(短編集)
涼宮ハルヒの退屈
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やはり、ハルヒさん。 最高です。 楽しいね、 大変やけど、 友だちにほしいね | ||||
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過去本で持っていたが、転居の際捨てざろう得なく悔しい思いをしたので。 | ||||
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無料で読めるみたいなので読んでました。 10年くらい前の作品ですが、普通に面白かったです。 | ||||
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いっときのアニメを代表したハルヒの原作を今更読みすすめてるんだけどこの5冊目で射手座の日ってアニメ1期の話が出てきて、あとがきには未だにアニメ化の話もない。イラストレーターは表紙とカラー口絵だけはきちんと描くが中の挿絵はラフ描きなので最近のラノベを読んでるとただの手抜きにみえる。こんなにハイクオリティな小説が殆ど世間から知られずにいた原作の谷川流はこの頃のハルヒをどんな気持ちで書いてたんだろ…と当時はまったく存在を認識してなかったけど今更おもうくらいの傑作シリーズ。だが…。 エンドレスエイトは押井守のビューティフルドリーマーまんまだなあ、と8回繰り返すアニメを観つつおもった。1期のおもしろさもよくわからなかったのであからさまに演出の質が劣化した2期で観るのをやめたもののあれだけはある意味でおもしろかったが「夏の繰り返しは発端であって、それを主題にもってこられてもなあ、後発のほうが劣ってるってどうよ」と思ったのだがこの原作者がそんな素人の的はずれなしょうもない批判に当てはまる人のわけがなかった。 そのビューティフルドリーマーは今年観た岡本喜八の太平洋戦争の最終日、8月15日をえがく映画「日本のいちばん長い日」の翻案みたいな作品だとようやく理解した。つまり太平洋戦争をやめたくない若い日本兵と同じく、ラムの夢からさめたくないので夏を繰り返すのである。この映画の戦争をやめたくない若い日本兵があげる嬌声がメガネの千葉繁に似てるんだ。どっちも映画の最後で学校のチャイムがなるよ。太平洋戦争が終わったのも夏。つまり敗戦を認めたくないので、押井は何度も何度も終わりなき夏の戦争ごっこアニメを作るわけ。その終わりなき夏の戦争ごっこはエヴァに引き継がれるが夢オチで逃げちゃダメだ…とやった庵野は作品を盛大に崩壊させ、シンまで20年以上を費やしてゴジラでもまた日本のいちばん長い日のオマージュやってる。 つーか本物の太平洋戦争を夏休みを終わらせたくない子どもの遊びにした岡本喜八に戦争ごっこアニメで勝てるわけないんだ。それは戦後生まれの限界である。戦後生まれが戦争ごっこで戦中世代の本物の太平洋戦争に勝つなんて発想が竹槍で米軍に勝とうな大日本帝国と一緒じゃん。夏休みを終わりにしたくないのは敗戦を認めたくないのと一緒だから。 そのエヴァのTV最終話の学園エヴァを引き継いで始まったのがコレ。うる星やつらをラムの見ていた夢にしたのと同様に、この学園ラノベの世界は実は神であるハルヒがつくったものってゆうSF。1冊目にある入学直後の有名な自己紹介。あれは、ただのスベった自己紹介ですよねわたモテのもこっちと一緒で。よってハルヒもぼっちになりかけましたがキョンが声をかけてきました。 ディズニーの新作アニメのプリンセスは美少女じゃなくて天パ眼鏡っ娘ですよ。多様性配慮。…天パ眼鏡ってのは自分が見た限りアメリカ映画のナード少女のテンプレですね。ゴーストバスターズの新作もそんなん。そんな教室の隅っこの陰キャがプリンセスに!なんてのを鼻白む日本のオタク。「眼鏡っ娘の主人公なんて日本にはいっぱいいるじゃん」というと「お前らオタクの性的消費と一緒にするな」といいますがこのハルヒのどこに性的消費があるというのか。