“文学少女”と死にたがりの道化(ピエロ)

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評判

“文学少女”と死にたがりの道化(ピエロ)の評価:

3.94/5点 レビュー 64件。 A ランク

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平均点3.94pt

Amazonレビュー一覧

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未読の方はご注意ください

全48件 41〜48 3/3ページ
No.8
(5pt)

文学少女と知ったかぶりの読者

「私はただの『文学少女』よー」

謙虚にして不遜、颯爽たる決め台詞が印象的な自称文学少女、他称本を食べる妖怪・遠子先輩が、古今東西の文学作品に絡めて複雑に入り組んだ人間心理を紐解いてゆく学園ミステリ連作。
文学少女という今時絶滅危惧種な遠子先輩と、元美少女作家で訳ありの過去を抱える後輩・心葉のやりとりが面白い。
清楚な見た目を裏切る滔々たる饒舌が素敵な遠子先輩が、読書感想を味覚という斬新な切り口で表現するシーンはどれも新鮮。
自分が今まで読んで来た本が味覚という違った観点から切り取られると「こういう感じ方もあったのかあ!」と感動します。
食べちゃうほど本が好きってあおり文句は最初イミフだったんですが、「私は目で見て心で感じてから本を味わって食べるのよ!」と豪語する心意気にはへへーっと平伏。

可愛いパッケージに反し個々の巻で語られる内容は人間心理メイン、愛憎どろどろで重かったり暗かったりするのですが、キャラクターの明るさや前向きさ(特に遠子先輩の)に救われてます。
心葉と遠子先輩の微妙な関係も微笑ましい。
ただの先輩後輩にとどまらず、かといって恋愛ともちょっと違う。
心葉が先輩に向ける感情で一番近いのは憧れなんだろうけど、相手は食いしん坊妖怪だから尊敬は余り入ってない。
遠子先輩と心葉が放課後の文芸部でしっぽり戯れるシーンは「私もこんな部活に入りたかったなあ」と無性に羨ましくなります。

事件を解くキーとなってるのは今や死語と化した文学作品ですが、本書自体は良い意味でラノベ文体ですらすら読めるので、これでブンガクに興味を持った中高生が人間失格や嵐が丘を手にとってくれるといいなあと思います。
“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫) Amazon書評・レビュー: “文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)より
4757728069
No.7
(5pt)

すべての“死にたがりの道化”に捧ぐ

“文学少女”というフレーズと美麗なカバーイラスト
に食指が動いた人なら読んで損はありません。

主要登場人物は二人。

物語を愛しすぎて、つい食べてしまうということ以外は
ごく普通の女子高生(?)である文芸部所属の“文学少女”天野遠子。

そして遠子の後輩で、一見、人畜無害を絵に描いたような人物ではあるものの、
実は昔、天才美少女作家であったりと、訳ありな過去を持つ井上心葉(♂)です。

本作では心葉を語り手に“文学少女”が推理ならぬ
「想像」で事件を解決する様が描かれています。

さて、今回“文学少女”の前に現れるのは“死にたがりの道化”。
そう、「生れて、すみません」のあの人に魅入られた人々です。

自己を持て余し、他者との距離感に悩む彼らの潔癖さを、いかに
“文学少女”が読み解き救っていくのか、是非読んでみてください。

私自身の読後の感想は、うまくまとめすぎて、やや理に落ちるな、というもの。

しかし、逆に言えばそれだけ著者が物語全体を把握し、
隙なく構成しているということであり、完成度は高いです。

脇を固めるキャラクターには、所謂「萌え」系もいますが、
女性作家ということもあり、あまり下品になっていません。
今風の、変にとんがったキャラ付けがされてないのも、個人的にポイントが高いです。

遠子を溺愛する理事長の孫・姫倉麻貴や、心葉に好意を抱いているのに、
素直に接することができない琴吹ななせなど、今後の活躍が待たれます。

とにかく、読書という行為に少しでも思い入れ
のある人には手にとってもらいたい一冊です。
“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫) Amazon書評・レビュー: “文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)より
4757728069
No.6
(4pt)

野村美月はやっぱり化けたな

デビュー作から数作読んで以来、久々に彼女の作品を読みました。

途中の「うさ恋」とか、なんかちょっとさすがに・・・というタイトル物には手が出ませんでしたので。

中盤まではタイトルにある「文学少女」の必要性をあまり感じられなかったのですが怒涛の最後の展開でその評価はひっくりかえりました。

この事件の「犯人」というか中心人物の気持ちは誰でも一度は感じた事があるんじゃないだろうか。

読後の感想としては野村美月は期待通り化けたな・・・そう感じました。

内容はかなりハードですがそれでも読後感はなんだかやさしい気持ちになれました。
“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫) Amazon書評・レビュー: “文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)より
4757728069
No.5
(5pt)

