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コラプティオ
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コラプティオの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全60件 41~60 3/3ページ
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直木賞候補にこのような「社会派(時事ネタ)」作品が選ばれたことがまず非常にうれしいことです。 某選考員は何かと”文学論”をうたいますが(かく言う某選考員もただの老人が書くエロ本作家 にしか私には映らないので全く持って説得力がないのですが・・)、もはや直木賞に”文学”を 求めている人は少ないのではないでしょうか。 さて、中身に関してはネタばれになるので細かくは書きませんが、東日本大震災のその後を舞台にしたような作品です。 筆者は当時東日本大震災前にこの作品を書いていて、最終原稿のみが震災後に書かれたとのことでした。 その後、改筆はされたようですが、それにしても読んでいて戦慄を覚えました。 この地震を機に、日本という国、政治、日本人がある意味変革の時期に差し掛かっているのを的確に示唆されています。 最後には「権力」という魔力に飲み込まれていく一人の首相を、主人公や側近たちがどのような策略で攻略するのか。 最後まで見逃すことのできない作品でした。 残念ながら、直木賞は逃してしまいましたが、「ハゲタカ」シリーズや、「マグマ」「ベイジン」など発電関係の作品 を今後も沢山書いて、私たちを楽しませていただければと思います。 | ||||
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政府官邸の仕事・・て裏の方で 色々 人が動き、記者などが情報収集している・・と思っていました。 今回 その仕事の背景を少し覗けたような気がして 面白かったです。 ただ 後半から何か 話が短絡的になってきたのが 少し残念ですが・・全体感には面白く一気に読んでしまいました。 | ||||
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こういう政治ものを読むといつも思う。 政治を堕落させるのは、政治家でもなく、マスコミでもなく、国民なのだと。 本書は小説というよりもむしろ現代への警告であり、私たち国民に権力への監視者としての立場をしっかり認識し、政治にしっかり絡んで行けと言っているような気がする。 確かに、本書の主要登場人物や主要な展開に国民としての立ち位置を持ったものはほとんど出てこないが、そこに国民の無知蒙昧さは十二分に存在しており、私は大きな印象を受けた。 政治の問題だけでなく就活の問題もそうであるが、マスコミなどの報道や様々な評論ではその当事者への批判というものが少ないように感じる。 政治の問題では国民がその当事者であり、就活の問題では学生が当事者であり、逆に当事者こそその問題を積極的に解決すべき存在であり、解決する可能性を大きく持った存在であるはずである。 そういった部分に一切切り込まず表面的な対象を扱っているからこそ、日本という国は変わらないのではないかと漠然と感じてしまう。 | ||||
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物語は宮藤総理が原発輸出を経済の起爆剤にするというストーリーを軸に展開していく。 原発事故の前に書かれたものを原発事故後に大幅に加筆修正し、2011年7月に出版されたもの。修正前の話は読んでいないが、話の大きな幹は変わっていないと思う。原発事故で日本人が受けた心理的ショックを無視できないので、最低限(とはいえ膨大な)の修正をしたのだと推測。事故後に修正はしているとはいえ、その後予想以上の反原発のうねりが明らかになった今では、いかんせんリアリティに欠けてしまった感がある。 「ベイジン」でも原発を扱っていたという著者だが、原発はあくまで生活を便利にして経済をよくするための道具というような認識しかなく、原発の問題点はあまり理解していないようだ。 その点は非常に不満だが、アフリカやODA、途上国支援のあり方に目を向けさせてくれたことには感謝。商売上、「原発小説でござい」みたいな売り方をしているが、主題はODAの方だろう。この点は関係者にもかなり取材して書いているようなので、事実とそう違わないのだろうし、色々と考えさせられる。 宮藤総理のアフリカ援助のあり方が最後に問題になるが、ここの捉え方は人それぞれだろう。ウラン資源確保のためというリアリティのない国益ではあるが、私は国益を重視する宮藤総理を支持する。 | ||||
