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(短編集)
たまさか人形堂それから
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たまさか人形堂それからの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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「たまさか人形堂物語」の続編です。5編が収められていて、最初の3編「香山リカと申します」、「髪が伸びる」、「小田巻姫」は文芸春秋に掲載されたもの、残り2編の「ピロシキ日和」と「雲を超えて」は単行本のための書き下ろしです。そのためか、3編と2編ではっきり作風が違っていて、あとの2編は後日談的というか外伝ぽいというか軽い感じの作りです。 今回は、登場人物それぞれの成長物語にもなっています。人形の販売はやってきたけれど製作のことは何も知らなくて、職人の気持ちが理解できていないと反省した澪は、人形作りの教室に通い始めます。スランプに陥った富永君は長期の無断欠勤後、連絡が取れず行方不明になってしまい、関連会社の束前君は相変わらず棘のある物言いですが、澪の誠実さを理解して、だんだんと協力的になってきます。すぐれた職人の師村さんは相変わらずの安定ぶりです。 ただ、前作よりややトーンダウンしたというか、津原氏独特の尖った個性がかなりマイルドになってしまって、そういう意味では個人的にいまひとつだったというか・・・前作よりも評価が高いようなので、ほのぼの系の方が一般に好まれるのかもしれません。前作でとりあげられた人形は、たとえば顔だけを徹底的に破壊された美しい大型創作人形、ラブドール=ダッチワイフ、旧家に伝わる雛人形、チェコの人形劇団を主催する鬼才、恋に狂った清姫の文楽人形、などで、猟奇的で怪奇趣味がかったものもあったりして、いい意味で毒が含まれていたように思います。今回は、髪が伸びる市松人形と、海外流出していた貴重な小田巻人形以外はぐいっと引き込まれるものがなく、ちょっと残念でした。「蘆屋家」や「少年トレチア」好みの方は前作、「ルピナス探偵団」好みの方はこの作品の方がお好みに合うような気がします。 | ||||
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