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(短編集)
鬼火
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【この小説が収録されている参考書籍】
鬼火の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 1~20 1/2ページ
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『鬼火』は「新青年」掲載の際、描写の一部が検閲に触れ、一部削除を命じられたため、数奇な運命を辿り、大まかに流布版、オリジナル版、改稿版等が存在する。 流布版 昭和10年(1935年)に短編集(春秋社版『鬼火』)に収録の際、著者により削除箇所の補填改稿がなされ、以来、長らく流布している春秋社版テキスト オリジナル版 昭和44年(1969年)に刊行された桃源社「鬼火・完全版」 中井英夫が保有していた削除の難を逃れた「新青年」を基に刊行されたもの。 下記図書で読むことが可能。 ・『新版横溝正史全集2 白蝋変化』(講談社, 1975/6) ・『小説 野性時代 第128号』(角川書店, 2014/6) ・横溝正史ミステリ短篇コレクション2鬼火(柏書房, 2018/02) 改稿版 昭和50年(1975年)に発売された角川文庫版の「鬼火」 桃源社版「鬼火」を底本とするも、さらに著者が大幅な加筆修正を行った。 その他の版 創元推理文庫「日本探偵小説全集9・横溝正史集」 改訂版の本文に編者が削除部分をはめ込んだ折衷版 角川版を底本としつつ、「新青年」掲載の折に当局から削除を求められた部分をゴシック体で表現、さらに当時の挿絵を描いた竹中英太郎の挿絵が全て収録。 藍峯舎『鬼火 オリジナル完全版』 「新青年」掲載のテキスト単行本。表記も発表時の旧字旧かな。 「新青年」で本文に添えられた竹中英太郎の挿画全点を、現存する原画から復刻 | ||||
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題材にも文体にもdéjà vuを感じた。そう。解説にもあるが、谷崎潤一郎の悪魔主義的作風の横溝版なのだ。加えて、乱歩の匂いもする。ただし、両者ほどの洗練があるかと言えば、やや苦しい。趣味が良いかどうかは読む人次第。 理に拘った戦後の傑作群とは趣を異にする6短篇が収録されている。逸品揃いと考えるか否かは読む人次第。まぁ読んでみることを薦めます。 | ||||
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鬼火が凄い。これぞ横溝正史の原点。 著者が病気で苦しんでいた時の作品なので重苦しくおどろおどろしいが、人のしがらみや葛藤の中に切なさや退廃的な美があって世界観に浸れました。悲しいおとぎ話のような魅力ある一編です。 | ||||
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横溝正史と言えば探偵小説。間違いではありません。しかし、それは彼の一面であり全てではありません。 この短編集は彼の耽美主義の一面にフォーカスした一冊であり、探偵小説を期待する読者は肩透かしを食らうかもしれません。 個人的な事ですが、初めてこの本を読んだのは11歳の夏。「蔵の中」の主人公の姉に胸を焦がすような感情を抱いた魔法のような夏でした。その後、引っ越しやら何やらで失くしてしまったこの一冊。52歳の夏に 再び手にすることが出来ました。 | ||||
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状態が思ったより良かった。 | ||||
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著者の『本陣殺人事件』『獄門島』『八つ墓村』『悪魔の手毬唄』といった代表作が、岡山近辺を舞台としているのは、著者の疎開先だった縁というのは有名な話。だがその十年ほど前に著者が筆一本で立つことを決心して職を辞して早々、病に侵されて諏訪に転地療養していたとは知らなかった。 「面影草紙」が職を辞した翌年の作品、「鬼火」が療養中の昭和9年に細々と書き連ねたもの、「蔵の中」「かいやぐら物語」「貝殻館奇譚」「蝋人」は回復期間に、あるいは回復してから書かれたもので、この時期、著者が誰それから聞いた話として、途中から誰それの一人称として語られる説話体を得意としていたらしい。 上にも書いたように、本書の6篇ともに犯罪が絡むものの探偵役は登場せず、幻想小説の態であるから、金田一耕助ものの延長で読んだなら、あるいは拍子抜けする人も多かろうが、幻想味のある悲話として、なかなか趣のある話が揃っている。 | ||||