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カリスマがある指導力の強い架空の総理大臣が、震災後、原子力推進政策をあえて進める中で、愚衆政治・煽動政治の危うさ、落ちた偶像とは何かを本質的にとらえようとした意欲作であった。 その力強い文章に、引き込まれていく。アフリカの惨状も合わせて記述されいることもあり、自分の中でもかなりインパクトの強い作品となった。 | ||||
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原子力行政と政治というタイムリーなテーマであるだけに、物語としては大いに興味をそそられる内容だった。 しかしながら、登場するのは、いかにもテレビドラマに出てきそうなステレオタイプの人物ばかり。作り物のような人達に、あまり感情移入することはできなかった。さらにいえば、発展途上国との付き合い方など、内容が膨らみすぎて、散漫かつ浮薄な印象が否めない。読後は、不完全燃焼といった感じが残ってしまう。 それに、現在の実態(首相官邸前での毎週金曜日のデモなど、脱原発の声が日増しに大きくなっている)を踏まえれば、著者の未来予測の誤りは明らかであり、それが物語全体のリアリティーを損なわせている。 ただし、現実の政治を考えると、マスコミも国民も、どこかでこの物語の中の宮藤総理的なカリスマ政治家の登場を待望しているようなところがあり、それに対する警鐘としては、意味のある小説だと思う。 雑誌連載時とは違い、単行本化にあたって、震災後という設定に変えたようだが、そのへんの辻褄合わせ的な綻びがうかがえなくもない。 経済小説からポリティカルミステリーへと新しい境地を開いた著者には、さらなる良作を期待したい。 | ||||
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原発事故後の日本人の描き方に甘さを感じる。本書では国民は相変わらず人任せで無頓着であるように描かれているが、震災1年後の今、日本は稼働する原発は0状態。(暫定的ではあるが)事故後の日本人の原発への不信感は簡単に払しょくされていない。一昔前の事件や政治家を連想させるような記述が多いが、そのため新鮮味にかける。 ドラマ「相棒」のエピソードに出てきそうな内容で物足りなく感じた。 | ||||
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震災後の日本に宮藤というカリスマ首相が現れた。 宮藤は、日本を救うのか?それとも、独裁者となるのか? 途中は少し中だるみを感じた。 加えて、前半は少しわかりにくい内容であった。 しかし、後半の盛り上がりは良かった。 また、原発の是非について、再び考えさせられた。 日本経済を浮上させるために、原発は必要なのか考えていかなくてはいけない。 | ||||
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東日本大震災の三年後、バブルより、深刻な不況に喘ぐ日本に、カリスマ的総理、宮藤が現れる。 原発の怖さの話しかと思ったら全然違って政治と国際社会、新聞の話し。私的にはこんな有言実行の政府がほしい!新聞社は何でもすっぱ抜けばいいというもんじゃないんじゃないかな、といろいろ感じました。 なかなかの問題作!そのうち映画化されそうな大作です。面白かったので星4つ(^◇^) | ||||
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題名のコラプティオとは、ラテン語で「汚職・腐敗」の意味。内容は、政権交代を果たしたカリスマ総理大臣が、地熱発電開発を主軸に日本経済を立て直すつもりが、実は身勝手で利権にまみれた存在だったことを秘書が暴く話である。もちろん、ストーリーも内容も惹きこまれる面白さがあるにはあるが、「ハゲタカ」「レッドゾーン」や「マグマ」で見せた筆者の切れの鋭さはさほど感じられない。 3.11震災以降、マスコミに「再生可能エネルギー専門家」として推進の旗手のように奉られて、ちょっと本人も有頂天になりすぎているのでは。もう少し本業の執筆業で頑張りましょう。 | ||||
