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鹿男あをによし
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鹿男あをによしの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全158件 81~100 5/8ページ
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歴史的な事実と人物、 さらには自身の作品で使った場所までストーリーとリンクさせた所に心地よさを覚えました。 各所にシュールな万城目ギャグを配し読者を楽しませつつ、人間社会が崩壊する危機を救うべく(単に鹿男が嫌との考え方も否めない)立ち上がった教師(大学の教授に無理矢理押し付けられたという説もある)と、周囲の人々や力を持った動物達とのやりとりの日々、といった感じでストーリーは展開していく。 そして、後半に行われる剣道の試合には爽快感を感じ、サンカクがいよいよピンチを迎えるとき現れた救世主の一言にニヤリ。 ラストシーンに残しておいた仕掛けに納得納得。素晴らしい作品でした。個人的には、語り手が鹿せんべいを持ち出した交渉は大変気に入りました。 | ||||
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主筋とは全く別に、明らかな「坊ちゃん」へのオマージュ作品になっている。 東京から奈良の女子高に赴任する教師が主人公、悪役の教頭は赤シャツで、協力する同志は堀田という女子生徒、同系列の京都校にはマドンナがおり、主人公は奈良公園で鹿せんべいを齧ってみた翌日黒板に「鹿せんべい、そんなにうまいか」と落書きされたりする。 また、京都校の先生が長岡先生、大阪校の先生が南場先生というのも面白い。 小林信彦の「うらなり」 うらなり (文春文庫)もそうだが、このように、本歌取りができるのは、本歌の内容がよほど人口に膾炙しているからである。若い人の読書離れでそういう作品が減っていくのが淋しい。 中村吉右衛門も、小さいときに祖父の養子(先代吉右衛門の娘である母親がが先代幸四郎との結婚を「家が絶える」と父に反対されたところ、「私は必ず男の子を二人生んでひとりをこちらの後継ぎにします」と約束してその通りになったそうだ)になり、ぐれかけていたのを「坊ちゃんの清のようなばあやが献身的に可愛がってくれたおかげで、今日の自分がある」といっている。 | ||||
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もうすでに『おもしろい』という評判なんですなあ。ちと、おくれておりますが これはおもろいです。めっちゃおもろいです。幸せになれます。 | ||||
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本書は万城目学氏による直木賞候補作。 鹿に話しかけられた臨時教員が、日本を救う為に奔走する救国物語。 舞台は奈良。主人公は神経衰弱とされて療養を兼ね奈良の女子高校教師として赴任した「先生」。 先生はある日、原っぱで鹿に話しかけられ、「目」持ってこいという指令を受ける。 しかしなかなか現実として受け入れることができないため、業を煮やした鹿に「印」を付けられ、徐々に顔が鹿化するはめになる。 さらに、生徒である堀田の謎の行動に頭を抱える。 それらが徐々に結びついたとき、本気で日本を救うために先生は立ち上がる。 「鴨川ホルモー」を読み終わった後、既に文庫化されていた本書を迷わず手に取った。 前作と変わらず、よくわからないタイトルである。 しかし「運び番」「目」など謎のキーワードが徐々に明らかになってゆく過程など、前作同様に面白い。 キャラとしては鹿のインパクトが強い。雌鹿なのに話し方も声もおっさん。 しかもポッキーが好物で、食べながら「ああ」という気味の悪い声を出したシーンを想像した時には笑ってしまった。 さらに堀田の存在感も際立っていた。 数少ないセリフ、謎の言動、そして野性的魚顔。 間違いなくストーリー上のキーマンなんだろうが、これがなかなかベールを脱がない。 前作の凡ちゃん同様、そこがよかった。 加えて、日本の歴史的背景や八百よろずの神についてもふんだんに盛り込まれている。 これらは奈良という舞台の厚みと重みを醸し出し、少しのリアリティを出すのにうまく機能していたと思う。 前作同様、取り憑かれたように読み切った。 まさに神懸かり的な面白さ。 | ||||
