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(短編集)
バチカン奇跡調査官 天使と悪魔のゲーム
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バチカン奇跡調査官 天使と悪魔のゲームの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.87pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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今まで1冊完結の、大きな物語をずっと読んできたわけですが、この本は幕間のような気持ちになります。 本編もそろそろ「何か」が見えて来そう……?というタイミングで、この本なのは、良いと思いました。 今まで毎回物語に登場しながらも、あまりスポットライトの当たらなかったキャラクターが掘り下げられていて、これから本編を読む時の手助けになると思います。 ただ、このシリーズに興味あるけど既刊を全部読むのは大変だから、雰囲気だけ掴もうと思って、短編集のこの本を読もうという方にはお勧めしません。 既刊を全て読んだ上での短編集でした。スピンオフかもしれません。 | ||||
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ずいぶん早い新刊と思ったら、番外編を集めた短編集でした。 登場人物のなれ初め等、本編では描かれていない部分の話となっています。 | ||||
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シリーズ登場人物の過去が描かれた4編。 「サタンの裁き」の前後に読んでもいいと思う。 シリーズの中では、一番サクサク読める。 読み終わったら、やっぱり長編が読みたくなる。 | ||||
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これまでのシリーズに登場した重要人物の過去にまつわる短篇集。 8ページから277ページまでに4話も収録されているので、それぞれに読み応えはやや寂しいですが、ふとした間に読み終える聖書的でとてもよい話ばかりです。 聖書は何を言わんとしているかわかりにくい例えが多いのですが、バチカン奇跡調査官のシリーズは、柔らかく解釈できる部分も多くあり、興味深く、新刊を大変楽しみにしている作品です。 私は無神論者ですが、キリスト教の倫理観は好きですし、信仰によって救われるなら、宗教は必要だと思います。 どれだけ澱みない自分を保てるかが個人の課題と思いますので、このシリーズには共感できます。 また、重要人物の過去がスピンオフで語られるのは、ファンにとってありがたいことです。 特にロベルトと平賀については、今後も出して貰いたいと思います。 今回、思いがけない感動を得たので、興奮冷めやらぬうちに、レビューすることにしました。 ほぼ一読したのみなので、内容と一致していない部分がありましたら申し訳ありません。 以下、あらすじを含みます。未読の方はご注意ください。 ============== 【日だまりのあるところ】 とある4月の日曜日、母校の図書館に向かったロベルト。 その日は、彼にとっての『特別な日』。 彼は一冊の本を取り、建物の裏手にあるかつての憩いの場に向かった。 『特別な日』を軸に、少年時代に出会った忘れ得ない人物ヨゼフへの憧憬が描かれています。 今のロベルトがあるのは、ランバルド司祭と上級生ヨゼフの関わりあってこそ、のようです。 ランバルド司祭のくだりは、あっけないのですが、始まりとして、とても重要です。 そして、比較的早い段階で、ヨゼフに死亡フラグが立ちます。 それはどんどん色濃く現れ、ヨゼフはとうとうロベルトの目の前で倒れてしまう。 ここからの展開は、本当に素敵なので、ぜひ沢山の人に読んでもらいたいと思います。 ※個人的な感想ですが、私は、ヨゼフがロベルトの前に現れてからは、涙腺が緩みっぱなしでした。 バチカンシリーズは、いわゆる感動するであろう箇所で白けずに読めるところが好きです。 説明や場面が長すぎず、救いがある。 一話目は、年甲斐もなく最後まで泣くことをやめられず、翌日、目が腫れました。 短編にもかかわらず、この一遍は、シリーズ中で一番好きな話かもしれません。 涙が止まらないのは非常に稀なことで、自分でも驚きました。 【天使と悪魔のゲーム】 前作で明らかになったローレン=バチカンに収監?されている天才少年という事実。 収監の理由と、ローレンと平賀が興じている『天使と悪魔のゲーム』の始まりが描かれています。 ローレンの頭脳は、その発明ともども、国家的、ひいては世界的財産かつ、転じて恐ろしい存在。 膨大な研究費調達のため、ローレンは犯罪組織との売買契約をも厭わない。 彼を差し押さえ、今後も野放しにはできないと考えた国家は、紆余曲折の末、バチカンに委ねた。 ローレンの育った環境には問題はなかったが、卓越した頭脳・論理思考によって、一般的倫理観が著しく欠如しており、間接的にも犯罪に手を染めかねない。 