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きよしこ



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【この小説が収録されている参考書籍】
きよしこ
きよしこ (新潮文庫)

きよしこの評価: 4.67/5点 レビュー 143件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.67pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全143件 101~120 6/8ページ
No.43:
(5pt)

重松さんの自伝的作品

吃音の少年がいる。
 その母親から手紙を受け取った重松さんは、返事の代わりに、この短編集を綴っていく。自らの少年時代の、重い吃音の体験に基づいた、少年時代を・・・
 
--

 「きよしこ」って、どういう意味なの――?
 訊けなかった。「キ」で始まる言葉だったから。

--

 僕は吃音はなかったけれど、発音障害はそれなりのものだったから、ここに書かれている気持ちは、とてもよく分かります。
 けれども描写は、障害ではなく少年の内面に置かれていて、しっかりと読ませる文章になっている。不思議と爽やかな読後感でした。
きよしこ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:きよしこ (新潮文庫)より
4101349177
No.42:
(5pt)

伝えたいのは言葉だけではないけれど

吃音のために言いたいことが言えなかった少年のお話し。
カ行、タ行、濁音が苦手です。
苦手な単語は自分の言える言葉に直して話すのです。
でも、それでは本当に言いたいことが伝わらない。
そういうのって、悔しいですよね。
逆に僕は昔、言葉が話せなければ良いと思った時期がありました。
話すのが下手だから、誤解されることもないし、傷つかないし、傷つけることもない。
でも、話せた方が良いに決まってる。
少年はいろいろな人と関わりながら、力強く青年へ成長して行きます。
この小説は同じ吃音の子供を持つ母親から、作者に励ましてくれるように頼まれ、
手紙の返事の代わりに書いたメッセージだそうです。
このメッセージは、しっかり伝わっていることだと思います。
きよしこ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:きよしこ (新潮文庫)より
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No.41:
(5pt)

きよしこがぼくの前にあれわれる。

7つの短編の物語がつながっていて、きよし少年が、吃音と向き合いながら成長していく作品。

小学校時代に転校が多かった少年の心理と、はじめて挨拶するドキドキ感をうまくかけている。

特に「ゲルマ」は非常に哀愁漂ういい作品だ。

まさに重松清色が濃く表現されている一冊だと思う。
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4101349177
No.40:
(5pt)

少年の気持ちがカーンと胸に響く

言葉の最初の音がつっかえてしまう、吃音(きつおん)症の少年のきよし。きよし少年は、父親の仕事の都合で、小学生の頃から何度も転校を繰り返しています。せっかく友達ができたと思ったら転校。自己紹介で失敗したけど、ようやく周りと馴染めたかなと思ったら、また転校。それにしても、言葉がつっかえてしまうこの吃音、なんとかならんのか。
 そんなきよし少年の小学一年生から高校三年生までの思い出の出来事が、アルバムの中の写真を見るような感じで描かれていきます。

 「きよしこ」「乗り換え案内」「どんぐりのココロ」「北風ぴゅう太」「ゲルマ」「交差点」「東京」の七つの話。さびしかったり、いらついたりする少年の気持ちがカーンと胸に響くみたいな、しんみりとしてしまう話の味わい。涙腺にじわじわーっとくる話が多かったですね。

 それだけ取り出してみればなんてことなくても、その話では不思議にあたたかな光を放っている描写がとても上手いなあと思いました。
 母親が、フライパンの中の卵を菜箸で手早くかき回すところ。机の上に、飴色に透き通った蝉の抜け殻が置いてあるところ。両手を広げて走る少年のほっぺたに、冷たいしずくが飛んできて触れるところ。そういう文章の味わいが実にいいんだなあ。あたたかいんだなあ。

 それと、話の最初に置かれた木内達朗の挿絵がいいですね。話にすっと入っていける挿絵であり、話にぴったりの挿絵に◎を。
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No.39:
(5pt)

ほのぼの、ホロリ。

どもってしまう少年の気持ち、置かれる立場など

重松さんご自身の経験から実にわかりやすく表現されており、

何度も読みたい作品です。
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No.38:
(5pt)

主人公がいいやつだ。

吃音に悩んだ作者自身の少年時代をモチーフにした,7つの連作短編集。ほかの重松短編と異なり主人公が変わらないので,長編のように違和感無く読めます。

ハンディキャップのある主人公のお話にもかかわらず,物語が重くない。それが,吃音の克服自体よりも,転校を繰り返した小学校時代に味わった疎外感と,野球に打ち込んだ中学時代の交友関係が生々しく描かれているからでしょう。