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大学の研究室でトラブルをおこした主人公が奈良の女子校の臨時講師に送られ、鹿や狐や鼠にまじわる不可思議な騒動に巻き込まれていく。主人公が鹿の使いに失敗して「鹿男」になっていく下りは脱力するが、「目」「サンカク」と呼ばれる神器や、天災と日本神話、邪馬台国、卑弥呼との連携、奈良、古墳群、石舞台といった舞台設定など非常によく計算されており、どんどん引き込まれていきます.神話ファンタジーなのですが、ミステリ要素も強くとても楽しめました.ラストのマドンナとの関係や堀田との別れのシーンなどエピローグの落としどころも流石で無駄がありません。同じ京大出身の森美登美彦氏と雰囲気が似ていますが、彼が感性でコメディを書く作家なのにたいして、万城目学氏は理性でファンタジーを書く作家といったところでしょう。完璧主義なのか、寡作なのが残念です。もっと読みたい! | ||||
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かつて「鴨川ホルモー」の爆発的な面白さに触れているので、期待して読み始める。奈良を舞台とする、今回も異界の物語である。結論としては、今回も十分に楽しんだ。張り巡らせた伏線がきちんと最後には生きて、収まりのよい物語になっており、読後感も非常によい。しかし「鴨川」に比べると、僅差で負け、だろうかと思う。 それは一つには土地柄であろうか。京の都が、この世のものでない何かが跳梁するにふさわしい場であるのに対して、奈良という土地は同じ古都であり神域であったとしても、雰囲気が違う。神性がより深く歴史の奥底に沈んで、もはや凝固してしまったかに思える街だと思う。ここにも神や妖異はいるのだが、この世との因縁を断ち切り、深い眠りについている、という印象である。だからかえって人間の思うがままに、軽薄な小都市の様相をみせる街である。鹿も観光客相手の商売人にみえるのが現実。 そんな奈良が舞台になったことの違和感が、近畿地方在住の私にはあった。とても、とても面白かったのだけれど、この世のものでない者たちが今ひとつ精彩を欠くのは、やはり設定に多少無理があったからではないか。後半いったん盛り上がった後で勢いを落とされたことにも、構成上疑問を感じる。対して本作を救っているのが堀田イトの存在感!敏捷な女子高生の小悪魔性を描いて見事。またどこかで姿を変えて出てきてほしい。 | ||||
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「鴨川ホルモー」があまりに面白かったので、この作品も読みました。 この作品も面白い。鹿がしゃべる、とか、自分の顔が鹿になる、とか、 非現実的な話なのに、巧みな描写で、非現実性を感じさせない。 主人公の優柔不断な性格設定や、物語の構成(止むを得ない事情で 闘って勝たねばならない状況に追い込まれる)は、ホルモーと似ています。 闘う手段が前作のホルモーの方が私には面白かったけど、剣道をやっている 人なら、こちらの方が面白いかもしれません。 奈良の描写も素晴らしく、奈良に行きたくなります。 鹿はしゃべってはくれないだろうけれど、じっと見てしまいそう。 | ||||
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タイトルもいいし、内容もちょっとしたファンタジーで面白かった。 ドラマも見てみたいと思った。 | ||||
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本書は、紹介の仕方が難しい小説です。 実際に読んでみればすぐに面白いと分かるのですが、その内容を一言で説明するのはとてもむずかしい。 というわけで、本書の特長を、箇条書き風に、ピックアップしてみました。 1.「学園青春小説である」 主人公は冴えない大学院生&臨時高校教師。少しばかり自意識過剰なダメ男が周りの人々や鹿(?)との関わりを通して成長していく様は、 まさしく学泉青春小説というにふさわしい流れです。 2.「歴史小説である」 本書では、実際に登場することはありませんが、古代神話上の神々が、重要な役割を演じています。 3.「ファンタジー小説である」 中年おやじの声で話す、ポッキーが大好きな「メス」鹿が、普通に町を闊歩できるのは、本書がファンタジー小説だからです。 4.「パロディー小説である」 本書の解説者も指摘していましたが、本書前半部の物語展開、キャラクター設定は、夏目漱石の「あの小説」を彷彿とさせます。 このように、本書は色々なジャンルがごちゃ混ぜになっているのですが、 それらを適度にブレンドして一大娯楽小説へ仕上げるのが、著者の得意技なのでしょう。 このような作風の作家はほとんどいないので(森見登美彦さんぐらいでしょうか)、 当世風の言葉を使うなら、万城目さんは、「ナンバーワンよりオンリーワン」的な作家と言えるかも知れません。 ともあれ、これからも注目したい作家です。 | ||||
