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吉原御免状
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吉原御免状の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全53件 21~40 2/3ページ
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すでに30年前の作品になった。 なぜか10代半ばで読んだ、そろそろ40になる。 今でも手に取る、広げたところから読み始める、そして時間を忘れる。 「ああ、おもしろいなあ」とただそれだけを思う。 つべこべ言わずに読めばいい。誰がなんと言おうとも傑作である。 読まずに死ねるか!である。 | ||||
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改めて、Kindle版を購入いたしました。 氏が5年間くらいしか執筆活動をしてないので ほんとは四部作になる予定が次作の隠れ里で終わったのが ほんとに惜しいです。 テレビ関係の仕事をしている氏らしく スピーディーで読みやすい。 テレビでの規制がないので、色々な表現方法が豊かで 娯楽の醍醐味を感じます。 小説は苦手だなあと思われる方でも 一度読み出せば、すいすい漫画のように楽しめますよ。 Kindle版は、隆先生の作品は揃えようかと思ってます。 かなり昔の作品なので、もうちとお安かったらいいですね。 この小説とはちと関係ないですが、キャンペーン版の 無印kindleを購入しました。 3000円オフの4000円強の価格は、ほんと破格値ですね。 まずは、この安い無印kindleからいくことをおすすめします。 僕は気に入ったので、最上位機種を買う予定です。 | ||||
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『影武者徳川家康』以来、久方ぶりに隆慶一郎作品である本書を読む。いや面白かった。主人公 松永誠一郎の出生の秘密と彼を取り巻く人々との歓喜と哀感に満ちた交情(そして交合)、裏柳生との暗闘、家康影武者説や明智光秀生存説との連関、傀儡子をはじめとする日本史の中の異能集団の描写・活躍などなど、てんこ盛りの内容にすっかり満腹し満足しました。やはり凄かった隆慶一郎。 「馴染み(三度目の出会いのこと)になって閨をともにすれば、どのような男でも惹きつけて放さぬすべを、高尾は知っている。これは当時の太夫が持っていた絶大な自信である。こと性技に関しては、『地女の及ぶところに非ず』と嘯かせるだけの、長い伝統によって磨きぬかれた芸があった」(154頁)。 「正しい生、美しい生はあっても、正しい死、美しい死はない」(200頁)。 「一晩じゅう、高尾を抱き、あの白い肉を締めつけていたにきまっている」(269頁)。 「ここは無縁寺。権力不入の地だ。・・・ 無縁で生きてゆくには、芸が必要だ。芸によってしか生きる道はない」(305~8頁)。 「公界はさながら桃源郷であり、理想郷だった・・・・・・ ・・・ 徳川幕府は、その教訓を充分に生かし、公界つぶしのために世にも狡猾な方法をとった。・・・ 「差別」 ぱしっと幻斎が云った」(328~331頁)。 「先ず豊臣恩顧の大名を次々に毒殺することから始めたのである。浅野長政、堀尾吉晴、加藤清正、真田昌幸の四人は、揃って慶長十六年、四月から六月にかけて死んでいる。特に後の三人はすべて六月である。どう考えても自然とは思われない」(384頁)。 「すべての男にとって、娼婦の膝は母の膝にかわる、と云う。男は無意識裡に母の姿を求めて、娼婦のもとに赴くともいう」(478頁)。 「徳川幕府の制度から見れば誠に驚くべきことだが、吉原の内部は完全な自治が認められていた。・・・ 江戸の中で、これほどの自治が許されているのは寺院しかない。そして寺院と吉原に共通していることはただ一つ、無縁ということだ。・・・ これほどの自由が許される場所を示す言葉は一つしかない。中性の公界である。公界とは、堺や桑名に代表される、権力不入の地、今風にいえば自由都市のことだ」(495~6頁)。 それにしても、池宮彰一郎氏(司馬遼太郎作品からの盗作疑惑で実質断筆)の『四十七人の刺客』は、本書の新吉原=要塞という構図をパクったのであろうか。 | ||||
