻魔ちゃん」との生活を中心に物語の進む表題作は「キャラを演じる」とはどういうことかを教えてくれる。実家からの上京、オカマとの生活、「ぼく」の憧れ。様々な角度から様々な「距離」と「自己の在り処」を描き出していると思いました。 そして、そのテーマの描き方はこの後の作品にもたびたび出現します。 表題作の姉妹編と思われる「破片」も面白い。 | ||||
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人生は大きく分けると成長期、成熟期、終息期の3期に分かれる。年齢的なことは勿論であるが、自分の能力、周囲の環境次第でその時期は人それぞれ異なる。できることならば、自他共に認めている時期が自分の最高の時期=成熟期でありたい。 ではその時期はいつなのか?雄大の人生の最高記録は高校3年の水泳大会で新記録を出した瞬間だったのか?学生が地方の大会で優勝したことにどれだけの意味があるのか? 役に立つかどうかが重要なのではない。無意味なことに対してでも良い。どれだけ真剣に、それは生真面目にと言う意味ではなく、日常に正面から向き合えるかどうかに尽きるのだと思う。 最高記録というものは破るためにある。 向上心こそが生きる糧。 | ||||
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吉田修一といえば独特の浮遊感と、極端にいえば「で、何が言いたかったの?」というストーリーが特徴でしょ。それが…! 作者初期の作品「Water」は、甘酸っぱく、元気で明るくエロい、真っ直ぐ少年達の完璧青春小説なのです。キラキラも戸惑いも躍動感もあるし、当然!切なさと夏の終わりと大人の階段もある。ド直球!「ウォーターボーイズ」と「69」とドラマの「野ブタ。」足して割ったような最高のバカ男子モノ。グッとくるよ。そりゃこんな金字塔は、一生に一本しか書けないすよ。 | ||||
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三編すべてを読むと、とってもいい気持ちです。 特に最後のWaterがいちばん人には勧めやすいですね。 ドラマ化でも何でも出来そうです。 息子がいるので、母親の状態に何ともツライ気持ちになってしまうけれど。 | ||||
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吉田修一の初期作品集。本書に納められている3作とも、芥川賞受賞作よりも優れていると思う。特筆すべきは「water」である。青春小説の金字塔といっても過言ではない。青春時代のすべての要素が入っている。運動部経験者であれば理解できるであろう、あの高校最後の夏の雰囲気がまるで目の前に映像として提示されているようだ。あの太陽の暑さも感じることができる。この「water」を読むだけでも本書を手に取る価値がある。 | ||||
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初めて読んだ吉田修一の本。表題作の「最後の息子」はオカマの「閻魔ちゃん」とヒモの「ぼく」との話。斜に構え、計算高く自虐的な「ぼく」は、オカマを見たいという上京した母親に閻魔ちゃんを会わせて見世物にしようと企むのだが、閻魔ちゃんは彼の親に紹介されるということを…。閻魔ちゃんがとにかくかわいい!ラストがいいですよ。純粋な気持ちが相手をうつことをストレートに表現しないところがニクイです。 他にも、水泳部の青春ど真ん中を描いた「Water」などの作品が収められています。「Water」は青春経験者及び長崎出身者必読!まぶしいです!水の青、空の青、太陽。すべてがきらきらとしていたあの頃に一瞬で戻れます。元気が出ますよ。 | ||||
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「Water」のみずみずしい青春小説ぶりにビックリ。吉田修一は、こんな小説も書いていたのですか。高校水泳大会ハイライトでの鮮やかなラストシーン。定番かもしれないけど感動しました。刹那にこそ、価値があるんですよね! 「破片」「最後の息子」は、その後上京する者、上京しない者の、変容した日常を描いています。 おそらく多くの地方出身者がそうであるように、幼年期は家庭が世界の全てでしょう。実はそれぞれの家庭で全く違う文化や習慣を持つのですが…。高校生までは、故郷の市や県が世界の限界でした。そして、進学なり就職なりで大都市へ出、しばらく暮らし始めます。そこでは、今まで絶対だと信じて疑わなかったものが、実は相対的にとるに足らないものだということを知らされたりします。そして私たちは普遍化された都市生活者に変容していくのです。 この本には吉田修一のしっぽがのぞいているようで、読み終わって楽しかったです。 | ||||
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おかまの「閻魔ちゃん」との共同生活をビデオカメラを通してえがいたもの。おかまのひも、という微妙な立場にもかかわらず、主人公はその生活をとても穏やかで、過ごしやすいと感じている。読む価値大有り!! 同時収録のwaterもお勧め! | ||||
