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(短編集)
鬼火
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【この小説が収録されている参考書籍】
鬼火の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.11pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 1~20 1/2ページ
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| 昭和十年前後に発表された短篇を六本、収めています。妖艶怪奇の味わいが何とも魅力的で、文章がまた流れるが如く美しい耽美の粋を凝らしたもの。うっとりさせられました。 なかでも、「鬼火」「蔵の中」「面影双紙」の三篇が抜群の読みごたえで魅了されましたね。 中篇「鬼火」の、呪われし復讐と運命の闘争譚のぞくぞくするような面白さ。 短篇「蔵の中」の、遠眼鏡を通して眺めていた光景が現実味を帯びてくるサスペンス。そのスリリングな味わい。 短篇「面影双紙」の、少年の目を通して語られし話のぞっとする恐ろしさと、大阪弁の妙味。 いずれもめっちゃ素晴らしい出来栄えで、惚れ惚れさせられましたです。 杉本一文の文庫カバーイラストも、本作品集にふさわしい、雰囲気豊かな逸品であります。 収録作品ならびに雑誌初出年は、以下のとおりです。 | ||||
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| 『鬼火』は「新青年」掲載の際、描写の一部が検閲に触れ、一部削除を命じられたため、数奇な運命を辿り、大まかに流布版、オリジナル版、改稿版等が存在する。 流布版 昭和10年(1935年)に短編集(春秋社版『鬼火』)に収録の際、著者により削除箇所の補填改稿がなされ、以来、長らく流布している春秋社版テキスト オリジナル版 昭和44年(1969年)に刊行された桃源社「鬼火・完全版」 中井英夫が保有していた削除の難を逃れた「新青年」を基に刊行されたもの。 下記図書で読むことが可能。 ・『新版横溝正史全集2 白蝋変化』(講談社, 1975/6) ・『小説 野性時代 第128号』(角川書店, 2014/6) ・横溝正史ミステリ短篇コレクション2鬼火(柏書房, 2018/02) 改稿版 昭和50年(1975年)に発売された角川文庫版の「鬼火」 桃源社版「鬼火」を底本とするも、さらに著者が大幅な加筆修正を行った。 その他の版 創元推理文庫「日本探偵小説全集9・横溝正史集」 改訂版の本文に編者が削除部分をはめ込んだ折衷版 角川版を底本としつつ、「新青年」掲載の折に当局から削除を求められた部分をゴシック体で表現、さらに当時の挿絵を描いた竹中英太郎の挿絵が全て収録。 藍峯舎『鬼火 オリジナル完全版』 「新青年」掲載のテキスト単行本。表記も発表時の旧字旧かな。 「新青年」で本文に添えられた竹中英太郎の挿画全点を、現存する原画から復刻 | ||||
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| 題材にも文体にもdéjà vuを感じた。そう。解説にもあるが、谷崎潤一郎の悪魔主義的作風の横溝版なのだ。加えて、乱歩の匂いもする。ただし、両者ほどの洗練があるかと言えば、やや苦しい。趣味が良いかどうかは読む人次第。 理に拘った戦後の傑作群とは趣を異にする6短篇が収録されている。逸品揃いと考えるか否かは読む人次第。まぁ読んでみることを薦めます。 | ||||
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| 鬼火が凄い。これぞ横溝正史の原点。 著者が病気で苦しんでいた時の作品なので重苦しくおどろおどろしいが、人のしがらみや葛藤の中に切なさや退廃的な美があって世界観に浸れました。悲しいおとぎ話のような魅力ある一編です。 | ||||
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| 横溝正史と言えば探偵小説。間違いではありません。しかし、それは彼の一面であり全てではありません。 この短編集は彼の耽美主義の一面にフォーカスした一冊であり、探偵小説を期待する読者は肩透かしを食らうかもしれません。 個人的な事ですが、初めてこの本を読んだのは11歳の夏。「蔵の中」の主人公の姉に胸を焦がすような感情を抱いた魔法のような夏でした。その後、引っ越しやら何やらで失くしてしまったこの一冊。52歳の夏に 再び手にすることが出来ました。 | ||||
