密やかな結晶

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評判

密やかな結晶の評価:

3.94/5点 レビュー 77件。 A ランク

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平均点3.94pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全156件 121〜140 7/8ページ
No.36
(5pt)

キラリと光る銀細工のような・・・

この物語は、全編をとおして流れている静かな雰囲気にまず引き込まれてしまいますが、人間であればどうしても持たずには生きていくことのできない感情の動きを、実に丁寧にすくい上げ、物語として「結晶」させた作品だと思います。消滅に立ち会った人々が、なぜ消滅の対象となったものたちへの記憶を、あんなにも徹底的に消そうとするのか。その心の動きは、例えば、心はある人に寄り添っていたくとも(恋心でも、友情でも)、状況がそれを許さず、自分自身を消していくようなつらい気持ちで忘れようとする。そんな心の動きに、非常によく似ていると思います。また、古い異国の童話のようなエピソードが随所で銀細工のようにキラリと光っていて、時々本棚から取り出して読んでしまう魅力的な作品です。10年前から小川洋子さんのファンですが、最も愛着の強い作品です。
密やかな結晶 Amazon書評・レビュー: 密やかな結晶より
406205843X
No.35
(5pt)

キラリと光る銀細工のような・・・

この物語は、全編をとおして流れている静かな雰囲気にまず引き込まれてしまいますが、人間であればどうしても持たずには生きていくことのできない感情の動きを、実に丁寧にすくい上げ、物語として「結晶」させた作品だと思います。消滅に立ち会った人々が、なぜ消滅の対象となったものたちへの記憶を、あんなにも徹底的に消そうとするのか。その心の動きは、例えば、心はある人に寄り添っていたくとも(恋心でも、友情でも)、状況がそれを許さず、自分自身を消していくようなつらい気持ちで忘れようとする。そんな心の動きに、非常によく似ていると思います。また、古い異国の童話のようなエピソードが随所で銀細工のようにキラリと光っていて、時々本棚から取り出して読んでしまう魅力的な作品です。10年前から小川洋子さんのファンですが、最も愛着の強い作品です。
密やかな結晶 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 密やかな結晶 (講談社文庫)より
4062645696
No.34
(4pt)

読むと後悔するかも

著者の作品には名前があまり出てこない。

この作品にしても出てくるのはせいぜい「乾さん一家」(各人の名はあらわれない)とR氏くらいだ。

主人公にさえ名はない。

名前も持たない人々が、大切なものを次々と無くしながら、それを哀しむこともできず、生きている。

そして読者に問いかける。

「あなたは何もなくしていないの?」「なくしていることに気づいていないんじゃないの?」

読者は答える。

「そんなことはない。何もなくしてなんかいない。なくしていたとしても、それで不都合はない。」
密やかな結晶 Amazon書評・レビュー: 密やかな結晶より
406205843X
No.33
(4pt)

読むと後悔するかも

著者の作品には名前があまり出てこない。

この作品にしても出てくるのはせいぜい「乾さん一家」(各人の名はあらわれない)とR氏くらいだ。

主人公にさえ名はない。

名前も持たない人々が、大切なものを次々と無くしながら、それを哀しむこともできず、生きている。

そして読者に問いかける。

「あなたは何もなくしていないの?」「なくしていることに気づいていないんじゃないの?」

読者は答える。

「そんなことはない。何もなくしてなんかいない。なくしていたとしても、それで不都合はない。」
密やかな結晶 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 密やかな結晶 (講談社文庫)より
4062645696
No.32
(5pt)

忘れることの恐ろしさ

小川洋子の作品の中で最も好きなもののひとつです。

記憶を奪われることの恐ろしさ、

そしてそれをもう思い出せないことの恐怖。

そんな極限状態を、小川洋子特有のしっとりとした美しい言葉たちで

つづられています。

記憶をなくさないR氏を秘密警察から必死にかくまう私・・・

この情景はアンネフランクの日記を彷彿とさせます。

私はこれまでにいくつのものを忘れてしまったのだろう…

普段忘れることなんて特に気にしていないことだけれども、

とても悲しいことだと感じてしまいます
密やかな結晶 Amazon書評・レビュー: 密やかな結晶より
406205843X
No.31
(5pt)

