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コラプティオ
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コラプティオの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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本書は『売国』に次いで私が読んだ著者2作目。作品のモチーフがどこにあるかは別として、震災後の原発を取り上げていながら安全性への検証が杜撰。読者を暗に「再稼働」へ誘導する姿勢がみえる。 | ||||
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真山仁さんの本です。 東日本大震災の後、日本にあらわれた総理の宮藤。その宮藤を支える政策秘書となった白石。 白石は原発メーカーを国有化し、新しい原発政策を提言しており、宮藤に見込まれる。 原発政策をすっぱ抜くべく、白石の同級生だった神林という新聞記者がまわりをかぎまわる。 そんななか、アフリカのウエステリアという国で革命がおこり、日本人が殺害される。 このウエステリアは、実はウラン鉱床があり、日本は原発推進のために、それを狙っており、 どうやら、革命を支持したのは、日本ではないのかとの疑惑がもちあがる。 「正義」なのか、それとも「政治」なのか。 二つのはざまで揺れ動く白石。 はたして、宮藤政権の政策の行方は…。 慇懃無礼で時代錯誤の田坂という「総理の右腕」である秘書やら、 神林に顰蹙を買いながらも、しかし食らいついたらはなさない敏腕記者の「闘犬」こと東郷やら、 個性豊かなキャラがでてきます。 とくに、田坂の、何を考えているのかわからない態度がねぇ…賛否別れるかなぁ。 神林に情報をくれる、謎の「ディープスロート」ですが、実は、途中から、ひょっとして…と正体に目星がついて、実際に読みすすめると、僕の予想通りでして、にんまりしました。 次から次へと飽きずに展開するので、その展開を楽しむ本でした。 | ||||
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真山作品ファンとして期待して読んだがそれほどの内容では無かった。 総理の犯罪としては迫力なかったし、大手家電メーカの国策会社としての取り込みも迫力に欠けていた。 秘書官の役割、新聞記者の言動も今一つだった。 一般文学通算1372作品目の感想。2016/11/22 18:25 | ||||
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原発の立地のどろどろした闇も書いてほしかった、官僚や企業ももっとひどいことしてます。 | ||||
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国民の代表者が独裁者に変わろうとしていく様を書いていってますが、ページ数が少ない為か表現しきれていない気がします 上下刊に分けてページ数を増やせば素晴らしい小説になっていたと思われるので残念です ハゲタカやベイジンの出来が素晴らしかっただけに、ページ数の制約を受けない状態での小説が読みたかったです | ||||
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原発震災後の日本に彗星のごとく現れ、巧みな話術と強烈なカリスマ性とリーダーシップで意気消沈した国民に希望を与え、見事に国を立て直した首相、30代前半の首相の政策ブレーン、そのブレーンとは高校時代の同級生である大手新聞記者、この3人を中心に、原発事故後の日本のエネルギー政策(具体的には原発輸出)、エネルギー安保の一環としての発展途上国援助と云った内外の、ありそうで無さそうな、無さそうで実はありそうな政治状況を絡ませ、「理想的なリーダーが、いかにして権力の魔性に憑りつかれて堕落していくか」が描かれる、いわば日本版「オール・ザ・キングスメン」(1949年制作のアメリカ映画、日本公開は1976年、リメイク版は2006年制作。原作はロバート・ペン・ウォーレン作「すべて王の臣」白水社刊)と云った趣の小説です。 前半は、首相官邸を舞台に、エスタブリッシュメント、輝かしいパワーエリート、その候補生たちがきらびやかに紹介され、社会の落ちこぼれを自認する私にとっては眩しくてかなわない世界にウンザリしましたが、中盤からは登場人物それぞれの疑心暗鬼、理想と現実の相克、夢の崩壊が徐々に明らかになるにつれて「これは意外に」と期待させられたものの、終盤に至り、「正義とはなんだのかんだの」と青臭い書生論が丸出しとなり、勧善懲悪の劇画のようになって終わってしまいました。 だいたいね、何が不満かと言って、主要な登場人物がみんなカッコよすぎるんですよ。現実を見てください。3.11の時、全国民の前に政府が晒した、あのすべてに後手後手の体たらく。日本にはパワーエリートなんてものはいやしないんだという現実を全国民が認識してしまった後だというのに、なんでこんなカッコつけたキャラクターばかりを登場させるんだろうとアホらしくなりましたが、「あとがき」によれば、この小説が雑誌に連載されたのは2010年から2011年春先にかけてで、最終回締め切り後に3.11を迎えたんだとか。それで単行本化に際して加筆修正して現在の姿になったそうで、まあそういう事情があるならば、登場人物のありえないカッコよさも許せるというものです。 しかしカッコよさを抜きにしても、まるで魅力が無いね、この3人。むしろ登場人物の中で面白かったのは、それぞれの上司にあたる首相秘書官、ベテラン新聞記者、あとは海外利権に目ざとい海千山千の野党政治家の3人。この3人の方が、主役3人組よりも生き生きしていて、小説の主役としてはふさわしいんじゃないの? こういう得体の知れない妖怪みたいな連中が跋扈する魑魅魍魎の世界を描いた政治小説を読んでみたいなあ。 それにしても、この小説の背景にある「原発震災から見事に立ち直った日本」て何なんだろうね。汚染水浄化装置も凍土遮水壁もあまりうまくいっていないようだし、13万人の原発避難民の帰還の目途も立たんし、現実に「見事に立ち直る」のは、いつになることやら。もっとも、「すでに立ち直った」という妄想に浸ることは得意ですけどね、島国の神憑り農耕呪術民族は。 | ||||
