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(短編集)
ぬいぐるみ警部の帰還
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ぬいぐるみ警部の帰還の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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ぬいぐるみをこよなく愛するキャリアの音無美紀警部(男、イケメン)だが、一応公にはなっていなくて、注意深い部下の桂島刑事だけが気付いている。その音無を密かに恋していろいろと脳内で妄想にふける則竹佐智枝主任も気づいていない。桂島刑事は則竹主任の気持ちにも気付いている。心の中ではいろいろあっても表面上は何事もない、このあたりの描き方が面白い。どの事件でもぬいぐるみをきっかけにして、音無は鮮やかに事件を解決してしまう。音無警部が事件を解決したらディナーに誘おうと密かに賭けをしていた則竹主任はどうしたのかなあ。めでたく誘ったのか、それとも…。 | ||||
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本作品集には、2012年4月から12月にかけて東京創元社『ミステリーズ!』に掲載された、下記5作品が収録されています。 1. ウサギの寝床 2. サイクル・キッズ・リターン 3. 類似の伝言 4. レイディ・イン・ブラック 5. 誘拐の裏手 いずれの作品にも、ぬいぐるみ好きで、美男子のキャリアである音無美紀(おとなしよしき)警部が登場し、探偵役として事件を解決していきます。他に、男勝りの女刑事で音無に惚れている則竹佐智枝(のりたけさちえ)、一見したところベテラン風だが実はミステリオタクな江角(えすみ)刑事や、若手の桂島(かつらじま)刑事が、大半の作品に登場します。著者自身が「あとがき」で記しているところによれば、元々この刑事4人組は、2003年に、やはり東京創元社『ミステリーズ!』に掲載された「お弁当ぐるぐる」限りの登場というつもりだったようです。 各話は、いずれもアステリスクによって、3つの部分に分けられており、発端・捜査・解決という構成になっています。各話の概要は、以下の通りです。もちろん、ネタバレはなしです。 1. ウサギの寝床 業界最大手の洋菓子店取締役・清水上慶次(しずがみよしつぐ)のひとり娘・美寿々(みすず)が、自宅の空の金庫の前で、全裸死体として発見されます。強盗から、金庫の扉を開けられないように抵抗したにしては、扉の開き方に不審な点があります。……音無警部は、もともとはキャビネットにあったと思われる三体のぬいぐるみのうち、一体だけがなぜか美寿々の部屋にあったことに関心を寄せます。 2. サイクル・キッズ・リターン 聖ベアトリス女子学園、高等部2年生の橋都麻穂(はしとまほ)が、自転車での帰宅中に何者かに殺されます。学園祭の準備期間中のことで、夜も更けていたため、目撃者はいませんでした。麻穂の所持品には、なぜか去年、似たような状況で通り魔に殺されたとおぼしき錫村恭平(すずむらきょうへい)の生徒手帳が入っていました。 3. 類似の伝言 20代後半から30代前半とおぼしき平和達樹(ひらわたつき)が、自宅マンションの一室で刺殺されます。死体の傍には、書きかけの「○」のような、ダイイングメッセージらしきものが残されていました。生前には写真撮影が趣味だったらしく、部屋には誰とも知れぬ家族写真のパネルが何枚か飾られていました。音無警部は、なぜかその中の1枚だけに、ぬいぐるみが写っていないことを不審に思います。 4. レイディ・イン・ブラック 画家志望、26歳の青年・長谷尾翔市(はせおしょういち)がマンションの一室で撲殺されます。部屋には、押鐘由美子(おしかねゆみこ)のキャッシュカードが残されていました。翔市の画のモデルをしていたようです。……音無警部は、由美子が息子・押鐘広海(おしかねひろみ)から贈られたという高価なテディベアに注目します。 5. 誘拐の裏手 佐野谷元博(さのやもとひろ)がタクシーで帰宅すると、妻・摩弥(まや)が誘拐されていました。営利誘拐らしく、要求されたのは、金貨と腕時計のコレクション、円山応挙の掛け軸でした。犯人に要求された品々を指定された場所に届けてまわるうちに、元博には、犯人の見当がつきます。元博は、最後の品の受け渡し場所で、犯人を追い、殺してしまいました。 本作品集は、意外な動機に焦点を置いた作品が多くなっています。特に、第4話の「レイディ・イン・ブラック」に至っては、ちょっとしたどんでん返しも用意されており、読んでいて感心させられました。……結構無理やり感があるとは言え、どの作品にもぬいぐるみを絡めてきているのも一興です。 一方、人物造形に関しては若干弱く、例えば会話などでも、刑事4人組が全員登場する作品では、うっかりしていると、どれが誰の発言なのか分からなくなりそうです。もっとも、音無警部以外の発言は、特に誰の発言なのか分からなくても、作品を読む上で支障はなく、作品の本筋を十分に堪能できます。そのくらい、人物像には特徴がありません。 | ||||
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表紙のかわいらしさに惹かれて、手に取りました。 本文を読むと、この表紙はなかなか警部の性格を掴んでいて上手いと思いました。 ぬいぐるみをこよなく愛する音無警部は、28歳で独身、長身な挙句に眉目秀麗なキャリアという、実にアレな設定です。 部下には、ミステリおたくとか妄想する美女とか、これまたなかなか個性的な面子が揃っています。 でもちょっと、この本1冊だけでは物足りない、個性の発揮でした。 どうやら前作があったようなので、そっちではもっと激しいらしいので(笑)、また読んでみたいです。 前作を読んでみたいと思うくらいには、面白かったです。 1冊丸ごとひとつの話ではなく、5話入った短編集です。 どれもぬいぐるみが登場しますが、警部の変人ぶりがもっと生かされていたら、更に良かったです。 | ||||
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