朝比奈さんくらいじゃないか。誰も彼もがエロ同人で喜んでると思われると困ります。 教室の隅っこのオタクがプリンセスに!ってのは要は今年のプロムクイーンと一緒ですが、豚の血をぶっかけられたりしないの?日本のアニメは教室の隅っこの陰キャを中心に連れてくんじゃなくて教室の隅っこを学校の特等席にするのです。陰キャの立ち位置じゃなくてカメラの向きを変える。これがオタクの多様性。教室の隅っこはスクールカースト上位からみた世界ですが陰キャの世界地図じゃ隅っこが中心なんです。つまり極東ではなく日本こそ世界の中心の思考。そこに美少女がいるわけですね。高木さんの隣の席にいる西片だけが彼女とフラグを立てられる権利を持つのです。 「結局は美少女じゃなきゃヤなんじゃないか」って? …そろそろ本書の感想を描きますが夏から秋、そして冬へ、の季節の移ろいを描く本作は前作の消失の補完みたいな話です。消失の平行世界をうみだした長戸のバグの蓄積。 エンドレスエイトはビューティフルドリーマーを参照にしてますが改めて読むと根本から違います。あっちは夢からさめたくないのに本作のキョンは夢を終わらせようと奔走するのです。何故なら夢からさめたくないのはハルヒなんで。 この話はそのSFを除外するとふつうの青春ラブコメっぽいので楽しそうです。オチもただそれだけなの?だったのでアニメをみたとき拍子抜けしました。8回も注いでやる話じゃないっしょ。ただ今更読むとわかります。 「勉強一緒にやろう」なただそれだけのことを自分で言えない娘なのです。中学時代まで友達がいなかったんでしょう。だから高校デビューを目論んで奇抜な自己紹介もしましたがもこっちと同じく盛大にコケました。もこっちが修学旅行がはじまるまでの長きに渡り辛酸を嘗めたのに対しこっちはキョンが居たからよかったですがどうにしろ奇抜なこと言って退屈を嫌っても、ただ友達作って楽しい青春を過ごしたかっただけ、だからこの永遠の夏休みも一緒に勉強しようが言えない程度のことで発生し、そのひとことで解決するんで、ただそれだけなの?なことも言えない10代の女の子の求める退屈のない日常ってのはそんなもん。「戦争を終わらそう」にくらべりゃそれだけのこと。 …なんだかつまらないなあ。ホントに宇宙人や未来人がいるほうがおもしろいじゃん。そっちの夏休みは終わらなきゃいいのにと思うでしょう、男が。 ということで夏休みを勝手に終わらされた男子連中が宣戦布告してきて戦争ごっこが始まります。射手座の日は太平洋戦争最終日に計画されたテロみたいなモンです。 そんな終わりなき夏休みもそのあとのテロもすべて一人の少女が鎮圧しました。でも無理がたたってバグってしまいました。何故なら少女にそんな力は本来ないので。戦争を終らせる力なんかありゃしないのです。岡本喜八の日本のいちばん長い日にでてくる女性はモブ1人だけ。戦争の主体は女性に与えられてないのです。主体があるのは男。よって最終権限はキョンにあり、イカサマはなしだといったのにコレはイカサマじゃないと無茶をいって「やっちまえ!」と太平洋戦争で勝つという歴史修正をぶちかまします。 此処に於いて永遠の夏休みの主導権はキョンに移り、神のハルヒはただの神輿、ビューティフルドリーマーのラムのポジションに収まりました。権限のない1人の少女に無理を強いたのでバグってしまいましたがその結果ハルヒが消失したふつうの学園ラブコメなんてくそつまらない、普通に青春するだけの夏休みもくそつまらない、神と宇宙人と未来人と超能力者と同じ部活な刺激的非日常最高、となり、ついでに世界を滅亡させるバルスと同じ一言まで手に入れたのでまさに無敵。太平洋戦争で勝利した妄想戦後日本で凱歌としての嬌声をあげたのです。 「結局美少女じゃなきゃヤなんじゃないか」…当たり前である。何故なら太平洋戦争はやんごとなき方を担いでやってたのである。多様性に配慮して変えられるわけないじゃん。なにしろ神様だぞ。 …文化祭のライブ回がアニオリだと解りましたがあれは正しいんですか?軽音部の手助けをして感謝され普通に嬉しいハルヒの姿はキョンにとってつまらん現実に引き戻す忌むべきものなのでは?あの程度の承認で満たされるくらいならこんな誇大妄想めいた話にならないわけで。小耳に挟んだはなしではあのライブ回にはアニメ制作サイドで原作者の意見を突っぱねた部分があるとかそんな話もあったらしいが原作者がどー思ってたのかは不明。そもそもあのアニメがなきゃハルヒに興味をもつことすらなかった人間が言っていいわけでもないし。アニメの3期もなさそうな今となっては過ぎた過去の話のようでもある。 そして原作は未だに終わってないのだが太平洋戦争をパソゲーで勝利するデジタルネイティブ世代は先達に結論が出せなかったものにどうだすつもりだったんだろうか。何度読んでもこの小説は語り部のキョンが一番おかしく、メタ突っ込みから時間シャッフルまであらゆるテクニックを駆使して語ってるがこれはいつ何処のキョンが語ってるんだ?というあたりにヒントがありそうだがこんだけ風呂敷広げると畳むのも相当難儀、そもそも最初の想定の畳み方だと畳めない、完璧に練ったつもりのシナリオもあっちこっちびバグがあったと明らかになり日本のいちばん長い日で「終わらせ方が大事」というがそれができれば苦労はしないから今日にまでいたるのである。 日本のアニメ美少女に多様性に配慮してないディズニーを見習え、なんて言葉で終われるならだれも苦労はしない。そもそも日本に原爆落としたのはアメリカだ。もっとも大日本帝国もロクでもないので、下には更に弱いものがいるだけなのでその音が響き渡るとブルースは加速するわけだが次は夢の駅なのでやっぱりビューティフルドリーマー。こうして終わりなきグルグルは続くわけだが、戦後にケリをつけるにはモブ1人だけの女性に目を向けなくてはならず、歴史に埋もれた神なモブの女性の感情をみつける物語である進撃の巨人は平和ボケの壁の向こうから突然超大型巨人が襲来してはじまるので「終わらせ方が大事」だがそれができれば苦労はしない。人類の歴史が円環で繰り返す火の鳥も未完だった。この小説も終わっていないし終わっても納得のいく結末は用意できない。読者にできるのはたぶん原作者の感情を拾うくらいだろう。それくらいならできるかもしれないしそれがちりつもやまとなでこで終わらせる鍵になるかもなので続きも読んでいくか。 | ||||
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今更原作読んでるがまあおもしろい。何が面白いかって語り部のキョンの語りが楽しい。1冊目を読んだときはぼくのきらいなヤレヤレ系の開祖かよと思ったがまるで講談師のような流暢で蘊蓄を交えつつの洒落っ気のあるトークを読みいっちゃいますね。最近のただヤレヤレ言ってるだけの連中に爪の垢を煎じて飲ませたいものだよ。しかしこいつ、だれにむかってかたりかけてるんだ。 本作は短編集だがぜんぶジャンルが異なってるうえにストーリーのアプローチも凝っておりシナリオもよくできてるし内容は充実。そのなかでいろいろとみえるものもある。 ハルヒは1冊目だと非日常を望んでるようだったが3冊めまでくるとどうも全然そうじゃなくみえてくる。なにしろおもしろいことが起こってても気づかない。2冊めの映画撮影でも超常現象のような長門の瞬間移動をスルーしたし、野球でものすごい変化球をなげてもホームランをあれだけ連発するという奇跡がおきてもまったく関心を示さない。3年前にいまのSOS団と同じふたりに会っててもそこをあまり深く聞こうとしない。つーか北高に入学して先ず卒業生の名簿でも確認しそうなものだ。 パソコン強奪した相手が失踪したのも引きこもってるわけではないと知ったら早々に手を引くのが、あれはあまり楽しくない結果が待ってるかもしれないのがこわかったんだろう。それは次のミステリ話ではっきりする。