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面白いというより、 リアルな世界政治経済の最先端事情紹介の趣きもあって、 とても興味深く読んだ。 ただし、内容が盛り沢山なので、ちょっととっ散らかった印象も。 しかし、田坂さん、すごいですね。 「核の恐怖を知ってるではなく、見えない放射能に怯えてるだけ」は 納得してしまった。 結局、ヒトは慣れて、忘れていくんだなと思います。 さらには権力を持つと、というか人間なんて虚栄心の塊。 これからは本物だけが残るんだろうな。 非常に興味深い作品で楽しめました。 | ||||
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真山の作品は、リアルな状況設定、スピーディなストーリー展開、メッセージ性があり魅力を感じています。この作品も、真山の魅力がいかんなく発揮されていました。震災を機に自信を失った日本に希望の星となって現れたカリスマ首相。日本が誇れる国に再生するよう実行力を発揮します。しかし、徐々に歯車が狂っていきます。歯車を狂わせたのは、国益か、権力欲か、正義か。首相の「日本のため」という高い理想と志とは、裏腹に、本書のタイトルが「コラプティオ」(腐敗)とされた点に、これからのリアルの日本のゆくべき道について、我々有権者一人ひとりが考えなければならない問題点が指摘されているように思います。ドキュメンタリー映像を見るような描写が感情移入しやすく、とくに、当初、反目しあっていた主役の白石と神林の二人の変化など楽しめました。 | ||||
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真山仁が初めて挑んだ政治小説ということで期待して読んだが、読後感は余りよくなかった。 舞台は震災後3年が経過した日本。震災による打撃により経済が停滞し、自信を失った日本を立て直すべく登場したカリスマ的な魅力と先見性を有する宮藤総理は、強力な指導力を発揮して日本を引っ張る。但し本書の主人公は宮藤総理ではなく、宮藤に仕える若手の政治学者の白石望だ。 理想に燃えた政治家であった宮藤が次第に回りの意見に耳を傾けず独裁的な傾向を強めていく姿が、白石の目を通して描かれるが、本書のテーマが独裁者批判なのかというとそれだけではない。国益のために少数の国民の生命を犠牲にしてよいのか、腐敗した途上国と付き合うに際し賄賂を贈ることは許されないのか、といった重い命題も提示されている。 著者のスタンスは、日本人の死者が出るとすぐその責任を追求したがるマスコミに対しては批判的であるが、かといってこれらを許しているわけではない。正論のみで国益を守ることができればそれに越したことはないわけだが、それが叶わない時にどのような対応を取るべきなのか。第三者的な立場で宮藤総理を批判するのは簡単だと思うが、それは何の責任も負っていないからできることだ。仮に自分がそのような立場であったら決断は簡単ではなかったと思う。 本書でもその答えは出していないが、宮藤を悪者にしてしまったまとめ方はやや安易。結局は正論のみを掲げる従来の日本のマスコミ的な論調の域を出ていないのが残念だった。 | ||||
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3・11から3年後の日本に登場した、宮藤隼人というカリスマ総理を 中心に、物語は進んでいきます。 ご自身の記者としての経験に、『ハゲタカ』の経済・金融分野、 『マグマ』の地熱分野、『虚像の砦』のメディアと政治の分野が 相まって、一つの集大成とも言える作品に感じられました。 確かに『ハゲタカ』の鷲津政彦と比べると、キャラクターが立って いないとの批判はあるかもしれませんが、政治側とメディア側に それぞれ属している、白石と神林という二人の若者の未完成な像に、 真山さんの抱く希望があるのかもしれませんね。 マックス・ウェーバーやマキャベリ、そして話題のサンデル教授の 著書などを読んで、彼らの説を自分なりに吸収した上で読むと、 さらに面白いと思います。 | ||||