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| 状態が思ったより良かった。 | ||||
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| 著者の『本陣殺人事件』『獄門島』『八つ墓村』『悪魔の手毬唄』といった代表作が、岡山近辺を舞台としているのは、著者の疎開先だった縁というのは有名な話。だがその十年ほど前に著者が筆一本で立つことを決心して職を辞して早々、病に侵されて諏訪に転地療養していたとは知らなかった。 「面影草紙」が職を辞した翌年の作品、「鬼火」が療養中の昭和9年に細々と書き連ねたもの、「蔵の中」「かいやぐら物語」「貝殻館奇譚」「蝋人」は回復期間に、あるいは回復してから書かれたもので、この時期、著者が誰それから聞いた話として、途中から誰それの一人称として語られる説話体を得意としていたらしい。 上にも書いたように、本書の6篇ともに犯罪が絡むものの探偵役は登場せず、幻想小説の態であるから、金田一耕助ものの延長で読んだなら、あるいは拍子抜けする人も多かろうが、幻想味のある悲話として、なかなか趣のある話が揃っている。 | ||||
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| 再版は、背表紙が異なるので、間違いがおこらないような説明がほしいところです。 横溝正史作品の昭和版は304で、再版は38となっていると思います。 | ||||
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| 購入者も注意しないといけないのですが、新品と書かれていて、ひょっとして、デッドストックか⁉️と思い違いをしてしまいました。 | ||||
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| 金田一耕助シリーズで有名な横溝正史氏の手に拠る、怪奇にして情念が渦巻く短編集。 戦後の大作家になる前の、雌伏の時期の短編集であるため、後の金田一シリーズに見られるような構築性は、ここには存在しない。 ただ戦前の作品集であるので、横溝正史氏の作品のもう一つの魅力である「耽美的とも云える怪奇性、グロテスクさ」とでも呼ぶべき魅力が、漢語的な文体によって典雅に紡がれていく。 誰にも薦められるという作品集ではないが、金田一耕助シリーズや人形佐七捕物帳シリーズは粗方、制覇したというような「すれっからしの」横溝正史氏のファンの方方や、戦前の趣溢れる怪奇小説を愛好される方々には、是非にと薦められる短編集である。 | ||||
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| なし | ||||
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| 『鬼火』…これという明確なきっかけがあるわけでもないのに、それが定められた宿命であるかのように、物心ついた頃から、たがいに競い合い、ねたみ合い、いがみ合い、憎み合ってきた従兄弟どうし。長じて、官能美に崩れたひとりの女をくわえ、屈折した三角関係を形成するや、陰湿な近親憎悪の炎はさらに鬼火のように燃えさかり、ドス黒い怨讐の淵へと転落してゆく…。後の『車井戸はなぜ軋る』や『犬神家の一族』などにもみられる、判別がつかなほど顔の崩れた男というモチーフもまじえ、暗くおぞましい人間の業を描きあげた秀作。 その他、万華鏡をのぞくような耽美な作中作『蔵の中』―、月光の浜辺で神秘な女のかたる美しい怪異談『かいやぐら物語』―、珍奇な品々や仕掛けがパノラマめいた幻惑をつくる館を舞台にした不思議な犯罪劇『貝殻館綺譚』―、うら若い美貌の芸妓と美少年騎手の恋路に、人形愛という妖奇なガジェットをからめた悲恋物語『蠟人』―、旧家の奥座敷の暗がりにかいま見えた不吉な夢魔を、大阪弁の絶妙な語り口調で描きあげた傑作『面影双紙』―。耽美な幻想怪奇の物語のうちにも、うつし世の哀切と残酷とを語りあげた、金田一耕助シリーズとは一味も二味も違う戦前の横溝正史を堪能できる、粒よりの短編集になっている。 | ||||
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| good | ||||