そのため、非常に重厚な警備・監視の元、研究生活を送ることとなったローレン。 彼は同時に、倫理観の育成のため、週一度のキリスト教神父による説法を義務付けられる。 ローレンは、あまりの頭脳明晰さ故、周囲に白けていたが、天才科学者の平賀の経歴に興味を示し、神父に指名、ローレンが無神論者であることから、キリスト教信仰を賭けて、平賀考案のゲームを始めた。二人が常時興じている『天使と悪魔のゲーム』である。 進行中に平賀の不思議な話が展開します。これだけでも短編になっています。 ※キリスト教は矛盾も多いながら、アガペーの精神は世紀を超えても尚、素晴らしい思想だと思います。 天才科学者で真からのキリスト教信者という設定は、現実に難しいかもしれませんが、純粋で勤勉、思いやりあふれる平賀は、ロベルトでなくとも、愛すべき人物に違いないのです。 悪魔の子の話も秀逸です。 私は、カトリック系学校で数年キリスト教の授業を学び、その矛盾に悩んでいましたが、その頃にこの作品を読むことができたら、昇華できたような気がします。 わかりやすく、善良な、このバチカンシリーズを、若い世代に読んでもらいたいと思います。 特に、二編、三編はとてもキリスト教的な話で、授業に出てきそうな話でした。 【サウロ、闇を祓う手】 ロベルトと平賀の上司にして、偉大なるエクソシスト・サウロ司教の過去。 今では右に出るものがいないほどのエクソシストであるサウロも、貧しく不幸な生い立ちであり、信仰の薄い若者だった。 ゴロツキの父のせいで、両親はいつも喧嘩が絶えず、その間、家に入れない幼少期のサウロ。 ひどい雨の日にも外にいたサウロは、ザカリア司祭に見出される。 その後、父が家財を持って蒸発したため、さらに貧しくなったファジオーリ家では、サウロを育てることができず、兼ねてよりサウロを望んでいたザカリア司祭と養子縁組させた。 多忙なザカリアの元、サウロは修道士らと不自由ないが窮屈な生活を送る。 ある時、母恋しさから、実家を訪ねたものの、母の再婚を知り、自暴自棄になって祖母から貰った十字架を野に捨てた。 その時から、サウロが信仰心を見失った際に赤い目の人物がサウロの前に出没し始める。 年月が過ぎ、サウロは礼儀正しく見た目にも良い青年に成長した。 ザカリアのエクソシスト行脚に同行し、修行する毎日。 ある時、赴く前から手遅れとわかる一例からの依頼があり、ザカリアは最後の手段によって悪魔を退散させたが、それはザカリアの魂を引換にししたものだった。 契約実行までの数時間、サウロは義父から胸に迫る深い思いを伝えられる。 義父の命は絶たれたが、信仰を新たにしたサウロは一人で悪魔に対峙していく。 ※著者の作品は、このバチカンシリーズしか知らないのですが、いつも思いがけない設定に驚きます。 サウロ司教もまた、不幸な生い立ちであり、信仰の薄い日々だったとは。 途中、性的表現もあり、それも驚きでした。 蝿のくだりが何の伏線なんだろうかと思って読み進めましたが、最後に明かされます。 自らの信仰心を疑っているロベルトを後継者として見守っているようで、今後の展開が楽しみです。 【ファンダンゴ】 クリスマスに起こった殺人現場の犯人視点から物語が始まります。 それは一瞬で、すぐに彼の過去に移り変わります。 ジョナサン・ウイルセイントという、眉目秀麗の子供。 父親は不明だったが、盲目的な愛を注ぐ財産家の母親によって、彼はどんどん我儘尽くしの人格となり、極悪非道の生活を送ようになる。 少年期に仲間と殺人を犯したことをきっかけに実家を離れ、イギリスの厳格な寄宿学校に特待生として編入し、カリスマ性を発揮しつつ悪に手を染めるジョナサン。 ある日、編入が難しいはずのその学校に、新たに編入してきた少年が。 彼は口元までの仮面を被り、名前をジョナサン・ウイルセイントと名乗った。同姓同名! 仮面は、事故によるためとのことだったが、その年月が、以前起こした殺人と同時期なことに驚く。 しかも、自分より何につけても秀でており、目の上のたんこぶである。 周囲が、ジョナサン同士が似ているという噂をし始め、ジョナサンは、夜こっそり仮面の彼の部屋に忍び込んで仮面を剥いだところ、自分と瓜二つの顔がそこにあった。 夢中で逃げたジョナサンは、その後実家に連れ戻されたが、母を厭い、西海岸の大学に通うべく転居する。 酒池肉林の生活におぼれていると、例の仮面の男が現れたため、恐れたジョナサンは田舎に逃げ延び、偽名を使いひっそりと生活したが、ハッキングの腕があがり、悪事に手を染め始める。 二人のパートナーを見つけラスベガスで一財産作ったところで、自分の偽物によって嵌められてしまったジョナサン。 当然、それは同じ顔をした仮面の男に違いない。 パートナーを殺害し、無我夢中で逃げたのは実家だった。そこにいたのは、、、。 ※クリスマスを題材にしている話でした。発売日がそうですし、調度良いですね。 初盤は何が何だかわからず始まり、途中までバチカンシリーズとは別物?かと思うほど関連が無かったのですが、終盤やっと誰の話かがわかり、すっきりしました。 本編で彼(仮面の男ではない方)が出てきたのはあっという間で、これはその後に書かれたのでしょうが、後付にしてはぴたりと当てはまってよかったです。 | ||||
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