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真山仁氏の作品は『虚像の砦』が好きだったので、分厚さにためらいながらも読み始めた。 迫真のドラマ。魅力的な登場人物。近未来の、というより今の日本……。一気に読了。面白かった。 原発は見えにくい。見えにくくしているのは誰か。本当のことを言えないのはなぜか。そこをもう少し突っ込んで書いていければ、もっと良かった。 日本丸の舵取りをする総理大臣は、カリスマ性を持っていなければ、と実感させてくれる小説だ。 スピーディな展開は、この作家の持ち味である。今回も、期待を裏切らず、いや期待以上のテンポ感。そして、魅力的な題材。真山氏の目のつけどころは、いつも「素晴らしい」のひと言だ。これからも、今という時代を意識した作品を生み出し続けて欲しい。 この本は、世の政治家必読の書であろう。役人も読んだほうがいい。東電の社員は当然読むべし。 | ||||
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「ハゲタカ」以来のファンですが、経済小説の旗手が政治の世界に初めて挑んだ野心作です。震災直前に完結した連載小説を東日本大震災、原発事故、その後の悲惨な政治状況を踏まえて大幅に加筆したものです。極めてホットなテーマであり、筆者のスリリングな筆致も健在で、十分に楽しめる、ぜひ今手に取るべき一冊です。 日本の未来が描けない、国民に希望を持たせられない、リーダーの姿が見えない。現在の政治状況に、カリスマの出現というアンチテーゼを示す。しかし、神は何をしてもよいのか。腐敗とリーダーシップのどちらを選択すべきか。白石と言う若者を通じて問いかけていきます。 「原発」の売り込み、という題材を扱っていますが、そこは十分に描かれているわけではなく、そこだけを期待して読むと消化不良感が出るでしょう。筆者が問いたいのは政治・政治家、の在り方であり、いろいろ盛り込んだためにかえって散漫になった感も否めません。 それでも現在の政治への重要な一石であります。筆者の政治のフィールドへ広がりにも手応えを感じます。次回作は、得意のエネルギー分野で、日本のエネルギー政策についての新作に期待します。 | ||||
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「ハゲタカ」での鮮烈なデビューの印象から、真山仁は経済小説の旗手といった受け止めが目立つが、「ベイジン」以来、国際問題や政治をも題材としており、本作は、3.11以前の連載ということで分かるはずだが、原発と日本・日本人の関わりという点では、「ベイジン」の流れを汲むもので本来はあったのだろう。 本作は、冒頭に登場する30代の男女4人の動きで展開しているが、主役はカリスマ総理 宮藤隼人と読まなくては、激しいドンデン返しの果てのラストからは何も読み取れないだろう。 登場人物の多くが類型的との認識は否めないが、こうしたベタな形で周囲を置くことで、宮藤の抱えるもの・抱くものの大きさ・深さが際立っている。混迷というか、転落した日本の宰相として、如何にあるべきか、本書は、くだらん書生論や現実の政治を批判するものではなく、リアリズムの中で宰相かくあるべきという信念を持った者をしての顛末を描いたことに意味があると思う。また、宮藤が足が不自由で杖をついているという設定が、ラストまで実に効果的に生かされているのも面白い。 私は雑誌連載時の本作を読んでいないのだが、権力・理念そして総理の座に強く固執する宮藤というのは、3.11以降の菅直人を意識した部分はあるのだろうか?今となっては微塵も感じようがないが、菅直人が総理の座についたときの瞬間的な活き活きとした姿と支持率の高さを思い出すと、本作には、菅直人という失敗作がうっすらとダブってならない。 | ||||
