風の呪殺陣
- 織田信長 (72)
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平成最後の新年の初読み本は…これ! 比叡山焼き討ちによって運命を狂わされた若者たちを描いた戦国伝奇小説。 全二百四十ページ程度の短めの長編小説で、最初の八十ページは比叡山焼き討ちを迫力たっぷりに、残りの百六十ページは、三人ぞれぞれのその後の人生が点景のように描かれるという構成。冒頭では不吉の前兆として御廟が鳴動を始めるし、焼き討ち後には髑髏に舌が生えて読経するしで、想像以上に伝奇空間であります。 織田信長の描写がいかにも昭和的で、現代の目には違和感があるかも。それにしても比叡山の山徒(僧兵)の持ち刀が三条宗近に菊一文字って…。 | ||||
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私は猛烈な信長好きでして、若い頃から信長関連の本をむさぶるように読みましたがこれが最も面白い。対抗は安土往還記か。信長の強烈な業の前に悪霊も呪術師も祈祷師もひれ伏す様は凄みを纏って爆進する信長の面目躍如たるものがあります。なんて魅力的なんだろう。 | ||||
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比叡山に暮らす修行僧(18歳)、その弟分(15歳)、僧兵の倅(18歳)の若者3人が、元亀2年(1571)の織田信長による焼討ちに遭遇し、その人生行路が大きく変針する.自由の民vs.権力者は隆慶一郎さんがデビュー作から一貫して書き続けてこられた枠組みであり、本作でもその基調は変わらないが、ここで敵対する権力者である織田信長は、秩序の建設者であると同時に秩序の破壊者でもあり、そのエキセントリックさの描写が本作の魅力です.実際、信長の登場場面は少ないのですが、それぞれが実に際立っており、上京焼討ちでの行動など鮮やかすぎてまるでアニメかマンガのようです.反面、若者3人の行動はバラバラで焦点が絞られず、ストーリーが中途半端な感じです.もっとも著者自身、本作の補完の必要性は感じてらしたそうですが、急逝のため果たせなかったとのこと.焼討ちから逃れて対岸の草津から眺めるたそがれの比叡連峰など、美しい場面もあるだけに残念です. | ||||
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信長の叡山焼き討ち、伊勢長島の一向一揆大殺戮に題材をとった復讐譚。主人公は叡山の大虐殺を生き延びた三人の若者で、一人は復讐のために仏法修行の道を捨て、立山にこもって信長呪殺の行に入る。一人は傀儡の仲間に入り、公界のつながりから長島へ応援に入る。一人は修行の道を続ける。その三人の生き方を順次描写していくことで物語が展開する。 呪殺行の描写は非常に興味深い。 天台宗は密教だから呪殺に関わる経なり方法論があるはずだが、主人公は仏道を捨て、立山で山人から道教の呪法である「長嘯(しょう)」を教えられ、鬼=亡者を蘇らせる術を会得する。 それをもって信長に恐ろしい幻視幻聴を催させて呪うが、魔王・信長の精神は強靭で、眼前にそれらを見聞きしても何の影響も受けない。 信長に敗れた主人公は方向転換し、光秀に呪法をかけて信長への反逆に導く。天正10年6月2日、信長は炎の中、歓喜に踊り狂う亡者の姿を見ながら、本能寺に自決する。 著者は、信長は天皇を利用し尽くすつもりはあったが、当初、それにとって代わる意思はなかった、しかし本能寺の変の直前には、明確にその意思を持つに至ったと断じる。叡山や一向宗門徒にジェノサイドを仕掛けた如く、天下統一が成ったらすぐに、朝廷・公家を抹殺する意思を固めたのではないか。 というのも、天正10年夏、信長は突然、安土山の一角に見寺(そうけんじ)という寺を創建し(現在もある)、自身を神として祀り、礼拝すべしという命令を高札にして掲げたからだ。各地の諸仏を強制的に集め、仮の神体として一個の石を最高の神として諸仏の上に祀り、「功徳と利益」を保証した。信長は「余自らが神体である」と言ったという。キリシタンの影響による、一神教的な、信長自身の神格化である。 フロイスはレポートした。「その歓喜は19日以上継続することを許されなかった」。著者は光秀の謀反は朝廷防衛が目的だったと推理している。 | ||||
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隆慶一郎の作品の中では知られていない方だし、徳間書店文庫と言う事で、書店で手に入り難いが、これは、彼の作品の中でも、傑作と思うし、隠れた名作と言えるかも知れない。 沢山の登場人物の、それぞれの生き方が描かれ、あまり小説に描かれない、一向一揆や比叡山焼き討ちを取り上げ、スペクタクル的な部分やオカルト的な部分もあり、ぜひとも、映画化をして欲しいと感じる小説だ。 | ||||
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