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大学の研究室から奈良の女子高に2学期だけの予定で赴任した主人公は剣道部の顧問になり、奈良、京都、大阪の3校対抗試合に臨む。 一方、雌鹿が渋い男性の声で「さあ、神無月だ。出番だよ、先生」と話しかけてきた。奇想天外な出来事に巻き込まれた「鹿男」はこの国を救うことができるのか。 章立てとしては葉月(8月)から霜月(11月)に分かれていますが、実質は長月(9月)と神無月(10月)の2ヶ月間の奈良での物語です。1800年前から60年ごと「神の無い月」にしなければならないことがあると雌鹿から聞き、ある物を「狐」から受け取って来いという。もしも間に合わなければ「この国は滅ぶ」と。 これは面白かった。剣道の試合はハラハラしましたし、ラストも素敵でした。「鴨川ホルモー」と共にお勧めです! | ||||
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面白くなかった訳じゃありません。 読んでて不快な気分にもならなかったし、多分再読もするだろうし。 ただ、レビューの高評価の嵐に驚いています。 …ていうか、ドラマのCMのイメージやタイトルからして、私はこの話がコメディーなんだと思い込んでた様です。 ゲッツ板谷やナンシー関みたいに、露骨に笑わせ様とはしてない文章かもしれない。 しかし村上春樹の「かえるくん、東京を救う」や「羊を巡る冒険」みたいなユーモアのある文章や展開なんじゃないか?と。 で、思いの外真面目な文章と物語に軽く肩透かし、と。 とにかく中盤までは退屈でした。 期待しすぎたんでしょうね…。 (しかし鹿が喋る話と聞いたらそりゃあ真面目な話じゃないと思うだろー) | ||||
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『鴨川ホルモー』もそうであったが、いかにもありそうでなさそう、なさそうでありそうな話です。でもやっぱりないよなあ。しかしあって欲しいなあという話なのです。どちらも読んでいない方にはさっぱり判りませんよね、スミマセン。万城目氏の紡ぐ話はとにかく楽しい。屈託がない。浅いといえば浅い、決して深いとは言えないのですが、ではこの物語を他の人が書けるかといえばそれはなかなか難しい。これだけの才能に恵まれた人はそうはいないと思います。読み出したら最後、物語世界にどんどん引き込まれ途中で止めることなど出来ません。読後感も爽やか、なんとなく元気になっているような小説です。読者を意識して、読者を楽しませるためにきちんと作られた小説。万城目氏の頭の良さに脱帽です。 | ||||
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前作の「鴨川ホルモー」が面白かったので文庫になったこの本には速攻飛びついて、あっという間に読んでしまった。 個人的には前作よりこっちの方がずっと好き。 前のはなんかちょっとダークな風味もちらほらして、微妙に読後感が良くなかった気がする。 いや、それはそれで良かったのだけど。 こっちはずっとさわやか。 主人公のマドンナへの思いと失意が前作ほど重くないのがいいのだろうし、剣道少女や藤原くんの存在がいい味を出している。 後は個人的に今はまっている奈良が舞台というのもいい。 平城宮とかを中心に箸墓古墳とかまで含めて奈良の名所をまんべんなく描いてくれたのも こないだ平城京遷都1300年祭に行った私がにまにましてしまう所。 本当に面白い小説でした。 | ||||
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奈良の女子高に赴任した臨時教師が巻き込まれる不思議なファンタジー。読み始めてから一度も止めることなく最後まで読み切ってしまった。 ストーリー自体はシンプルで、あまりひねりもないけど、それがかえっていい。一直線にラストまで突き進む筆力は、感心する。本当にストーリーテラーとしての才能を感じる。『鴨川ホルモー』も良かったけど、こちらもお気に入り。 | ||||