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再版は、背表紙が異なるので、間違いがおこらないような説明がほしいところです。 横溝正史作品の昭和版は304で、再版は38となっていると思います。 | ||||
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なし | ||||
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good | ||||
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戦後の金田一耕助シリーズも魅力的ですが、金田一シリーズ開始以前の横溝正史の耽美的代表作と言っても過言ではないでしょう。 21世紀には存在し得ない世界観を味わう事が出来ます。 しかし時は移れど人の心や男女の愛憎はいつの時代も変わらないものですね。 | ||||
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杉本一文先生のイラストが迫力があり、とても良いです。 質問に対しても丁寧に対応していただきました。 ありがとうございました。 | ||||
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ずいぶん久々に横溝作品を読みました 藏の中は初めて読んだ気がします なかなか面白かった | ||||
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金田一耕助シリーズで有名な横溝正史。 この本は昭和10年ころ、金田一耕助シリーズ前の横溝が書いた短編集です(当然、金田一耕助は登場しません)。 耽美で陰鬱な世界観が作品を取り巻いています。 確か高校生の頃に読んだのですが、胸を締め付けられるような思いを抱きながら読んだように思います 就職後の何度もの引っ越しで蔵書から抜け落ちてしまいましたが、今は既に絶版らしい。。。 どうしても、もう一度読みたくてamazonの中古で再入手しました。 江戸川乱歩、泉鏡花、そして横溝正史の若い頃の作品。 若い頃の僕はこういうのが好きだったんですよね^^; 次は泉鏡花を読んでみようか。 | ||||
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作品というより、闘病生活の話のほうが面白かったりするのです。それと戦前の横溝は耽美物で戦後に本格派となったということが言われるが、誤解だと思う。鬼火も真珠郎も結構本格ものだと思うのですが。 | ||||
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終戦直後の「本陣」「蝶々」に至るまで、何故正史には真の本格物がなかったのか。それ以前の20年とは何だったのか。 4号にしてどうにか戦前作品が題材になった。この時代こそ最も研究を要する期間だと思う。 横溝亮一・宣子御二方のインタビューにあるように、正史に家族以外の同居者の分まで養わなければならぬ時期があったのは意外と重要な内情かもしれない。 紀田順一郎が乱歩は「怪奇幻想=体質、本格=学習」で正史はその真逆なのではと問う。 正史の資質はそんな単純に割切れるものだろうか? 今後も検討を要するテーマだ。 乱歩リファレンスの総帥・中相作が編集者としての正史の内面にまで迫っているのはさすが。倉西聡の「鬼火」の構造に本格の気配があるという指摘は悪くない。 そして谷崎潤一郎(永井敦子)、エラリー・クイーン(飯城勇三)の影響論。後者は「戦前の正史はトリックの消化・装飾のみで、必然性・手掛りの設定がない」と言う。 手軽に読める「かひやぐら物語」と「淋しさの極みに立ちて」の再録は必要? 引用の多い宮本和歌子、中沢弥は論旨を明確に伝えるスキルが課題。 各項、作品の表層だけでなく、もう一歩正史を取巻く時代の状況にまで深く踏み込んでほしかった。 いつもの事ながら、これだけは読むに堪えないのが連載鼎談「観てから読む横溝正史」。 「横溝さんの作品は全部、最初に出てきた綺麗な人が犯人なんだよ」とか「戦前の横溝は良いものがない」とか無知すぎて不愉快にさせられる。 例えば正史の欠点に触れるとしても、読者が「正史をよく読み込んでいるのだな」と納得するような内容ならむしろ歓迎する。 だが、正史の事を全く解ってない人間の与太話に45頁も使う神経が判らない。正しく正史を語れる人材は他にいるだろうに。 これなら「芙蓉屋敷の秘密」「塙侯爵一家」「呪ひの塔」「覆面の佳人」あたりを掘り下げるべきではなかったか? 二松学舎大は横溝正史旧蔵資料を引き受けたという責任の重さを自覚してほしい。 | ||||