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企業買収を描いた『ハゲタカ』で世に知られるようになった真山さんだが、今回の作品は経済小説ではない。人間の魂をかけた戦いが描かれた、骨太の人間ドラマである。その意味でこの『コラプティオ』には、読み手の心を揺さぶる力のある人物が数多く登場する、真山作品の集大成といえるだろう。534ページと厚いが、わかりやすく魅力的な文章で、一気に読める。いや、読んでしまう。物語の強い強い駆動力に圧倒される。 まず、宮藤総理。有言実行を旨とする外資系出身の政治家は、永田町の論理にからめ捕られることなく、“震災後”のこの国を、具体的な施策を通じて押し上げていく過程で国民の圧倒的な支持を得て総理となった。彼が掲げる「原発産業を通じた経済復興策」は、非常に危険だが、原理主義的「脱原発」派の人々は、宮藤の主張にある程度の合理性が感じられることを、読んで確認してみてほしい。そして何よりも今、国民不在の代表選を経て新しい内閣のもとでのリスタートを試みているに野田総理をはじめ民主党の政治家たちに、是非とも宮藤の政治観に触れ、行動を改めてほしい。 次に、白石内閣調査官。東大卒のエリートだが、あまりにも純粋な思いを胸に、宮藤に仕えている。しかし、盲信することなく、宮藤の“変節”に疑問を持ち、万難を排して「この国のために」行動を起こす。民主党政権の陰に隠れて、改革をやっているように見えて既得権をさまざまなカタチで温存しようとしている“内向き”の官僚たちに、白石の心情に触れてほしい。 もう一人、神林記者。白石の中学高校時代のクラスメイトは、功名にはやるままに、原発メーカーの国有化というニュースから、スクープを追いかける中で失敗と成功を繰り返し、成長していく。公共機関や企業の発表情報を追いかけて、創造的な表現活動を放棄しているかに見える多くのメディア関係者には是非、神林のギラギラした部分を感じ、報道が本来なすべきことを考え直してほしい。 政治家、官僚、メディア……いずれも、この国のエリートたちがその役割をになっている。彼らは当初、もっと純粋な思いでその職につき、この社会をよりよくするために働こう、そう考えていたはずだ。でもいつの間にか、その思いは薄れ、手続き重視の日々の中で「目的」は埋没してしまった。それが震災後のこの国の混乱を招いた一つの原因なのではないか。 それはまた、日々の生活に汲々としている我々一般の人々にとっても、同じこと。震災後の日本をどんな国にしていくか、それを考えるのはまず、我々なのだ、ということを、この小説は読者それぞれの胸に突きつけてくる。 改めて書こう。野田新総理、新内閣のメンバー全員にぜひ読んでほしい一冊であり、また、国民一人一人がこの国の未来について考えるきっかけとなる作品だと思う。 | ||||
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著者には珍しい政治ネタですが、経済と政治は切っても切れない関係なので何の違和感もありませんし、利権に絡む国際間の取引の描写は本当に上手いと思います。 大震災から1年経った日本に新星のごとくカリスマ的な首相が現れ、停滞感の渦中の日本原子力発電の技術で復活させる施策で国民に希望を与えます。その活動を支える補佐官と権力に対して常に否定的な新聞記者の2人の活躍を軸に話は進みます。国民に希望を与えてくれた施策を推進するために官邸が行った数々の裏工作に対して正義感との間で苦悩する主人公達の行動が物語に引き込んでくれます。 しかし、著者の「ハゲタカ」以外の著作はすべてそうですが、「ハゲタカ」のように話に引き込む力強さは最後まで感じられません。話の筋自体は今の情勢と照らし合わせてもとても興味深いのですが、登場人物になかなか感情移入する事ができませんでした。これは、主人公は存在するのですが登場人物に対するメリハリがなく、人物の感情描写などが散漫になっているためではないかとおもえます。 著者のファンなので「ハゲタカ」のようにぐいぐい引っ張ってくれる作品を期待しています。 | ||||
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地震と原発事故を背景に政治の世界を描写した作品である。 少し嫌味な神林と生真面目な白石が主人公で、描写されている他のキャラも実在の人物とダブって面白い。 無私な政治家が、虚栄心を満たすために権力を行使し独裁者に近付いて行く。 これまでの作品と趣を変えて政治の世界を描写した作品である。 スピーディーな展開と圧倒的な筆致は、流石である。 ただ、登場人物が多く焦点がぼやけた感じは否めない。 しかし、地震を見て手を入れた真山氏の思いが感じられる熱い作品である。 現実の政治と見比べると宮藤のような政治家の出現を期待してしまう、そんな気持ちになった。 | ||||
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