“文学少女”と神に臨む作家(ロマンシエ)
- “文学少女”シリーズ (15)
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点10.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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(上)文学少女最終章のテキストは、アンドレ=ジッドの「狭き門」!ついに語られる遠子の秘密!その秘密を明かされたとき立ちすくむ心葉!そして、誰も信じられなくなった心葉の心を琴吹さんの一途な気持ちが癒すのだが。文学少女のシリーズを読んでいるといつも思うことは一見明るく振舞っている遠子や千愛ちゃん、美羽、そして流人ですがその裏ではとんでもない悲しみやどうしようもない怒り、憎しみ、嫉妬、孤独を感じていること。それらを繊細に生々しく描き最後には一筋の光明を読者に示してくれること。下巻でどのような光を見せてくれるか楽しみ! | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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ずっと好きな作品でした。 小学生のころ、表紙のきれいなお姉さんに一目惚れして読み始めた懐かしい思い出があります。 大人になってからも、遠子先輩の長台詞での蘊蓄と、心葉くんの三題咄のお味に一喜一憂する姿にほんわかしたりくすりときたりしていました。 特にシリーズ中でも一番といえるほど好きなシーンが、(あくまで遠子先輩の手紙という形ではありますが)遠子先輩のお母さんの結衣さんと叶子さんの学生時代のエピソードです。恋物語のように一目惚れした同級生と仲良くなろうと必死にがんばったり、ほんの少しの出来事にどきどきするとってもかわいい結衣さんと、冷たくあしらっているように見えて結衣さんを誰よりも強く深く愛していた叶子さん。 この二人のきらきらした過去の幸せが、とてもとても好きでした。 そのせいもあって、私は文陽さんがあまり好きにはなれませんでした。結衣さんと結婚しながら、叶子さんと子供ができるようなことをしてしまったところが、どうしても理解できませんでした。 叶子さんと文陽さんの間にも、強い結びつきがあったのは分かります。 でもそれは、男女という形で現れてほしくはなかったです。 平凡な夫妻の幸福を作家の小説の為に擲つ文陽さんは、良い編集者だったとしても、最低の夫だと思います。私はどうにも結衣さんが可哀相でした。 裏切られるために結衣さんというキャラが作られたようで、悲しくて堪らなかったです。 同じように、ななせちゃんも不憫でなりませんでした。 巡礼者では憎まれ役を買って出て、作家では心葉くんの逃げ場になろうとしたななせちゃん。不器用でまっすぐで大好きです。 心葉くんに名前で呼んでもらうのが夢だったななせちゃん。彼女を心葉くんが名前で呼んだのは、ななせちゃんではなく遠子先輩を選んだ瞬間だったのが、悲しくてリアルに泣いてしまいました。 美羽ちゃんを崇拝と言える程好きだった心葉くんに片思いして、奇跡のようにお付き合いができたと思ったら、他の女性の愛のために別れる……不憫すぎます。 一番悔しいのは、心葉くんはそれを、ある種肯定してしまっていることです。そのどうしようもない衝動が愛だと、正当化してしまっているように見えました。 でも、心葉くんはななせちゃんをふった以上、ある意味では加害者側です。なのにこれでいいのだと云わんばかり遠子先輩にいくのは違うと思います。愛のせいにせず、心葉くんとしてななせちゃんへの裏切り(というと強い気もしますが)を自覚して欲しかったです。ななせちゃんをふった挙げ句ななせちゃんに汚れ役を押し付けているように見えました。 ななせちゃんは前述の通り、「女って恐い」と言われるような役回りを結構させられています。対して遠子先輩は、まるでヒロインとしてあつらえたかのように心がきれいな描写ばかりで、女としての嫉妬とか欲望とかは全く描写されません。(やきもちとか、悪口もかわいらしくコミカルな描写)そういうところを見て遠子先輩を選ぶ心葉くんは、美羽ちゃんを天使として見ていた頃と変わりないように見えます。遠子先輩との道を選ぶのなら、ななせちゃんと付き合ったのは遠子先輩を選ぶためのお膳立てということになってしまいます。好きなキャラをだしにされたようで悲しかったです。 総じて言えるのは、一言で言えない特別な関係性のために、結衣さんやななせちゃんが用意され、裏切られたように読めてしまい、モヤモヤしてしまったということです。 | ||||
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ここまで一気に読み進めて来れたので、間違いなく惹きつけられ 楽しめた物語だと思います。 ただ、もっと違う展開を期待していました。 妖怪のような妖精のような存在を人間にしてしまう必要があったのかな? 一番ひた向きで正直な人が報われないというリアリティを出す必要があったのかな? ファンタジー部分をどうやって終わらせるのかワクワクして 読んできたけど、ある意味とても書きやすい展開に持っていった。 軽過ぎず、遠過ぎず、近過ぎないようなファンタジーのまま 終わらせる事に挑んで欲しかった。 | ||||
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作風なのか知れないが、いろいろ設定の詰め込みすぎだと思う。材料は一流品で美味しいだろうが、調理手段が闇鍋という感じ。キャラが活きているのでラノベとして成立している。ストーリー展開も材料の味でいい感じ。いずれの作品でも前半が緩慢なのはスロースターターだからか知らん。そこら辺、闇鍋にせず素材の味を活かした調理にすれば美味しい料理が沢山出来るかと思うのだけど。 | ||||
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文学少女シリーズは良いと思う。だけど、その設定で今回の展開は強引だったんじゃないでしょうかね。 学園ラノベの舞台で恋愛サスペンスを始めて、既存キャラに何やら追加設定を加えてってなると戸建て住宅の建築中に気が変わって?豪勢な豪邸に改築を始めたようで、いろいろ全体構造が分からなくなってしまっている。古典小説の話をする近代小説の話をする小説ってもう何が何やら・・・。脇役?の流人くんの改造も凄まじくて誰がメインか分からない感じにも・・・。 | ||||
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これはラノベなのかな。挿絵はライトノベル的でもあるけど、中高生だけじゃなく大人でも楽しめます。 構成は、京極夏彦の京極堂シリーズに近い感じ。あちらは怪奇事件を妖怪の伝承に絡めながら、人間の業のようなものを解き明かしていくのに対して、こちらでは、天野遠子が文学作品に絡めて事件を解きながら、関わる人々の心に癒しを与えていくところが大きなポイント。 もう一つの主題は、遠子先輩を代表する読者の期待や渇望と、美羽で表現される書き手の苦悩や焦りのコントラストなのかな。心葉や叶子さんは、苦悩する作者であり、渇望する読者であり・・・。 サスペンスとして本当によくできていて楽しみもしたし、小説を読める幸運がより大きく感じられるという点でも、文学が好きな方に是非お勧めしたいです。 | ||||
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