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始めから30%は面白かったが 終わりは、、、、少し焦りすぎて、ありきたりの終わりでした 本は初めのつかみが大事ですね! | ||||
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隆慶一郎先生の作品は全て読みました。影武者徳川家康を読んでいる方は、より興味深く感じるかもしれません。 吉原を舞台に、裏柳生との闘いや芸能、文化、渡来人までフィクションではありますが、諸説が入り混じった知的好奇心まで満足する一冊。もちろん、隆先生の読みやすく、引き込まれる文章とストーリーもまたよい。 | ||||
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吉原の研究本は沢山ありますが、これもそのひとつかもしれません!勿論小説ですから?もありますが、いままでにこびりついた知識を「無かったもの」として読んでみると興味深い ことこの上なしです。 | ||||
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わずか五年ほどの作家生活の後、急逝した隆慶一郎の処女作。(処女作といっても、隆氏はシナリオ・ライターとして長年の実績-今村昌平監督の「にあんちゃん」等-があり、文筆家としては十分な実績もあるのだが) 小説の構成等は後の「影武者徳川家康」や「一夢庵風流記」等の方が流麗かも知れないが、「吉原御免状」には隆氏が温めてきたアイデアが奔流のごとく迸る魅力がある。小説中のおばば様を通して見る夢等、本文のストーリーの中に幾つかのエピソードが絡められる。一つ間違えば、バラバラになりそうなのだが、この小説では、それが逆にワイルドさや力強さをさらに強める働きをしている。一つ一つのエピソードが抜群に魅力があり、それが本作のストーリーをさらに深みのあるものにしている。 網野史学にインスピレーションを受け、史実を丹念に探りながら、さらに独自のイマジネーションを加えた世界は魅力的だ。この世界を創造できただけでも、非凡な作家だということがわかる。劇中の男達・女達も、(現実にはありえないだろうが)読んでいて爽快で、魅力的で、そして哀しい。生きるということの素晴らしければ素晴らしいほど哀しさもまた大きい。単なる色町として見られがちな江戸吉原を、道々の輩が自由に生きるための町として描いたのも秀逸だ。 偉大な作家の処女作にして、魅力あふれる傑作。枠にとらわれないで自由な発想で、歴史を楽しみたい方には是非ともお薦めの一作。 | ||||
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面白いヒーロー物であることは確かなのだ。 ただキャラクターが主人公側=善玉、敵側=悪玉になっているせいで薄っぺらい上に 主人公グループ(というよりもおそらく作者)の信じている自由が無条件で賞賛されているところが鼻につくのが欠点。 この自由も自由というよりも無政府主義というか自己中心的な物なのがひどい。 税金は払わないわ勝手に国境を越えるわ犯罪者でも裁かれないわのすさまじさ。 そのうえ追い出しにかかられると「そんなのは間違っている。全て為政者が悪い」と言い出すのは驚きしか感じられないだろう。 ただこれらのことが出てくるのは終盤で主人公が過去に飛んで歴史を学ぶあたりだけなので そこを気にしなければヒーロー物として楽しめることは間違いないだろう。 | ||||
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肥後の国の山中奥深く、彼の剣豪・宮本武蔵に育てられた松永誠一郎。彼には出生の秘密がある。武蔵の死後、遺言に従い山を下り、江戸の遊郭・吉原へと赴いた。 「ここは極楽だよ。そして地獄かな―――」謎の老人・幻斎が誠一郎を迎えたその時、吉原で何かが動き始める。自分が吉原に現れたことが引き金となり血で血を洗う暗闘が繰り広げられる。その原因と思われる「神君御免状」とは何か、自分の出生にどのような謎があるのか、何故裏柳生は自分を亡き者にしようとするのか。数々の謎に迫って行くにつれ、誠一郎は吉原誕生に隠された秘密を知ることになる。 当代随一の剣豪にして、女が放っておかぬ器量、清々しい魅力にあふれた若者誠一郎に切ない恋心を寄せる吉原きっての太夫の悲しくも切ない運命も読みどころです。 