SOS団の秘密に気付かなくても、食いついてもよさそうな奇想天外はそこら中に転がっており好奇心旺盛なハルヒならこれらには気づけそうなもんだ。でも気付かない。気づいてるけど気づきたくないだけなのかもしれない。 言わずと知れた話だろうがぼくは今更読んだので書くと1冊目のハルヒの苦悩はモラトリアムグルグルである。大人になるのならないのでグルグル悩む、という掃いて捨てるほどあって実際に捨ててしまえばいいのにというやつ。2冊目で文化祭の準備にむけて小泉が夢オチを提唱するのでまるっきりグルグルの先達、ビューティフルドリーマーだ。ハルヒと長門もグルグルの先達のエヴァだし。でもグルグルものの主人公は男と相場が決まっている。たまに女もいるけど中身はオッサン。でも本作だと女子。 グルグルものは最終的に現実に向き合うか向き合わないかの二者択一になるがどっちにも女性がひつよう。現実に向き合うときには「他者としての女性」が必要で、向き合わないときは「お母さん」が必要。 後者はグルグルしてても勝手に年齢を重ねておとなになるのでそのあともお母さんみたいにそれを許してくれる女子が必須。エヴァだと母親のクローンだからしい綾波がそれなので旧劇のときはグルグルが肥大化するにつれお母さんの綾波も巨大化しましたが現実に向き合う際にああなりました。 この作品だと綾波のキャラ設定をそのままトレースしたごとき長門が同様の見守り役を務めますがあまりにも長きにわたる時間、見守り役を続けてるので読んでないけど映画はみた次の消失でああなったんでしょう。 前者の場合は現実に向き合うので旧劇の冒頭であんなことしたように根幹にある女性嫌悪に正直に向き合ってアスカをああしたのちにきもちわるいと言われました。他者たる女にそう言われろ、現実に向き合えというわけだが本作はアスカを踏襲したハルヒがグルグルする当事者になっている。本作の語り部はキョンであり、ハルヒは「他者」として描写されてはいるがグルグルしてるのもハルヒなのでありついでに神でもあるので現実に向き合ったところで出口がないようにも。 ということで二者択一がすでにどん詰まってしまってるっぽい本作にて重要なのがやはりキョンなのだろう。くりかえし、かれは一体誰に話しかけているんだろうか。 それがいちばん変なのは最後のミステリ話である。この話は人が死んでいるところに遭遇したとこから始まり、わざわざ時間軸を巻き戻してそこに至るまでを後説法でやってくれる。というか彼がそれをやってくれないとこの話はミステリとして成立しないのだが、「そろそろリアルタイムに戻す」なんてメタまでぶっこみ一体誰に語っているのか。一人称語りの回想にしちゃやたらと細かいディテールまで語ってみせているのだがどんな記憶力の持ち主なのか…というか、何時どこでこれを語ってるんだキョンは。 そこは気にしなくてもいいのでは、ではなく間違いなくこれが宇宙人でも未来人でも超能力者でも神でもないキョンの特異性に違いなく、それがハルヒの既に出口なしにみえるグルグル解決の鍵になると思うの。前作でビューティフルドリーマーな夢オチの代わりのオチを用意したのもやっぱりキョンだし。 出口はないのでなく、あるけど、その出口にはハルヒは行きたくなく、その出口に気付かないふりをしているのは何も知らない神様なのにGod knows…と歌わすなかなか気の利いた歌詞のなかにあるとおりなのかもしれず、それとはことなる出口をキョンが示すとかそんなんでないかと。それとうえのような彼の特異性が繋がってくると思われ。 …ということで続きも楽しみなのだが、ひとつだけこまるのがこの小説、完結してないんだよな…。 この3冊めでもあとがきにアニメへの言及がないし挿絵もだいぶ適当なので、この頃はそんなに売れてなかったがアニメ化に伴い人気が出て終わらせられなくなる引き延ばし問題はラノベの世界にもあるのかも知れぬ。結果、未だにグルグルしてるわけだ…。 | ||||
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