とにかく主人公“白石きよし”がいいヤツだ。自分のハンデに負けてない。特に「交差点」は,それまで描かれてきた過去がリンクした,いい話に仕上がってます。

巻末のあさのあつこ氏の解説には,ホント同意します。
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No.37:
(5pt)

流したことのない涙

大人になった今でも言いたい事が言えず悔しくて悲しい思いをする。それでまただめだって思うの…だめになんかなってない。いつか手をつなぎたいと思う人が手をつなぎ返してくれる人が現れるって言葉に胸が打たれた。キャンディポットのあたりから最後の章には涙がでた。温かい優しい感じで励まされるような…。淡々と吃音の少年が大人へと成長していく話。それだけなのに淡くて切ないそして胸にぐっとくる言葉が詰まった本。素敵なお話だと思う。きよしこはきよし自身だったのかもしれない…
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No.36:
(5pt)

思い出した。

小学校の時に吃音の矯正の為、毎週2回ほど聾唖学校に通う友人がいました。
ずいぶん前のことなのですが差別とも同情とも言える複雑な気持ちが、
自分にもまわりにもありました。彼が普通授業で、例えば音読をするときなどには
教室が凍り付いた様になったのを記憶しています。この感じ、気持ちは
吃音ではない者からの感情や意識の代表形ではないかと思いますが、
この「きよしこ」は吃音を持つ方自身の感情やアクションや、そしてリアクション
の代表類形なのだろうななどと今更ながらに思い出した、というより思い起こした様な気がしました。
重松さんの本は読後の静かな清澄感が好きですが、私はこの「きよしこ」読後感が一番好きです。
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4101349177
No.35:
(5pt)

きれいな気持ちになれました

自分が言いたくても言えない事がある。

そんな男の子のお話なんですが、読んだあとに凄く純粋な気持ちになることが出来ました。

自分が子供のときと少し重なるところがあって楽しめました。
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No.34:
(5pt)

「人間肯定」重松清

重松の描く人間は大人であれ子供であれ何らかの問題を抱えている(この「きよしこ」で言えば主人公キヨシの吃音)。しかしその問題に悩みながらもその問題と真剣に対峙し、受け止め、前向きに生きていこうとする姿が心を打つ。どこにでもいる、市井の人々の抱える問題は一般的、普遍的で共感を持って読み進めていくことができる。
 重松の文章からは、どんなことにも前向きに、諦めない「人間肯定」を感じる。悩める現代(いま)を生きる私たちに答えを示してくれるわけではないが、立ち向かう勇気を与えてくれる。
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No.33:
(5pt)

地味だけど

言いたくてもいえない多くの言葉を胸にしまったまま成長してゆく少年のお話。物語は七つに別れ、その時々で少年を取り巻く人々の吃音に対する反応も違う。物語が暗くならないのは、一つ一つの物語の終わりが、問題を乗り越えてゆく少年の力を予感させるからだろう。
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No.32:
(5pt)

余韻を残すエピソード

吃音に悩む少年の人間模様、一期一会。

もう会えないことを伝えられないままの別れや最後まで描かれない出来事など、

一つ一つのエピソードはもどかしさや切なさを残して終わっていきますが、

それらに共通するのは「あたたかさ」という余韻。

人は完全に分かり合うことは出来ないけれど、分かり合えるものは確かにある。

そんなことを考え、それはとても幸せなことなんじゃないかと思うことが出来ました。

重松さんの作品の中でも、最も寄り添ってくれるような優しさに溢れた作品だと思います。
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No.31:
(4pt)

100%は分かり合えないけど。

主人公のキヨシは吃音(どもり)に悩む少年だ。

彼はあらゆる場面で言いたいことが言えない。

そしてその思いをどうにか他の方法で伝えられないか思い悩む。

でも実はこれって、普通の会話が出来る僕らも同じなんじゃないだろうか。

そもそも言いたいことが言えるコトなんて、実はそんなに多くない。

だから毎日悩んでそれでも誰かに伝えようとする。

物語は、

吃音矯正の学校での出会いから始まり、引越し先の酔っ払いのおっちゃんや、

小学校の劇の思い出から中学、高校へと少年の成長と出会いを描いている。

特に中学以降の大人になりかけの少年たちの純粋さと狡さの描写がうまい。

不完全で不器用なコミュニケーションながらも絡まり続ける人間関係は、

人間の強さも弱さも描きだしていて純粋に良い小説だなぁと思ってしまった。

作者の重松 清さんのあるコラムからの引用

「人間と人間は百パーセントわかりあえるべきものなのだとしたら……たぶん、小説はずっと昔に滅びていただろうと思います。」

なんとなくこの小説で伝えられたことを全て含んでいる言葉だと思った。
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No.30:
(5pt)