忘れることの恐ろしさ

小川洋子の作品の中で最も好きなもののひとつです。

記憶を奪われることの恐ろしさ、

そしてそれをもう思い出せないことの恐怖。

そんな極限状態を、小川洋子特有のしっとりとした美しい言葉たちで

つづられています。

記憶をなくさないR氏を秘密警察から必死にかくまう私・・・

この情景はアンネフランクの日記を彷彿とさせます。

私はこれまでにいくつのものを忘れてしまったのだろう…

普段忘れることなんて特に気にしていないことだけれども、

とても悲しいことだと感じてしまいます
密やかな結晶 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 密やかな結晶 (講談社文庫)より
4062645696
No.30
(3pt)

無性に哀しい物語

小川洋子さんの作風は、物語を「紡ぎ出す」という表現がぴったりだと思います。
この作品も、小川さんらしい透明感や美しさに溢れていて、読み出すと一気に引き込まれる不思議な世界でした。
淡々と描き出される日常や、おじいさんとの交流には心温まり、まさに小川さんの魅力が満載・・・
その一方で、あまりにも報われない喪失、哀しみに満ちた世界観はこれまたまさに小川さんの魅力・・・あ~いい作品だったなぁとしみじみ思う一方、読まなきゃよかったとも思う作品でした。哀しい・・・
密やかな結晶 Amazon書評・レビュー: 密やかな結晶より
406205843X
No.29
(3pt)

無性に哀しい物語

小川洋子さんの作風は、物語を「紡ぎ出す」という表現がぴったりだと思います。
この作品も、小川さんらしい透明感や美しさに溢れていて、読み出すと一気に引き込まれる不思議な世界でした。
淡々と描き出される日常や、おじいさんとの交流には心温まり、まさに小川さんの魅力が満載・・・
その一方で、あまりにも報われない喪失、哀しみに満ちた世界観はこれまたまさに小川さんの魅力・・・あ~いい作品だったなぁとしみじみ思う一方、読まなきゃよかったとも思う作品でした。哀しい・・・
密やかな結晶 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 密やかな結晶 (講談社文庫)より
4062645696
No.28
(3pt)

人々の密やかな息遣い。

その島では、一つまた一つと、人々の中から何かが失われていく。人々は失ったものを取り戻すことはできないし、それを失ったことすらも思い出さなくなってゆきます。この作品の特筆すべき点は、主人公もまた失ってゆく人の一人であるということ。失わないR氏と失ってゆく主人公との関わりの中で、その特殊な状況が浮き彫りにされています。異常な状況を日常として受け止めて生きている人々の、心の静かさや穏やかさが淡々と形作る物語。消滅という特殊な設定に関してより、むしろ日常の細やかさが非常に丁寧に描かれていて、空気感や質感が鮮やかに伝わってきます。
感覚的に読むお話といった感じで、説得力に欠けると感じる方もいるかもしれません。がつんと読書をしたいときにではなく何かちょっと本を読みたい気分のときに読むのに向いている本だと思います。
密やかな結晶 Amazon書評・レビュー: 密やかな結晶より
406205843X
No.27
(3pt)

人々の密やかな息遣い。

その島では、一つまた一つと、人々の中から何かが失われていく。人々は失ったものを取り戻すことはできないし、それを失ったことすらも思い出さなくなってゆきます。この作品の特筆すべき点は、主人公もまた失ってゆく人の一人であるということ。失わないR氏と失ってゆく主人公との関わりの中で、その特殊な状況が浮き彫りにされています。異常な状況を日常として受け止めて生きている人々の、心の静かさや穏やかさが淡々と形作る物語。消滅という特殊な設定に関してより、むしろ日常の細やかさが非常に丁寧に描かれていて、空気感や質感が鮮やかに伝わってきます。
感覚的に読むお話といった感じで、説得力に欠けると感じる方もいるかもしれません。がつんと読書をしたいときにではなく何かちょっと本を読みたい気分のときに読むのに向いている本だと思います。
密やかな結晶 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 密やかな結晶 (講談社文庫)より
4062645696
No.26
(4pt)