「優しいてえのは悪(わる)なんだよ。誠さんは、女に出逢うたんびに、その女のために何も彼も棄てようと思う。確かにそれが男の優しさだろう。だがね、たんびたんびそんなことをしてて、身が持ちやすか? 誠さんの身だけじゃねえんだ。女の身だって、もちゃあしねえよ」 これは作中、誠一郎を助ける謎の老人幻齋が誠一郎に言った言葉です。脆く美しい者を守る者は優しさを棄て、敵と同じくらい残忍非道にならなくてはならない。この悲しい矛盾が誠一郎の心を苛みます。まさにハードボイルド。そう、彼のチャンドラーが名作『プレイバック』の中で、探偵フィリップ・マーロウに語らせた「タフでなければ生きられない、優しくなければ生きている資格がない」という言葉と同じ命題です。 | ||||
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とにかく冒頭から面白い。 宮本武蔵に育ててもらった、壮絶な剣術を持つ主人公。 そして、ある歳になると「吉原に行け」と命ぜられる。 そこで描かれる吉原に対する造詣の深さ。 柳生の陰謀とともに明かされる、「謎」。 ときに時空を超えて描かれる、その描写も面白い。 時代劇嫌いでも、十分楽しめる娯楽小説 | ||||
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あらすじや面白さのいちいちは、他のレビュアーさんにお任せするとして、 私が感じる、この物語の魅力は、なんといっても……。 無敵の剣と貴種の血を持ちつつ、どこまでも爽やかで心優しい、松永誠一郎に 象徴される、「青春」の魅力にあふれていることかもしれない。 物語の発端の印象的なシーン。 生まれたばかりの新吉原の宵、新たな始まりを告げる、華やかな見世清掻。 誠一郎の胸はやるせなく騒ぎ、頬は濡れる。 季節こそ史実に合わせ旧暦八月だが、胸中は「春」のせつなさ、そのものだ。 遠い世界に、未知なるものに、若者はあこがれる。 そのあこがれる想いのまぶしさに、老いた者は生命の春を見る。 ひとがひとに惚れる。ひとがひとの情けに会い、心が花のように開いていく。 男が女というものを知り、男を知ったはずの女が恋を知る。 そのとき世界は、昨日まで知らなかった、花のような微笑みを見せる。 吉原という「春」を舞台に、その「ひとの心の春」の、匂やかさ、美しさを 描きだして、本当に陶然とさせてくれる。 貴種流離譚として美しくまとまっているのも、「春」の雅にふさわしいかもしれない。 隆慶一郎が、かつて東大仏文科で象徴主義を学んだと知って、最初は 意外だったが、こうして読み終えてみて、何だか「ああ」と納得させられた。 最近、「こころの春」をひさしく感じていない人にも、春爛漫の人にも薦めたい、一冊。 | ||||
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史実を基本にした「歴史小説」は読んだことはあるが、架空の人物、架空の出来事が描かれる「時代小説」は読んだことがなかった。また、これからも読むつもりはなかった。 しかし、知り合いに著者の作品を強く勧められたので読んでみた。 初めて読んだ「時代小説」だったが、面白かった。 読み進めていくうちにどんどん引き込まれていったが、特にそうだったには「謎」である。 「誠一郎が吉原にいかされた理由」「吉原が出来た真の理由」など様々な「謎」が出てくるところはさながらミステリー小説のようだった。 本書が面白かったので、これから徐々に著者の作品を読んでみたいと思う。 | ||||
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新吉原を堺のような自由都市、城砦都市とした発想が面白い。徳川幕府の定める身分制社会から自由な、独自の法を持った町。それがまさに、将軍のお膝元にある。吉原の自由を保障した神君御免状。それを守る傀儡一族と、それを奪おうとする裏柳生の戦い。巻き込まれた松永誠一郎は、宮本武蔵の直弟子。 読ませる小説だ。特にアクションシーンは迫力がある。 ただ、好きにはなれなかった。心の清らかな好青年(裏返して言えば、世間知らず)で、実はやんごとなきお方のご落胤という主人公のキャラクターは、やや退屈だ。 非常にグラフィックな拷問の描写には閉口した。 作者の抱く、人間の自由という大きな理想には共感を覚えるのだが・・。 少年漫画に慣れている読者向きかと思う。 | ||||