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なんだか不思議な本だった。 首を傾げてしまう不思議さではなく、 不思議な暖かさに包まれる本だった。 閻魔ちゃんの無垢さに憧れながら「ぼく」の計算高さに共感してしまう。 他2編もあったかくてくすぐったいような世界と現実のちょっと汚れた世界の 両方が介在する作品だった。 | ||||
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3篇あるうちのwater中心にレビューを書こうと思う。受験問題集にこの作品が使われていたことで出会った作品。 当時高校生だった私は、部活(水泳)に、いや高校生活に一生懸命な彼らを身近に思えずに入られなかった。第一印象はそんなかんじだったのだが、いざ読んでみると、これまた高校生のすべてといってもいいくらいの感情・生活が描かれている。エロ思考がやや多めだと感じたが、主人公が高校生男子なのだからそれも普通かもしれない。 最大の山場は水泳の大会で、部活特有の「勝利へのこだわり」「緊張」そして「終わった後の安堵感」などが読むことによって溢れてくる。読み終えたあと、続きが読みたい!と激しく思ったが、1日経った今は、こういう終わり方もありなのかな、と、その後の彼らを想像しながら思うとともに、これが『読み終えて何か残る感じ』とでもいうのか、としみじみ思っている。 | ||||
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読み終えたとき、これほど心地よい“虚無”を感じる本はありません。どれも自分とは近いようで遠い世界の話でした。しかし単なる状況説明的な作品が氾濫する中で吉田作品は、ひとりひとりの繊細な心理を美しく描写することで、艶やかさや厭わしさといった人間の深意をなぜか愛おしいと思わせてくれるのです。中でも、女を失った男家族を描いた「破片」は美しかった。透明と不透明が混同するようにお互いを見つめ、何かを求める心が私には切なく映りました。私は、これほど人間が情操だと思ってもいませんでした。思っていたのかもしれないけど、感じてはいなかった。それを気付かされたことが“虚無”につながったのかもしれません。吉田作品は、人間の情操、逆を言えば儚さを訴えているように思えます。個人的には、村上春樹のような後味の残る1冊だと思いました。 | ||||
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読み終えたとき、これほど心地よい“虚無”を感じる本はありません。どれも自分とは近いようで遠い世界の話でした。しかし単なる状況説明的な作品が氾濫する中で吉田作品は、ひとりひとりの繊細な心理を美しく描写することで、艶やかさや厭わしさといった人間の深意をなぜか愛おしいと思わせてくれるのです。中でも、女を失った男家族を描いた「破片」は美しかった。透明と不透明が混同するようにお互いを見つめ、何かを求める心が私には切なく映りました。私は、これほど人間が情操だと思ってもいませんでした。思っていたのかもしれないけど、感じてはいなかった。それを気付かされたことが“虚無”につながったのかもしれません。吉田作品は、人間の情操、逆を言えば儚さを訴えているように思えます。個人的には、村上春樹のような後味の残る1冊だと思いました。 | ||||
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3編の中では『water』が良かった。水泳部という夏限定みたいな、更に主人公にとって最後の大会になるかもといったあたりも、夏のひとときを切り取ったような物語に、一役買っている気がする。 最近涙もろいとはいえ、女子部キャプテンの大会後の挨拶の所で、涙してしまいました。短い中に、それぞれの悩みや傷なんかも織り込んで、お見事だと思いました。表題作『最後の息子』は、淡々と描かれていたのが、かえって哀しかった。人の弱さというものを、思ってしまいました。 | ||||
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表題作の主人公「ぼく」は、オカマの閻魔ちゃんのヒモ。「体調の良い病人」のような一見気ままな生活の中で、「ぼく」は自分の演じるべき役を模索している。そして同時に自らの努力を、苦笑いしながら眺めているのだ。 収められた三篇の作品はどれも、映像的な印象。一人称の語り手は、自分自身の姿をも場面全体の情景の中で捉えるような、客観的な視点を持っていて、それが語りをクールなものにしている。三篇の作品すべての中心には身近な人の死が横たわり、主人公たちの生はいやおうなくその影響を受け歪められているのだが、語りのクールさゆえに、作品の味わいは陰惨なものではなく、軽やかで洒脱である。 表題作で「ぼく」が、ビデオカメラを通して自らの映像化(客観視)を行っているのが象徴的だ。 | ||||
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著者のデビュー作。軽快、爽やかでありながら、何となく訴えかけてくるものがある。私の大好きなのはこの本にある「ウォーター」高校の水泳部の青春系の小説にみえるが、その奥底にはもっと違った概念、『本当の高校生』というものがかいま見える。芥川賞も取り、登り調子の作家のデビュー作は必読である。 | ||||
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