消えていくものたちにまつわる切ない物語

舞台となる「島」では人々はある種の諦観を持って静かに暮らしているのですが、「消滅」という理不尽な現象が断続的に起こります。ある朝目覚めると世界から何かが失われているのです。心の中に空洞ができてその何かに関する記憶が一切失われてしまいます。自分にとって何の感慨も価値観も見出せなくなったものたちは廃棄したり焼却処分します。さもないと秘密警察に連行されてどこかへ連れ去られたまま町に戻ってくることができないからです。秘密警察の使命は完全なる「消滅」です。主人公の「わたし」は小説家。彼女の担当編集者が「消滅」の影響を受けない(記憶が残りつづける)、特別な人であることを知り、秘密警察から守る為彼を匿うことになりました。そこからこの物語が始まります。最後には何が消えていくのでしょうか・・・。
密やかな結晶 Amazon書評・レビュー: 密やかな結晶より
406205843X
No.25
(4pt)

消えていくものたちにまつわる切ない物語

舞台となる「島」では人々はある種の諦観を持って静かに暮らしているのですが、「消滅」という理不尽な現象が断続的に起こります。ある朝目覚めると世界から何かが失われているのです。心の中に空洞ができてその何かに関する記憶が一切失われてしまいます。自分にとって何の感慨も価値観も見出せなくなったものたちは廃棄したり焼却処分します。さもないと秘密警察に連行されてどこかへ連れ去られたまま町に戻ってくることができないからです。秘密警察の使命は完全なる「消滅」です。主人公の「わたし」は小説家。彼女の担当編集者が「消滅」の影響を受けない(記憶が残りつづける)、特別な人であることを知り、秘密警察から守る為彼を匿うことになりました。そこからこの物語が始まります。最後には何が消えていくのでしょうか・・・。
密やかな結晶 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 密やかな結晶 (講談社文庫)より
4062645696
No.24
(5pt)

冷たく、静かに、そして密やかに

次々とあらゆるものが、ひっそりと、静かに失われていく孤島。この島の中では失うことが必然であり、そうでないものは異常である。
 人、物、体の一部... 物を失うことが当然とされ、失わない者達は「記憶狩り」という秘密警察に排除されていく。
 何故?といった私の疑問を置き去りに物語は進んでいく。答えらしいものは描かれてはいない。唯々すべては失われてゆく。冷たく、静かに、そして密やかに。

密やかな結晶 Amazon書評・レビュー: 密やかな結晶より
406205843X
No.23
(5pt)

冷たく、静かに、そして密やかに

次々とあらゆるものが、ひっそりと、静かに失われていく孤島。この島の中では失うことが必然であり、そうでないものは異常である。
 人、物、体の一部... 物を失うことが当然とされ、失わない者達は「記憶狩り」という秘密警察に排除されていく。
 何故?といった私の疑問を置き去りに物語は進んでいく。答えらしいものは描かれてはいない。唯々すべては失われてゆく。冷たく、静かに、そして密やかに。

密やかな結晶 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 密やかな結晶 (講談社文庫)より
4062645696
No.22
(3pt)

既視感のある・・・。

この作家の透明な世界観が好きですが、この作品は読んだ時にP・オースターの「最後の物たちの国で」とダブってしかたがなかった。オースターの作品があまりに傑作だったので、ちょっと小川作品が薄く感じてしまった。読む順序が逆だったら、また違う感じ方をしたのだろうか・・・?
村上春樹の「世界の終わりと・・・」との類似性を指摘している方がいるのですが、確かにそれもあるかも・・・。最近、10数年ぶりに「世界の・・・」を読み返しているのだけど、今更ながらにスゴイ小説ですね。
密やかな結晶 Amazon書評・レビュー: 密やかな結晶より
406205843X
No.21
(3pt)

既視感のある・・・。

この作家の透明な世界観が好きですが、この作品は読んだ時にP・オースターの「最後の物たちの国で」とダブってしかたがなかった。オースターの作品があまりに傑作だったので、ちょっと小川作品が薄く感じてしまった。読む順序が逆だったら、また違う感じ方をしたのだろうか・・・?
村上春樹の「世界の終わりと・・・」との類似性を指摘している方がいるのですが、確かにそれもあるかも・・・。最近、10数年ぶりに「世界の・・・」を読み返しているのだけど、今更ながらにスゴイ小説ですね。
密やかな結晶 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 密やかな結晶 (講談社文庫)より
4062645696
No.20
(4pt)