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家康影武者説や光秀生存説など、設定がかなりファンタジーで漫画っぽい小説である。主人公も強い、優しい、誠実と典型的なヒーローで格好良い。舞台が吉原なだけに性的描写が結構あるが、あまりいやらしさを感じないのが不思議である。主人公のライバルとの決着は続編である「かくれさと苦界行」でつくので、それとあわせて購入したほうがいい。 | ||||
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これを読んで、隆慶一郎のファンになりました。 歴史小説の最高傑作のひとつです。 | ||||
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作者は脚本家としての経歴があって話を考える、作ることの経験と実績が既にあったとはいえ、初の長編作品でここまで小説として面白く、素晴らしく独創的で、まるで読者を網で一切合財捕らえてしまうような完成度の高いものが出来上がるのかと素直に驚いた。 この作品から、家康とその影武者を描いた『影武者徳川家康』、後水尾帝を描いた『花と火の帝』、柳生を描いた『柳生』の冠の付いた諸作品へと展開していったのかと思うとある種の感慨を読後に覚えた。 もう一言余計なおまけを付けますと、 隆先生は濡れ場の描写が上手いなぁと思います。 | ||||
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後の代表作「一夢庵風流記」「影武者徳川家康」などに引き継がれる、隆慶一郎の思想的バックボーンが明らかにされている。 デビュー作ながら、重厚な資料解析に土台を置いた、綿密な時代考証と伝奇作家としての想像力の豊穣さ…そして、男が男に、女が男に、男が女に「惚れる」とはどういうことかを痛烈に教えてくれる。 僕ら団塊ジュニア世代は、氏の作品には週刊少年ジャンプの原作として、間接的に触れ、原哲夫の描くいい男・いい女を媒介として吸収した。 もっと多くの作品に触れてみたかったと思う作家だ。 | ||||
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作者の名前は以前から知っていたが、お亡くなりになっていたとは知らなかった。 もっと以前にめぐり合えなかったことが残念でならない。 よしはらとは、かくいう場所だったのかという瞠目の一冊である。 | ||||
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色町・吉原を今までにない解釈で描いた傑作小説。 主人公・松永誠一郎は、俗世間を知らずに山で育った青年。当然、澄んだ心の持ち主である。 とある事情から今までとは真逆にある世界の吉原と関わる事になる彼は、どんな人間とも真剣に向き合う故に悩み、迷い、涙を流し結論を出す。そんな彼に関わる人間は、彼の為ならば喜んで命を落とす人達ばかり。 人間と人間の魂の結び付きを見せ付けられます。 誠一郎に俗世間の“しきたり”を教えながらも、彼の純粋さに惚れ抜いている幻斎のラストの啖呵は涙がボロボロ溢れました。 人間って本来はこうじゃなきゃダメなんだよな。 | ||||
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61歳という高齢で文芸作家デビュー、その後わず5年で他界した隆慶一郎。その処女作にあたる「吉原御免状」は、切々と心を斬り刻んでいく一冊です。 剣豪・宮本武蔵最後の弟子、松永誠一郎の物語。 捨て子だった松永誠一郎の育ての親であり師匠であった宮本武蔵が、生前に言い残した通り25年の間を山中で自給自足した誠一郎。26歳で山を下り、師が言い残した通り江戸・吉原の庄司甚右衛門のもとへ赴く。 この江戸吉原を舞台に繰り広げられる松永誠一郎をとりまく伝奇時代小説。 器用に生きることができない人間。 己の欲望、野心、誇りのために戦う男、そして女。剣を交えるごとに変化していくそれぞれの心模様。血筋、身分、種族を超えて、これに翻弄されてしまう周りにいる人間達。 そこには、究極の愛を垣間見ることができ、涙なしで読むことができません。 | ||||
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