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(短編集)
望郷
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望郷の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.91pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全16件 1~16 1/1ページ
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島に架けられた本土とつなぐ大きな橋。その橋が見えるところで暮らす島民の、 愛する故郷でおきた出来事。六つの物語が、島の生活、大事件、過去の出来事の 真相、それらを描写する。 父の失踪とそれにまつわる一家の哀しい生活。まだ子どもだった主人公と残さ れた母との二人暮らし。そこに闖入する正体不明の男性。無遠慮な男性の疎まし さが、決して何かを求めるためにしたことではなく、「真実」を伝えるものであ ったこと。淡々とした会話の中で、少しずつそのベールが剥がされていく。 みかん畑での作業を嫌がる姉。この島に閉じ込められているという閉塞感が物 語を重苦しくする。突然島を出て、20年も音信不通だった姉から、その失踪の 理由が明かされる。驚くべき理由があった。島の市制が終わる日に20年前の出 来事がよみがえる。 とにかく田舎を出たい。この気持ちが心を荒ませる。進学のことで対立する母 娘。あまりに酷い状況でこのまま島を出なくてはならなかったこと。 「ドリームランド(ディズニーのこと)」で過去を思いだし、そこに非日常の陥 穽がある。語りは面白いが、時系列に無理があり中途半端な短編。 いじめっ子が友人面をして、有名になった主人公に連絡し、歌を願う。ひたす ら下卑た卑しい尊大な友人。いやいやながらの出席で、主人公の過去を面前で暴 く。その後の物語が話を締めくくる。 島をめぐる六つの物語。 湊かなえという作家は、文章は平明であり決して美しい文章を書く人ではない。 最初のページに、「高層ビルの隙間から怯えるように灰色の空を見上げる。翼を もがれた我が魂を、母の子守歌のごとくなぐさめる」という文章があった。随分 と推敲したのだろうが、あまりに「技巧がない」としか感じられなかった。だが、 小説全体ではその他の文章は簡単だが不思議に心に残る。凝った文章ではなく、 文章に閉じ込められた小説の筋としての面白さが、魅力的ではある。湊かなえが 嫌いな人には、「稚拙」と言う表現があてはまるだろうが、私は結構好きな作家。 ただ、著者の言葉に関する感覚、特に会話は(計算しているのだろうか)あま りにも人を傷つける言葉を使い過ぎている。これは読むと暗澹とする以上に不快 感が残った。これは大きなマイナス。 また、「いじめ」に関することが実に多い。これが物語にリアリティをもたら し、筋を面白くさせているが、「いじめ」を多用することは褒められたことでは ない。 以上を考えて、好きな作家ですが、 ☆☆☆ のみ | ||||
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バックナンバーの方が良い | ||||
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同じ島でも、島の印象、過ごした時間、思い出や、思いはそれぞれ人によって違う。読み始めたら止まらない小説でした。良かったです。 | ||||
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作者のファンですが、意外性もサスペンスや推理色もかなり少ないです。 | ||||
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一見、事件性のない物語のようだけど、次第に深刻になっていくという展開のため 全体的に大人しい印象を受けましたが、まあまあ面白かったです。 島に住むそれぞれの人が、それぞれの悩みを抱えていて、 いろいろな視点から読めたのが興味深かったです。 ただ、どの話も、特異な人は登場せず、世間のそのへんにいそうな人達が登場するため、 わかりやすい反面、あまり心には響きませんでした。 でも「海の星」は深くて重い話で、好きです。 | ||||
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「海の星」目当てで購入。作品自体は良いと思うが、日本推理作家協会賞受賞という期待感とはかけ離れていた。トリックに期待せず、エッセイを展開した短編物語として読んでいたら読後のわだかまりは感じなかったと思う。そういう意味では、タイトルを「海の星」ではなく、それこそ「望郷」として欲しかった。良い作品ということを強調した上で、私が感じたトリックへの欲求不満を具体的に挙げると、「妻」のことばに作者からの言わされている感が出すぎていたこと、象徴的な場面の描写、例えば海の星が出現するシーンで近くのカップルのはしゃぐ姿を否定するほどにはその美しさを読者の頭に再現しきれていないというか、作者のこだわりが感じられないこと、おっさんの母に対する失敗シーンにおける台詞がどこか他人事のように感じられること、母の最期の願いの展開は良いが、おっさんが気にしていた彼女が待ち続けた想いへの補償が無視されているというか、そこに「さびき」的な仕掛けが出来なかったのかということなど、いずれもトリックへの強い先入観を抱かなければ無視できた。「推理」とか「海の星」という先入観を持たせたマスコミ的な宣伝や解説は、この作品に込められた「何か」をぼやかし、売れたかも知れないが作品の価値に副作用をもたらしたと感じる。ただ、登場人物の望郷の想い、心のすれ違い、こだわりを展開した面白い作品であることは間違いない。皆による海の星の再現にはきっとお母さんも参加したことでしょう。 | ||||