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| 戦後の金田一耕助シリーズも魅力的ですが、金田一シリーズ開始以前の横溝正史の耽美的代表作と言っても過言ではないでしょう。 21世紀には存在し得ない世界観を味わう事が出来ます。 しかし時は移れど人の心や男女の愛憎はいつの時代も変わらないものですね。 | ||||
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| 杉本一文先生のイラストが迫力があり、とても良いです。 質問に対しても丁寧に対応していただきました。 ありがとうございました。 | ||||
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| ずいぶん久々に横溝作品を読みました 藏の中は初めて読んだ気がします なかなか面白かった | ||||
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| 金田一耕助シリーズで有名な横溝正史。 この本は昭和10年ころ、金田一耕助シリーズ前の横溝が書いた短編集です(当然、金田一耕助は登場しません)。 耽美で陰鬱な世界観が作品を取り巻いています。 確か高校生の頃に読んだのですが、胸を締め付けられるような思いを抱きながら読んだように思います 就職後の何度もの引っ越しで蔵書から抜け落ちてしまいましたが、今は既に絶版らしい。。。 どうしても、もう一度読みたくてamazonの中古で再入手しました。 江戸川乱歩、泉鏡花、そして横溝正史の若い頃の作品。 若い頃の僕はこういうのが好きだったんですよね^^; 次は泉鏡花を読んでみようか。 | ||||
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| 作品というより、闘病生活の話のほうが面白かったりするのです。それと戦前の横溝は耽美物で戦後に本格派となったということが言われるが、誤解だと思う。鬼火も真珠郎も結構本格ものだと思うのですが。 | ||||
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| 終戦直後の「本陣」「蝶々」に至るまで、何故正史には真の本格物がなかったのか。それ以前の20年とは何だったのか。 4号にしてどうにか戦前作品が題材になった。この時代こそ最も研究を要する期間だと思う。 横溝亮一・宣子御二方のインタビューにあるように、正史に家族以外の同居者の分まで養わなければならぬ時期があったのは意外と重要な内情かもしれない。 紀田順一郎が乱歩は「怪奇幻想=体質、本格=学習」で正史はその真逆なのではと問う。 正史の資質はそんな単純に割切れるものだろうか? 今後も検討を要するテーマだ。 乱歩リファレンスの総帥・中相作が編集者としての正史の内面にまで迫っているのはさすが。倉西聡の「鬼火」の構造に本格の気配があるという指摘は悪くない。 そして谷崎潤一郎(永井敦子)、エラリー・クイーン(飯城勇三)の影響論。後者は「戦前の正史はトリックの消化・装飾のみで、必然性・手掛りの設定がない」と言う。 手軽に読める「かひやぐら物語」と「淋しさの極みに立ちて」の再録は必要? 引用の多い宮本和歌子、中沢弥は論旨を明確に伝えるスキルが課題。 各項、作品の表層だけでなく、もう一歩正史を取巻く時代の状況にまで深く踏み込んでほしかった。 いつもの事ながら、これだけは読むに堪えないのが連載鼎談「観てから読む横溝正史」。 「横溝さんの作品は全部、最初に出てきた綺麗な人が犯人なんだよ」とか「戦前の横溝は良いものがない」とか無知すぎて不愉快にさせられる。 例えば正史の欠点に触れるとしても、読者が「正史をよく読み込んでいるのだな」と納得するような内容ならむしろ歓迎する。 だが、正史の事を全く解ってない人間の与太話に45頁も使う神経が判らない。正しく正史を語れる人材は他にいるだろうに。 これなら「芙蓉屋敷の秘密」「塙侯爵一家」「呪ひの塔」「覆面の佳人」あたりを掘り下げるべきではなかったか? 二松学舎大は横溝正史旧蔵資料を引き受けたという責任の重さを自覚してほしい。 | ||||
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| かつて読んだ「蔵の中」を再読したかったので購入。 他作品もそれなりに味わいはあるが、私には「蔵の中」のあやかしの耽美がダントツで好ましい。 他に「鬼火」「孔雀屏風」は良かった。でも「蔵の中」には及ばない。 | ||||
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