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物語は宮藤総理が原発輸出を経済の起爆剤にするというストーリーを軸に展開していく。 原発事故の前に書かれたものを原発事故後に大幅に加筆修正し、2011年7月に出版されたもの。修正前の話は読んでいないが、話の大きな幹は変わっていないと思う。原発事故で日本人が受けた心理的ショックを無視できないので、最低限(とはいえ膨大な)の修正をしたのだと推測。事故後に修正はしているとはいえ、その後予想以上の反原発のうねりが明らかになった今では、いかんせんリアリティに欠けてしまった感がある。 「ベイジン」でも原発を扱っていたという著者だが、原発はあくまで生活を便利にして経済をよくするための道具というような認識しかなく、原発の問題点はあまり理解していないようだ。 その点は非常に不満だが、アフリカやODA、途上国支援のあり方に目を向けさせてくれたことには感謝。商売上、「原発小説でござい」みたいな売り方をしているが、主題はODAの方だろう。この点は関係者にもかなり取材して書いているようなので、事実とそう違わないのだろうし、色々と考えさせられる。 宮藤総理のアフリカ援助のあり方が最後に問題になるが、ここの捉え方は人それぞれだろう。ウラン資源確保のためというリアリティのない国益ではあるが、私は国益を重視する宮藤総理を支持する。 | ||||
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原子力行政と政治というタイムリーなテーマであるだけに、物語としては大いに興味をそそられる内容だった。 しかしながら、登場するのは、いかにもテレビドラマに出てきそうなステレオタイプの人物ばかり。作り物のような人達に、あまり感情移入することはできなかった。さらにいえば、発展途上国との付き合い方など、内容が膨らみすぎて、散漫かつ浮薄な印象が否めない。読後は、不完全燃焼といった感じが残ってしまう。 それに、現在の実態(首相官邸前での毎週金曜日のデモなど、脱原発の声が日増しに大きくなっている)を踏まえれば、著者の未来予測の誤りは明らかであり、それが物語全体のリアリティーを損なわせている。 ただし、現実の政治を考えると、マスコミも国民も、どこかでこの物語の中の宮藤総理的なカリスマ政治家の登場を待望しているようなところがあり、それに対する警鐘としては、意味のある小説だと思う。 雑誌連載時とは違い、単行本化にあたって、震災後という設定に変えたようだが、そのへんの辻褄合わせ的な綻びがうかがえなくもない。 経済小説からポリティカルミステリーへと新しい境地を開いた著者には、さらなる良作を期待したい。 | ||||
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題名のコラプティオとは、ラテン語で「汚職・腐敗」の意味。内容は、政権交代を果たしたカリスマ総理大臣が、地熱発電開発を主軸に日本経済を立て直すつもりが、実は身勝手で利権にまみれた存在だったことを秘書が暴く話である。もちろん、ストーリーも内容も惹きこまれる面白さがあるにはあるが、「ハゲタカ」「レッドゾーン」や「マグマ」で見せた筆者の切れの鋭さはさほど感じられない。 3.11震災以降、マスコミに「再生可能エネルギー専門家」として推進の旗手のように奉られて、ちょっと本人も有頂天になりすぎているのでは。もう少し本業の執筆業で頑張りましょう。 | ||||
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真山仁が初めて挑んだ政治小説ということで期待して読んだが、読後感は余りよくなかった。 舞台は震災後3年が経過した日本。震災による打撃により経済が停滞し、自信を失った日本を立て直すべく登場したカリスマ的な魅力と先見性を有する宮藤総理は、強力な指導力を発揮して日本を引っ張る。但し本書の主人公は宮藤総理ではなく、宮藤に仕える若手の政治学者の白石望だ。 理想に燃えた政治家であった宮藤が次第に回りの意見に耳を傾けず独裁的な傾向を強めていく姿が、白石の目を通して描かれるが、本書のテーマが独裁者批判なのかというとそれだけではない。国益のために少数の国民の生命を犠牲にしてよいのか、腐敗した途上国と付き合うに際し賄賂を贈ることは許されないのか、といった重い命題も提示されている。 著者のスタンスは、日本人の死者が出るとすぐその責任を追求したがるマスコミに対しては批判的であるが、かといってこれらを許しているわけではない。正論のみで国益を守ることができればそれに越したことはないわけだが、それが叶わない時にどのような対応を取るべきなのか。第三者的な立場で宮藤総理を批判するのは簡単だと思うが、それは何の責任も負っていないからできることだ。仮に自分がそのような立場であったら決断は簡単ではなかったと思う。 本書でもその答えは出していないが、宮藤を悪者にしてしまったまとめ方はやや安易。結局は正論のみを掲げる従来の日本のマスコミ的な論調の域を出ていないのが残念だった。 | ||||
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著者には珍しい政治ネタですが、経済と政治は切っても切れない関係なので何の違和感もありませんし、利権に絡む国際間の取引の描写は本当に上手いと思います。 大震災から1年経った日本に新星のごとくカリスマ的な首相が現れ、停滞感の渦中の日本原子力発電の技術で復活させる施策で国民に希望を与えます。その活動を支える補佐官と権力に対して常に否定的な新聞記者の2人の活躍を軸に話は進みます。国民に希望を与えてくれた施策を推進するために官邸が行った数々の裏工作に対して正義感との間で苦悩する主人公達の行動が物語に引き込んでくれます。 しかし、著者の「ハゲタカ」以外の著作はすべてそうですが、「ハゲタカ」のように話に引き込む力強さは最後まで感じられません。話の筋自体は今の情勢と照らし合わせてもとても興味深いのですが、登場人物になかなか感情移入する事ができませんでした。これは、主人公は存在するのですが登場人物に対するメリハリがなく、人物の感情描写などが散漫になっているためではないかとおもえます。 著者のファンなので「ハゲタカ」のようにぐいぐい引っ張ってくれる作品を期待しています。 | ||||
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