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かつて読んだ「蔵の中」を再読したかったので購入。 他作品もそれなりに味わいはあるが、私には「蔵の中」のあやかしの耽美がダントツで好ましい。 他に「鬼火」「孔雀屏風」は良かった。でも「蔵の中」には及ばない。 | ||||
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本来、本書の表題作は『鬼火』であったが、『蔵の中』の映画化による話題から売上を期待した出版社がこの表題に変えたものであって、メインはやはり元の表題作の『鬼火』である。 『鬼火』だけではなく本書に収められているのはいずれも金田一耕助が登場する以前の戦前の作品で、乱歩の言うように「意識してか無意識にか」谷崎潤一郎の影響が見られ、中でも『鬼火』の登場人物たちの妄執には鬼気迫るものを感じずにはいられない。 ただ、例えば『鬼火』ではなぜ語り手の竹雨宗匠が代助とお銀の死の真相を知っているのかとか、『蔵の中』の笛二は結局何をしたくて磯貝に原稿を送ったのかとか、『蝋人』の今朝治は獄中にいたはずなのにどうして山惣の妾宅に現れたのかとか、各作品にツッコミを入れたくもなる。 つまり本書の作品は戦後の作者作品と違って合理性・論理性に欠けているのだが、そういうツッコミは無粋と言うものだろうか。 『面影双紙』だけは最後のオチが利いていて面白かったと思う。(いや、『鬼火』もツッコミを入れたが、理屈ぬきで面白かったと思う。) | ||||
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「鬼火」「蔵の中」「かいやぐら物語」「貝殻邸奇譚」「蝋人」「面影双紙」の6編が収められている。 いずれも昭和10-11年に執筆されたもので、横溝の作品のなかでも異色の、幽玄美を押し出した幻想的な作品となっている。 グロテスクだけど美しい、怪しい世界が広がっている。じめじめとした日本的な「暗さ」がある。決して出来は悪くないと思う。 ただ、どこかランスの悪いところがある。横溝は、こうした作品には向かないような気がするのだ。ミステリとしての合理性が先に立ってしまっているし、どんでん返しが持ち込まれたりすると、読者ははっと現実に引き戻されてしまうのだ。また、結末の弱さも目立つ。 こうした作風で突き進まず、戦後に金田一ものをつくり出してくれたのは、本当にありがたいことだ。 | ||||
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昭和10年前後に執筆された短篇、中篇が収録されたこの作品集は推理小説ではない。後年の作品にも顔を出す、著者の耽美的で幻想的そしてグロテスクな世界感だけが凝縮された収録された作品集である。「文学的な完成度が高い」という指摘があるが、まったくそのとおりだと思う。 金田一耕助シリーズも横溝正史でなければ書けない小説だが、この世界も著者にしか書き得ないであろう。横溝正史を語る上で避けることの出来ない一冊だ。 なお、本書の解説は、横溝作品の殆んどの解説を手掛ける推理小説評論の大家中島河太郎である。出来の良くない作品の解説になると粗筋を紹介してしまう癖がある人で憎めないのだが、本書の解説には力が入っている。そういう面からもこの作品の価値をうかがい知ることが出来る。 | ||||
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二人のいとこ同士の画家の葛藤を軸に展開される怪奇耽美小説。 火傷を負い顔が醜くなりゴムマスクで隠すー後の犬神家の一族の佐清に生かされているようなところもある。 一時は軍部の指示により大幅な削除を命じられたのだが、後に原文が見つかり現在では当時そのままで読めるようになった。 | ||||
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