言葉というものを大事に考えてくれている著者だと思う

既刊3冊を読みましたが、

表題にあるとおり、言葉に対し、凄く好奇心があり且つ大事に思ってくれているんじゃないか、と思いました。

ます、汚い言葉は出てきません。

それと、修飾語の数では今まで呼んだことのあるライトのベルの中で髄一じゃないかと思えるほどですね。

落ちに若干の物足りなさは感じますが、話の中で筋道を立てようという作者の態度には好感を覚えました。
“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫) Amazon書評・レビュー: “文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)より
4757728069
No.4
(5pt)

これは面白い

うわっ、こりゃ、星五つだなぁ、と思った作品でした。

ライトノベルで、物語をこう「くる、くる」と二度回せている作品は少ない気がします。

大体それが不自然な感じになったり、上手く回せても一度だけくるって回すだけとか、そういうのが多いなか、この作品は

優雅にくるくると二度回して見せました。

みっともない楕円にすることなく堂々と回して見せました。

貴重な作品ではないでしょうか。

わけわからないレビューですいません。

起承転結の転がとても質がよかったということです。

とても面白い作品です。
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4757728069
No.3
(4pt)

妖怪と太宰治

妖怪でなくても良かったのではないだろうか?とも思いましたが、そこがスパイスになっているんだろうか。全体的に重い話ではあるけれども、その文学少女のいっぱいいっぱいな語りが妙に好感が持てたり。残る謎はかなり多いですが、面白いキャラクタに出会えたなと思える1冊でした。
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4757728069
No.2
(5pt)

人を選ぶ、“文学少女”という変人の話?

客観的に見れば、星3つか4つくらいです。

しかし私個人としてはすごく面白く感じたので、星5つです。

この巻は太宰治の作品をもとに話が作られています。

作中で「太宰は好き嫌いがわかれる作家で」と書かれていますが、この作品自体も好き嫌いがわかれやすい要素を含んでいます。偶然の一致かもしれませんが、「そこまで踏襲するとは」と思わされました。

ストーリーは最初コメディっぽい感じですが、後半にかけてシリアス度が高くなっていきます。

謎が何段階も重なって、ぐいぐい惹き込まれます。(ただし人によっては展開が見え見えかもしれません)

作中では登場人物が長い台詞を一気に喋る場面が多くあります。その中の数カ所では、テンポをもう少し調整したほうがいいように感じました。しかし基本的にはテンポも良いし丁寧に書かれた文章だと思います。

個人的なオススメは、クライマックスあたりの遠子先輩の説得シーンです。

(人によって感じ方が大きく変わり、私とは逆にしらけてしまう可能性があるでしょうが)

――それは現実世界を文学世界で例えた解説。

――それはとても正しく世界を表現した解説。

――それはとてもとても馬鹿馬鹿しい説得。

――そしてそれでこそ“文学少女”が本当に真剣に行ったといえる説得。

私はその説得に対し、掛け値無しの賛辞を送りたいです。

変人にしか納得できない、変人の全身全霊に。

そのシーンを読んで私は、本当に心踊りました。

後いくつかポイントを挙げますと、挿絵がキレイ系、遠子先輩が可愛い、心葉の過去とこれからが気になる、あざといツンデレ娘が報われそうな気がしない、等でしょうか。

人を選ぶ作品だとは思いますが、一人でも多くの人にこの本を取ってみて欲しいです。
“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫) Amazon書評・レビュー: “文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)より
4757728069
No.1
(4pt)

あなたは太宰を読みたくなる

竹岡美穂さん描く表紙の “文学少女” に惹かれて買った本。

傍点が多すぎるのがなんだかなぁ。 また、五章での “推理” も、役者のそろい具合といい、それはちょっとどうかなぁという感じ。 あと、顔見見せ程度にしか出てこない登場人物 (琴吹ななせ、姫倉麻貴) が、なんだか中途半端だなぁと思っていたら、シリーズ物の第一作という位置づけだった。

それでもこの作品には、続きを読みたいと思わせる魅力があった。

ところで、 “文学少女” といえば、涼宮ハルヒシリーズの寡黙な文学少女、長門有希がその無言の魅力を持って他人に本を読ませる力を発揮している所であるが、この本の “文学少女” 天野遠子もまた他人に本を読ませる魅力を持った人物(?)であった。 その魅力は、第一章の冒頭 「ギャリコの物語は冬の香りがするわ」 から、六章の “主張” までいかんなく発揮されているのであるが、実はこの作品自体がそれ以上に、ある作家の本を読ませる力を秘めている。

それは太宰治。 自分は不勉強にも 「走れメロス」 「富岳百景」 を教科書で読んだ程度なので、天野遠子がとある作品名を指摘するまで ―いや指摘があった後でも― ピンとこない所があって、悔しい思いをしたのである。

そう、この 「“文学少女”と死にたがりの道化」 には、ベースとなる太宰作品がある。 が、それが何であるのかはここには書かずにおこう。

さて、次はどの作家を読んでみたい気持ちにさせてくれるだろう。 太宰を読んでゆっくり待つとしよう。
“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫) Amazon書評・レビュー: “文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)より
4757728069