号泣するというよりは、心が震える名作

ひらがな四文字の本のタイトルから受け取れるような<あたたかい>物語。言葉がつっかえる吃音症のせいで、他人とのコミュニケーションに苦しむ主人公の少年が、少しずつ成長していく。

ファンタジーめいたタイトルだけど、お話は決して空想に逃げこんで解決するわけではない。辛い現実と向き合いながら頑張っていくリアルな少年の心が伝わってくる。

「言いたいことがいえない」多くの子どもたち、そして大人たちへの温かいメッセージだと思う。

号泣するというわけではないけれど、どのエピソードにも心をくすぐられ、震わされ、時に涙がこぼれました。
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4101349177
No.29:
(5pt)

僕とよく似た少年の話をしよう・・・

父親の仕事の関係で転校が多いが、自己紹介が苦手な少年。自己紹介で自分の名前の「キヨシ」を言うときにうまく「キ」を言うことができずに、吃音がばれてしまうのではないかと恐れているから・・。

吃音の少年を主人公に小学校から高校までの思い出を描いた連作短編集。

1年足らずで転校を繰り返し、吃音のためにうまく友達を作れない少年の悲しい思い出を、著者の回想という形を取りながら描いていく。子供の視点で描かれるストーリーは重松清の得意とするところ。ただ著者のうまいところは、時折現れる、成長し大人になった視点だ。この絶妙の描写に読者は自分の思い出とリンクされる思いがするのだろう。

一通り語り終えた後に描かれる現代の著者のエピソードで感動の追い討ちをかけるところまで見事。
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No.28:
(5pt)

親子で読める・・・そんな本です。

主人公の少年は吃音に悩み、父親の度重なる転勤で転校を余儀なくされる中…出会った人々との係わり合い、出来事を通じた心の内外を描いた(小学生から大学受験までの)物語です。

転校をする事は子供にとっては一大事ですが少年は吃音の為、からかわれるので更に思った事が伝えられず悔しい思いを繰り返します。

そんな中…読み手として魅力を感じる人物や出来事が心を暖めてくれました。

 又…この作品の書かれた重松清さんの思いが伝わり心が和みました。是非、教育現場でも使用して欲しいと思いました。
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4101349177
No.27:
(4pt)

きよしこ

の夜。仲良くなりたいけど一歩踏み込めない。

そんな心理描写がうまい!本当はああ言いたいのに、

こう言いたいのに。誰にでもあることだけど吃音の主人公

きよしは常にその状態です。もどかしくてどうしようもなくて、

分かって欲しいけど知ったかぶりはされたくない。

ひねくれて自分が嫌になるけど、そんな自分も受け入れていこうって

思えるような素敵なお話しでした。
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No.26:
(4pt)

重松氏ならではの愛

この本は、吃音の子を持つ小学生の親から届いた手紙からすべてがはじまります。アドバイスとしての手紙は書かないものの・・・終わりが近づくにつれて、その意図がわかってくるのです。

著者の重松氏は登場人物に少年をあつかうことが多いです。この本はまさにその代表作といってもいいでしょう。しかし、彼の「少年」はいつも「少年」であっても大人に通じる感情をもっています。そこが、重松ワールドだと思うんですが、どうでしょうか?
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No.25:
(5pt)

泣きます。

今ここに自分はいるのに、

時間が一気に小学生に戻り、主人公のとなりにいるような感覚。

そして、懐かしい気持ちを呼び覚ましてくれて、涙が止まらなくなるんです。
きよしこ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:きよしこ (新潮文庫)より
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No.24:
(5pt)

伝わる言葉。

吃音に悩み、そのために言葉にならずに飲み込んだたくさんの言葉。
そんな少年がクリスマスに出会った「きよしこ」
「ほんとうに伝えたいことだったら、伝わるよ、きっと」
この言葉は、少年だけじゃなくて、みんなに当てはまることなのではないかと思います。
伝えたいことをうまく言葉にできなくて、もどかしい、悔しい、
そういう思いをしたことがある人はとても多いと思うから。
でもきっと、本当に伝えたかったことは、相手に伝わっているのかもしれない、
そう思うと、なんだか心があたたかくなりました。

少年を主人公とした7話の短編から成り立った作品です。
どの作品も、静かに心に響いてきましたが、
その中でも「どんぐりのココロ」が私の中では印象が強いです。
うまく学校に馴染めない時に出会ったおっちゃんとのお話。
最後のほうで少年が自転車を走らせながら歌うところでは、思わず涙がこぼれてしまいました。

その他の6話も、すべて、あったかくて切なくて、
読み終えた後、あったかい気持ちになれると思います。
きよしこ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:きよしこ (新潮文庫)より
4101349177

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