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日本推理作家協会賞受賞! 都会から離れた島に生まれ、育った人々。 島を憎み、愛し、島を離れ、でも心は島にひきずられたまま―― 閉ざされた“世界"を舞台に、複雑な心模様を鮮やかに描く湊さんの連作短編(全六編)。 収録作「海の星」が日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞、選考委員の北村薫氏は、 「鮮やかな逆転がありながら、小説の効果のための意外性のため無理に組み立てられた物語ではない。筋の運びを支える魚料理などの扱いもいい。(中略)――ほとんど名人の技である」と絶賛。 自身も“島"で生きてきた湊さんが「自分にしか書けない物語を書いた」と言い切る会心作。島に生まれ育った私たちが抱える故郷への愛と憎しみ…屈折した心が生む六つの事件。 | ||||
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安くて状態が良い商品で良かった。湊かなえ作品らしく後味の悪い小説です。 | ||||
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湊かなえさんの本、何冊か読んでいます。 短編集だったのですね。短編集だと、湊かなえさんの魅力を、最大限に発揮しきれていないところが残念でした。 一話目なんてそこから続きが読みたかったくらいなので、やはり湊かなえさんには短編集より一冊丸々と。 | ||||
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"とても良いと思いますが、最近忙しくてまだ読み終わっていません。 " | ||||
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読後の印象は「見事だ」です。 余りに鮮やか過ぎて、逆に読後の感慨がなかった。「心を揺す振られる」前に「感服」してしまった感じ。 楽しく読みました。 | ||||
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「みかんの花」、「海の星」、「夢の国」、「雲の糸」、「石の十字架」及び「光の航路」の6つの作品から構成される白綱島(作者の出身地である因島をモデルとした架空の島)を舞台として故郷をテーマとした連作短編集。島を出て行った者、出て行かざるを得なかった者、島に残った者、残らざるを得なかった者という様々な立場の人々の人間模様を"家族"に焦点を当てて描いた作品である。 作者のデビュー作「告白」を読んで、その悪意小説振りに辟易して以来(新聞のインタビュー記事で作者がミステリに関しては素人である事も知った)、作者の作品からは遠ざかっていたのだが、本作の世評が高かったため、久し振りに手に採ってみた。冒頭の「みかんの花」を読んだ時はミステリ色の濃い作品かと思ったが、続く短編は単に作者自身の感傷をダラダラと綴っただけの凡庸な内容。本作は悪意小説ではないものの、敢えて描き込むだけの新しいテーマを有しているとは思えない。本土と橋だけで結ばれている孤島というシチュエーションを除けば、親子の相克と和解、"いじめ"問題等、ありふれた題材ばかりなのにはガッカリした。 作者が抒情性を強調している事もあって読後感は悪くはないものの、読み応えという点では物足りなかった。作者が島暮らしをしていた時の夢の実現・鬱憤晴らしをしている感さえ覚えた。ミステリ短編集とするためには、「みかんの花」級の短編を並べるべきだし、"家族"に焦点を当てた抒情的短編集とするためには、もっとテーマ及び各編の構成を練るべきだったろう。 | ||||
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島での生活、島民の心情、閉塞感。 今ひとつピンとこない。 私が都会育ちの為なのでしょうか。 説得力が感じられません。 | ||||
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内容は素晴らしかったのですが、帯に破れがあり、残念でした。 湊さんの本は保存予定なので、帯も大事なんです。 | ||||
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男性に全てが伝わるかは疑問ですが、女性ならこの著者の心理描写からくるエグさに毎回ドキリとくる事と思います。 本作品は、短編の連作です。孤島を舞台とした閉塞感が、シチュエーションものみたいな感じを醸し出しています。文体は湊さんお得意の、いつもの感じでした。サバサバとかドライとかには無縁の、都市部では味わえない?湿度の高い怖さがあります。 湊作品はチョロチョロ読んでいますが、〔告白〕が短編発展型と聞いているせいか、短編作品にこそ力を発揮する方だと思いました。ただ、私の中ではまだ〔告白〕を超えるのは難しいかな、と。 | ||||
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読みやすい短編集だった。 ちょこちょこ人は死ぬけど、湊さんならではの濃いブラックさも薄く、各編の登場人物につながりもなく、サファイアのような盛り上がりもなく、特徴のない一冊だった。 湊さんファンなら読んでおいてもいいかな。って感じ。 湊さんファンでないなら特にこの本を選ぶ理由はないと思います。 | ||||
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