何をなくしたのか私にもわからない

この文庫の帯に「何をなくしたのか私にもわからない」というコピーがありますが、読み終わったあと、これほど考えさせられる言葉もないでしょう。
 本文を文字づらだけ読み進めていけば、島の人々から時折脱落する「記憶」、ナチスの焚書ばりに燃え盛る「本」に代表される捨てられる物、記憶を失わない異能者に対する秘密警察の弾圧など、娯楽作としても一流の要素を含んでいるのです。
 しかしやがて娯楽そのもが消滅していきます。進む喪失が深まったとき、主人公の若い女性や彼女がかくまう異能者の「彼」、二人を助けるおじいさんの三者の苦しみと存在の意義そのものが、どこに帰着するのかがまったく見当がつかなくなり、最後に哀しみだけがそこに漂うような結末に導かれていきます。読書と同時に進行する読み手の喪失感は、今までの小説には見られなかったものでした。
 もうこうなってしまうと読み手としては、何をなくしたか、というよりも、彼らが、そして私たちが何を得たのかがわからないという一種の惧れを感じてしまい、あらためて帯の一文を眺めてしまう、そんな不思議な小説です。いや、勉強させられました。
密やかな結晶 Amazon書評・レビュー: 密やかな結晶より
406205843X
No.19
(4pt)

何をなくしたのか私にもわからない

この文庫の帯に「何をなくしたのか私にもわからない」というコピーがありますが、読み終わったあと、これほど考えさせられる言葉もないでしょう。
 本文を文字づらだけ読み進めていけば、島の人々から時折脱落する「記憶」、ナチスの焚書ばりに燃え盛る「本」に代表される捨てられる物、記憶を失わない異能者に対する秘密警察の弾圧など、娯楽作としても一流の要素を含んでいるのです。
 しかしやがて娯楽そのもが消滅していきます。進む喪失が深まったとき、主人公の若い女性や彼女がかくまう異能者の「彼」、二人を助けるおじいさんの三者の苦しみと存在の意義そのものが、どこに帰着するのかがまったく見当がつかなくなり、最後に哀しみだけがそこに漂うような結末に導かれていきます。読書と同時に進行する読み手の喪失感は、今までの小説には見られなかったものでした。
 もうこうなってしまうと読み手としては、何をなくしたか、というよりも、彼らが、そして私たちが何を得たのかがわからないという一種の惧れを感じてしまい、あらためて帯の一文を眺めてしまう、そんな不思議な小説です。いや、勉強させられました。
密やかな結晶 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 密やかな結晶 (講談社文庫)より
4062645696
No.18
(4pt)

不思議なお話でした

ストーリーを説明するのが非常に難しい作品ですね(^_^.)
抽象的でつかみにくくはあるけれど美しい作品でした。
全体の持つ静かで空気の澄んだようなイメージは村上春樹さんの「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」に似ている気がします。「忘れる」
「記憶を失う」
「認識できなくなる」
この3つの違いを考えてみると、この作品の中で起こる「認識できなくなる」がいちばん切なくはかない。より一層の喪失感があります。ぼんやりと自分までもが世俗から切り離されたような雰囲気の中で読みすすめましたが、ラストは意外にも希望に満ちてました。爽快で後味がよかったです。これはハッピーエンドと捕らえていいのでしょうか?
密やかな結晶 Amazon書評・レビュー: 密やかな結晶より
406205843X
No.17
(4pt)

不思議なお話でした

ストーリーを説明するのが非常に難しい作品ですね(^_^.)
抽象的でつかみにくくはあるけれど美しい作品でした。
全体の持つ静かで空気の澄んだようなイメージは村上春樹さんの「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」に似ている気がします。「忘れる」
「記憶を失う」
「認識できなくなる」
この3つの違いを考えてみると、この作品の中で起こる「認識できなくなる」がいちばん切なくはかない。より一層の喪失感があります。ぼんやりと自分までもが世俗から切り離されたような雰囲気の中で読みすすめましたが、ラストは意外にも希望に満ちてました。爽快で後味がよかったです。これはハッピーエンドと捕らえていいのでしょうか?
密やかな結晶 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 密やかな結晶 (講談社文庫)より
4062645696