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バイリンガル
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バイリンガルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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前半退屈だし、デリヘルという職業に偏見を持ち過ぎている主人公に辟易して嫌になりましたが、後半から一気に面白さが増しました。 発音のうんちく、ちりばめられた伏線とその伏線回収、本格らしくて楽しめました。血文字でダイイングメッセージを残すなんて「まじか……(作家さん)無茶しおって……」って感じでしたが、回収でホロリ。 主軸のトリックはそれほど斬新ではないと思うのですが、そこかしこに小ネタがちりばめているのは楽しかったです。 ニーナの母親の奮闘、感動必須。甘すぎず独りよがりにならず、書き上げているところが好みです。 確かに文章が読みにくい。キャラの感情の動きや行動原理が不可解、でいろいろと共感できない。動機も薄い。 でも本格好きには楽しめると思います。 あ、図面があったのも良き良き。 うんちく、図面、トリック(もうダイイングメッセージなんてプリンのようなデザート)をおいしくいただきました。ごちそうさまでした。 | ||||
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続きが気になって仕方がなく、徹夜で読了。近頃、目が悪くなったことで退屈になると放り出してしまっていたので、こうした夢中で読み進めるひとときが推理小説を読む醍醐味だったということを思い出させてくれた作品。本書は30年前のアメリカインディアナ州を舞台に描かれ、翻訳小説のような趣なのだが、かといって読みにくさは感じられない。 物語は、かつて誘拐された女性が「30年前の事件について知りたい」と主人公聡子の元を現れるところからはじまるーー。日本人会のパーティーで起こる幼女誘拐事件を皮切りに、やがて殺人事件が起こり、ますます謎が深まっていく。物語は現代と30年前が交錯して展開。登場人物の構音(発音)障害が謎解きの重要な手がかりとなる。 誘拐された、かつての幼女ニーナが30年後にかなり荒んだ様子で登場するのが、バイリンガルになりきれなかった帰国子女のよくあるパターンを思い知らされて切ない。これもラストまで読者を引っ張っていく仕掛けのひとつ? そして、ニーナの母親涼子らが置かれた『戦争花嫁』という立場。人種差別ものの傑作、有吉佐和子の『非色』を思い起こさせてくれる。後半では、ニーナの再生を示唆しつつ、母は子のためにならいかに強靭になれるかというテーマも伝わってくる。カバーデザインにもそのあたりの母の思いとかが込められていて、随所に深読みできる要素が散りばめられている作品である。 それにしても本作は「ばらの街福山ミステリー文学新人賞」を受賞し14年に刊行され、18年の4月に文庫化されたのだが、もっと注目されてもよいのでは? こういう若い人には書けない作品を見落とさず、受賞作に選んだ島田荘司先生に敬意を表したい。もちろん高林さわ先生の次回作にも期待です! | ||||
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