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ドラマがとっても面白かったので原作を読みたかったのですが、単行本は1575円と 高かったので文庫に落ちるのを待ってました。 文庫が出たと同時に購入、予想はしていましたがやはり原作も大変面白く、文章の 読みやすさも手伝って、たった1日で読破してしまいました。内容については単行本 の方でレビューがたくさん付いており、そちらも参考にされるとよいでしょう。 ここでは主にドラマとの相違について述べます。 ドラマ版は原作をほぼ忠実にドラマ化していますが、大きな変更点が2つあります。 1つは「藤原君」が男性から女性に変更されたこと、もう1つは「鼠の使い番」 (ドラマでは「鼠の運び番」だが同一人物)を突き止める方法が違うことです。 藤原君を男性から女性に変更したことは大成功でした。というか綾瀬はるかさんを 抜擢したことに拍手を贈りたい。綾瀬さんが出演することによってドラマがより面 白くなったことは間違いありません(原作版の藤原君も味があって好きですが)。 一方、「鼠の使い番(運び番)」の突き止め方は原作の方がスッキリしています。これ を詳しく説明してしまうとネタバレになってしまうので述べませんが、ドラマでの突 き止め方よりも直接的に証明されており、ここは原作の方に分があると個人的には思 いました。ドラマしか観ていない方にとっては新鮮で楽しめるところだと思います。 それにしても万城目学先生の作品はみな面白い。個人的には今一押しの作家です! | ||||
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07年04月の単行本の文庫化.08年にはフジテレビ系列で連続ドラマにもなった作品です. 葉月から霜月までの四ヶ月,四章構成の物語は神無月にあたる三章が全体の約8割を占め, 二章の終わりに,プロローグ的だったそれまでからいよいよ動き始める事が示唆されると, その先への期待が広がるとともに,おかしくも不思議な世界にスッと引き込まれていきます. ややボリュームがあり,三章がかなり長いせいで少しばかり中だるみする感はありますが, ある『勝負』が描かれる場面は,緊張感と併せて美しさががあって再度引きつけられますし, 暮らす町並みや景色など,何気ない風景が自然と浮かんでくる描写も読みやすくて好印象です. 話だけを拾えば確かに荒唐無稽なのですが,歴史ある奈良が舞台になっている事が大きく, 卑弥呼など有名な伝説や遺跡が絡む事で,そこへと繋がる人や時間,物へのロマンが膨らみ, あり得ない話とわかっていても,「もしかしたら…?」などと考えてしまう楽しさがあります. また,ほのかなロマンスと切なさの漂うラストも,キレイで心地の良い幕引きだったと思います. なお,巻末にある解説はドラマにも出演されていた俳優の児玉清さんが書かれています. | ||||
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07年04月の単行本の文庫化.08年にはフジテレビ系列で連続ドラマにもなった作品です. 葉月から霜月までの四ヶ月,四章構成の物語は神無月にあたる三章が全体の約8割を占め, 二章の終わりに,プロローグ的だったそれまでからいよいよ動き始める事が示唆されると, その先への期待が広がるとともに,おかしくも不思議な世界にスッと引き込まれていきます. ややボリュームがあり,三章がかなり長いせいで少しばかり中だるみする感はありますが, ある『勝負』が描かれる場面は,緊張感と併せて美しさががあって再度引きつけられますし, 暮らす町並みや景色など,何気ない風景が自然と浮かんでくる描写も読みやすくて好印象です. 話だけを拾えば確かに荒唐無稽なのですが,歴史ある奈良が舞台になっている事が大きく, 卑弥呼など有名な伝説や遺跡が絡む事で,そこへと繋がる人や時間,物へのロマンが膨らみ, あり得ない話とわかっていても,「もしかしたら…?」などと考えてしまう楽しさがあります. また,ほのかなロマンスと切なさの漂うラストも,キレイで心地の良い幕引きだったと思います. なお,巻末にある解説はドラマにも出演されていた俳優の児玉清さんが書かれています. | ||||
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京都の次に選んだ舞台は奈良です。 奈良には友達が住んでいたので、 よく遊びに行きました。 奈良公園の燈火会で シカが蝋燭を食べていたのには驚きでしたが。 平城京跡の桜がきれいらしいので、 今年は見に行きたいですね。 奈良のことを思い出させてくれた 歴史と神話の物語でございます。 | ||||
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すぐに届けていただきました。商品も、新品同様で、良い買い物が出来ました。ありがとうございました。 | ||||
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文章をこんなに面白く書けるものなのかと、びっくりさせられる作品です。ストーリーも素晴らしいのですが、とにかく文章に笑わされます。実際の奈良を思い出しつつ読むと、懐かしいような、さびしいような、嬉しいような気持ちにさせてくれる作品です。 | ||||
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